ただの箱が机になり、次の瞬間には家となる。舞台の上で、俳優は時に声色一つで何人もの人物を鮮やかに描き出す。何より自由に表現でき、また観ている者の想像力を掻き立てる芸術、それが演劇だ。伝統と革新に彩られた英国演劇。街と人、そして演劇が一つに溶け込んだ街、ロンドンで、今この時代に演じられる「リアル」を実感してみよう。(本誌編集部: 村上祥子)
「演劇学」ではなく、俳優育成としての「演劇」という科目が学校教育で確固たる地位を確立している英国。ジュディ・デンチやユアン・マクレガーなど演劇/映画界で活躍している人たちの多くが、大学やその他高等教育機関で演劇を学び、学位を取得している。「演じること」が教育として認められている国だからこそ、世界に羽ばたく実力派俳優たちが続々生まれているというわけ。
テレビや映画で活躍している若手俳優/タレントが舞台へ出たがるというのも英国演劇の一つのトレンド。現在では、「Treats」出演に対する過度の緊張でドタキャン→初日延期などあれこれメディアに叩かれた末に何とか初日を務め上げたテレビ・ドラマ「ドクター・フー」出身の人気女優、ビリー・パイパーや、「EastEnders」出演後に舞台進出、今回不条理劇「The Caretaker」の大成功で「若手実力派」の仲間入りを果たしたナイジェル・ハーマンなどを舞台で観ることができる。旬の俳優を観るならまずは舞台! なのだ。
英国演劇と言えばシェークスピア。こう考えている人は多いはず。もちろん、シェークスピアは素晴らしい。でも英国には彼の作品以外にも必見の舞台が星の数ほどある。ここでは、今、見逃せない作品をピックアップ!

