「4月がその優しきにわか雨を、3月のひでりの根にまで滲み通らせ……」の一文で始まる中世英文学の傑作、カンタベリー物語。長い冬が終わりようやく春が訪れたこの季節は、この大作を読み直すには絶好の機会であろう。多くの英国人が古典の名作として誇る、この作品の世界を少し覗いてみよう。(本誌編集部: 長野雅俊)
カンタベリー物語とは
14世紀を生きた英国の詩人、ジェフリー・チョーサーが書いた物語集。カンタベリー大聖堂へと巡礼の旅に出掛ける一団が、道中の退屈しのぎに、それぞれが知っている物語を次々と披露していく様子を描いている。庶民の間で語り継がれていた世間話やユーモア溢れる笑い話、教訓じみた説話などが詰まっており、人間の様々な側面を広く深く描いた文学性と、当時の暮らしを知る歴史資料としての価値から高く評価されている。チョーサーが志なかばで死去してしまったため、29人の巡礼者たち全員に複数の物語を語らせるという、その余りに大きな構想はついに実現されないままに終わった。
個性豊かな登場人物たち
29人の巡礼者たちに加え、宿屋の主人、そして作者のジェフリー・チョーサーまでもが登場するカンタベリー物語。巡礼の旅という、様々な背景を持った人間が一同に集まる当時としてはほぼ唯一の場を舞台として設定することで、異なる階級に属する人間の描写に成功し、物語全体に深みを与えている。
Photo: courtesy of The Canterbury Tales visitor attraction
ハリー・ベリー
ロンドン南部サザークにある旅籠屋の主人。教養豊かでかつユーモアに溢れた男であり、巡礼者たちに行きと帰りの道中で、それぞれ2つずつの物語を披露するよう提案する。
粉屋
筋骨隆々の、力勝負では誰にも負けない大男。趣味の悪い冗談を言うことを得意としており、穀物を盗んで売りさばく悪党でもある。巡礼者集団の先頭に立って一行を率いていく。
騎士
勇敢で思慮深く、欧州各国における数々の遠征で戦歴を重ねた、名誉ある戦士。真実と名誉、寛容と礼儀を尊ぶ。くじによる抽選の結果、一番初めに話を披露することになる。
バースの女房
羊毛業が盛んなバース出身だけに、機織りが得意な中産階級の女性。恋の手練手管に関しては彼女の右に出る者はいないとされ、これまで5回の結婚を経験している。
尼僧付の僧
「ジョン」という名を持つ、善良なる僧。各登場人物が悪趣味な話ばかりすることにあきれ果てた主催者のハリー・ベリーが、楽しげな話をする語り手として指名する
免罪符売り
召喚吏の相棒を務める偽善者として描かれている。教会での高い地位を保持しながら、天国行きを確約するという免罪符を老若男女に売りつけることで大金を稼いでいる。
ジェフリー・チョーサー
「カンタベリー物語」の作者であり、作品中に自ら説話の語り手としても登場する14世紀のイングランドを生きた詩人。豊かな教養と人間観察の鋭さを惜しげもなく披露している。
その他の登場人物
| 盾持ち | 騎士に仕える家来。 |
|---|---|
| 料理人 | お酒が大好きな腕利きシェフ。 |
| 弁護士 | 知識、名声、報酬と知識をもった秀才。 |
| 托鉢僧 | 多くの妾を持つ好色な聖職者。 |
| 学僧 | オックスフォード出身の、貧乏で痩せこけた男。 |
| 貿易商人 | 知恵の非常によく働く、根っからの商売人。 |
| 近習 | 騎士である父親の旅に同行して修行を積む若き青年。 |
| 郷士 | 州知事を務めるグルメな大地主。 |
| 医者 | 占星術もできる開業医。 |
| 船長 | イングランド南西部ダートマス出身の、やることなすこと大胆な男。 |
| 尼僧院長 | 慈悲深く、そして何よりも礼儀正しい女性。 |
| 修道僧 | 厳しい戒律を窮屈に感じている、俗世間にまみれた男。 |
| 賄い方 | 学者や弁護士たちのお手伝い屋さん。 |
| 教区司祭 | 貧しくも敬虔深く勤勉な、真の意味での宗教者。 |
| 農夫 | 教区司祭の兄弟。 |
| 家扶 | 荘園を管理することを仕事とする。 |
| 召喚吏 | 宗教裁判所で働く。托鉢僧と仲が悪い。 |
| 小間物商、大工、織物商、染物屋、家具装飾商、第2の尼僧、錬金術師の徒弟 | |
プロローグ
宿屋の主人がゲームのルールを発表
ロンドン南部サザークの陣羽織屋に宿泊することになった29人の巡礼者たち。それぞれの登場人物の紹介が終わったところで、ハリー・ベリーという名の宿の主人が、彼らがカンタベリー大聖堂へと向かう巡礼の旅の道中、退屈しのぎにあるゲームを行うことを提案する。ルールは各参加者が往路と復路にそれぞれ2話ずつとっておきの物語を語るというもの。最もおもしろい話をした者が、ロンドンに戻った際にありったけの夕食をご馳走になるという賞品の説明も行われる。この思い付きを自らいたく気に入った宿屋の主人は、審判役を務めるという理由で、自費を払って巡礼の旅に同行する旨を伝えて参加者たちの了解を得る。
