【ベルリン 5月26日 時事】ドイツのメルツ首相は26日、独公共放送とのインタビューで、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃について「何が目的なのか、もはや理解できない」と異例の批判を展開した。ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の歴史的責任から、イスラエルの存立を「国是」と位置付けるドイツは、これまでハマス壊滅を掲げるガザ侵攻を「自衛の権利」だと容認してきた。
メルツ氏は「民間人が巻き添えとなる被害がますます増えており、ハマスとの戦いだけでは正当化できない」と強調。イスラエルの政策に口を出すことについて、「(ドイツは)他のどの国よりも慎重でなければならない」としつつ、「国際人道法がたやすく侵害されるなら、独首相も何かを言わなければならない」と述べ、軍事作戦の見直しを求めた。
最近では英仏カナダが19日に共同声明でイスラエルを強く非難しており、批判を控えるドイツの国際的な孤立が際立っていた。独国内では、ガザへの支援物資の搬入を制限しつつ、軍事作戦を拡大するイスラエルを批判する声が強まっている。
6 Juni 2025 1243号
新政権発足
メルツ首相が目指す
ドイツの未来像