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意識改革から始める資産運用

ドイツでお金と上手に付き合う方法

山片 重嘉山片 重嘉 (やまかたしげよし)
ファイナンシャルアドバイザー

1970年生まれ。98年に渡独、文化交流や持続可能農業のプロジェクトに携わる。また、食と健康のアドバイザーとして講演活動などに勤しむ。その後、ファイナンシャルアドバイザーとして独立。個人・法人へのアドバイスを行っている。人生のテーマは、健康とお金を切り口に、豊かな生き方について考えること。

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96おいしいもうけ話にはご注意!

株式市場の回復で増える怪しい投資話

コロナ禍が始まって1年が経ちました。旅行・飲食・イベント関係のように大打撃を受け、それが現在も続いている業界もあります。その一方で、株式市場は昨年3月にマイナス30%になったものの、その後急激に回復して過去最高値を更新しました。テスラは一時10倍、ビットコインも10倍とバブル的な上昇を見せています。

こういう時には怪しい投資話もたくさん出てきます。この1年で何人もの方から「こういった案件があるのですが」とお誘いを受けたり、「友だちに勧められたけど、これってどうなんですか?」というような質問がありました。しかし、ただでおいしい話というのはありませんし、リターンが大きいと必ずリスクも大きいもの。例えば、「仮想通貨XXXで確実にもうかる」とか、「少額から不動産投資、2年で年利6.5%」などといったキャッチコピー。これはお客さんをもうけさせるのではなく、カモを寄せつけるためのものです。

少額でうまくいってもリスクあり

例えば、ミュンヘンのある建物の不動産投資で、1ユーロから2万5000ユーロまでの少額で、しかも2〜3年の短期で年利6.5%の債権(Anleihen)を購入できるという話がありました。これがすぐに嘘や詐欺だと判断するわけではありません。しかし不動産投資のリターンの相場は3〜4%なので、相場よりも高いということはそれだけリスクが大きいはずなのです。

投資対象は「債権」とありますが、これは全損リスクがあります(もちろんそのように説明されます)。少額で試してみたら本当に6.5%もらえるのですが、これで立派にカモネギ顧客リストに載るため、次々においしそうな話がやってきます。それに乗せられて次第に金額を大きくし、最後は財産をつぎ込んだんらトンヅラされて全損……となってしまうわけです。

以前にドイツでProkonという風力発電の債権への投資で、8%のリターンというものもありました。宣伝も大々的にしていてよく目にするので、多くの人が購入しましたが、結局破綻して投資資金は戻って来ませんでした。

自転車操業で、宣伝して新たに投資する人がいれば、当初に投資した人はリターンを得るのですが、約束のリターンを払えなくなって破綻するというのは、典型的なポンジスキームの形態です。どちらの例も相場よりも高いリターンがある「一つの会社」の債権に投資するものですが、その会社が破綻すればおしまいです。ポンジスキームが横行するのは、お金を集めて投資を行うこと自体は詐欺ではなく、破綻しても詐欺として立証するのが難しいためです。

積立投資で賢く資産形成

FXやデイトレーディングをしても、ほとんどの人はお金を増やせず資産形成することはできません。SNSはそういう話で溢れているかもしれませんが、多くの人が100メートルを10秒では走れないように、短期で簡単にお金を確実に増やすことは誰にでもできるわけではないのです。しかし長期的に資産形成をするのであれば、退屈でも愚直に世界株インデックスのETFなどに積み立てていけば、平均5〜6%のリターンは十分に見込めます。

日本なら積立NISAやiDeCoといった制度を利用すれば、積立投資をすることで税制上のメリットがあります。ドイツでは年金保険を利用することで、積立額に応じて所得税を控除したり、将来の受給額に対して節税が可能です。ETFでのインデックス投資も年金保険を利用することで、より多くのメリットを得ることができますよ。

 
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