| Wyndhams |
| Charing Cross Road, London WC2H 0DA |
| 07年4月14日公演分まで予約可 |
| 月~土 19:30、マチネ 木・土 14:30 |
| £10~45 |
| Tel: 0870 950 0925 |
ハリー・ポッターでお馴染みのダニエル・ラドクリフと、ハリーの叔父、バーノン役のリチャード・グリフィスばかりが注目されがちな本作品。確かにダニエル君は時には全裸、時にはタバコを吹かしながらの大熱演を日々見せてくれている。でも観劇の際にもう一つ注目してほしいのが舞台美術と衣装。ミニマルな舞台は俳優の演技一つでその場所を次々と変え、シンプルな衣装が幻想的な馬たちを創り出す。観ている者の想像力を掻き立てる、これぞ演劇という作品だ。
| Gielgud |
| Shaftesbury Avenue, London W1D 6AR |
| 07年6月9日公演分まで予約可 |
| 月~土 19:30 (2月27日は19:00)、マチネ 水・土 14:30 |
| £19.50~49.50 |
| Tel: 0870 950 0915 |
| Criterion |
| Piccadilly Circus, London SW1Y 4XA |
| 07年9月15日公演分まで予約可 |
| 月~土 19:45、マチネ 火 15:00、土 16:00 |
| £10~39 |
| Tel: 0870 060 2313 |
18年間という超ロング・ランを続けるゴシック・ホラーの決定版。小さな舞台とシンプルな装置の中、2人の役者が演技力で観客たちを恐怖の世界へ誘ってくれる。顔の表情、声音を使い分けて数人の役柄を見事に演じる役者に、演劇ならではの良さを実感できるはず。より恐怖感を味わいたいのなら、ちょっとした仕掛けが楽しめる1階席がお勧め。
| Fortune |
| Russell Street, London WC2B 5HH |
| 07年9月1日公演分まで予約可 |
| 月~土 20:00、マチネ 火15:00、土16:00 |
| £12.50~36 |
| Tel: 0870 060 6626 |
オープニング・ナイトは1952年11月25日。以来50年以上にわたってロンドンの劇場で上演され続けている驚異的な作品だ。元は推理小説の女王、アガサ・クリスティのラジオ劇用の短編ミステリー。クリスティが生前、ウエスト・エンドで本作が上演されている限りは出版しないよう言っていたために、いまだに英国内で本は出版されていない(ただし台本は出版)。
| St Martin's |
| West Street, London WC2H 9NZ |
| 07年5月12日公演分まで予約可 |
| 月~土 20:00、マチネ 火14:45、土17:00 |
| £13.50~37.50 |
| Tel: 0870 162 8787 |
BBCの人気レポーター、ジェームス・モスマンが謎のメモを残して自殺した。彼の自殺の裏には何が隠されているのだろうか。 The National Theatre
South Bank, London SE1 9PX
Tel: 020 7452 3000
07年6月2日まで月~土 19:30、マチネ 14:30(他作品も同時期に上演中につきスケジュール要確認)
£10~28
エンターテイナー一家の3代にわたる人生を通じて英国の戦後を描き出す。The Old Vic
The Cut, London SE1 8NB
Tel: 0870 060 6628
07年5月26日分まで予約可 月~土 19:30、
マチネ水、土 14:30
£10~45
2007年度シーズンは5月4日~10月7日。今年のテーマは「Renaissance and Revolution」、上演される作品は「オセロ」、「ヴェニスの商人」など。Globe Theatre
21 New Globe Walk Bankside, London SE1 9DT
Tel: 020 7401 9919
£10~28
劇作家、ブレヒトの戯曲を2作同時に上演するシリーズ、第1回目となる今回は「A Respectable Wedding」と「The Jewish Wife」の2作品。The Young Vic
The Cut, London, SE1 8LZ
Tel: 020 7922 2922
07年4月14日まで (時間は日によって異なる)
£15.50、土イブニング & 最終日 £18.50(2作品観劇可)
ハロルド・ピンターの不条理劇。アストンはある日、浮浪者のデービスを家に連れてくる。同居している兄弟のミックは始めのうち嫌がっていたが……。 Tricycle
269 Kilburn High Road, London, NW6 7JR
Tel: 020 7328 1000
07年4月14日まで 月~土 20:00、マチネ土 16:00
£9.50~19
普通の人々が異常な状況に置かれた時に巻き起こる出来事を描いた、ミュージカル仕立ての人間ドラマ。 King's Head Theatre
115 Upper Street, Islington London N1
Tel: 020 7226 1916
07年4月22日まで 火~土 20:00、マチネ 土、日 15:30
£20~25
プロフィール=1958年生まれ。早稲田大学在学中に劇団「第三舞台」を旗上げする。80年代の小劇場ブームの牽引役として熱狂的な人気を誇るが2001年、同劇団の活動休止を発表。以降、自身の演劇プロデュース・ユニット「KOKAMI@network」を中心に活躍中。日本を代表する若手劇作家/演出家の一人、鴻上尚史。昨年2月17日、ロンドン西部のブッシュ劇場で代表作、「トランス」をリーディング上演した模様を弊誌1034号でお伝えした。そのリーディング上演を大好評のうちに終えた本作品が、晴れて同劇場にて本公演されることが決定! 6月上旬のオープニングを控え、現在キャスティングなどで大忙しの鴻上氏に本公演決定の喜び、意気込みをうかがった。
ー前回のリーディングが好評を博し、本公演が決定したそうですが?
(ブッシュ・シアターの)芸術監督のマイクさんが気に入ってくれて、これはもう、本公演をしましょうということになったのです。とても幸運なことでした。
ー決定した時のお気持ちは?
それはもう、嬉しかったですね。リーディングをやったかいがあったというものです。
ー前回のリーディングを通して、英国の観客について学ばれたことはありますか。
予定していた通りの反応でした。ここで笑って欲しいと思うところでは笑ってもらえたし、ここは集中して欲しいと思うところは、ちゃんと集中してくれて。俳優に力があれば、ちゃんと同じ反応なんだなと感じました。
ー今回の公演では、リーディング時の脚本をそのまま使う予定ですか、それとも変更などを加えられるのでしょうか。
「ドラマターグ」※というポジションで、トニー・ビカーさんに入ってもらいました。より口語的でイギリス人観客に通じる表現にするために、1週間ずっとディスカッションして直していきました。リーディングの時の台本より、よりこなれた、現代的なセリフになったと思います。
ー今回は前回と異なり、演出を自ら手掛けられるそうですが、新しい演出プランは考えていらっしゃいますか。 違いといえば、イギリス・バージョンですから、イギリスで、イギリス人相手に演出することが、それがもう一番の違いです。 僕の書いたものに対して、イギリス人俳優がどんなふうに反応するのか、現場でキャッチボールを繰り返しながら、イギリスの観客に届く「トランス」をつくれればいいなと思っています。「トランス」は、核となるイメージがはっきりとあって、それが具体的な俳優さんによって変わっていくものです。イギリスでどんな俳優さんと出会うかで、作品は違ってくると思います。
※ドラマターグ: 台詞の言い回しや表現法法などを作家にアドバイスする専門家
| Trance |
| The Bush Theatre |
| Shepherds Bush Green, London W12 8QD |
| 07年6月6日~30日 |
| 月~土 20:00、土マチネ 15:00、6月8日のみ 19:00 |
| £15、£10(土マチネ、学生/シニア割引) |
| Tel: 020 7610 4224 |
ロンドン、バービカン劇場が、毎年様々な海外の作品を招致して上演するプロデュース企画、BITE(Barbican International Theatre Events)。記念すべき10周年を迎える今年は、日本のシェークスピア演出家として、英国でも絶大な知名度を誇る蜷川幸雄が公式招待を受け、日本人によるシェークスピア作品を上演することになった。演じられるのは「コリオレイナス」。古代ローマの悲劇の将軍、コリオレイナスの生涯を描いたこの作品を演じるのは、唐沢寿明はじめ、白石加代子、勝村政信ら人気、実力を兼ね備えた俳優陣。40人以上ものキャストが出演予定というから、スケール感溢れる芝居を期待できそうだ。
| Coriolanus |
| Barbican Centre |
| Silk Street, London EC2Y 8DS |
| 07年4月25~29日19:15、29日のみ17:00 |
| £10、16、21、28、35、Superseat(プラス5ポンド) |
| Tel: 020 7638 8891 |
プロフィール=島根県出身。演劇ネットワーク「Office 59」に参加後、渡英。現在は舞台やテレビ、映画などで活躍している。2005年には演劇の枠に留まらないアート・プロジェクト・ユニット「Crop」を妻と2人で結成、昨年はリトアニアの国際演劇祭にも参加した。作曲家、ピアニスト、アコーディオニストとしても活動中。ちょうど本号が出版される4月5日、ロンドン北部、イズリントンで渡部さん率いるアート・プロジェクト、Cropの舞台「注文の多い料理店」が上演される。4人いる出演者のうち、日本人は渡部さん1人。稽古開始の段階では大まかなプロットしかつくらず、稽古の最中に俳優たちとのコミュニケーションを通して肉付けの作業を行うという渡部さんに、日々の活動形態についてうかがった。
ーCropという活動形態について教えてください。
元々私は音楽を中心にやっていたのですが、2005年にリトアニア人の妻と結婚し、彼女が絵を描いていたこともあり、Cropというアート・プロジェクトをつくりました。聴覚や視覚に訴える様々な要素をフレキシブルに取り入れたかったので、劇団、という形にはしたくなかったんです。
ーCropのメンバー構成は?
基本的には自分と妻の2人です。後は作品に応じてキャスティングします。キャスティングで重視するのは、その人の持つ人間性や面白み。作品をつくり出す上で、ある程度のプロットはありますが、後は即興で話を膨らませていくので意外性や遊び心を持った人をその都度選びたいのです。
ー作品のテーマ選びのポイントは? 「耳なし法一」や「注文の多い料理店」など日本の昔話を選んでいるのには訳があるのでしょうか。故意に日本的なテーマばかりを選んでいる訳ではありません。この2作品については個人的所以で。「耳なし法一」に関しては、島根県松江出身なので、松江に滞在していた小泉八雲には小さい頃から慣れ親しんでおり、リトアニアの演劇祭に出演することが決まった時にこの話で世界中の人たちを怖がらせたいな、と思って(笑)。「注文の多い料理店」は、宮沢賢治が外に目を向けていた人物で、彼の作品に宇宙的なものを感じたからです。色を取り払った、グローバルなものを作りたいという自分の意図と合致していました。
ー舞台は英語と日本語のどちらで? 英語でやられるとなると、役者間、役者と観客間でコミュニケーションの困難さを感じませんか。
舞台は英語でやっていますが、それほどは感じないです。リハーサルの段階では紆余曲折ありますが、その過程で言葉じゃない何か、共通点を感じることがあるんです。その共通言語を見付けて、舞台でお客さんに観せられればいいな、と思います。