騎士の物語
美しい王女をめぐって争う騎士
捕虜として囚われの身となった2人の騎士、アークサイトとパラモンは、牢獄の中から王女エミリーの姿を見た途端に共に恋に落ちてしまう。エミリーを愛する権利をめぐって互いに争い、次第に憎しみ合うようになる2人。やがて脱獄した彼らは、逃走中に路上で決闘を開始したところを再び捕らえられてしまう。この争いを見かねた王は、2人の騎士にそれぞれ100名からなる軍を率いて勝負を行い決着をつけよとの命令を下し、勝者には王女を娶る権利を与えるよう手配することを約束する。この戦いに勝利することを強く願ったアークサイトが勝負を制するが、戦いで負った怪我のためにその後すぐに息絶えてしまい……。
粉屋の物語
樽の中で暮らす夫の運命
ある大工の若妻を愛するニコラスは「ノアの洪水が来る」と嘘をつき、騙された大工が避難用の樽の中で寝ている間に若妻と情事を重ねるようになる。同じ頃この若妻を狙う、アブソロンというもう1人の男がいた。彼は情事に耽る若妻の寝室によじ登り窓から口づけを求めるが、若妻は自分の尻を突き出しお返しする。暗闇の中で彼女の陰毛に触れたアブソロンは、これを男のヒゲと勘違いして激怒。今度は燃えた鋤すきを持って再び寝室までよじ登る。若妻のいたずらに喜び、代わって尻を突き出した不倫相手ニコラスは、高温の鋤が刺さってパニックに。彼が大声で水を求めたところで、洪水が来たと思った大工は樽を吊ったロープを切断し、大怪我を負ってしまう。
バースの女房の物語
世界中の女性が求めるものは?
ある女性を強姦し、死刑を宣告された1人の騎士。やがて王妃が登場し、「世界中の女性が求めているもの」を言い当てることができたら命を助けると彼に告げる。騎士は答えを求めて旅に出た際に、1人の老婆と出会う。この老婆は、自分の要望を何でも聞くという条件と引き換えに、彼の謎を解くことを約束する。老婆の要求を飲んだ騎士が手に入れた答えは、女は皆「男を自分の意のままに支配する」ことを望んでいるというもの。この答えを正解として認めた妃により命を救われた騎士だったが、続いて約束通りに老婆から出された要求とは、彼女を妻として迎えることだった。嫌々ながらも結婚を受け入れた騎士に対して、老婆は優しく接するよう懇願し……。
貿易商人の物語
男女の神が与えたものとは…… 視力を失った60歳の老騎士は、メイという若妻の浮気を恐れて四六時中手をつなぐことで彼女を拘束していた。そんな環境下でも、若い男との恋に落ちてしまうメイ。何としてもこの男と関係を結びたい彼女は、老騎士と手を離すことを唯一許される秘密の庭園に若い男を招き入れる。主人が庭園内で散策を楽しんでいる間に、若き男と大木の上で愛し合うメイ。これを天から目撃して憤りを覚えた冥王星の神プルートーは、老騎士に視力を与えて不貞を暴露するが、同じく天の女神プロセルピーナがすかさず若妻にとっておきの言い訳を与える。若妻は主人の視力が回復したことを祝うことで話を逸らし、夫婦は仲良く礼拝堂へと向かって、めでたし、めでたし。
尼僧付の僧の物語
キツネの悪夢を見た雄鶏
まだ動物たちが人間と同じように言葉を話していた時代。7匹の妻を持つ雄鶏チャンテクレールは、その中で最も美しい雌鳥ぺルテローテを溺愛していた。彼はいつも決まった時刻に高く澄んだ声で鳴くことで、熱き思いを伝えていたのだった。ところがある日突然、チャンテクレールが奇声を発する。「キツネに襲われる悪夢を見た」からというチャンテクレールの臆病な言い訳を聞いて完全に失望したぺルテローテは、「悪い夢を見たのはお腹の調子がおかしいからよ」と言って全く取り合わない。しかしながらこの悪夢が暗示したように、やがて悪賢いキツネがチャンテクレールを誘拐してしまう。彼は何とか逃れようと頭をひねり……。
カンタベリー詣でとは
日本の「お伊勢参り」に相当する、イングランドにおけるキリスト教徒にとっての宗教的なイベント。主に英国国教会の総本山であるカンタベリー大聖堂への巡礼を意味する。中世時代のカンタベリーはイスラエルのエルサレム、イタリアのローマ、スペインのサンティエゴ・デ・コンポステラと並ぶ4大巡礼地として認知され、また大量の巡礼者たちが殺到したため、近隣の宿屋や飲食店の収入にも大きく貢献し、街全体の発展にもつながった。ちなみにカンタベリー物語の主人公たちが歩んだロンドンからカンタベリーまでの道のりは、距離にしておよそ100キロ。片道を2、3日間の日程で歩ける距離だと想定されている。

