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意識改革から始める資産運用

ドイツでお金と上手に付き合う方法

山片 重嘉山片 重嘉 (やまかたしげよし)
ファイナンシャルアドバイザー

1970年生まれ。98年に渡独、文化交流や持続可能農業のプロジェクトに携わる。また、食と健康のアドバイザーとして講演活動などに勤しむ。その後、ファイナンシャルアドバイザーとして独立。個人・法人へのアドバイスを行っている。人生のテーマは、健康とお金を切り口に、豊かな生き方について考えること。

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88コロナ時代の貯蓄方法①:現金は安全!?

「今後どのように貯蓄をしたらいいですか?」、「コロナで株価が暴落するかもしれないので年金積立は休止した方が良いでしょうか?」、「コロナが落ち着くまで積立投資を始めるのは待つべきですか?」。ここ最近で、コロナ禍における貯蓄に関する質問をいくつか受けました。これからいつまで続くか分からないコロナ時代とその後、自分の資産をどうやって守り老後に備えられるか、についてご案内します。

積み立てはいつから始めるべき?

そもそも国の年金だけでは老後のお金は不足してしまうため、長期的な積立や貯蓄は誰しも必要です。そのために、国は個人年金保険を通して所得税控除や補助金の制度を用意しており、すぐにでも始めるのが賢明といえるでしょう。長期的に積み立てる方が複利効果が大きく働くので、同じ金額を貯蓄するにも毎月の積立額は少なくて済みます。

例えば、毎月200ユーロを年利5%で20年間積み立てた場合は約8万2000ユーロになりますが、期間を1.5倍の30年積み立てると、先の倍以上の約16万6000ユーロになります。30代のうちに始めておけば30年の期間があるため、だいぶ楽になります。

現金での積み立ては安全?

いわゆる「タンス預金」は、目減りしないから安全だといえるのでしょうか。しかし、貯蓄口座の利率は0.01%、2019年のドイツの物価は1.4%上昇しているため、お金の価値は物価に対して確実に年1%以上目減りしています。それ対し、株価は長期的に見て1年で平均7〜8%上昇しているのです。

リーマンショック後に行われた量的緩和と低金利政策はコロナ禍によりさらに続くため、今後現金を預けても利子は付かず、株価はより上昇しやすくなるでしょう。20年、30年といった長期的な期間で見ると、株価は今まで必ず上昇しています。1990年からの30年の間には、2000年のITバブル崩壊、2008年のリーマンショック、2020年のコロナショックといった、100年に一度といわれるような危機がありましたが、それでも例えば米国の代表的な500社の指数S&P500は年利(複利)が7.7%もあるのです。

株と聞くと投機的で怖いと思う方がいるかもしれませんが、長期的運用ではそんなことはありません。国が税金控除の制度を用意して推奨する年金保険でも、その中身を株式インデックスのETF(上場投資信託)にすることも可能です。資産運用はばくちではなく、確実に資産を守り増やすためのものですから、そのための方法を説明していきます。

株式に積み立てる割合は?

株式が良いといっても、「卵は一つの籠に盛るな」という格言にもあるように、株式だけではなく、ほかのものに分散することも大切になります。年齢が若いほど株式比率は高めにし、年金生活が近づくに連れて変動幅の大きい株式の割合を減らすべきでしょう。株式は長期的には上昇しますが、短期的には価格が下がることがあるからです。年金保険では、受給年齢が近づくと自動的に変動幅の少ないものに移行するオプションを選択できます。

企業に勤めている方は、すでに毎月給与額面の約20%もの額を公的年金に投資しています。公的年金も一部は株式に投資されてはいますが、債権や固定利子部分もあるので、追加で行う個人年金のための積み立ては、大部分を株式に入れても十分に分散されているといえます(ただし、自営業の場合は自分で調整が必要です)。*次回は、より具体的な方法をご案内します。

 
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