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アンドレア・マリア・シェンケル

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アンドレア・マリア・シェンケル Andrea Maria Schenkel
1962年レーゲンスブルク生まれ。デビュー作 『Tannöd』でドイツ推理小説賞ほかを受賞した。

処女作『Tannöd』で文壇にデビューしたのは昨年の春。ビギナーズラックだと言われながら、数カ月間で売り上げを30万部にまで伸ばし、それまで外国物が主流だった推理小説界にドイツ語作家ブームを巻き起こした。そして先ごろは2作目の『Kalteis』をたちまちベストセラー入りさせ、批評家たちに確かな才能の裏づけを示している。

2年前、「ストーリーを終章まで書けるかどうか試したくて」ラップトップを開くまでは、開業医である夫の診療所を助け、3人の子どもを育てる主婦だった。幼いころから本の虫だったが、親の方針に従ってレアルシューレ(実科高校)へ行き、郵便局に就職。結婚し、母になり、不満はないと思いながらも、他人の人生を生きているような感覚があったという。その“傍観者的な視線”が、犯罪小説の冷めた描写に力を発揮したようだ。

1、2作目とも実在の事件をモデルにしてい る。『Tannöd』で描いた一家6人の未解決殺人事件は、1922年にバイエルン州の人里離れた 農家で発生。殺人者と証言者の目で語る方法をとったのは、「刑事警察の視点に個人的に飽きている」からだった。1939年に女性4人を殺し、内密に処刑された鉄道員を描いた『Kalteis』では、アーリア人に性犯罪はないとするナチスのイデオロギー、カトリック教会、村落共同体の内側を鋭くえぐった。

バイエルンの物書き主婦と呼ばれるようになった今、問題は家族である。手抜きの食事に長男はふくれっつら。仰天している夫の方は、まだ作品を読めない状態だとか。

 
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高橋容子 ドイツニュースダイジェスト創刊時からの常連ライター。日本で文芸映像翻訳を手がけ、渡欧。英・独・豪と移り、現在はスペインのバスク州暮らし。 www.geocities.jp/takahashi_mormann
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