物語の世界を実体験
カンタベリー・テールズ
カンタベリー物語の世界を再現した、テーマパークを彷彿とさせるアトラクション。かつて教会だった建物の内部を作り変えて建設された。ろう人形で作られた登場人物たちが物語を次々と披露し、入場者はまるで共に巡礼の旅に参加しているかのように楽しめる仕掛けとなっている。日本語の音声コントローラーあり。
The Canterbury Tales, St. Margaret's Street
月~日10:00-17:00
Tel: 01227 479 227
www.canterburytales.org.uk
国王に暗殺された聖職者
トーマス・ベケット
巡礼地としてのカンタベリーの歴史は、トーマス・ベケットの殺害事件から始まった。ロンドンの商人の息子として生まれたベケットは1155年、イングランド国王の側近である大法官という地位に任命される。彼はローマ教皇からの独立を掲げ、イングランド王による教会の直接統治を説いたために、支配権の拡大を目論む当時の国王ヘンリー2世から寵愛された。
しかしやがてベケットは、神の領域である宗教的権限までを支配しようとするヘンリー2世に反発を覚え、距離を置くようになる。このわだかまりはやがて関係の決裂にまで発展し、ベケットは逃げのびるようにフランスに移住。6年後カンタベリーに戻った彼を待っていたのは、王室関係者たちからの剥き出しの敵意だった。それでも民衆の支持を集め続けるベケットの様子を知ったヘンリー2世が「こんな反逆者を国内に育ててしまったことが悔やまれる」と言うのを聞いた側近の4人の騎士は、これを暗殺の指令だと理解しベケット殺害を決意。1170年12月29日、修道士たちが挽歌を歌っている最中のカンタベリー大聖堂内でベケットは暗殺された。頭部までもが切断されるという残虐性と、クリスマスが終わったばかりという時期からこの事件は欧州各地でも衝撃を持って受け止められた。
ベケットの存在はやがて神格化され、事件発生後には700以上の奇蹟が起きたと伝えられるようにまでなり、彼の生き血を薄めたとされる水が各地で販売されるようになる。そしてベケットは圧制に対抗した殉教者として崇められ、巡礼者たちをカンタベリーの地に集めるようになったのである。
ロンドンからの日帰り旅行に最適
カンタベリーとその他の観光スポット
ロンドンから電車で片道およそ1時間半、イングランド南東部の在住者にとっては、日帰り旅行に最適な場所に位置するカンタベリー。ここでは英国国教会の総本山がそびえ立つ宗教都市としての顔と、中世の趣を残す古都としての顔が共存している。またカンタベリーの観光スポットは市内に小さくまとまっている上に、街は十字路を基本として形成されているので、道に迷うこともそうないはず。様々な魅力を強烈に放つこの都市を、1度は訪れたい。
1. カンタベリー大聖堂
Canterbury Cathedral
英国国教会の総本山。7世紀に修道院として建設され、以来改築を繰り返しながら1400年以上にわたって毎日この場所で礼拝が行われてきた。内部に設置されている殉教者トーマス・ベケットの墓を目にすれば、キリスト教の信者でなくても深い感慨を覚えてしまうだろう。遠景からでもはっきりと見えるほど高くそびえ立つ建物は、圧倒的な存在感を放っている。
Cathedral House, 11 The Precincts
月~土9:00-18:00、日12:30-14:30、16:30-17:30
Tel: 01227 762 862
www.canterbury-cathedral.org
2. 聖アウグスティヌス修道院跡
St. Augustine's Abbey
ローマのグレゴリウス教皇から使命を与えられた聖アウグスティヌスが、イングランドへのキリスト教伝道のために海を渡ってたどり着いた場所の跡地。彼の尽力によって597年、ケント州のエルバート王が洗礼を受け、イングランドで初めてキリスト教信仰が正式に受け入れられるに至った。庭から覗く廃墟のような荒涼とした風景が、その偉大な歴史を醸し出している。
Long Port
月~日10:00-18:00
Tel: 01227 767 345
www.english-heritage.org.uk
3. カンタベリー博物館
Museum of Canterbury with Rupert Bear Museum
有史以前の様子からローマ人の入植時代、さらには中世に宗教都市として花開いて現代に至るまでのカンタベリーの歴史を網羅した博物館。またカンタベリーで生まれた英国が誇る劇作家、クリストファー・マーロウについての展示も充実している。英国の子供たちの間で人気がある、かわいいクマのキャラクター「ルパート・ベア」をテーマとした博物館も併設されている。
Stour Street
月~土10:30-17:00
Tel: 01227 475 202
4. ローマ博物館
Roman Museum
1世紀頃から侵攻し、イングランドを支配したローマ人たちの歴史を追った博物館。ローマ人たちは、カンタベリーを始めとするイングランドの各地域に巨大な都市を形成して勢力を大きく繁栄させていった。同博物館では、現存するモザイク模様のタイルほか、当時のローマ人たちがカンタベリーに建設した住宅施設や青空市場などを復元して展示している。
Longmarket, Butchery Lane
月~土10:00-17:00
Tel: 01227 785 575
5. ロイヤル美術館
Museum & Art Gallery with Buffs Regimental Museum
カンタベリー市内で一番大きな美術館。イングランド内で最も古い歴史を持つと言われているカンタベリーの歩兵隊に関する展示を扱った博物館も併設。
High Street
月~土10:00-17:00
Tel: 01227 452 747
6. ウエスト・ゲート・タワーズ
West Gate Towers
カンタベリー市民が「英国内で最も立派な門」を持つとして誇りにする塔。上階からは、市内全体を見下ろす絶景を楽しむことができる。
St Peter's Street
月~土11:00-12:30、13:30-15:30
Tel: 01227 789 576
7. The Weavers House
16世紀初頭に建設されたという、黒ぶき屋根の建物の中にあるレストラン。スタウア河を臨む景色を楽しみながら、英国の伝統料理を食すことができる。
1-2 St Peter's Street
月~土11:00-23:00
Tel: 01227 464 660
カンタベリーへの行き方
Charing Cross駅からCanterbury West駅まで約1時間15分。ロンドンのVictoria駅からCanterbury East駅まで約1時間半。Victoriaのコーチ・ステーションから約1時間45分。
詳細はwww.canterbury.co.uk



