世界中が注目するサッカーのワールド・カップ本選が、いよいよ6月11日から開始される。サッカーの母国の首都であり、世界中から移民が集まる多国籍都市ロンドンは、その独特の雰囲気を味わうには絶好の場所。大会期間中は、市内の至るところで、各国代表チームのユニフォームを着た応援団を見かけるはずだ。そこで今回紹介するのは、そうした各国代表の応援団が駆けつける、それぞれの国を背負ったロンドンの各国バー。この機会に、サッカーが好きな人はもちろん、お酒に、異文化に興味のある人は出掛けてみては?(本誌編集部)
カナリア軍団が一挙集結
Guanabara

「カナリア軍団」との異名を持つ、ブラジル代表のトレードマークである黄色いシャツに身を包んだ熱狂サポーターが、多数殺到するバー。劇場に隣接した小さな入り口から2階に上がると、市民会館の講堂を彷彿とさせるような奥行きを持つ、だだっ広いレストラン・エリアに到着する。普段はこのスペースがナイトクラブになったり、サンバのレッスンやソウル・ミュージックのライブ会場になったりするのだが、W杯開催中は、もちろんサッカーの中継を実施。中央正面に設置された大スクリーンでの観戦を楽しめる。
月〜土 17:00〜2:30 日17:00〜0:00
入場料金は、曜日やイベントの内容によって異なる
Parker Street WC2 5PW
Covent Garden
Tel: 020 7242 8600
www.guanabara.co.uk
北欧流でクールに盛り上がる
Nordic Bar

グループ・リーグにおいて、日本が最後に対戦することになる強豪デンマーク。ロンドン在住のデンマーク人が、静かにこよなく愛するのがこの「Nordic Bar」だ。ロンドン随一の繁華街であるオックスフォード・ストリートから続いているとは思えないほどの閑静な通りのしかも地下に店を構えている、知る人ぞ知る、まさに隠れ家的な北欧バー。入り口付近には、真夏でももみの木が置かれていて、食べ物も乳製品やサーモンといったお馴染みの北欧メニューが揃う。ここなら北欧流にクールに盛り上がることができるはず。
月〜木12:00〜23:00 金12:00〜0:00 土18:00〜0:00
25 Newman Street W1T 1PN
Oxford Circus
Tel: 020 7631 3174
www.nordicbar.com
前大会王者の拠点は24時間営業
Bar Italia

前大会覇者のイタリア代表の試合を観るなら、このカフェ& バー。ゲイ・カルチャーの発信地ともされるロンドンの繁華街、ソーホー地区の中心に建っている。こじんまりとしたスペースながらも、イタリア国旗で覆われた天井やサイン入りサッカー・ボールが置かれたカウンターなど、雰囲気は十分。またバーやクラブなどのナイト・スポットが点在する眠らない街ソーホーの店であるだけに、24時間にわたって営業しているのもうれしい。サンドウィッチなどのカフェ・メニューから、ワインやウイスキー、おつまみまで揃っている。
24時間営業
22 Frith Street, Soho W1D 4RF
Leicester Square
Tel: 020 7437 4520
www.baritaliasoho.co.uk
スポーツの生中継なら何でも来い
Walkabout

オーストラリア系列パブのチェーン店。コベント・ガーデン駅付近のほかに、ロンドン北部フィンチリー地区や同西部シェパーズ・ブッシュ地区など、ロンドン市内だけで7店舗を展開している。どの店舗でも、大型TVスクリーンによるラグビー、クリケット、F1などといったスポーツ中継が行われていて、W杯は全試合を放送。オーストラリアの大衆的なビール「Foster」を飲みながら、観戦に浸るべし。ちなみにこのスポーツ・バーは、夜になると「YMCA」などのお馴染みのヒットチャートが流れるナイトクラブへと変わる。
*住所が変わりました。詳細はウェブサイトをご参照ください。
月〜木 12:00〜23:00 金・土 12:00〜24:00 日 12:00〜22:30
11 Henrietta Street & 33 Maiden Lane, Covent Garden WC2E 8PY
Covent Garden
Tel: 020 7379 5555
www.walkaboutbars.co.uk
日本の対戦相手は意外な場所に
De Hems