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ハリー・ベリー
粉屋
騎士
バースの女房
尼僧付の僧
免罪符売り
ジェフリー・チョーサー
日本の「お伊勢参り」に相当する、イングランドにおけるキリスト教徒にとっての宗教的なイベント。主に英国国教会の総本山であるカンタベリー大聖堂への巡礼を意味する。中世時代のカンタベリーはイスラエルのエルサレム、イタリアのローマ、スペインのサンティエゴ・デ・コンポステラと並ぶ4大巡礼地として認知され、また大量の巡礼者たちが殺到したため、近隣の宿屋や飲食店の収入にも大きく貢献し、街全体の発展にもつながった。ちなみにカンタベリー物語の主人公たちが歩んだロンドンからカンタベリーまでの道のりは、距離にしておよそ100キロ。片道を2、3日間の日程で歩ける距離だと想定されている。
カンタベリー物語の世界を再現した、テーマパークを彷彿とさせるアトラクション。かつて教会だった建物の内部を作り変えて建設された。ろう人形で作られた登場人物たちが物語を次々と披露し、入場者はまるで共に巡礼の旅に参加しているかのように楽しめる仕掛けとなっている。日本語の音声コントローラーあり。
巡礼地としてのカンタベリーの歴史は、トーマス・ベケットの殺害事件から始まった。ロンドンの商人の息子として生まれたベケットは1155年、イングランド国王の側近である大法官という地位に任命される。彼はローマ教皇からの独立を掲げ、イングランド王による教会の直接統治を説いたために、支配権の拡大を目論む当時の国王ヘンリー2世から寵愛された。
英国国教会の総本山。7世紀に修道院として建設され、以来改築を繰り返しながら1400年以上にわたって毎日この場所で礼拝が行われてきた。内部に設置されている殉教者トーマス・ベケットの墓を目にすれば、キリスト教の信者でなくても深い感慨を覚えてしまうだろう。遠景からでもはっきりと見えるほど高くそびえ立つ建物は、圧倒的な存在感を放っている。
ローマのグレゴリウス教皇から使命を与えられた聖アウグスティヌスが、イングランドへのキリスト教伝道のために海を渡ってたどり着いた場所の跡地。彼の尽力によって597年、ケント州のエルバート王が洗礼を受け、イングランドで初めてキリスト教信仰が正式に受け入れられるに至った。庭から覗く廃墟のような荒涼とした風景が、その偉大な歴史を醸し出している。
有史以前の様子からローマ人の入植時代、さらには中世に宗教都市として花開いて現代に至るまでのカンタベリーの歴史を網羅した博物館。またカンタベリーで生まれた英国が誇る劇作家、クリストファー・マーロウについての展示も充実している。英国の子供たちの間で人気がある、かわいいクマのキャラクター「ルパート・ベア」をテーマとした博物館も併設されている。
1世紀頃から侵攻し、イングランドを支配したローマ人たちの歴史を追った博物館。ローマ人たちは、カンタベリーを始めとするイングランドの各地域に巨大な都市を形成して勢力を大きく繁栄させていった。同博物館では、現存するモザイク模様のタイルほか、当時のローマ人たちがカンタベリーに建設した住宅施設や青空市場などを復元して展示している。
マーケットの周辺地域で育った旬の食材が、その生産者によって産地直送で販売される、それがファーマーズ・マーケット。しかし、どんな生産者でもそこに出店できるというわけではない。英国では、The National Farmers' Retail & Markets Association(FARMA)らによる商品の生産場所や加工方法などの厳しい諸条件(右参照)をクリアした選ばれし者のみが、ファーマーズ・マーケットへのストール(売店)出店を許されるのだ。つまり、安心して消費できる高品質の商品のみで構成されるのが、本物のファーマーズ・マーケット。そこここの路地で開かれる普通のマーケットとの違いはココだ。