パン柄トートバック販売中

マーケットの周辺地域で育った旬の食材が、その生産者によって産地直送で販売される、それがファーマーズ・マーケット。しかし、どんな生産者でもそこに出店できるというわけではない。英国では、The National Farmers' Retail & Markets Association(FARMA)らによる商品の生産場所や加工方法などの厳しい諸条件(右参照)をクリアした選ばれし者のみが、ファーマーズ・マーケットへのストール(売店)出店を許されるのだ。つまり、安心して消費できる高品質の商品のみで構成されるのが、本物のファーマーズ・マーケット。そこここの路地で開かれる普通のマーケットとの違いはココだ。


まだ人気の少ない朝のカムデン・タウン駅を出て歩くこと約10分、バス通りを少し入ったところに建つ学校の駐車場に、15店ほどのストールが並ぶ。こぢんまりとしながらも粒揃いといった印象で、昼に近付くにつれ周辺に住む子供連れやお年寄りで賑わいを見せる。買い物帰りは、カムデン・マーケットに向かって人混みに消えて行くも良し、リージェンツ・パークに寄ってマーケットでの収穫を頬張るもまた良し。

FARM 2 KITCHEN

Sloane Square駅からPimlico Road に出てしばらく進んだところにあるOrange Square。この小さな広場が、土曜日だけは所狭しと並ぶストールと人で埋まる。ロンドンの大きなファーマーズ・マーケットの一つとして数えられるようになってきたこの会場は、心なしか他会場以上に落ち着いた雰囲気。ベルグレービアやチェルシー、バタシー地区の住民もよく利用するという。
臭いを……否、異彩を放つこのストールに並ぶのは、ニンニク、ニンニク、そしてニンニク。がっしりとした見事なニンニクの中でも、黄金色に輝くOAK-SMOKED GARLIC BULBSがお勧め。やはりニンニクをベースにしたペーストやチャツネのほか、ニンニクの苗まで売っているところが、なんとなくチャーミング。
牡蠣をその場で殻剥ぎして食べさせてくれるストールを発見! 見過ごしてしまいそうな小さな同店には、英国南東部エセックスのウェスト・マーシーの湾にほぼ毎日出て採ってくるという、新鮮な食べ頃の牡蠣が数種類並ぶ。ただし、出店は牡蠣のシーズンである9月から4月の間のみ。
サマーセットにある農場で飼われているバッファローの肉、ミルク、チーズ、ヨーグルトを扱う。バッファローの乳製品は、牛のものに比べて低脂肪・低コレステロールで、ヨーグルトは特にあっさりしている。牛の乳製品も置いているが、やっぱりバッファローのものを試したい。
日時: 日曜 10〜14時
この道30年のジェンナーさん夫妻が切り盛りする、ゴート・チーズ専門店。農場で飼育されている450頭のヤギのミルクからできたチーズに、お客が次々と惹き付けられる。毎週売り切れてしまうものもあると言い、最近の一番人気はガーリックとハーブが香る「Little Garlic」。
CHILTERN FARM FOOD
KUSHCUISINE

現在ロンドン最大規模を誇るのがココ。多くのストール主がこのファーマーズ・マーケットへの出店を希望し、また他会場との出店掛け持ちをするのに当会場を選ぶとのこと。市内中心部で主要駅やオックスフォード・ストリートに近いこともあり、出店数だけでなく人出の多さもダントツ。取材当日はあいにくの雨だったが、常連客に加えてセルフリッジの袋を提げた人や観光客らで賑わい、列のできるストールがいくつもあった。
小さな子供にも安心して食べさせられる、低糖・低脂肪の手作りケーキとスープを売る。一番人気は、パッション・フルーツのピューレを使った、冷凍保存可能なカップ・チーズケーキ。スープの種類は、旬の素材へのこだわりから週毎に替わるそう。スープもケーキも、素材の旨味がぎっしりと詰まった濃厚な味わいが特長。
ケントから野菜を運ぶ当ストールの自慢はリンゴ。常連客と思しき女性陣が、しっかりと品定めをした上で1袋、2袋と買っていく。野菜や果物を売るストールの中でも特に親切で、ここで素材の調理法を尋ねるお客が多い。そのうちお客同士で情報交換が始まるなど、親しみやすい雰囲気が魅力。

英国トイレ協会(BTA)が発起したLOO OF THE YEAR AWARDSという賞をご存知でしょうか? 毎年、英国中の美しいトイレを表彰、公衆トイレもホテルのように星の数で格付けされるわけです。そして昨年の英国内総合2位という栄誉に輝いたのが、ロンドン中心街の多くを管理下に置くウエストミンスター地区のカウンシル。30万ポンド(約7000万円)もの費用をかけて改装されたオックスフォード・サーカスの公衆トイレは最高ランクの5つ星が与えられました。また、ナショナル・レールのチャリング・クロス駅構内にあるトイレも「公共交通機関」部門での受賞をしています(ただしこちらは有料)
Barrett Street

やはりトイレ選びの基本は清潔さ? 洋式トイレでは必ず腰掛けなければいけない女性陣は特に敏感なよう。デパート、美術館・シアターを選んだ女性の大多数が、国籍問わずに「きれい、使いやすい」という意見で一致。逆に道端で見かける公衆トイレは最終手段のようです。また、「デパートやチェーンのカフェではトイレットペーパーが比較的やわらかいので」(Nさん、英国出身)というこだわりの男性意見もありました。
また、無料かどうかも大きなポイント。「金なんか払ってられるか!」(Tさん、日本出身)という意見が大多数を占めました。「多国籍企業が嫌いなので、チェーンのカフェやファーストフードのトイレをタダで使ってやります」(Dさん、ギリシャ出身)「国際展開しているお店は、たくさん儲けてるんだからいいじゃない」(Mさん、デンマーク出身)という個性的な理由も。また、男性の回答には「道端でしょう!」という意見もちらほら見受けられましたが、ウエストミンスター地区での行為は50ポンドの罰金なのでご注意あれ!
しかし、緊急事態には場所を選んでいられないものまた事実。パブ、チェーンのカフェ、ファストフードが3大駆け込みトイレとして男女を問わず人気です。理由はやはり「どこにでもあるから」というもの。ただし、トイレだと思ったドアがスタッフ・ルームだったりする可能性もあるので、注文してから使う派の人は注意が必要。また「利用客の層が広いから、どんな服でも入れる」(Kさん、男性、日本出身)という声もありました。確かに高級デパートのトイレに汚い格好で駆け込むのはやや気がひけてしまうのかも。

まずは肝心のトイレ設備。奥の自動ドアの向こうにあるホールに案内されると目に飛び込むのは、花が飾られピンクと白の色使いがとても可愛らしい個室の数々。もちろん塵1つなく、便器は「清掃済み」というカバーもついています。紙もふかふか!! 高級ホテルのような豪華な内装に、思わず必要以上に長く居座ってしまいたくなる……。使用後はすぐさまスタッフが個室を清掃するという徹底振り。
メイン・ホールに戻ってみれば「こちらへどうぞ」と美しい女性スタッフに案内され、ずらりと並ぶミラーの前へ。そしてハンド・マッサージが始まります。ブラジル出身だという彼女と世間話をしながらくつろいでいると、ここがロンドン随一のショッピング・ストリートだということを忘れてしまいそう。ちなみにハンド・マッサージの時間は10分と聞いていましたが、個人差があるようで私の場合は6分くらいだったかも? その後は、備え付けのコスメで好きにメイク直しをしてもいいし、スタッフによるメイク・アドバイスも受けられます。オリジナルのコスメやグッズは購入も出来ますが、押し売りのような雰囲気はまったくないので安心。ちなみに個人的なお薦めはリップ・バーム(1ポンド)。使いやすいサイズと柔らかいバラの香りが癖になる一品です。
買い物をしている時に、トイレが見つからなくて大変な思いをしたことがあって。それがこのコンセプトを思いついたきっかけです。でも、ここはただのトイレ以上の場所。地下のトリートメント・ルームを使って、今後はヘッド・マッサージや背中のマッサージも取り入れていこうと検討中なの。女の子って、たくさんのショッピング・バッグを抱えているから疲れるでしょう? パーティーの準備、待ち合わせ、休憩にメイク直しと様々な用途があるけれど、すべての女性に利用してもらえればって思うわ。

