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ギュンター・ヴァルラフ

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ギュンター・ヴァルラフGünter Wallraff
1942年10月1日ノルトライン=ヴェストファーレン州ブルシャイト生まれ。アンダーカバージャーナリスト。
©Kiepenheuer & Witsch Verlag

国際的に知られるアンダーカバージャーナリストである。これまで様々な人物になりすまし、非正規雇用、移民差別、闇労働などの社会問題を次々に暴いてきた。ところが先頃、元アシスタント(自称)から「失業給付金をもらいつつ低賃金で働く実習生として搾取された」と訴えられて立場が逆転。糾弾される側に立っている。  

アルコール中毒患者、原発労働者、ギリシャの軍事独裁に反対するアテネの学生、ホームレス、黒人難民など、変装したキャラクターは数えきれない。武器商人に扮してポルトガル元大統領スピノラ将軍の権力復帰計画を暴き(1976年)、ビルト紙に潜り込んで記事捏造の内情を掴んだこともある(77年)。下請け企業で働く外国人労働者への搾取を暴いたノンフィクション『最底辺 Ganz unten―トルコ人に変身して見た祖国・西ドイツ 』(86年)は各国語に翻訳され、ドキュメンタリー映画にもなった。日本でイラン人労働者に変装したこともある(90年)。  

前述の自称・元秘書アンドレ・ファーネマン(34)とも、コールセンターへの偽装潜入を通して知り合った。同センターの元派遣社員だった人物の体験談は面白く、2008年に月給1000ユーロで雑務処理に採用。放火と文書偽造で4年間刑務所に入っていたという経歴は、自らも違法ぎりぎりで取材するジャーナリストにとってむしろ興味深かったのだろう。この危うい関係がブーメランのように返ってきてしまった今となっては誰も責められず、苦虫をかみつぶしている。

 
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高橋容子 ドイツニュースダイジェスト創刊時からの常連ライター。日本で文芸映像翻訳を手がけ、渡欧。英・独・豪と移り、現在はスペインのバスク州暮らし。 www.geocities.jp/takahashi_mormann
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