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ロンドンのゲストハウス
Do. 17. Okt. 2019

ドイツ歯科事情

ドイツの歯科治療の話になると、「すぐに歯を抜こうとするから行きたくない」「ドイツ人の大きな手で歯を治療されるのは嫌だ」「全身麻酔をすることもあるから怖い」と、事実かどうかは別として、ネガティブなイメージが先行しがちです。しかし、日独どちらも世界に誇る先進国。医療の基本は同じはずなのに、なぜこんなにも認識に差があるのでしょう。当コラムでは、実際の日本とドイツの歯科治療の違いや、国民性や社会的背景も踏まえてお伝えいたします。

歯科医師 宮川順充
1971年札幌生まれ。95年歯科医師資格、2003~07年オーストリア・ドナウ大学院大学の講師およびルドルフィナーハウス病院内歯科医院(ウィーン)勤務。08年歯科医療技術インスティテュート IDEA(カリフォルニア)顎機能矯正学部門講師。09~13年ランドハウス歯科医院勤務。14年より同院の経営パートナー。 www.landhausstrasse.com

歯科医院にも 来院シーズンがある?

4年後に東京オリンピックを控える日本では、この数年で外国人旅行客が急激に増加し、季節を問わず観光地は旅行客で溢れるようになりました。ドイツでも日本旅行がブームになってきているということですが、魅力あるニッポンを世界中の人に知ってもらうというのは嬉しいことですね。

一方、私が住むシュトゥットガルトは観光地としての魅力に欠けるためか、特に夏休みシーズンになると、逆に人が少なくなる……という残念な逆転現象が起きることもあるのが寂しいところ。(本当は見どころいっぱいです!)

さて、話は歯科の話に戻り、今回は「歯科医院のシーズン」についてのお話です。歯に問題が起こってすぐに診てもらいたいとき、予約をしようとかかりつけの歯科医院に電話をしても「早くて2週間後ですね」と言われて、仕方なく遠く離れた診療所で診てもらったという経験がある人もいるのではないでしょうか。

歯科医院はいつも予約が取りにくくて困る、と思われるかもしれませんが、実は歯科医院にも「患者さんが多いシーズン」というのがあるのです。そして、もちろんその逆の「患者さんの少ないシーズン」も。さっそく、「季節ごとの来院数の傾向」を見てみましょう。

歯科診療用の椅子

1年を通して見ると、夏前と年末に来院数が増加しているのがわかります。5、6月に増えるのは、子供たちが聖霊降臨祭(Pfingsten)休暇に集中して来院するから。また夏季休暇に入る前に歯を治しておきたいという希望の患者さんが増えるためです。そして一年中で最も来院数が増えるのが10月から12月にかけての年末シーズンです。

これは年内に歯を治してしまいたいという理由もあるのですが、特にプライベート保険加入者が年末に多く受診するという理由が挙げられます。というのも、歯科におけるプライベート保険の補助額は年単位(1月~12月)で決まっていることが多く、さらに前年度に歯科医療費を使わなかったとしても、その補助額が翌年に繰り越されることはありません。そのため「できるだけ年内に限度額まで歯科治療を受けないと損だ」という(ちょっと打算的な!?)動機から一気に来院が増えるというわけです。

逆に年明けと夏に患者数が減る時期がありますが、もし治療を受けるのであればこの季節が狙い目! 歯科医院側もビッシリと詰まったアポイントの中で仕事をするより、時間的に余裕のあるときの方が集中して治療ができますし、クラウンなどが必要な場合には歯科技工士もストレスなく予定を組めるという利点ずくめ。

歯の痛みはいつも突然ですが、なぜか歯科医院の繁忙期に起こることが多いのです。一般的に個人の歯科診療所はクリスマスシーズンは休業ですが、ときどき急患当番(地域の緊急症状患者のため歯科医師会から指定されます)で年末年始に診療所を開けることがありますが、そのときは多いときで1日100人近い患者さんが受診しました。大変なのは、ほぼ全員が「歯が痛くて夜も眠れない」レベルの痛みだということです。

歯の健康のためには「問題が起こる前に予防的に受診する」ことが大切。次に歯科医院に予約を入れるときは、ピークシーズンを外してみてはいかがでしょうか?

 
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