まだ人気の少ない朝のカムデン・タウン駅を出て歩くこと約10分、バス通りを少し入ったところに建つ学校の駐車場に、15店ほどのストールが並ぶ。こぢんまりとしながらも粒揃いといった印象で、昼に近付くにつれ周辺に住む子供連れやお年寄りで賑わいを見せる。買い物帰りは、カムデン・マーケットに向かって人混みに消えて行くも良し、リージェンツ・パークに寄ってマーケットでの収穫を頬張るもまた良し。

FARM 2 KITCHEN

Sloane Square駅からPimlico Road に出てしばらく進んだところにあるOrange Square。この小さな広場が、土曜日だけは所狭しと並ぶストールと人で埋まる。ロンドンの大きなファーマーズ・マーケットの一つとして数えられるようになってきたこの会場は、心なしか他会場以上に落ち着いた雰囲気。ベルグレービアやチェルシー、バタシー地区の住民もよく利用するという。
臭いを……否、異彩を放つこのストールに並ぶのは、ニンニク、ニンニク、そしてニンニク。がっしりとした見事なニンニクの中でも、黄金色に輝くOAK-SMOKED GARLIC BULBSがお勧め。やはりニンニクをベースにしたペーストやチャツネのほか、ニンニクの苗まで売っているところが、なんとなくチャーミング。
牡蠣をその場で殻剥ぎして食べさせてくれるストールを発見! 見過ごしてしまいそうな小さな同店には、英国南東部エセックスのウェスト・マーシーの湾にほぼ毎日出て採ってくるという、新鮮な食べ頃の牡蠣が数種類並ぶ。ただし、出店は牡蠣のシーズンである9月から4月の間のみ。
サマーセットにある農場で飼われているバッファローの肉、ミルク、チーズ、ヨーグルトを扱う。バッファローの乳製品は、牛のものに比べて低脂肪・低コレステロールで、ヨーグルトは特にあっさりしている。牛の乳製品も置いているが、やっぱりバッファローのものを試したい。
日時: 日曜 10〜14時
この道30年のジェンナーさん夫妻が切り盛りする、ゴート・チーズ専門店。農場で飼育されている450頭のヤギのミルクからできたチーズに、お客が次々と惹き付けられる。毎週売り切れてしまうものもあると言い、最近の一番人気はガーリックとハーブが香る「Little Garlic」。
CHILTERN FARM FOOD
KUSHCUISINE

現在ロンドン最大規模を誇るのがココ。多くのストール主がこのファーマーズ・マーケットへの出店を希望し、また他会場との出店掛け持ちをするのに当会場を選ぶとのこと。市内中心部で主要駅やオックスフォード・ストリートに近いこともあり、出店数だけでなく人出の多さもダントツ。取材当日はあいにくの雨だったが、常連客に加えてセルフリッジの袋を提げた人や観光客らで賑わい、列のできるストールがいくつもあった。
小さな子供にも安心して食べさせられる、低糖・低脂肪の手作りケーキとスープを売る。一番人気は、パッション・フルーツのピューレを使った、冷凍保存可能なカップ・チーズケーキ。スープの種類は、旬の素材へのこだわりから週毎に替わるそう。スープもケーキも、素材の旨味がぎっしりと詰まった濃厚な味わいが特長。
ケントから野菜を運ぶ当ストールの自慢はリンゴ。常連客と思しき女性陣が、しっかりと品定めをした上で1袋、2袋と買っていく。野菜や果物を売るストールの中でも特に親切で、ここで素材の調理法を尋ねるお客が多い。そのうちお客同士で情報交換が始まるなど、親しみやすい雰囲気が魅力。

英国トイレ協会(BTA)が発起したLOO OF THE YEAR AWARDSという賞をご存知でしょうか? 毎年、英国中の美しいトイレを表彰、公衆トイレもホテルのように星の数で格付けされるわけです。そして昨年の英国内総合2位という栄誉に輝いたのが、ロンドン中心街の多くを管理下に置くウエストミンスター地区のカウンシル。30万ポンド(約7000万円)もの費用をかけて改装されたオックスフォード・サーカスの公衆トイレは最高ランクの5つ星が与えられました。また、ナショナル・レールのチャリング・クロス駅構内にあるトイレも「公共交通機関」部門での受賞をしています(ただしこちらは有料)
Barrett Street

やはりトイレ選びの基本は清潔さ? 洋式トイレでは必ず腰掛けなければいけない女性陣は特に敏感なよう。デパート、美術館・シアターを選んだ女性の大多数が、国籍問わずに「きれい、使いやすい」という意見で一致。逆に道端で見かける公衆トイレは最終手段のようです。また、「デパートやチェーンのカフェではトイレットペーパーが比較的やわらかいので」(Nさん、英国出身)というこだわりの男性意見もありました。
また、無料かどうかも大きなポイント。「金なんか払ってられるか!」(Tさん、日本出身)という意見が大多数を占めました。「多国籍企業が嫌いなので、チェーンのカフェやファーストフードのトイレをタダで使ってやります」(Dさん、ギリシャ出身)「国際展開しているお店は、たくさん儲けてるんだからいいじゃない」(Mさん、デンマーク出身)という個性的な理由も。また、男性の回答には「道端でしょう!」という意見もちらほら見受けられましたが、ウエストミンスター地区での行為は50ポンドの罰金なのでご注意あれ!
しかし、緊急事態には場所を選んでいられないものまた事実。パブ、チェーンのカフェ、ファストフードが3大駆け込みトイレとして男女を問わず人気です。理由はやはり「どこにでもあるから」というもの。ただし、トイレだと思ったドアがスタッフ・ルームだったりする可能性もあるので、注文してから使う派の人は注意が必要。また「利用客の層が広いから、どんな服でも入れる」(Kさん、男性、日本出身)という声もありました。確かに高級デパートのトイレに汚い格好で駆け込むのはやや気がひけてしまうのかも。

