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ロンドンのゲストハウス
Fr. 14. Dez. 2018

第28回 家政費用に対する所得税の減額

バスルームのタイルの貼り替え、壁の塗り直しなど個人宅の補修を自分で行う際、その費用は原則的に、所得税申告時に必要経費として認められません。しかし、個人で家事を人に任せる、介護でプロのサービスを利用する、職人に家屋の補修を依頼するなどの場合には、所得税の減額措置を受けることが可能。今回は家政に関する分野で、確定申告の際に必要な手続きと条件をまとめました。

1)対象業務の種類と所得税の減額率

上記のような家政費用に対する所得税の減額措置は、原則として、個人がこうしたサービスを利用する場合にのみ認められます。業務は自宅で行われ、場所はEU加盟国の中でなければなりません。

どの程度の減額になるかは、業務の依頼人と受託者の関係により分類、等級化され、支払額の一部を直接、所得税の納税額から差し引いて算出します。

① ミニジョブ(Minijob)形式の就業形態

この就業形態では、費用の20%、年間最高510ユーロまでを、納税額から差し引くことができます。

② 社会保障義務を伴う雇用関係、およびサービス企業に外注する業務

家事を手伝う人への支払いが月額450ユーロを超えてミニジョブの範囲外となる場合には、雇用主に社会保障義務が発生します。こうした雇用形態では、支払い額の20%を納税額から差し引くことができますが、年間2万ユーロ分だけが対象となります。たとえば支払い額が3万ユーロであっても、計算のベースになるのは2万ユーロです。算出の結果、実際に納税額から差し引くことができる最高額は4000ユーロです。

また家政に関するサービスで、個人と個人の雇用関係で行うものでなく、サービス企業に業務を外注する場合にも、上記と同じ所得税減額措置が適用されます。たとえば窓拭き専門業者や庭師の利用、個人宅での介護・ケアサービスなどがこれにあたります。家族が介護施設に入居した場合も、そのサービス内容にホームヘルパーに類するものが含まれていれば、所得税減額措置の条件を満たすことになります。

③ 家の改装、保守、省エネ改修のための職人業務

費用の20%、年間最高1200ユーロまでを納税額から差し引くことができます。

所得税減額の手続きは、費用が実際に支払われた年に行い、業務提供者からの正式な請求書があること、現金でない形(銀行振込など)で支払われたことが前提となります。

2)手続き上の留意点

上記に挙げた就労形態について税法上の定義を明記するとともに、留意点を挙げておきます。

① ミニジョブ

「ミニジョブ」とは、月に最高450ユーロまでの支払いが発生する就労形態のことです。掃除や家事手伝いが代表的な例です。支払いに対する控除が認められるためには、ドイツ年金機構に属する「ミニジョブセンター」で、いわゆる「家政チェック手続き」(Haushaltsscheckverfahren)に登録することが必要です。業務の依頼者が、受託者をミニジョブセンターに登録します。

② 家政に関する雇用関係(Haushaltsnahe Beschäftigungsverhältnisse)

業務内容は上記と同じく「家事全般の手伝い」ですが、受託者への支払いが月額450ユーロ以上になり、業務依頼者が法定の社会保障費を支払う義務がある雇用関係です。

③ 家政に関するサービスの提供(Haushaltsnahe Dienstleistungen)

家事手伝いのために誰かを雇うのではなく、自営のサービス業者に業務を依頼する場合。介護やケアサービスが代表的な例です。業務終了後、請求書を受け取ります。

④ 家屋に対する職人仕事(Haushaltsnahe Handwerkerleistungen)

壁のペンキ塗りや壁紙の貼り替えなど、家屋の改装、保守の分野で専門職人が行うサービス。こうした業務について所得税の減額措置を受けるためには、作業が依頼者の個人宅で行われることが条件です。つまり、職人が自分の事業所で行った作業(アンティーク家具の修復など)は減額手続きの対象外となります。

対象になるのは、具体的には職人による実作業、それに必要となった機械の使用、および移動のための費用です。材料費(壁紙、タイル、塗料など)は対象外です。請求書は、金額が項目ごとに分かれ、これをもとに所得税減額手続きの対象を特定できる書式でなければなりません。該当する費用に売上税が課される場合には、これを計上します。

3)まとめ

以上のように、個人宅で発生する業務で、合法的に行われるものは、所得税減額という形で国が奨励します。これにより、年間数百ユーロの減額が可能になる場合もあります。ただ、この恩恵を享受するためには、何よりも業務受託者から請求書を受け取り、請求書の中にサービス内容が正確に記載されている必要があります。弊社では、この点も含めて個人の確定申告を喜んでサポートいたします。

(筆者:税理士クリスティーネ・フュッセル)

RinkeRINKE TREUHAND GmbH
リンケ・トロイハント会計税理事務所

ジャパンデスク
担当:田中
www.rinke-japan.de
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