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意識改革から始める資産運用

ドイツでお金と上手に付き合う方法

山片 重嘉山片 重嘉 (やまかたしげよし)
ファイナンシャルアドバイザー

1970年生まれ。98年に渡独、文化交流や持続可能農業のプロジェクトに携わる。また、食と健康のアドバイザーとして講演活動などに勤しむ。その後、ファイナンシャルアドバイザーとして独立。個人・法人へのアドバイスを行っている。人生のテーマは、健康とお金を切り口に、豊かな生き方について考えること。

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投資をしない人こそ知っておくべき基礎知識1

36 投資をしない人こそ知っておくべき基礎知識1

「投資」という言葉を聞くと、自分には関係ないと思う方や、中には拒絶反応を起こす方もあるでしょう。そのような方にこそ、ぜひ投資についての基礎知識を持っていただきたいと思います。現代社会を生きるためにお金が必要な以上、投資から逃れることはできません。日本円を持っていることや、銀行預金をすること、年金積み立てをしていることも全て投資にほかならないのです。

「卵を一つのカゴに盛るな」−リスクとその分散について

日本語ではリスク=「危険」のように思われていることが誤解を生んでいますが、お金を運用する上で、「リスクが大きい」とは、「統計上のバラツキが大きい」という意味です。

例えば0.1%の固定利子の銀行預金であれば、その利率は変わりませんからその意味ではその間のリスクはありません。しかし、インフレ率が銀行利子よりも高い現在では、銀行に預けておけば確実にお金が目減りするリスクがあるともいえます。ましてや現金のみで資産を保有している場合、大きなインフレが起これば実質的に資産を減らすことになります。インフレとは、裏を返せば物価が上がることですから、インフレにともなって価格が上昇する不動産や企業に対して投資をすればインフレ対策になります。と言っても、マンションを買う必要はなく、投資信託(Fonds)やETF(インデックス型投信)といった形で、毎月定期的に 購入するなら25ユーロ、一括購入なら500ユーロといった単位から誰にでも購入が可能です。

そのETFの代表とも言える世界の株価指数(MSCI World Index)の場合は、リーマン・ショックにより2009年3月までの半年間で半分以下に、その後2015年までの6年間で3倍以上になるなど比較的大きな変動がありますので、リスク(変動のバラツキ)は大きいと言えます。ただし、この世界株価指数や日経225(代表的日本企業225社の平均株価)、DAX(ドイツの優良30社の株価指数)といった指数であれば、そこに含まれる全ての会社がいっぺんにつぶれるということはないので、その価値がゼロになることはまずありません。ですから、この場合のリスクは、資産が失われるリスクではなく変動のリスクです。つまり、時期を選べばより大きなリターンの可能性もあるということです。個人年金保険でも、その中身にこのような投信やETFを選択することができます。

うまい話には裏がある

一方、一つの会社の株の場合は、その価格は10倍にも100倍にもなることもあれば、ゼロになることもあります。このように非常に大きなリスクがあるので、特定の会社の株のみを買う投資方法は初心者にはお勧めしません。

少し前に、ドイツでは「風力発電で確実に年利8%リターン」という売り文句で一般からの投資を募っていたPROKONという会社がありました。それはGenussscheinという種類の債権の一種でしたので、この会社が倒産した時には紙くずになってしまいました。この事例からの教訓は、一般市場より高い利率が確実に望めるというようなうまい話は決してないということ、全損の可能性があるこのような債権には手を出してはならないということです。

投資信託やETFであれば、運用会社や信託銀行がつぶれたとしても、投資金はその会社の資産とは別に管理されていますので、失われることはありません。

*この文章は投資勧誘のためではなく、あくまでより理解を深め、詐欺的商法から身を守るための情報提供が目的です。理解をしないままに安易に投資をすることはお勧めしません。

 
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