まずは肝心のトイレ設備。奥の自動ドアの向こうにあるホールに案内されると目に飛び込むのは、花が飾られピンクと白の色使いがとても可愛らしい個室の数々。もちろん塵1つなく、便器は「清掃済み」というカバーもついています。紙もふかふか!! 高級ホテルのような豪華な内装に、思わず必要以上に長く居座ってしまいたくなる……。使用後はすぐさまスタッフが個室を清掃するという徹底振り。
メイン・ホールに戻ってみれば「こちらへどうぞ」と美しい女性スタッフに案内され、ずらりと並ぶミラーの前へ。そしてハンド・マッサージが始まります。ブラジル出身だという彼女と世間話をしながらくつろいでいると、ここがロンドン随一のショッピング・ストリートだということを忘れてしまいそう。ちなみにハンド・マッサージの時間は10分と聞いていましたが、個人差があるようで私の場合は6分くらいだったかも? その後は、備え付けのコスメで好きにメイク直しをしてもいいし、スタッフによるメイク・アドバイスも受けられます。オリジナルのコスメやグッズは購入も出来ますが、押し売りのような雰囲気はまったくないので安心。ちなみに個人的なお薦めはリップ・バーム(1ポンド)。使いやすいサイズと柔らかいバラの香りが癖になる一品です。
買い物をしている時に、トイレが見つからなくて大変な思いをしたことがあって。それがこのコンセプトを思いついたきっかけです。でも、ここはただのトイレ以上の場所。地下のトリートメント・ルームを使って、今後はヘッド・マッサージや背中のマッサージも取り入れていこうと検討中なの。女の子って、たくさんのショッピング・バッグを抱えているから疲れるでしょう? パーティーの準備、待ち合わせ、休憩にメイク直しと様々な用途があるけれど、すべての女性に利用してもらえればって思うわ。

コンラン卿プロデュースによる現代プロダクト・デザインの宝庫、デザイン・ミュージアム。ここのトイレは他と一味違うんです。何と言ってもトイレの壁には、歴代の有名デザイナーの顔、顔、顔。女性トイレではミッドセンチュリー時代を代表するファニチャー・デザイナーのイームズ夫妻が、男性トイレでは「ボビーワゴン」のデザインで知られたイタリアの天才デザイナーであるジョエ・コロンボが出迎えてくれます。他にも英国出身の建築家アイリーン・グレイなど、知っていれば思わずニヤリとしそうな似顔絵が。トイレは1階のカフェ・スペースにあるので入場無料。人気のバトラーズ・ワーフを散歩する際にはぜひお立ち寄りを。

古代アイルランドの政治の中心地 



神々とつながる聖なる儀式の場
ユネスコの世界遺産にも登録


子宝に恵まれる石
強力なパワー・スポットの泉

七不思議の奇跡の村



手が全てを語っている
伝統的なサイキック
アイリッシュらしさ満点!
ダブリンの定宿に!
味もボリュームも満点 
アイリッシュ・ブレックファスト



Iain Duncan Smith - 1954年4月9日生まれ、エディンバラ出身。2001年9月12日から保守党党首。2003年10月29日に行われた信任投票に敗れ8日後に党首の座を明け渡す。2005年12月7日、デービッド・キャメロン保守党党首に任命され「Social Justice Policy Group」議長に。保守党党首時代は痛烈な批判にも全く動じないことから「Quiet Man」などのニックネームで親しまれた。

