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ジャパンダイジェスト
Sa. 29. Feb. 2020

ドイツで迎える老後のお話 - 医学博士 篠田郁弥

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高齢者の共同生活
「高齢者用集合住宅訪問記」②  

高山 巴菜子

Q: 居住者の選者、また選択基準は?

A: このプロジェクトのために作られた法人によって 、入居希望者が共同生活に向いている方かどうかを判断しています。

Q: 現在の人数、年齢層は?

 

A: 4組の夫婦(58~70歳)と単身者17人(58~76歳)、うち1人は車椅子を使用し、歩行補助が必要な方が1人、外国出身者も1人います。

Q: 全体での食事や会議、催し物などは?

A: 共有リビングでは、誕生日を一緒に祝ったり、2〜3カ月に1度は一緒に食事をします。簡単なミーティングなどもここで行ないます。また、かつて料理人だった居住者が中心となり、近所に住む子どもたちを定期的に招いて料理教室を催しています。材料などの費用は主に寄付で賄っており、特にクリスマス時期の「コースメニュー料理教室」は好評です。建物内では、階段とフロアの壁面を利用して、頻繁に展覧会が催されています。

印象に残ったこと

地下にある2つの共有スペース(面積は32㎡、95㎡、トイレ付)には会議用の設備があり、後方には大きなオープンキッチンもあります。その部屋のガラス戸越しにはテラスと段になった広い庭スペースがあり、居住者が季節を彩るガーデニングを楽しむ様子がうかがわれました。この部屋は会議室として外部の方にもレンタルしているそうです。また、エクササイズの場としても使われており、居住者たちも積極的に参加しているとのことでした。その横の修理室には、各自が以前の家で使用していた工具や機械が集めて置かれ、誰でも自由に使えるそうです。また、絵を描いたり、工作をする部屋もありました。

建物が出来上がった段階では、この地下共有スペースは内装が施されておらず、コンクリートが剥き出しだったそうです。壁や床、天井などを改装するための費用、キッチン、テーブルなどはすべて寄付で賄ったそうで、このグループの資金調達の技は見習うものがあると感心しました。

地下の洗濯室では、各自が自分の洗濯機を使い、洗濯物を干すスペースも十分にありました。乾燥機、アイロン台なども揃っていて、ちょっとした社交の場にもなっていることが分かりました。

建物構造と利便性

建物内は共有スペースのみならず、1階の各住居前の庭、通路側には椅子とテーブルが置けるスペースがあるなど、どこもゆったりとしています。2階以上の階にはテラスが付いており、どの階も射光が取れるよう、通路は階段状にずれていて、上に行くほど住居は細長い造りになっています。そのため、間取りは階ごとに違い、それがかえって個性的でした。

買い物などの利便性は? と尋ねると、「集合住宅からトラムのある表通りまで徒歩3分。表通りにはパン屋からスーパーまで一通りそろっているし、(日本の食材などが入手できる)インマーマン通りまではトラムで約20分」というお答えで、その便利さにうなってしまいました。

老後

高齢者が集合住宅に住む利点

集合住宅の良さは? と聞くと、「お互いに声を掛け合うことができ、高齢になっても社会で孤立せず、近所との交流を通じて一緒にいろいろなことができる。ドイツ語があまり得意ではなかった外国出身者でも、積極的にほかの住人とドイツ語を話すようになって楽しそう」ということでした。モットーは、「自分たちのできることを積極的に生かし、助け合い、共同生活を楽しむこと」でした。

2回にわたり、高齢者用集合住宅訪問記をお伝えしました。実際に住んでいる方々の生活の様子や、素晴らしい建物の内部を拝見し、生活に密着したお話をうかがうことができました。今後は、希望者を募って見学会を実施できればと思います。

詳しいご質問やご意見はDeJak-友の会 www.dejak-tomonokai.deへどうぞ。

高山 巴菜子
ドイツ在住歴17年。日独の共通テーマである少子高齢化社会、若者の貧困問題をきっかけに、多世代交流型住宅に興味を持つ。老後について考える会「DeJaK-友の会」会員として、ドイツの様々な高齢者関連プロジェクトを視察している。フリー通訳者。

 

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