コンラン卿プロデュースによる現代プロダクト・デザインの宝庫、デザイン・ミュージアム。ここのトイレは他と一味違うんです。何と言ってもトイレの壁には、歴代の有名デザイナーの顔、顔、顔。女性トイレではミッドセンチュリー時代を代表するファニチャー・デザイナーのイームズ夫妻が、男性トイレでは「ボビーワゴン」のデザインで知られたイタリアの天才デザイナーであるジョエ・コロンボが出迎えてくれます。他にも英国出身の建築家アイリーン・グレイなど、知っていれば思わずニヤリとしそうな似顔絵が。トイレは1階のカフェ・スペースにあるので入場無料。人気のバトラーズ・ワーフを散歩する際にはぜひお立ち寄りを。

古代アイルランドの政治の中心地 



神々とつながる聖なる儀式の場
ユネスコの世界遺産にも登録


子宝に恵まれる石
強力なパワー・スポットの泉

七不思議の奇跡の村



手が全てを語っている
伝統的なサイキック
アイリッシュらしさ満点!
ダブリンの定宿に!
味もボリュームも満点 
アイリッシュ・ブレックファスト



Iain Duncan Smith - 1954年4月9日生まれ、エディンバラ出身。2001年9月12日から保守党党首。2003年10月29日に行われた信任投票に敗れ8日後に党首の座を明け渡す。2005年12月7日、デービッド・キャメロン保守党党首に任命され「Social Justice Policy Group」議長に。保守党党首時代は痛烈な批判にも全く動じないことから「Quiet Man」などのニックネームで親しまれた。

高級感溢れるレストラン。ここでは店員が賭けの注文を取ってくれる(?)ので、わざわざレースごとに犬券を買いに行く必要もない。6週間前には予約が必要というほど土曜日には大混雑だそう。
1階にポツンとある小さなカフェ。トラックには面していないので、観戦には適していないと思いきや、常連っぽいおじさんたちがモニターとパンフレットを見つつ、ひたすら賭けに興じている。ここには何やら真剣な雰囲気が……。
広々としたバー & レストランは、最も多くの人たちが集まる場所。チケット売り場も設置されている。お酒の種類は豊富だが、レストランにはホット・ドッグ、フィッシュ・アンド・チップスなど数種類しか置かれていないのがちょっと寂しい……。
ゲートは2カ所。レースの距離によって場所が変わる。
このウォルサムストウ・スタジアムは1933年にオープンした老舗のドッグ・レース場。規模も英国最大級、いえヨーロッパでも指折りのスケールの大きさです。とは言っても英国以外、ヨーロッパにドッグ・レース場はそれほどありませんけどね(笑)。レースに使われているのはすべてグレイハウンド。その他1年に1回、チャリティー・イベントを開催しています。過去にはグレイハウンドの小型版とも言えるウィペットや、アフガン・ハウンドを使ったレース、近年ではポニー(ジョッキー付)・レースもやりました。
19時45分。さあ、いよいよレース開始だ。ちなみにレース場は月、火、木、金、土曜日オープン。火、木、土は18時30分開場、19時45分レース開始(土のみ19時30分)で、月曜日は13時15分開場、14時18分開始。金曜日は10時30分開場、11時11分開始となっている。最終レースまでの約3時間で計13〜14レースが十数分置きに行われる。通常、このレース場で行われるのはグレイハウンドの6頭立てレースのみ。中にはハードル・レースもあるのが驚きだ。
賭け事と名の付くものは一切やったことのない私たち2人。まずはパンフレットを見て勉強をすることに。ポールさんに簡単な見方を教わる。レースごとに6頭の犬たちの名前、過去数レースの順位とタイム、そして各ページの左上にはレースのレベルも記されている。数字が少ないレースほどタイムの速い犬が揃っているのだとか。観客はこのパンフレットをにらみつつ、トラックを試し走りする犬を眺めて賭け方を検討する。
賭ける犬を決めたら今度は実際にチケットを購入。チケットの購入方法は2通りある。1つは「Tote Betting」というレース場正規の窓口で買う方法。そしてもう1つがトラック前に陣取っている予想屋から購入する方法だ。予想屋の場合は賭け金や配当が定まっていないし、最低賭け金が5ポンドからと高めだったので、初心者としては前者を利用することにする。ちなみにTote Bettingでの最低賭け金は20ペンス。重くなった小銭を減らす感覚でレースに参加できるのが嬉しい。
トラックに置かれている巨大掲示板や至るところに設置されているモニターを見て、刻一刻と変化するオッズをチェック。上図を例にとってみると、第4レースの1番人気は2の犬。この時点では「ウィン」で10ペンス賭けると配当金が21ペンスになるという具合だ。
50ペンスとはいえ勝利は勝利、とにかく換金だといそいそとTote Bettingへ。チケット購入だけではなく、現金を受け取るのもこの窓口だ。チケットを渡すとジャラジャラとコインを渡される。50ペンスが2ポンド75ペンスへ。もう少し賭けておくんだったとちょっと後悔しつつも、喜びを隠し切れない私たちなのであった。その後もう1レース、今度は「リバース・フォーキャスト」にチャレンジしたもののあえなく敗退。やはりビギナーズ・ラックは1回切りだった……。