「Amstel」「Lindeboom」などといったオランダ・ビールを出すこのパブが位置する場所は、意外にもロンドンの中華街の入り口。見た目はごく一般的なパブにしか見えないが、メニュー表をのぞけば、小さな揚げ物料理クロケットやオランダ・ソーセージといった、ビールと相性の良いオランダ料理が並んでいることに気付くだろう。さて、「オレンジ軍団」との異名を持つ強豪国オランダは、19日(土)の12時30分から日本代表と対戦。当日、中華街にはオレンジ色のユニフォームを着たファンたちが押し寄せるはず。
月〜土 10:00〜0:00 日 12:00〜22:30
11 Macclesfield Street W1D 5BW
Leceister Square
Tel: 020 7437 2494
開催国の応援団が集うのは隠れ人気店
The Bok Bar

この度、晴れてW杯本選の開催国となった南アフリカ。英国の旧植民地だった歴史もあって、南アフリカの移民は現在でも英国に数多く在住している。そのサポーターたちが集まる注目の応援スポットの一つが、大道芸人が路上パフォーマンスを繰り広げるロンドンの観光名所、コベント・ガーデンにある。1階部分は南アフリカの食材スーパーになっていて、地下に下りると大人の雰囲気を醸し出すバーに。数十人も入ればいっぱいになってしまうほどの小さなスペースは、週末ともなればすぐに満杯となる隠れ人気店となっている。
*このお店は閉店しました
月〜土 12:00〜23:00 日 11:00〜22:30
20 Bedford Street WC2E 9HP
Covent Garden
Tel: 020 7379 1734
家庭的レストランとナイトクラブが合体
St. Moritz

アルプスの高原の中に建てられた山小屋を思わせる、木材をふんだんに使った内装が特徴的なレストラン。ロンドンでは最も古い歴史を持つスイス料理店と言われており、チーズ・フォンデュやラクレットといった代表的なチーズ料理の味は、スイス国外では最高とされるほどの絶品。家族経営特有のその温かで落ち着いた雰囲気からは想像もつかないが、実はこの店の地下がナイトクラブで、レゲエやジャズなどのライブ会場として頻繁に利用されている。W杯期間中は、このクラブ・スペースにてスイス戦が放送される予定。
ランチ 月〜金 12:00〜15:00
ディナー、ナイトクラブ 月〜土 18:00〜23:30
161 Wardour Street W1V 3TA
Oxford Circus
Tel: 020 7734 3324
www.stmoritz-restaurant.co.uk
ロンドンでスペインの夏を堪能
Camino Bar & Restaurant

キングス・クロス・セント・パンクラス駅のすぐ横にある小道に入ると、突如として現れる巨大なレストラン。店内は天窓から溢れんばかりの自然光が差し込むレストランと、開放的な野外スペースを持つバー・エリアに分かれている。晴れの日には太陽の光を存分に浴びることができるこの場所で、チョリソ、ピンチョスなどといったタパスや、イベリコ豚を使った名物料理を口にすれば、ロンドンにいながらにしてスペイン気分を味わえること間違いなし。観戦スペースも十分にあるので、W杯期間中は大いに盛り上がるはずだ。
バー 月〜水 12:00〜0:00(木〜土は1:00まで、日は23:00まで)
レストランの営業時間は下記ウェブサイト参照
3 Varnishers Yard, The Regent Quarter N1 9FD
King's Cross St Pancras
Tel: 020 7841 7331
www.camino.uk.com
熱烈ファンのスタッフが待ち構える
Nueva Costa Dorada

ロンドン中心部トッテナム・コート・ロード駅近くの裏道にある、パラグアイ人オーナーが経営するタパス料理店。「私たちが贔屓にするのはパラグアイだけではない。W杯では、スペインも、チリも、メキシコも、スペイン語圏の参加国すべてを応援する」とオーナーのクララさんを始めとするスタッフは口を揃えるが、パラグアイの独立記念日には派手なパーティーを行うことを毎年の行事にするなど、やはり自国への愛着はより強いよう。普段はロンドン随一のフラメンコ・バーとして、深夜遅くまで熱い盛り上がりを見せている。
*このお店は閉店しました
月〜金12:00〜深夜 土17:00〜深夜 日16:00〜0:00
47-55 Hanway Street W1T 1UX
Tottenham Court Road
Tel: 020 7631 5117
www.costadoradarestaurant.co.uk
ラグビー大国の国民が集うパブ
The Southerner

