Hanacell
Freilichtmuseum Finseterau フィンスターアウ野外博物館

フィンスターアウ野外博物館 /
Freilichtmuseum Finseterau

チェコとの国境沿いに広がるバイエルン国立公園。その一角に、バイエルンの森での一昔前の生活を振り返れるよう当時の農家や鍛冶屋などの建物を移築して作られたのが、このフィンスターアウ野外博物館だ。

今や観光客や保養客で賑わい、豊かな自然が人々をひきつけてやまないこの地域一帯も、ほんの100年前までは、山と谷に囲まれて交通の便も悪く、冬は深い雪に閉ざされるへき地だった。野外博物館の敷地内にある建物に足を踏み入れると、そこには過去の住人たちの使っていた調度品や身の回りのものがそのままに残されており、貧しく、慎ましい暮らしを余儀なくされていた時代にトリップしたかのような気持ちにさせてくれる。

ミュージアム

ソリ
冬はソリが必需品だった

「Sachls」と名付けられた農家跡では、その農家の主が役人に宛てて、夜中も働かざるをえないような困窮ぶりを訴え、先行きの見えない子ども達の将来を嘆く手紙も展示されており、読む人の心を打つ。

1970年代まで使われていた小さな農家の台所には、手作りのコンポートやジャムなどの保存食品が並び、隣の部屋には手芸道具や読んでいた新聞が束になって残されている。そこに住んでいた女性は最後まで自立し、社会保障などの世話になることなく90歳近くで亡くなったという。今も生活のぬくもりが随所から感じられ、背筋をぐっと伸ばして生き抜いた1人のバイエルン女性の姿が浮かんでくる。

また使用人を何十人も抱え、一時は名士として鳴らしたものの戦争にほんろうされ、後継ぎにも恵まれず、機械化の波に取り残された富農の住居跡「Petzihof」は、四角面体の構造で、建てられた1847年当時のままの面影を残しており、建築物としても興味深い。

この博物館は過去の遺物の集積ではない。バイエルンの森で地に足をつけて生きた人々の足跡を生き生きと今に生きる私達に伝えてくれるのだ。

室内
生活のぬくもりが今も伝わる


museum data
Freilichtmuseum Finsterau
開館時間 9時~18時
休館日 月曜日
入場料 大人4ユーロ、子ども2ユーロ
住所 Museumsstr. 51 94151 Finsterau map
TEL 08557-96060
WEB http://www.freilichtmuseum.de
 
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