さあいよいよ挑戦だ、と今度は窓口で質問攻めにする。窓口の男性はとてもフレンドリーで、賭け方や種類、賭け率などを詳しく説明してくれた。「どれかすぐ結果が分かるものをやってみたいんだけど」と伝えると、ホース・レースを勧められた。大きなレースだと事前に買う人もいるが、大体みんな当日になって馬の調子や様子を見て買うらしい。
常連のおじさんにインタビュー
カジノと聞いた時、どのような光景を思い浮かべるだろうか。米ラスベガスのゴージャス・カジノ? それとも犯罪の匂いがプンプン漂う怪しげな小部屋? 英国カジノの歴史はやはりというべきか、上流階級の人々の集う「紳士クラブ」から始まった。
あらゆる階層の人々に愛され続けているギャンブル。ギャンブルに関しては寛容であることで知られる英国だが、その背景には政府のせつないまでの試行錯誤があった。政府は一昨年の賭博法改正でギャンブルの規制緩和を打ち出したが、英国ギャンブルの歴史はこれまで規制、緩和、規制、緩和をひたすら繰り返しているのだ。















●
各スーパーのオリジナル商品についてもいくつかピックアップして(やはり勝手に)比較検討。今回は、ドリンクからデザートまで£10で収まる



サバの燻製のにぎり、カニカマとアボガド、ツナのカリフォルニア・ロール2種、にんじんと大根など細巻き2種。ガリ、わさび、しょう油、お手拭つき。日本では考えられないスシ。でもご飯はこの中で一番美味しいかも。ご飯率58%と具の割合が多く、寿司と見なさなければそれなりに美味しい。ただやはり、野菜のスシは日本人にはムリがある。
ミニ・サイズのスシ。サーモン、サーモン・トラウト、白身魚のすり身、卵焼きのにぎりが計6つときゅうり巻きが3つ。ガリ、しょう油付き。一番日本の寿司に近い。ご飯がちょっと硬めで、あまり味がついていないが、具とのバランスがよく食べやすい。一番美味しい。
サーモンにぎりが2貫、エビにぎり、サーモンとツナのカリフォルニア・ロール2種に、きゅうりやパプリカの野菜細巻きが3種入っている。ガリ、わさび、しょう油付き。にぎりのサーモンはひたすら薄っぺらい。カリフォルニア・ロールはハーブの利いたアジア風味というか、なんだか不思議な味がする。
スモーク・サーモンにぎり、エビにぎり、ツナのカリフォルニア・ロール、スモーク・サーモン細巻き2コ、きゅうり細巻き。ガリ、わさび、しょう油、箸付き。ご飯をやわらかく炊きすぎたのか、成型の圧力で半分モチ状態。でも、寿司飯っぽい味付けになっているのはすごい。値段から考えるとお買い得商品。
一番値段が高い。しかし、バターの層が細かく均一で、一番美しく見える。サクッと焼けていて、皮の部分は一番美味しい。中身もバターたっぷりなのか、しっとりしていて美味しい。ちなみにM&Sで作られる食品で卵を使用するものは全てフリーレンジの卵使用らしい。
一番安い! ツヤ出しの卵がたっぷりかかっていて(かけ過ぎ?)、テカテカして見える。中身も卵とバターたっぷりなのか、他社製品と比べて黄色い。外の皮が硬く、中身もスカスカしているというか、なんだかいまひとつバターが感じられず、正直一番美味しくない……。ちょっとがっかりの一品。
形はM&Sに似ているが、巻き方が左右均一ではない。見た目にシナシナ感がありサクサク度ではM&Sに及ばず。でも、中身はきめ細かくしっとりしており、バターが感じられて美味しい。
紙箱入り。水煮で比較したかったのだが、M&Sにはトマトソース煮しかないという。(やはりバリエーションが少ない!)そして高い。肝心の中身は、身が崩れやすい。個人的な好みの問題だろうが、あまり美味しくない。
紙箱入り。なかなかかわいらしいパッケージである。そしてなんと言っても安い! 他社製品はイワシの皮が部分的に剥げていて見た目がちょっと悪いものが多かったが、ウェイトローズのものはキレイだった。ちょっとあっさり目で美味しい。
これもレトロ調のお洒落な缶。他社製品の材料には塩が加わっているのに対し、こちらはイワシと水だけとなっている。そして、その分味がない。調理用に買うと良いのか?
実際ウェイトローズと並んで一番安いのだが、見た目に一番安っぽい。イワシが小さいためか(他社の製品が3匹入りのところ4匹入っていた)、身に締りがあって新鮮さを感じる。ウェイトローズより味が濃い気もするが美味しい。
パッケージは一番高級感がある。もちろんフリーレンジ卵使用。表面に近い部分(2ミリくらい)は、「す」が入っていて、舌触りが悪いが、全体的には滑らか、優しい卵味が美味しい。
イタリア製。とにかく濃厚。クリーミーで舌触りはいいが、かなり甘い。ちょっとクドイかも。セインズベリーの商品と比べて、糖分、脂肪、塩分、(当然カロリーも)全て上回っている。甘党の方にどうぞ。
イタリア製。カラメル・ソースの割合が一番多い。塩分は一番低い。クリーミーで、ウェイトローズの商品と比べるとさほど甘くなく美味しい。パッケージには「リサイクル紙を99%以上利用」との記載あり。
パッケージ表側に分かりやすく栄養表示アリ。原料の記載が一番大ざっぱ。M&Sより軽い感じだが、あまり大差はない。より滑らかな食感で美味しい。
一時帰国にも本帰国にも、おみやげを欠かせないのが日本人の悲しい性。ハロッズやフォートナム&メイソンの高級紅茶もいいけれど、スーパーで、あげて楽しい、もらってうれしい、そしてちょっと差がつく(比較的安価な)おみやげを探してみよう。
M&S