*このお店は閉店しました
本大会で実に28年ぶりのW杯本選出場を決めたニュージーランド代表ファンの拠点は、昔ながらの大衆的な飲み屋が立ち並ぶテンプル駅界隈にある。道路を挟んで、王立裁判所の向かい。中世の歴史をいまだ街の景色に残すようなこの一角に、意外にもニュージーランド国民たち憩いのパブがあった。普段は、ラグビーやネットボールといった同国の国民的スポーツが放映されているTVスクリーンも、大会期間中はサッカーを放映予定。勝敗の如何に関わらず、同国の定番ビール「Speight」を飲み交わす人々が多く集まるはずだ。
月〜土 12:00〜23:00
46 Essex Street, Temple WC2R 3JF
Temple
Tel: 020 7936 2536
真夏のホリデー気分を味わえる
Barrio Central

大型デパートや大手アパレル販売店が建ち並ぶオックスフォード・サーカス駅付近には少し不似合いとさえ感じられる安らぎスポットが、このバー。外装は何の変哲もない店だが、中に入って、自然光が注ぎ込む天窓と、原色とボーダーのデザインをふんだんに使った内装を目にすれば、すっかりトロピカル気分に浸ってしまう。飲み物も、ラム酒をベースとしたカクテルを始め、南米、中米のドリンクを提供。ロンドン特有の曇り空の下でも、常夏気分を味わえる。W杯開催中は、地下のスペースを使ってテレビ放映する予定。
月〜土 12:00〜1:00
6 Poland Street W1F 8PS
Oxford Circus
Tel: 020 3230 1002
www.barriocentral.com
ビールのテーマパークで美味しく観戦
Bavarian Beerhouse

ビールの本場、ドイツ南部バイエルンにあるビアハウスをイメージして作られたという本格派。店内に入れば、バイエルン地方の衣装を着たウェイストレスのお姉さんが巨大なジョッキに並々と注がれた地ビールを持って出迎えてくれ、まさにドイツ・ビールのテーマパークといった趣となっている。バイエルン名物の大きな白ソーセージや、日本のトンカツによく似たシュニッツェルといったメニューも用意されているので、サッカー観戦と合わせれば、ビールが美味しく飲めること間違いなし。タワー・ヒル駅近くにも支店がある。
月〜木 12:00〜23:00 金12:00〜1:00 土13:00〜1:00 日12:00〜21:00
190 City Road EC1V 2QH
Old Street
Tel: 0844 330 2005
www.bavarian-beerhouse.com
| フランス | Le Bouchon 7–9 Battersea Rise SW11 1HG *このお店は閉店しました |
|
| ポルトガル | Bar Estrela 111 South Lambeth Road, Lambeth SW8 1UZ |
|
| スロバキア | Czech & Slovak Club 74 West End Lane, West Hampstead NW6 2LX www.czechandslovakclub.co.uk |
|
| カメルーン | The Victoria chez Tah Ndi 451 Queensbridge Road, Dalston E8 3BA |
|
| セルビア | Paya & Horse 181 Battersea Park Road SW11 4LB |
|
| ガーナ | The Gold Coast 40 Acre Lane SW2 5SP *このお店は閉店しました |
|
| 米国 | Hard Rock Cafe London 150 Old Park Lane W1K 1QZ |
|
| ナイジェリア | Obalende Suya 523 Kingsland Road E8 4AR *このお店は閉店しました |
|
| 韓国 | Fountain Pub 120 Malden Road, New Malden KT3 6DD |
|
| ギリシャ | Byzantium Café 31 Moscow Road W2 4AH |
|
W杯開催中は、国内のあらゆるパブで試合のテレビ中継が放映される。とりわけイングランド戦はどのパブでも混雑が予想されるため、入場料を徴収したり、事前にチケットの購入を求める店も多くある。またプレミア・リーグ覇者チェルシーのホーム・スタジアムであるスタンフォード・ブリッジ(www.chelseafc.com)や、大型劇場のハマースミス・アポロ(venues.meanfiddler.com/apollo)などの施設では、巨大スクリーンによるパブリック・ビューイングを開催。さらに日本戦に関しては、ジャパン・ソサエティー(www.japansociety.org.uk)などが同様のイベントを企画している。



