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意識改革から始める資産運用

ドイツでお金と上手に付き合う方法

山片 重嘉山片 重嘉 (やまかたしげよし)
ファイナンシャルアドバイザー

1970年生まれ。98年に渡独、文化交流や持続可能農業のプロジェクトに携わる。また、食と健康のアドバイザーとして講演活動などに勤しむ。その後、ファイナンシャルアドバイザーとして独立。個人・法人へのアドバイスを行っている。人生のテーマは、健康とお金を切り口に、豊かな生き方について考えること。

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資産運用の土台

1 資産運用の土台

今回から始まる本連載「ドイツでお金と上手に付き合う方法」では、月1回のペースで、ドイツで行う資産運用や助成金の利用方法、年金など、お金に関する具体的な制度や運用方法についてご紹介していきます。  

初回は資産運用のお話から。頑丈な建物に強固な土台が必要なように、資産運用においても、1 非常時の蓄え、 2 リスク回避といった土台が不可欠です。

1. 非常時の蓄え

これは、病気や失業によって収入源が絶たれた時のための備えを意味します。病気で仕事ができなくなった場合、その最初の6週間分の給与は雇用主が負担し、その後、最長1年半まで健康保険会社より手取り額の6~7割まで補償されます。失業の場合には、例えばそれまでに2年以上働いていれば、1年間は失業保険で手取り額の6~7割が支払われます。  

そこで、手取り額の4カ月分ほどの備えがあれば、病気・失業いずれの場合でも約1年間は今までの生活レベルを落とすことなく、就職活動や静養をすることができます。備えがなければ、場合によっては家賃の安い住居へ引っ越したり、将来のための資金である年金保険を解約したりと、生活の質を落とす必要が出てきますが、備えがあればそのようなストレスを軽減することができます。このお金は、タンス預金やTagesgeldkonto(貯蓄口座)、またはBauspar*などに分けておくと良いでしょう。

*住宅資金または普通の貯蓄口座としても使え、低利子で融資も受けられる優れもの。

2. リスク回避

失業や病気以外にも、現代人の生活には多くのリスクがあり、それを軽減するための様々な保険があります。具体的には、人にけがを負わせてしまったり、人のものを壊してしまったときの賠償責任保険(Haftpflichtversicherung)、空き巣や火災の被害に遭った時のための家財保険(Hausratversicherung)、訴訟費用を賄う訴訟保険(Rechtsschutzversicherung)、事故による障害に備える事故保険 (Unfallversichrung)、また歯の治療など、法定健康保険で補償されない部分をカバーする追加健康保険(Zusatzkrankenversicherung)、病気や障害などで仕事ができなくなった時のための就業不能保険(Berufs-unfähigkeitsversicherung)、死亡時に備える生命保険(Risiko Lebensversicherung)などです。  

資産運用のピラミッド

年齢や家族構成などによって必要な備えは変わってきます。いずれにせよ、土台がしっかりしていなければ、何かが起きた時に多額のお金が必要になり、将来のための資金、住宅購入資金、子どものための貯蓄などを切り崩さなければならなくなります。そのため、まずはしっかりした土台を築くことが大切です。  

次回は、資産運用ピラミッドの上の部分、短期・中期・長期的なお金の運用についてお話します。

 
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