マクデブルク事件の裁判が始まるクリスマスマーケット襲撃で6人が死亡
今回の裁判のために特設されたマクデブルクの裁判施設
昨年ザクセン=アンハルト州マクデブルクで起こったクリスマスマーケット襲撃事件の犯人に対する裁判が始まった。11日付の南ドイツ新聞などが報じた。
この事件では、昨年12月24日の午後7時頃、犯人のタリブ・Aが車でマクデブルク中心部のクリスマスマーケットに突入。これによって5人の女性と9歳の男の子の合計6人が亡くなったほか、多数の人に重軽傷を負わせる大惨事となった。犯人のAは今回、検察により6件の殺害と338件の殺害未遂、309件の深刻な傷害で訴えられており、起訴状の読み上げには2時間以上の時間を要した。しかしこの間、被告が感情をあらわにする様子はなかった。
裁判で陳述を求められたAは、冒頭で哲学者のヴォルテールに言及し、「自分こそが欧州における最初のイスラム批判者だ」と主張した。そのあと、犠牲者の遺族に対するごく短い謝罪の言葉が述べられ、メディアと警察を批判する長い演説が続いた。
Aはサウジアラビア出身の医師で、2006年に自国の奨学金でドイツに留学、精神科医として教育を受けた。その10年後に、自国からの政治的迫害を理由にドイツで難民として認定された。認定の根拠となったのは、Aのイスラムに対する拒絶的な態度だった。
一方で、2013年には犯罪行為をほのめかすなど公共の平和秩序を乱したという理由で、ロストック区裁判所から有罪判決を受けている。難民認定後は、イスラム批判者としての自分を演出し、X(旧ツイッター)でも4万4000人のフォロワーがいた。2019年には、フランクフルター・アルゲマイネ紙のインタビューに答えて、「善良なイスラム教徒などいない」などと発言。2023年末からは、陰謀論を引用して「欧州のイスラム化」を危険視する発言を繰り返していた。
同事件の裁判のためだけに、マクデブルクには裁判施設が特設された。共同告訴のために450人分の傍聴席が用意され、厳重警戒体制の下での開廷となった。
10 November 2025「民主主義は危機に瀕している」大統領が11月9日に演説
<ß>フランク=ヴァルター・シュタインマイヤー大統領は9日、大統領官邸のベルビュー宮殿で演説を行い、「東西再統一以来、これほどわれわれの国の民主主義と自由が脅かされていることはない」と述べた。10日付の南ドイツ新聞などが報じた。ß> <ß>大統領は演説の中で「われわれを脅かしているものの一つはロシアによる攻撃であり、これが守られるべき平和秩序を破壊している」と述べ、さらに「われわれは今まさに極右勢力に脅かされており、これが民主主義を破壊し、国民の支持を得ようとしている」と言及。「嵐が過ぎ去るのをただ待っているだけでは不十分だ」として「行動を起こさなければならない」と強調した。特に警察、連邦軍、教職者に対し「われわれの価値を防御しなければならない」と呼びかけた。ß> <ß>さらに極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)と協力しないことを定めた「防火壁」について、「過激派との政治的共同作業はあってはならない」と述べた。ß> 10 November 2025アフガニスタン避難民がメルツ首相に直訴いまだに2000人がパキスタンに
タリバン政権を逃れてパキスタンに避難しているアフガニスタン人が、メルツ首相(キリスト教民主同盟・CDU)に対して「約束を守るように」と訴える手紙を書き送った。10日付けの南ドイツ新聞が報じた。
2021年にタリバン政権が復権したとき、現地で欧米諸国の政府関係やNPOに従事していたアフガニスタン人に対し、ドイツ連邦政府は彼らの庇護と受け入れを約束。しかし、いまだに2000人のアフガニスタン人がパキスタンで立ち往生の状態にあり、今回彼らが初めてメルツ首相に対し自身の窮状を訴えた。
11 November 2025ヴァーゲンクネヒト氏がBSW代表を辞任党内に「基本価値委員会」を設置
ザーラ・ヴァーゲンクネヒト氏は、自ら創設し自身の名前を冠したザーラ・ヴァーゲンクネヒト同盟(BSW)の党代表を辞任することを発表した。11日付けの南ドイツ新聞などが報じた。
同氏は、党内で「基本価値委員会」を立ち上げてこれを率いていくとしている。党代表は、欧州議会議員のファビオ・デ・マージ氏とアミーラ・モハメド・アリ氏が引き継ぐ見込みとなっている。BSWは連邦議会選挙で9000票足りずに議会入りを果たせず、これを不当として現在、選挙審査委員会の決定を待っている。



インベスト・イン・ババリア
スケッチブック