パン柄トートバック販売中













あらすじ 田舎に引越してきたサツキ、メイの姉妹と、不思議な生き物トトロとの交流を描くアニメ映画。バスとネコが一体となった動物「ネコバス」や、「まっくろくろすけ」との異名を持つ黒い生き物といったユニークなキャラクターが人気を集めた。
あらすじ 1位に続いて、スタジオジブリ制作の長編アニメ。小学4年生の女の子、荻野千尋は、八百万の神々が住む不思議な世界へと迷い込んでしまう。そこで「千」と名前を変えて生きることになった千尋は、謎の少年ハクの力を借りながら成長していく。


あらすじ 黒澤明監督による数少ない現代劇。市役所での仕事を無気力にこなす中年男性が、ある日、自分の体が胃がんに侵されていることを知る。絶望のあまり、無断欠勤して酒に溺れるようになるが、やがて仕事に本腰を入れて取り組み始めるようになる。

あらすじ 大ヒットした米映画「荒野の七人」や「スター・ウォーズ」などにも影響を与えたと言われる、まさに世界的に有名な時代劇。麦の収穫の季節を控え、野武士の襲来に怯える百姓たちに雇われた、個性豊かな7人の浪人たちを描く。


あらすじ 黒澤明と並んで、戦後の日本映画を支えた小津安二郎による不朽の名作。広島の尾道に住んでいるある老夫婦が、東京旅行に出掛けた際に、子どもたちと時間を過ごそうとする。しかし、両親の相手をしきれない子どもたち。そこに義理の妹が現れる。

あらすじ カンヌ国際映画祭に出品した「誰も知らない」で主演の柳楽優弥が最優秀男優賞を受賞したことなどにより、今や世界的な知名度を築いた是枝裕和が手掛けた作品。15年前に亡くなった兄の命日に、実家へと帰省した失業中の男を主人公に据えている。

あらすじ 電車の中で酔っ払いに絡まれた女性を助けた男性が、その女性との交際を始めるまでの紆余曲折を描いたラブストーリー。インターネット掲示板への書き込みを基にして作られたとされており、ほかに小説、ドラマ、漫画など様々な媒体でこの題材が扱われた。(写真右:映画や書籍の原作となった、「電車男」の まとめサイト)

あらすじ 「市」との名を持つ盲目の浪人を、昭和の名俳優、勝新太郎が演じて人気を集めた時代劇シリーズのリメイク。時代劇であるにも関わらず、主人公の市が金髪、碧眼、ジーンズといった出で立ちをしているとした、斬新な演出が評判を呼んだ。


