6カ国対抗戦、といった本来の大会趣旨とは別に、イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドの英国を構成する4カ国には、大会中にどうしても勝ち取らなければならないタイトルがある。その主たるものが、イングランド対スコットランド戦の別称「カルカッタ杯」、イングランド対アイルランド戦の「ミレニアム杯」だ。さらにはウェールズも含めて自国以外の英国その他3カ国から勝利を収めると、「トリプル・クラウン」を達成したとして国中が大騒ぎとなる。つまり、たとえフランスとイタリアとの対戦に敗れ3位以下が決定的になったとしても、残りの3カ国に勝てればファンは万々歳、といった仕組みになっている。ちなみに欧州参加国含めたどのチームであれ、5カ国全てに対して勝利を収める完全優勝は「グランド・スラム」と呼ばれている。










やがて主流となっていったケンブリッジ大学派とラグビー校派の2つのルールをさらに統一しようと、ロンドン全体の「フットボール」を管轄するアマチュア・クラブ協会が乗り出した。しかしここで問題となったのが、「ハッキング」と呼ばれる選手が手に持ったボールに対する膝蹴りに対する見解。危険なので一切禁止すべきとするケンブリッジ大学派と、膝蹴りこそがこのスポーツの最大の魅力とするラグビー校派の主張はお互い相容れないままに決裂した。

かつてラグビー選手には、2つの階層が存在しました。1つは、イングランド北部の労働者階級に属する兼業選手。彼らには生活がかかっているので、試合出場の際に給料の支払いを要求しました。それに反発しアマチュアリズムを標榜したのが、オックスフォード大学やケンブリッジ大学に代表されるエリート階級であり、こちらが後の英国におけるラグビーを先導することになります。



1997年11月13日、ナショナル・ロッタリーが778万ポンド(約17億円)を再開発資金として提供することを発表し、バースの街は歓喜に沸いた。それから、約9年の歳月を費やして2006年8月にようやく完成したのが、このテルメ・バース・スパ。新しく完成したニュー・ローマン・スパは、プールが3つ(内1つはトリートメント用のプライベート)に、アロマセラピーを施したスティーム・ルームが備え付けられていたモダンなスパ・リゾートだ。目玉はなんといっても40種以上のミネラルを含んだ「天然の温泉」。ここでは毎日約100万リットルもの湯が湧き出しているのだ(源泉は45℃だが、スパでは36℃程度に薄められている)。屋上には、バースの絶景を眺められるプールがある。 ここで、プカプカ身体を浮かばせながら空を眺めているとまさに極楽。ストレス解消にもってこいの場所だ。
この日受けたのは、ワツという聞きなれないトリートメント。ワツはカリフォルニアに住む指圧師によって編み出されたと言う水中の指圧(Water Shiatsuが語源らしい)のことだそう。トリートメントは、昔から医療施設として使用されてきたという地階のプール、ホット・バスで行われる。天窓から降り注ぐ日差しが爽やかな直径10メートル程のこの円形プールはワツ専用。1度に施術を受けられるのは1人で、施術中はこのプールに他の人が立ち入ることはないという。なんて贅沢。
担当のセラピスト、ジョアンナさんは、いかにもセラピストといった感じの柔らかい雰囲気の女性。ジョアンナさんからワツの説明を受けた後ホット・バスに入り、彼女の腕に頭を乗せ身体を水中に浮かせる。それから後はすべてセラピストまかせ。水中で、まるで揺りかごで揺られているような浮遊感を全身に感じながら受ける軽い指圧マッサージが最高に心地良かった。身体よりも心に効きそうなトリートメントで本格的なマッサージとはまた違うが、この水中を漂う海藻感覚がなんとも深いリラクゼーションに導いてくれるのだ。施術後は、ただただ脱力。出されたハーブ・ティーを抱えたままの放心状態が続き、しばらく現実に戻れませんでした。

英国生まれの自然派化粧品エレミスが手掛けたエキゾチックなスパは、ドアを開けたその瞬間から、時の流れが止まったような静寂さに包まれる空間。静けさの中にほのかに漂うエッセンシャル・オイルの香りに嗅覚が刺
このエンザイムが働いている間、腕、首、肩を念入りにマッサージしてくれたのですが、これがもう最高。力加減が絶妙で、身体がとろけるような極楽気分を味わいました。寒くないようにと、マッサージが終わった部位から大きなタオルに包んでくれる心遣いもさすが(終了時には蚕のようになっていました)。この後、あまりの気持ち良さに少しウトウトしてしまったのか、気付いた時には、3段階最後のエンザイム(レモン)を浸透させ終わった後。
トリ・エンザイム・リサーフェーシング・フェイシャルの発売を記念して、フェイシャル・ウォッシュ、リサーフェシング・セラム、リフレッシング・ナイト・クリームの3点が含まれたフェイシャル・セット(£200相当)を1名様にプレゼントします。プレゼント応募方法は
英国初のジェントルマン専用スパ。散髪、髭剃りと言った床屋的な作業から、男性のためのマニキュア(爪の手入れ)、日焼け用のサンベッドそして全身マッサージといったトリートメントまで、ここ一軒でグルーミングのすべてが済んでしまう画期的な場所だ。
男性専用スパと聞いて、どんな人が通うのだろうと想像が膨らんだが、待合室にいたのは、アルマーニのスーツを着た恰幅の良い初老の男性を始め、ビシッとスーツで決めたビジネスマン風の男性がほとんどだった。ここは、むしろ紳士クラブ的な役割を持った場所なのかも知れないと思った。

