新たな兵役法を連邦議会で可決18歳の男性に適性検査とアンケート義務付け
5日に行われた反対デモには、ドイツ全体で5万5000人が参加した。写真はフライブルクのデモの様子
ドイツ連邦議会は、来年1月1日から新たな兵役法を施行することを可決した。5日付のターゲスシャウなどが報じた。
今回可決された兵役法では、2008年以降生まれを対象に、18歳に達した男性全てに適性検査と、兵役参加への意思などを確認するアンケート回答を義務付ける。女性に対しては任意のアンケートのみが実施される。兵役への参加は原則的に自由意思に基づくが、十分な兵役参加者が集まらなかった場合は、連邦議会において「必要に応じての兵役義務」の導入が可能になる。
同法案に対しては323人が賛成票を、272人が反対票を投じ、棄権票は1票だった。野党の緑の党、左翼党、ドイツのための選択肢(AfD)はそれぞれ異なる理由から反対票を投じた。連邦議会での可決によって、連邦参議院では19日に決議が行われる予定。
社会民主党(SPD)が「自由意思」の尊重を重要視する一方で、キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)からは疑義を呈する声が上がっており、「遅くとも2027年夏までには兵士が必要数に達しているかを見極めた上で、兵役義務に踏み切る必要がある」としている。緑の党のザラ・ナンニ議員は、兵役が18歳だけに適用されることを批判。「兵役を導入するのであれば、年配の世代も対象にするべきだ」として、ほかの年齢層にも兵役の枠を広げることを提案している。
現在、連邦軍における現役兵士の数は18万4000人。連邦政府は2035年までに25万5000〜27万人まで増やしたいとしている。兵役期間は6カ月で、兵役参加者には月2600ユーロ(税込)の報酬が支払われ、場合によっては普通自動車または大型トラック運転免許証取得のための補助金が支払われる。
兵役法が可決された5日、ドイツ各地の90都市では、「兵役に反対する学校ストライキ」の名の下に、兵役の対象者となる世代の高校生たちが学校を休んで抗議デモを行った。
5 Dezember 2025年金パッケージ、法案通過母親年金の拡充、アクティブ年金を導入
数週間にわたって連立政権内で物議をかもした年金パッケージ法案が連邦議会を通過した。5日付のターゲスシャウが報じた。
社会民主党(SPD)主導で策定された年金パッケージ法案では、年金水準を2031年7月1日まで平均賃金の48%まで据え置く、「年金水準の安定化」を骨子の一つとしており、さらに母親年金IIIによる子どもを持つ親の年金の平等化も盛り込まれている。また年金受給年齢に達した後も社会保険の対象となる仕事に従事する場合、月2000ユーロまでは非課税となるアクティブ年金も導入される。
連邦議会では318人が賛成票を、224が反対票を投じ、53人が棄権した。法案成立に必要な票数は316票で、最終的にこれを2票上回る結果となった。「若い世代に多大な負担をもたらす」と強硬に反対していたキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)の青年組織(JU)からは、最終的に7人が反対票を投じた。
8 Dezember 2025ヴァーゲンクネヒト氏が党首退任来年秋に党名変更へ
マクデブルクで開かれたBSWの連邦党大会で、同党創設者のザーラ・ヴァーゲンクネヒト氏に代わる新共同党首が選出。8日付の公共放送MDRなどが報じた。
後任には、同氏が強く支持してきたファビオ・デ・マージ氏とアミーラ・モハメド・アリ氏が選ばれた。来年秋以降、党名を「社会正義と経済の理性同盟」に変更するとしている。BSWは2024年1月、左翼党を離党したヴァーゲンクネヒト氏を中心に結成。今年2月の連邦議会選挙では僅差で議会入りを果たせず、BSWは票集計のやり直しを求めていたが却下された。
13 Dezember 2025家賃高騰で見えない貧困広がる収入の半分以上が家賃負担
家賃や諸経費の値上がりが原因で、ドイツの貧困率が想定されているよりも高いことがパリテ協会の調査で明らかになった。13日付のターゲスシャウが報じた。
連邦統計庁では、世帯収入が国内平均収入の60%以下を貧困危機層と定義し、約1200万人(14.3%)がこれに属するとみられている。しかしパリテ協会によると、この統計では住居費が考慮されておらず、昨今では収入の3分の1以上、場合によっては半分以上を住居費に充てる世帯が増加。実際には約1750万人(21.1%)以上が貧困危機層に相当すると指摘した。



インベスト・イン・ババリア
スケッチブック