井上 馨(聞多)
山尾 庸三
井上 勝(野村 弥吉)
伊藤 博文(俊輔)
遠藤 謹助









アンビエント系フェスとして始まったこのイベントも、15年以上の時を経て、音楽的にはよりクロスボーダーな様相に。毎年、インタラクティブでユニークなイベントが取り入れられており、これが今や同フェスの特徴の一つになりつつある。というわけで今年話題をさらっているのは、米国の写真家、スペンサー・チュニックによるインスタレーション。無数の裸体を被写体とした圧巻の作品群は世界中で高い評価を得ており、この3月にはオーストラリアのシドニーで5000人のボランティアを集めて撮影を行ったばかり。そして今回なんとこの「Big Chill」の会場で、衝撃のアートが生まれる瞬間が披露されるのだ。美しい自然環境下での撮影とあって、アーティスト本人も非常に楽しみにしているそう。
夏の間、週末ごとに何らかのフェスティバルやイベントが開催される、イースト・ロンドンはハックニーのビクトリア・パーク。8月最後の週末を飾るのは、ロンドンの最新エレクトロニック・ミュージック・シーンが投影されたこの「L.E.D Festival」だ。記念すべき第1回目となる今年、ヘッドライナーを務めるのは、これが今夏唯一のロンドン公演となるフランスの大御所ハウスDJ、デービッド・ゲッタと、今年約10年ぶりに活動を再開したロンドンのエレクトロニカ・デュオ、レフトフィールド。カルバン・ハリスがライブ・セットを披露するほか、エイフェックス・ツイン、ソウルワックス、フレンドリー・ファイアーズといった脂ののったアーティストが脇を固める。
インバネスから17キロほど西に位置するビューリーという町の近郊で開催される、恐らく英国最北端のフェス。16世紀にこの町を訪れたスコットランドのメアリー女王が「なんと美しい場所でしょう」とフランス語で言ったのが訛って、現在のビューリーという地名が付いたという逸話が残るだけに、一帯の景色の美しさはお墨付きだ。5つのステージでバラエティー豊かな90以上のパフォーマンスが催される予定で、世界的に有名なバンドからローカルなアーティストまで幅広く出演するが、年齢を問わず楽しめる60年代スタイルのメロウなフェスを再現したいという主催者側の思いがあり、全体的にローファイ志向なのが特徴。ユニークなコスチュームを競い合う参加者も多いので、着飾って出掛けるのもいい。防寒対策はもちろん忘れずに。
数多くのシャワー、寝転がることができるほどきれいなトイレ、無用に歩かせない合理的なサイト・レイアウト……と、英国の野外フェスの常識を覆す要素がてんこ盛り。実はこのフェス、個人の誕生日を祝って25人の友人が集まり、プールのあるデッキでBBQパーティーを催したことがきっかけで始まったもの。一般向けのフェスとなった今でも、当初のプライベート・パーティーのホスピタリティーを失わないように努めているというのである。その証拠に敷地内にはシンボルであるプールが備わり、参加者は自由に利用できるという、うれしいサービス付き。毎年、テーマに沿ったセットデザインやアートワークが施されており、仮装する参加者も多い。ちなみに今年のテーマは「スタンドン急行殺人事件(Murder on the Standon Express)」。
レゲエの神様ボブ・マーリーが1978年に開催した伝説のコンサートの30周年を記念して、2008年に開始された英国最大のレゲエ & ダブ・イベント。緑豊かなロンドン近郊のカントリー・パークに、国内外から数多のミュージシャンが集結する。ヒーリング・スポットや討論エリア、レクチャーなども含め、3日間で100以上のアクトが催される予定。各国の料理が味わえるフード・コートやフェア・トレード・ビレッジなど、音楽以外のお楽しみも盛りだくさん。最終日の日曜に催されるカリビアン・カーニバルもお見逃しなく。
ロンドン北部のオアシス、ハムステッド・ヒースに隣接して佇むステートリー・ホーム、ケンウッド・ハウスの敷地内では、夏の間、ロックやポップスの野外コンサートが開催される。そんな中、8月末にシーズンのフィナーレとして行われるのが、このクラシック・コンサート「ケンウッド・プロムス」だ。今年は国立交響楽団にウェールズ出身のテノール歌手ウィン・エヴァンスと、「ブリテンズ・ゴット・タレント」で一躍脚光を浴びた弱冠14歳のメゾ・ソプラノ歌手ファリル・スミスをフィーチャー。コンサート終了後は花火も上がり、夏の終わりを華やかに彩ってくれる。