高級感溢れるレストラン。ここでは店員が賭けの注文を取ってくれる(?)ので、わざわざレースごとに犬券を買いに行く必要もない。6週間前には予約が必要というほど土曜日には大混雑だそう。
1階にポツンとある小さなカフェ。トラックには面していないので、観戦には適していないと思いきや、常連っぽいおじさんたちがモニターとパンフレットを見つつ、ひたすら賭けに興じている。ここには何やら真剣な雰囲気が……。
広々としたバー & レストランは、最も多くの人たちが集まる場所。チケット売り場も設置されている。お酒の種類は豊富だが、レストランにはホット・ドッグ、フィッシュ・アンド・チップスなど数種類しか置かれていないのがちょっと寂しい……。
ゲートは2カ所。レースの距離によって場所が変わる。
このウォルサムストウ・スタジアムは1933年にオープンした老舗のドッグ・レース場。規模も英国最大級、いえヨーロッパでも指折りのスケールの大きさです。とは言っても英国以外、ヨーロッパにドッグ・レース場はそれほどありませんけどね(笑)。レースに使われているのはすべてグレイハウンド。その他1年に1回、チャリティー・イベントを開催しています。過去にはグレイハウンドの小型版とも言えるウィペットや、アフガン・ハウンドを使ったレース、近年ではポニー(ジョッキー付)・レースもやりました。
19時45分。さあ、いよいよレース開始だ。ちなみにレース場は月、火、木、金、土曜日オープン。火、木、土は18時30分開場、19時45分レース開始(土のみ19時30分)で、月曜日は13時15分開場、14時18分開始。金曜日は10時30分開場、11時11分開始となっている。最終レースまでの約3時間で計13〜14レースが十数分置きに行われる。通常、このレース場で行われるのはグレイハウンドの6頭立てレースのみ。中にはハードル・レースもあるのが驚きだ。
賭け事と名の付くものは一切やったことのない私たち2人。まずはパンフレットを見て勉強をすることに。ポールさんに簡単な見方を教わる。レースごとに6頭の犬たちの名前、過去数レースの順位とタイム、そして各ページの左上にはレースのレベルも記されている。数字が少ないレースほどタイムの速い犬が揃っているのだとか。観客はこのパンフレットをにらみつつ、トラックを試し走りする犬を眺めて賭け方を検討する。
賭ける犬を決めたら今度は実際にチケットを購入。チケットの購入方法は2通りある。1つは「Tote Betting」というレース場正規の窓口で買う方法。そしてもう1つがトラック前に陣取っている予想屋から購入する方法だ。予想屋の場合は賭け金や配当が定まっていないし、最低賭け金が5ポンドからと高めだったので、初心者としては前者を利用することにする。ちなみにTote Bettingでの最低賭け金は20ペンス。重くなった小銭を減らす感覚でレースに参加できるのが嬉しい。
トラックに置かれている巨大掲示板や至るところに設置されているモニターを見て、刻一刻と変化するオッズをチェック。上図を例にとってみると、第4レースの1番人気は2の犬。この時点では「ウィン」で10ペンス賭けると配当金が21ペンスになるという具合だ。
50ペンスとはいえ勝利は勝利、とにかく換金だといそいそとTote Bettingへ。チケット購入だけではなく、現金を受け取るのもこの窓口だ。チケットを渡すとジャラジャラとコインを渡される。50ペンスが2ポンド75ペンスへ。もう少し賭けておくんだったとちょっと後悔しつつも、喜びを隠し切れない私たちなのであった。その後もう1レース、今度は「リバース・フォーキャスト」にチャレンジしたもののあえなく敗退。やはりビギナーズ・ラックは1回切りだった……。

さあいよいよ挑戦だ、と今度は窓口で質問攻めにする。窓口の男性はとてもフレンドリーで、賭け方や種類、賭け率などを詳しく説明してくれた。「どれかすぐ結果が分かるものをやってみたいんだけど」と伝えると、ホース・レースを勧められた。大きなレースだと事前に買う人もいるが、大体みんな当日になって馬の調子や様子を見て買うらしい。
常連のおじさんにインタビュー
カジノと聞いた時、どのような光景を思い浮かべるだろうか。米ラスベガスのゴージャス・カジノ? それとも犯罪の匂いがプンプン漂う怪しげな小部屋? 英国カジノの歴史はやはりというべきか、上流階級の人々の集う「紳士クラブ」から始まった。
あらゆる階層の人々に愛され続けているギャンブル。ギャンブルに関しては寛容であることで知られる英国だが、その背景には政府のせつないまでの試行錯誤があった。政府は一昨年の賭博法改正でギャンブルの規制緩和を打ち出したが、英国ギャンブルの歴史はこれまで規制、緩和、規制、緩和をひたすら繰り返しているのだ。















