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意識改革から始める資産運用

ドイツでお金と上手に付き合う方法

山片 重嘉山片 重嘉 (やまかたしげよし)
ファイナンシャルアドバイザー

1970年生まれ。98年に渡独、文化交流や持続可能農業のプロジェクトに携わる。また、食と健康のアドバイザーとして講演活動などに勤しむ。その後、ファイナンシャルアドバイザーとして独立。個人・法人へのアドバイスを行っている。人生のテーマは、健康とお金を切り口に、豊かな生き方について考えること。

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3層から成るドイツの年金制度

年金のような制度は、時代が変わっても根本からつくり直すわけではなく、土台の上に追加や変更を加えていくため、複雑化して一般の人には非常に分かりにくいものになってしまいました。現在のドイツの年金制度は、以下のように3層から成っています。

1層目
・ 法定年金(所得税控除あり)
・ Basisrente(個人年金、所得税控除あり)

2層目
・ 企業年金(所得税・社会保障費控除あり)
・ リースター年金(所得税控除または補助金あり)

3層目
・ プライベート年金(受給時の運用益に対する減税あり)

法定年金だけでは十分ではなく、このままでは貧困層が増えてしまうということで、2000年代にBasisrenteと2層目、3層目がつくられました。これにより追加して個人で年金積立をする場合にも、税金控除や補助金などのメリットを得られることになりました。

法定年金は日本と同じく、現役世代が高齢者の年金を負担しています。しかし、ドイツは移民政策のほか、ITなどの高技能者や高所得者の滞在を優遇しているため、人口が微増しています。これらにより、現役世代の負担増は日本ほどではないと考えられます。それでも年金を45年間納めて受給できる年金の目標値とされているのは、現役時代の収入の48%に過ぎません。現実的にはこれでは足りないため、国は個人年金保険や個人での積立を奨励しています。

かしこく積み立てる方法

新しい年金制度のアイデアとして「株式年金ファンド」も議論されています。過去のデータを見ると、数十年といった長期的運用では株式インデックスの運用益は6%を超えます。そこで国は出生と同時に1人4000ユーロを株式年金ファンドに入金、それが67年の間6%で運用されたとすると元本の50倍の約20万ユーロになります。年金生活は平均18年なので、ひと月当たり年金900ユーロになるとの計算です。キリスト教民主同盟(CDU)のほか、社会民主党(SPD)、 緑の党 、自由民主党(FDP)が支持しているため、いずれ実現するかもしれません。

今から自分のために67年も積み立てることはできませんが、例えば6%で運用する場合、毎月145ユーロを35年間、毎月205ユーロなら30年間積み立てれば、30~35年間で20万ユーロをつくることは十分に可能です。20年しかない場合は6万2000ユーロの一括入金、毎月貯蓄なら月440ユーロで20万ユーロ(6%で運用できた場合)になります。貯蓄期間は長いほうが複利効果が働き、楽に貯められることが分かります。

ETFの株式インデックスへの長期投資が効果的であることは、一般にもずいぶんと認知されてきました。年金保険でも中身を100%ETF積立にして、さらに所得税控除の特典を得ることができます。年金保険などで所得税控除をした場合に得られるおよその還付率は、独身では年収2万ユーロで30%、既婚者は世帯年収3万ユーロで30%、所得の多い人は40%を超えます。Basisrenteでは受給時には所得税の課税対象となりますが、年金収入での税率は通常これよりもかなり低くなるので、現役時代に税金控除をすることに大きなメリットがあります。

もし自分でETF投資をしたいという場合は手数料の低いTrade Republic、Scalable、Smartbrokerなどのネットブローカーを利用すると良いでしょう。年金保険の具体的な見積りや相談はお問い合わせください。

 
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