南はレディング、北はリーズの二都市で、3日間にわたって同時開催される英国最大級のロック・フェスティバル。今年はあのリバティーンズが復活ライブを行うことや、ガンズ・アンド・ローゼズの出演などが話題を呼び、通し券は既に売り切れ。1日券はレディング、リーズともにいまだ販売中なので、見つけたら即ゲットしよう。国内のその他の最大級フェスに比べてエンターテインメント要素が極端に少ないフェスだが、純粋に音楽を味わい尽くしたいロック・ファンには文句なしだろう。
「英国の庭」と呼ばれるケント州の、のどかな田園地帯に広がる約1.6平方キロの敷地で開催される「Hop Farm Festival」は、ミーン・フィドラーをはじめ、数々のヴェニューや音楽フェスを作り上げてきたプロモーター、ヴィンス・パワーが主催。ノー・スポンサー、ノー・ブランド、ノーVIPをコンセプトとして掲げ、誰もが平等に楽しめる、よりウッドストック的な、基本に立ち返ったフェスを目指す。ボブ・ディランからピート・ドハティまで、60年代に若者だった人から、現代のフォーク&アコースティック・ファンまでが満足できる、数より質と言わんばかりの厳選のラインナップも目を引く。ライブ・パフォーマンスは土曜に集中しているが、金曜から日曜までキャンプが可能だ(キャンプ代として一人£25が別途必要)。
2001年のグラストンベリー・フェスティバルで、アンダーグラウンドなエレクトロニック・ミュージックを紹介する目的で開催されたステージに端を発し、後にフェスとして独立した「Glade Festival」。7年目を迎える今も、そのエッジーなセンスはもちろん健在だ。昨年、会場をイングランド南東部ウィンチェスターに移し、より自由でロウな野外パーティーのバイブを実現。チケット完売のビッグ・イベントになりつつも、コアな雰囲気を保っているのが人気の理由だろう。10以上のステージ&テントで国内外の注目アーティストがライブ&DJを繰り広げるほか、エレクトロニック・ミュージックとクロスオーバーするインスタレーションやパフォーマンス・アートなどを紹介するコーナーも充実している。
ケント州カンタベリーで開催される「Lounge on the Farm」は、地域の温もりを感じるフェスだ。フード&ドリンク・エリアにそのこだわりは顕著に表れており、出店しているのは地元の人気レストランばかり。食材はすべてケント州およびイースト・サセックス州のサプライヤーから仕入れたものを用いるという徹底ぶりである。さらに特筆すべきは、コアな音楽ファンの心を掴む絶妙なラインナップ。インディー・ロックからジャズ、ポップ、ファンク、エレクトロニカ、ローファイ、パンク、ワールド・ミュージックまで、多岐にわたるジャンルから、今そしてこれから注目のアーティストを厳選していて、昨年のUKフェスティバル・アワードでベスト・ラインナップ賞を受賞したのもうなずける。バーレスク&ボードヴィル・ショーなども同時開催。
毎年9月にワイト島で開催されるアワード受賞のフェスティバル「Bestival」の姉妹版として、2008年に英国南西部のドーセットで開始された 「Camp Bestival」。世界遺産指定の美しいジュラシック・コーストを背景とした広大なルルワース城公園が、しばし夢のワンダーランドに変貌する。音楽ステージや各種アート&クラフト・プロジェクトのテント、森のシアターなど、より多彩な趣向を凝らした家族向けのアプローチが特徴。キッズ・エリアも充実しているほか、今年からベビーシッター・サービスも導入、子を持つ親への配慮は万全だ。今年の目玉は何と言っても、250年の伝統を誇る「Zippo's Festival Circus」の登場。手に汗握るアクロバティックな豪華パフォーマンスを披露し、フェスティバル・ムードを盛り上げる。
2006年の初回開催以来、着々と人気を高めているフェスで、英国東部サフォークの緑が生い茂る公園内の湖畔に、毎年約2万5000人の観客を集める。豊かな自然の趣を生かしたセッティングが魅力の一つで、ステージ間の移動がハイキングのように感じられること請け合いだ。さらに音楽のみならず、コメディー、シアター、映画、文学、ダンスまで、さまざまなアートやカルチャーを深く広く楽しめるのもいい。今年からベビーシッター・サービスの「キッズ・クラブ」を開始、より家族みんながフェスを満喫できる配慮がなされている。
今年4月に、米国ニューヨークでも開催されて話題を呼んだ「Track Festival」。利潤を追求せずに、スポンサーに頼らずとも地に足のついた運営を行うためのDIY精神を貫き、今年で13年目を迎える独立系地域密着型フェスの先駆けである。既に商業化していたグラストンベリー・フェスに反旗を翻す形で誕生した同フェスは、ウッドストックの自由さと村祭りのような温もり溢れるローカル感を湛えながらも、そのエッジーな音楽テイストがラインナップに見て取れる。ちなみに2008年からスタートした5月開催の「Wood Festival」は、同フェスの弟版。