●
各スーパーのオリジナル商品についてもいくつかピックアップして(やはり勝手に)比較検討。今回は、ドリンクからデザートまで£10で収まる



サバの燻製のにぎり、カニカマとアボガド、ツナのカリフォルニア・ロール2種、にんじんと大根など細巻き2種。ガリ、わさび、しょう油、お手拭つき。日本では考えられないスシ。でもご飯はこの中で一番美味しいかも。ご飯率58%と具の割合が多く、寿司と見なさなければそれなりに美味しい。ただやはり、野菜のスシは日本人にはムリがある。
ミニ・サイズのスシ。サーモン、サーモン・トラウト、白身魚のすり身、卵焼きのにぎりが計6つときゅうり巻きが3つ。ガリ、しょう油付き。一番日本の寿司に近い。ご飯がちょっと硬めで、あまり味がついていないが、具とのバランスがよく食べやすい。一番美味しい。
サーモンにぎりが2貫、エビにぎり、サーモンとツナのカリフォルニア・ロール2種に、きゅうりやパプリカの野菜細巻きが3種入っている。ガリ、わさび、しょう油付き。にぎりのサーモンはひたすら薄っぺらい。カリフォルニア・ロールはハーブの利いたアジア風味というか、なんだか不思議な味がする。
スモーク・サーモンにぎり、エビにぎり、ツナのカリフォルニア・ロール、スモーク・サーモン細巻き2コ、きゅうり細巻き。ガリ、わさび、しょう油、箸付き。ご飯をやわらかく炊きすぎたのか、成型の圧力で半分モチ状態。でも、寿司飯っぽい味付けになっているのはすごい。値段から考えるとお買い得商品。
一番値段が高い。しかし、バターの層が細かく均一で、一番美しく見える。サクッと焼けていて、皮の部分は一番美味しい。中身もバターたっぷりなのか、しっとりしていて美味しい。ちなみにM&Sで作られる食品で卵を使用するものは全てフリーレンジの卵使用らしい。
一番安い! ツヤ出しの卵がたっぷりかかっていて(かけ過ぎ?)、テカテカして見える。中身も卵とバターたっぷりなのか、他社製品と比べて黄色い。外の皮が硬く、中身もスカスカしているというか、なんだかいまひとつバターが感じられず、正直一番美味しくない……。ちょっとがっかりの一品。
形はM&Sに似ているが、巻き方が左右均一ではない。見た目にシナシナ感がありサクサク度ではM&Sに及ばず。でも、中身はきめ細かくしっとりしており、バターが感じられて美味しい。
紙箱入り。水煮で比較したかったのだが、M&Sにはトマトソース煮しかないという。(やはりバリエーションが少ない!)そして高い。肝心の中身は、身が崩れやすい。個人的な好みの問題だろうが、あまり美味しくない。
紙箱入り。なかなかかわいらしいパッケージである。そしてなんと言っても安い! 他社製品はイワシの皮が部分的に剥げていて見た目がちょっと悪いものが多かったが、ウェイトローズのものはキレイだった。ちょっとあっさり目で美味しい。
これもレトロ調のお洒落な缶。他社製品の材料には塩が加わっているのに対し、こちらはイワシと水だけとなっている。そして、その分味がない。調理用に買うと良いのか?
実際ウェイトローズと並んで一番安いのだが、見た目に一番安っぽい。イワシが小さいためか(他社の製品が3匹入りのところ4匹入っていた)、身に締りがあって新鮮さを感じる。ウェイトローズより味が濃い気もするが美味しい。
パッケージは一番高級感がある。もちろんフリーレンジ卵使用。表面に近い部分(2ミリくらい)は、「す」が入っていて、舌触りが悪いが、全体的には滑らか、優しい卵味が美味しい。
イタリア製。とにかく濃厚。クリーミーで舌触りはいいが、かなり甘い。ちょっとクドイかも。セインズベリーの商品と比べて、糖分、脂肪、塩分、(当然カロリーも)全て上回っている。甘党の方にどうぞ。
イタリア製。カラメル・ソースの割合が一番多い。塩分は一番低い。クリーミーで、ウェイトローズの商品と比べるとさほど甘くなく美味しい。パッケージには「リサイクル紙を99%以上利用」との記載あり。
パッケージ表側に分かりやすく栄養表示アリ。原料の記載が一番大ざっぱ。M&Sより軽い感じだが、あまり大差はない。より滑らかな食感で美味しい。
一時帰国にも本帰国にも、おみやげを欠かせないのが日本人の悲しい性。ハロッズやフォートナム&メイソンの高級紅茶もいいけれど、スーパーで、あげて楽しい、もらってうれしい、そしてちょっと差がつく(比較的安価な)おみやげを探してみよう。
M&S








6カ国対抗戦、といった本来の大会趣旨とは別に、イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドの英国を構成する4カ国には、大会中にどうしても勝ち取らなければならないタイトルがある。その主たるものが、イングランド対スコットランド戦の別称「カルカッタ杯」、イングランド対アイルランド戦の「ミレニアム杯」だ。さらにはウェールズも含めて自国以外の英国その他3カ国から勝利を収めると、「トリプル・クラウン」を達成したとして国中が大騒ぎとなる。つまり、たとえフランスとイタリアとの対戦に敗れ3位以下が決定的になったとしても、残りの3カ国に勝てればファンは万々歳、といった仕組みになっている。ちなみに欧州参加国含めたどのチームであれ、5カ国全てに対して勝利を収める完全優勝は「グランド・スラム」と呼ばれている。










やがて主流となっていったケンブリッジ大学派とラグビー校派の2つのルールをさらに統一しようと、ロンドン全体の「フットボール」を管轄するアマチュア・クラブ協会が乗り出した。しかしここで問題となったのが、「ハッキング」と呼ばれる選手が手に持ったボールに対する膝蹴りに対する見解。危険なので一切禁止すべきとするケンブリッジ大学派と、膝蹴りこそがこのスポーツの最大の魅力とするラグビー校派の主張はお互い相容れないままに決裂した。

かつてラグビー選手には、2つの階層が存在しました。1つは、イングランド北部の労働者階級に属する兼業選手。彼らには生活がかかっているので、試合出場の際に給料の支払いを要求しました。それに反発しアマチュアリズムを標榜したのが、オックスフォード大学やケンブリッジ大学に代表されるエリート階級であり、こちらが後の英国におけるラグビーを先導することになります。



