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ジャパンダイジェスト
Sa. 29. Feb. 2020

ドイツで迎える老後のお話 - 医学博士 篠田郁弥

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高齢者の共同生活
「高齢者用集合住宅訪問記」①

高山 巴菜子

昨年10月の暖かかったある日、デュッセルドルフ駅からトラムで15分程の住宅地にある、高齢者用集合住宅プロジェクトの責任者であるLさん宅を訪ねました。少々道に迷ったため、約束の時間に遅れてしまったのですが、お2人で建物の前に椅子を置いてゆったりと座り、(日本人の習性からか、焦って小走りする)私たちを見ると、「急がなくていいから」と手で合図をしてくださいました。このお2人、実は別れたご夫婦なのですが、今でも気が合うのか、とても仲良くされています。そういうところが「ドイツ的だなあ」と感心してしまいました。

集合住宅の建物は木をたくさん取り入れたモダンなデザインで、明るく開放感に溢れています。まるで最近出来たばかりなのかと思うほどピカピカに磨かれたフロアに足を踏み入れ、その右側にある共有のリビング兼事務室で、お話をうかがいました。一面がすべてガラス張りの明るい事務室の壁には絵が飾られていて、「入居者が所有する絵を交替で掛け替えるんですよ」とのこと。お邪魔した日は、 オーストリアの画家フンデルトヴァッサーの絵が掛かっていました。

お話は、昔からいろいろな活動に関わっていたというLさんの自己紹介から始まりました。今回は、集合住宅を計画し、入居にいたるまでの過程をお伝えします。

Q: 集合住宅の計画から完成までの期間、費用は?

庭付き住居のかわいらしい庭

A: 高齢期の人々が共に助け合い、社会参加しながら人生を過ごそうと考える仲間が定期的に集まるようになって、 そこで集合住宅建設の話が持ち上がったので法人を作りました。その後間もなく、共同で住むための建物の用地探しが始まりました。出資してくれる会社を探し、出来上がるまでに5年程掛かっています。一番苦労したのは用地探しです。用地が決まってから設計を依頼し、プランが出来上がるまでは半年。それから話し合いを経て、完成するまでに1年掛かりました。入居してからは3年が経っています。

Q: 市建設局の役割や援助は?

A: 市が支援する我々のような会のプロジェクトへの参加を通じて、関係役所(WohnungsamtやSozialamtなど)とのコンタクト作りができました。また、私たちの法人と公務員や様々な人々との月に1回行われる意見交換の場を通して、経済関係者(出資者)とも繋がりができ、用地獲得のきっかけとなりました。

Q: 敷地、建坪、各部屋の面積と賃貸料は?

庭付き住居のかわいらしい庭A: 例えば、単身者用住居は行政からの支援がある個別住居で47平方メートルです。入り口も個別にあり、小さな庭が付いています。賃貸料は、1平方メートル当たり5.20〜6.10 ユーロ。これは、基本的には月収1200ユーロまでの人が対象の賃貸基準料金で、高熱費を含めると家賃は月約400ユーロです。月収1800ユーロまでの人も入居の対象となり得ますが、その場合は1平方メートル当たり7.50ユーロプラス雑費が掛かり、少し割高になります。2人用住居は65平方メートルの広さで、個別の入り口と、庭またはテラスが付き、高熱費込みで約970ユーロです。2人用住居でも収入が一定以上ある場合は、同じ集合住宅の建物内でも行政からの支援はなく、一般不動産の住居と同じ扱いになるので、家賃は1000~1300ユーロプラス雑費で、約2000ユーロになります。

Q: その他の諸経費は?

A: 集合住宅内での共有スペース使用料(居間、地下の集会室、工具室、工作室など)が、単身者は月35ユーロ、2名では55ユーロ となっています。

次回も「高齢者用集合住宅訪問記」です。実際の生活などについてお話ししたいと思います。詳しいご質問やご意見はDeJak-友の会 www.dejak-tomonokai.deへどうぞ。

高山 巴菜子
ドイツ在住歴17年。日独の共通テーマである少子高齢化社会、若者の貧困問題をきっかけに、多世代交流型住宅に興味を持つ。老後について考える会「DeJaK-友の会」会員として、ドイツの様々な高齢者関連プロジェクトを視察している。フリー通訳者。

 

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