もとは4人の友人同士で企画して始めたプライベート・パーティーが、たちまち話題となって規模を拡大。毎年、参加者の想像力と創造性を引き出すテーマがもたらされるというユニークな趣向で、2005年と2008年の二度にわたって「ベスト・スモール・フェスティバル賞」を受賞している。今年のテーマは「ファクト」と「フィクション」。湖や川もある広大な敷地内に、現実と虚構が交錯する仕掛けがふんだんに施される。これに音楽、パフォーマンス、ゲームなどが盛りだくさんに加わるという、まさに大人による、大人のためのテーマ・パーク・パーティーといった趣。
世界遺産に指定されているロンドン南東部グリニッジのOld Royal Naval Collegeの芝地で開催される、ジャズとビールの祭典。心地よいジャズの音色とともにほろ酔い気分に浸れる、まさに二度おいしい平和的な雰囲気漂うフェスだ。
美しい自然と変化に富んだ景観を持ち、ビクトリア時代に避暑地として栄えた、英国南部ハンプシャー州の対岸に浮かぶリゾート・アイランド、ワイト島。島の名を冠したこのフェスティバルは1968年に第1回目が開催され、3回目となる70年にはあのジミ・ヘンドリックスが出演して65万人の観客を動員、伝説として語り継がれる米国の野外フェス「ウッドストック」を超える世界最大の音楽祭として知られた。ほかにもドアーズ、マイルス・デイヴィス、ザ・フー、ムーディー・ブルースなど錚々たるバンドが出演を果たしたが、当時の風潮から入場料を払わない客が続出して赤字となったため、この年をもって閉鎖となる。そんな伝説のフェスが復活したのは、2002年のこと。以来、毎年恒例となり、国内外の人気アーティストが集結している。12回目となる今年は、ポール・マッカートニー、ジェイ・Zなどのビッグネームをはじめ、50以上のバンドやアーティストが登場。
ネス湖(Loch Ness)に引っ掛けたネーミングが明快で覚えやすい「RockNess」は、その名が示す通り、伝説の怪獣ネッシーで知られる湖を目の前にした絶好のロケーションで、世界一の美観を誇るフェスとの評判だ。2006年にスタートしたばかりの若いフェスだが、毎年規模を拡大する盛況ぶりを見せている。ダンス系からオルタナティブ・ロックまでカバーする、程よくポップなラインナップで、今年は初年度に登場して会場を大いに盛り上げたDJファットボーイ・スリムが再出演。また、コメディー・ショーケースが新たに加わる予定だ。
カーディフに次ぐウェールズ第二の都市、スウォンジーの湾岸沿いにあるシングルトン・パークに世界各地の人気DJが一堂に会し、毎年2万人のクラバーたちが集結する英国南西部最大のレイヴ・パーティー。メインのミュージック・ステージのほか4つのダンス・アリーナが備わり、40以上のDJが次々に登場する。今年は英国を代表するトランスDJグループ、アバブ&ビヨンドや、同じくトランス系のジャッジ・ジュールス、またスウェーデンのハウスDJ、スティーブ・アンジェロなどが目玉。敷地内には遊園地も設置され、お祭り気分満点だ。
UKフェスティバル・アワードで例年、ベスト家族フェスに選出されている、ファミリー・フレンドリーなフェス。ワールド & ルーツ・ミュージックからダンス系まで音楽のジャンルも多岐にわたり、各国の文化を丸ごと体感できるのがウリだ。期間中は敷地内に設けられた数々のヴェニューやテントで100以上のショーやイベント、クラフト・ショップが開催され、なかでもイングリッシュ・ナショナル・バレエ団とのコラボレーションによるワークショップや、英国の児童作家ロナルド・ダールのミュージアムが催すアクティビティーが耳目を集めている。
ロンドン中心部ストランド近くにあるプライベート・クラブで4月22日(水)、宮本亜門演出のミュージカル「ファンタスティックス」のキャストおよび製作チームとパブリシティー関係者の懇談会が開かれた。




稽古を始めてまだ数日だけど、(英国と日本の)ギャップを、良い意味で感じている。演出家としてのミヤモトは、役者に自由を与えてくれるタイプ。理屈を長々と述べるのではなく、シンプルかつ明確に演出指示を出してくれるやり方が、個人的にはすごく好きだね。
2003年、宮本氏が日本版「ファンタスティックス」の演出を手掛けた際に舞台美術を担当し、高い評価を受けた松井さん。2010年、ロンドン版でも引き続き、舞台美術を手掛けることになった松井さんに、現時点におけるチームの状況をうかがった。
























