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スバンテ・ペーボ

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スバンテ・ペーボ Prof. Dr. Svante Pääbo
1955年4月20日ストックホルム生まれ。スウェーデン人。古生物遺伝学者。ライプツィヒのマックス・プランク進化人類学研究所で遺伝学部門を率いる。
©ECKEHARD SCHULZ/AP/Press Association Images

「このDNAは未知のヒト属である可能性を示しています」と、慎重な表現で研究を発表したのは昨年3月。シベリア・アルタイ地方のデニソワ洞窟で発見された、わずか7ミリメートルの指の骨が本当に別系列の人類のものかどうかは、まだ確認できなかったのだ。

しかし12月、発見地から命名されたその「デニソワ人」は、絶滅した旧人類ネアンデルタール人との共通先祖から分岐した兄弟種にあたり、同じく絶滅したが、遺伝子は現生人類との交雑によってメラネシア諸島の現代人に伝わっていると発表、世界を驚愕させた。

1982年にノーベル医学賞を受賞した生化学者、スネ・ベリストロームを父に持つ。ウプサラ大学でエジプト学、ロシア語、科学史、医学を学び、86年に分子免疫学で博士号を取得。カリフォルニア大学で研究を進め、90年にミュンヘン大学から生物学教授へと招へいされたのを機に、ドイツ在住者となった。

楽しくてたまらないといった表情で話す。その顔がメディアに頻繁に登場するようになったのは、06年にネアンデルタール人のゲノム解析計画を発表してから。昨年5月には、アフリカ以外の現生人類にネアンデルタール人が数%混じっていると報告、騒ぎを呼んだ。

つまり、40万年前にアフリカを出た集団がネアンデルタール人とデニソワ人に分かれ、6万年前にアフリカを出たホモ・サピエンスは中東域でネアンデルタール人と交雑して東西に拡散、うち東南アジア方面へ進んだ一派がデニソワ人と出合い、3万年前に交雑したとのこと。古代ロマンの世界だ。

 
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高橋容子 ドイツニュースダイジェスト創刊時からの常連ライター。日本で文芸映像翻訳を手がけ、渡欧。英・独・豪と移り、現在はスペインのバスク州暮らし。 www.geocities.jp/takahashi_mormann
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