ジャパンダイジェスト

ベルリンらしい自由さ 月に一度の自転車のみの市

カラッと晴れた7月最初の日曜日、ベルリンの自転車のみの市を訪れました。新型コロナウイルス感染対策として、受付で個人情報を記入したのちに入場すると、広場にはたくさんの自転車。そして、飲み物を片手に物色する人や、修理のワークショップに参加する人たちが目に飛び込んできました。しばらくの間、接触制限のため開催が中止されていましたが、6月から再開されたこののみの市。現在はクロイツベルク、モアビット、プレンツラウアー・ベルクの3カ所で、それぞれおよそ月1回のペースで行われています。

色とりどりの自転車がずらりと並ぶ。値段はとても良心的です色とりどりの自転車がずらりと並ぶ。値段はとても良心的です

筆者が訪れたのは、モアビットの会場。広場には自転車がゆったりと並べられていますが、数はかなり多く、全部で数百台はありそうです。基本的にどれも中古で、状態がそこそこ良いものは100ユーロを切るくらい。古くてきれいなロードバイクには、400ユーロくらいの値段が付けられていました。ドイツで自転車を買った、もしくは買おうとした経験があるなら、その安さに驚かれる方も多いのではないでしょうか。

会場内では、気軽に試乗したり、修理について相談したりする人の姿も多く見られました。また、タイヤや鍵などのパーツの販売や、飲み物や食べ物の屋台など、いわゆるのみの市らしい光景も。それらのブースには垣根がほとんどなく、リラックスした雰囲気に包まれているところは「まさにベルリン」といった感じです。筆者自身も「この自転車欲しいなあ」と思いつつぶらぶらと歩き回り、とても楽しい時間を過ごすことができました。

会場内の至るところで自転車の修理をする姿が見られる会場内の至るところで自転車の修理をする姿が見られる

とはいえ、この催しはただの「ゆるい」イベントではありません。警察とも密接に協力し合って開催されていて、「盗品を出品しないこと」をモットーにしています。また、警察が会場の外で防犯登録の手続きを行うなど、新品のような保証期間こそないものの、購入後のアフターケアも万全です。

もし自分の自転車を売りたいという場合は、当日会場に自転車を持ち込めば、個人バイヤーとして販売できます。自分で売る自信がないという方や、会場でゆっくり楽しみたいという方のために、わずかな手数料で販売を代行してくれる委託サービスまで完備。もし売りたい自転車が壊れていても、「ここが壊れている」と明示すれば販売しても問題ありません。こんな自由度の高さも、自転車のみの市の大きな特徴といえるでしょう。

入口前に置かれた黒板。今後の予定のほか、距離を保つよう求める記述も入口前に置かれた黒板。今後の予定のほか、距離を保つよう求める記述も

新型コロナ感染拡大の影響で、自転車での旅行や、自転車そのものの需要が増しているとされるドイツ。ベルリンの自転車のみの市の人気は、今後より一層高まっていくに違いありません。安く、安全に中古自転車を買いたい・売りたいという方は、ぜひ一度足を運んでみてください。

ベルリン自転車のみの市:http://berlinerfahrradmarkt.de

 
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中村さん中村真人(なかむらまさと) 神奈川県横須賀市出身。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。現在はフリーのライター。著書に『ベルリンガイドブック』(学研プラス)など。
ブログ「ベルリン中央駅」 http://berlinhbf.com
守屋健(もりやたけし)
ドイツの自動車、ビール、そして音楽に魅せられて、2017年に渡独。現在はベルリンに居を構えるライター。健康維持のために始めたノルディックウォーキングは、今ではすっかりメインの趣味に昇格し、日々森を歩き回っている。
守屋 亜衣(もりや あい)
2010年頃からドイツ各地でアーティスト活動を開始し、2017年にベルリンへ移住。ファインアート、グラフィックデザイン、陶磁器の金継ぎなど、領域を横断しながら表現を続けている。古いぬいぐるみが大好き。
www.aimoliya.com
佐藤 駿(さとう しゅん)
ドイツの大学へ進学を夢見て移住した、ベルリン在住のアラサー。サッカーとビールが好きな一児のパパです。地元岩手県奥州市を盛り上げるために活動中。
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