1997年11月13日、ナショナル・ロッタリーが778万ポンド(約17億円)を再開発資金として提供することを発表し、バースの街は歓喜に沸いた。それから、約9年の歳月を費やして2006年8月にようやく完成したのが、このテルメ・バース・スパ。新しく完成したニュー・ローマン・スパは、プールが3つ(内1つはトリートメント用のプライベート)に、アロマセラピーを施したスティーム・ルームが備え付けられていたモダンなスパ・リゾートだ。目玉はなんといっても40種以上のミネラルを含んだ「天然の温泉」。ここでは毎日約100万リットルもの湯が湧き出しているのだ(源泉は45℃だが、スパでは36℃程度に薄められている)。屋上には、バースの絶景を眺められるプールがある。 ここで、プカプカ身体を浮かばせながら空を眺めているとまさに極楽。ストレス解消にもってこいの場所だ。
この日受けたのは、ワツという聞きなれないトリートメント。ワツはカリフォルニアに住む指圧師によって編み出されたと言う水中の指圧(Water Shiatsuが語源らしい)のことだそう。トリートメントは、昔から医療施設として使用されてきたという地階のプール、ホット・バスで行われる。天窓から降り注ぐ日差しが爽やかな直径10メートル程のこの円形プールはワツ専用。1度に施術を受けられるのは1人で、施術中はこのプールに他の人が立ち入ることはないという。なんて贅沢。
担当のセラピスト、ジョアンナさんは、いかにもセラピストといった感じの柔らかい雰囲気の女性。ジョアンナさんからワツの説明を受けた後ホット・バスに入り、彼女の腕に頭を乗せ身体を水中に浮かせる。それから後はすべてセラピストまかせ。水中で、まるで揺りかごで揺られているような浮遊感を全身に感じながら受ける軽い指圧マッサージが最高に心地良かった。身体よりも心に効きそうなトリートメントで本格的なマッサージとはまた違うが、この水中を漂う海藻感覚がなんとも深いリラクゼーションに導いてくれるのだ。施術後は、ただただ脱力。出されたハーブ・ティーを抱えたままの放心状態が続き、しばらく現実に戻れませんでした。

英国生まれの自然派化粧品エレミスが手掛けたエキゾチックなスパは、ドアを開けたその瞬間から、時の流れが止まったような静寂さに包まれる空間。静けさの中にほのかに漂うエッセンシャル・オイルの香りに嗅覚が刺
このエンザイムが働いている間、腕、首、肩を念入りにマッサージしてくれたのですが、これがもう最高。力加減が絶妙で、身体がとろけるような極楽気分を味わいました。寒くないようにと、マッサージが終わった部位から大きなタオルに包んでくれる心遣いもさすが(終了時には蚕のようになっていました)。この後、あまりの気持ち良さに少しウトウトしてしまったのか、気付いた時には、3段階最後のエンザイム(レモン)を浸透させ終わった後。
トリ・エンザイム・リサーフェーシング・フェイシャルの発売を記念して、フェイシャル・ウォッシュ、リサーフェシング・セラム、リフレッシング・ナイト・クリームの3点が含まれたフェイシャル・セット(£200相当)を1名様にプレゼントします。プレゼント応募方法は
英国初のジェントルマン専用スパ。散髪、髭剃りと言った床屋的な作業から、男性のためのマニキュア(爪の手入れ)、日焼け用のサンベッドそして全身マッサージといったトリートメントまで、ここ一軒でグルーミングのすべてが済んでしまう画期的な場所だ。
男性専用スパと聞いて、どんな人が通うのだろうと想像が膨らんだが、待合室にいたのは、アルマーニのスーツを着た恰幅の良い初老の男性を始め、ビシッとスーツで決めたビジネスマン風の男性がほとんどだった。ここは、むしろ紳士クラブ的な役割を持った場所なのかも知れないと思った。

名門ホテル、マンダリン・オリエンタルご自慢のラグジュアリーなスパ。一歩足を踏み入れると、そこは街中の喧噪が嘘のように静寂が漂う空間だ。究極のリラックスを提供するに相応しい禅をテーマとしたスッキリとしたインテリアは、日本人建築家デュオAZUMIによるデザイン。室内はキャンドル・ライトで薄暗く照らされ、そこにいるだけでスーッと気持ちが静まるのが実感できる。
水の力を徹底的に利用したハイドロセラピー(水治療法)が充実しているスパ。英国で最も素晴らしいスパに贈られる「デイ・スパ・オブ・ザ・イヤー」を何度も受賞していることからも、その実力がうかがえよう。6つの温泉プールの中でも、幻想的なインテリアが施されたフローテーション・プールは是非試して欲しい場所。21種類のミネラル成分を含む死海の塩を利用したこのプールにフワフワと体を漂わせると、日頃のストレスがスーと消えていくから不思議だ。アンチ・エイジングなど各種ビューティー・トリートメントのほか、関節炎、筋肉痛、リハビリなど体調に合わせたトリートメントを提案してくれるので、男性にもお勧めしたい。メディテーションなど心に働きかける講座も提供しており、心身共にリフレッシュできること請け合い。
ウェストミンスター区の運営する公共スパ。自治体運営とはいえ、ターキッシュ・ホット・ルームズ(ターキッシュ・バス)が3つ、ロシアン・スティーム・ルームが2つにフィンランド式サウナと冷水プールがある本格派。インテリアもアール・デコ・スタイルを取り入れたエレガントなものなので、優雅な気分を味わえるはず。曜日によって、男性専用、女性専用、カップル専用と分けられているので、予約時の確認を忘れずに。ボディ・スクラブ、全身パック、マッサージなどの各種トリートメントは別料金(要予約)で受けられる。














フラワー・ショップ、ギフト・ショップも備えたサロン。全面ガラス張りの明るい店内には、マッサージ用のチェアが並べられ、気持ち良さそうにマッサージを受ける人の姿が見受けられることも。これらのエナジャイジング・チェア・マッサージは10分10ポンドからあり、ちょっと疲れた時に気軽に寄れるのが魅力。奥では、ストーン・セラピーなどの本格的トリートメントを行っている。 
スパなどのサロンより敷居が低いので、疲れた時に気軽に立ち寄れるのが嬉しいリフレクソロジーの店。お値段も25ポンドからと良心的。経験豊富なリフレクソロジストが揃っているので、店を出る頃には疲れが溜まっていた足が軽くなること請け合い。65ポンドから出張サービスの依頼も可能(詳細はTel: 07958 088 044)。