名門ホテル、マンダリン・オリエンタルご自慢のラグジュアリーなスパ。一歩足を踏み入れると、そこは街中の喧噪が嘘のように静寂が漂う空間だ。究極のリラックスを提供するに相応しい禅をテーマとしたスッキリとしたインテリアは、日本人建築家デュオAZUMIによるデザイン。室内はキャンドル・ライトで薄暗く照らされ、そこにいるだけでスーッと気持ちが静まるのが実感できる。
水の力を徹底的に利用したハイドロセラピー(水治療法)が充実しているスパ。英国で最も素晴らしいスパに贈られる「デイ・スパ・オブ・ザ・イヤー」を何度も受賞していることからも、その実力がうかがえよう。6つの温泉プールの中でも、幻想的なインテリアが施されたフローテーション・プールは是非試して欲しい場所。21種類のミネラル成分を含む死海の塩を利用したこのプールにフワフワと体を漂わせると、日頃のストレスがスーと消えていくから不思議だ。アンチ・エイジングなど各種ビューティー・トリートメントのほか、関節炎、筋肉痛、リハビリなど体調に合わせたトリートメントを提案してくれるので、男性にもお勧めしたい。メディテーションなど心に働きかける講座も提供しており、心身共にリフレッシュできること請け合い。
ウェストミンスター区の運営する公共スパ。自治体運営とはいえ、ターキッシュ・ホット・ルームズ(ターキッシュ・バス)が3つ、ロシアン・スティーム・ルームが2つにフィンランド式サウナと冷水プールがある本格派。インテリアもアール・デコ・スタイルを取り入れたエレガントなものなので、優雅な気分を味わえるはず。曜日によって、男性専用、女性専用、カップル専用と分けられているので、予約時の確認を忘れずに。ボディ・スクラブ、全身パック、マッサージなどの各種トリートメントは別料金(要予約)で受けられる。














フラワー・ショップ、ギフト・ショップも備えたサロン。全面ガラス張りの明るい店内には、マッサージ用のチェアが並べられ、気持ち良さそうにマッサージを受ける人の姿が見受けられることも。これらのエナジャイジング・チェア・マッサージは10分10ポンドからあり、ちょっと疲れた時に気軽に寄れるのが魅力。奥では、ストーン・セラピーなどの本格的トリートメントを行っている。 
スパなどのサロンより敷居が低いので、疲れた時に気軽に立ち寄れるのが嬉しいリフレクソロジーの店。お値段も25ポンドからと良心的。経験豊富なリフレクソロジストが揃っているので、店を出る頃には疲れが溜まっていた足が軽くなること請け合い。65ポンドから出張サービスの依頼も可能(詳細はTel: 07958 088 044)。
映画「Miss Potter」(邦題:ミス・ポター)
「Miss Potter」では、湖水地方ならではの美しい風景のカットがストーリーの合い間で効果的に使われている。その1つが、1929年にポターが購入したターン・ハウズと呼ばれる小さな湖と、その周りを囲う広大な敷地。遠景には山々が連なっており、その他の観光スポットとは一線を画した険しいぐらいの野性味溢れる景色が広がっている。この辺りまで来ると観光客の数もぐんと減るので、湖水地方のまた違った顔を発見することができるかもしれない。特にターン・ハウズを取り巻く周囲約2.5キロの散歩道はのどかで美しい。
後にポターの夫となる事務弁護士ウィリアム・ヒーリス氏の事務所として撮影に使用されたのは、ちょっと意外な場所。ここはかつてラム酒貿易で栄えたホワイトヘブン地区の歴史をテーマとしたエンターテイメント施設なのだ。施設内にはこのラム酒貿易で莫大な資産を築いたジェファーソン一家のオフィスがあるのだが、「Miss Potter」撮影のためにわざわざ改築が施されたという。かつては貿易に関わる作業について細かい指示を出し、また労働者たちの監視を行ったといういわば司令塔が持つ独特の気高い雰囲気が、当時の事務弁護士が働いた事務所の再現に一役買っている。
ロンドンの実家を離れて湖水地方に住まいを移したポターが、ヒル・トップと呼ばれる自宅の庭で楽しそうに農作業を行うシーンがある。その撮影が行われたのがこのユー・トゥリー・ファーム。実際ここは、地元の再開発計画から守るためにポターが購入した農場の1つであった。さらにはこの敷地を使って当時はまだ珍しかったB&Bの経営に乗り出し、アフタヌーン・ティーがたしなめる喫茶室まで作ったという。当時の面影はそのまま残っており、敷地の狭さから撮影が見送られた本物のヒル・トップに代わってロケ地としての役割を見事果たした。
「Miss Potter」のストーリー後半で、レニー・ゼルウィガー演じるポターが湖畔で佇む姿を捉えたシーンが度々出てくる。このロケ地に多く使われたのが、湖水地方の巨大な国立公園の一部となっているダーウェント湖。実際この界隈には、ポター自身が41歳になるまで家族と一緒に休暇を過ごした別荘があった。ポターはこの地において目にした木々や庭、その他の風景を描いた多数のデッサンを残しており、特に「ベンジャミン・バニーのおはなし」や「ティギーおばさんのおはなし」などの物語の舞台として知られている。
ロンドンに住んでいた幼き頃のポターが湖水地方へと家族旅行に出掛ける時、また大人になったポターが両地間を移動する際と、2回にわたって大きく映し出されるのが高架橋。英国北部の田園地帯という見晴らしの良い風景の中を、蒸気機関車が走っていく姿は圧巻だ。ロケ地として使われたのは、今でも運行を続けるセトル・カーライル・レイルウェイの線路上。イングランド中央部のリーズからスコットランド近郊カーライルまで北上しながら、英国の田舎に残る美しい風景を車窓に次々と映し出す、希少な路線である。
こちらはポターが湖水地方での生活の拠点とした本物のヒル・トップ。家の庭には、彼女が描いた物語の場面そのままの光景が残っている。
絵本に登場するキャラクターの展示するなど、絵本の中の世界をできるだけ忠実に再現した博物館。小さなお子さんなどは、ここに来ればまず間違いなく喜ぶはず。
小さい頃に受けた英才教育のお陰で、風景画の教養と技術も持ち合わせていたポター。ここでは絵本の世界とはまた一味趣の違った水彩画などが展示されている。
当時ヒル・トップに住んでいたポターが購入した別荘。ここで「カルアシ・チミーのおはなし」や「こぶたのピグリン・ブランドのおはなし」を描いたとされる。
まだコンピューターが存在しない時代。当時そのままの状況を保存したこの博物館において、印刷所を訪れたポターが厳しく注文を付けるシーンが撮影された。

19世紀の英国を舞台とした「Miss Potter」では、上流階級出身のポターが馬車を使って移動する場面が多く見られる。これらの撮影の大半が行われたのが、ご存知ハイド・パーク。
撮影のため、2006年に湖水地方を訪れた






