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中高生の大多数が将来の職業選択について「不明瞭」
「十分に情報を得ている」のは半分

世論調査機関アレンスバッハが行った意識調査の結果が11月25日発表され、将来の職業選択について、中高生の大多数が困難を感じており、「十分な情報を得ている」と感じている人は半数であることが明らかになった。

530人の生徒と480人の中高生の親を対象に実施されたアンケート調査で、全体54%が「将来性のある仕事が何か分からない」と回答。「夢の職業」ランキングでは、「未来の分野」とされるITおよびコンピューター関連の仕事が下位にとどまった。なお、将来の職業についての相談相手として最も多いのが両親で、75%が父親、85%が母親にサポートを求めるとしているが、「両親から十分な助言が得られている」と回答した生徒は半分以下だった。

中高生がキャリアの方向性を描けない傾向は職業訓練や大学の中退率にも反映されており、職業訓練生の4人に1人が訓練を、大学生の3人に1人が学業を中断している。また、職業で重視する事柄について、男子では「収入」が多かった一方、女子では「人との関わり」が上位を占め、私生活とのバランスを重んじる姿勢が浮き彫りとなった。

 

最も経済力がある都市はヴォルフスブルク
旧東独各都市が上位にランクイン

 経済紙ヴィルトシャフツヴォッヘと不動産サイト「イモビリエン・スカウト24」による「勢いのある都市」ランキング上位に、旧東独州のライプツィヒ、エアフルトが選ばれた。11月28日付のヴェルト紙が伝えた。

これは、国内69都市を経済的な活力を基準に比較したもので、1位が自動車大手フォルクスワーゲン本社のあるヴォルフスブルク、2位はアウディの本拠地インゴルシュタット、3位にヴュルツブルクが選ばれた。また旧東独州からはライプツィヒが4位に、エアフルトが9位にランクインした。首都ベルリンは5位。ランキング下位は、ノルトライン=ヴェストファーレン州のルール地方の各都市が占めた。

 

「市民の勇気」示した女性が病院で死亡
トラブルの仲裁に入り、頭部に致命傷

ヘッセン州オッフェンバッハのファストフード店で、トラブルを止めようとして18歳の男性客に頭部を殴られたトゥッチェ・Aさんが11月28日、病院で死亡した。

同ファストフード店のアルバイト店員だったトゥッチェさんは同月15日、3人の男性客に絡まれていた女性客2人を助けようとして間に入り、男性客の1人から頭部を殴られて意識を失った。その後昏睡状態に陥っていたが、脳の損傷が重く、覚醒が期待できないとして、トゥッチェさんの家族が生命維持装置を外すことに同意。23歳の誕生日に死亡が確認された。事件後、多くの市民が病院前に詰め掛け、「市民の勇気」を示したトゥッチェさんを悼んだ。

 

EU市民に対するハルツ4給付拒否に合法判決
欧州裁、「受給には職探しが前提」

ルクセンブルクの欧州裁判所(EuGH)は11日、ドイツ国内で失業中の欧州連合(EU)加盟国出身者に対し、就職活動をしていない場合は生活保護を給付できないとする判断は合法との判決を下した。ヴェルト紙が伝えた。

同判決は、ライプツィヒ在住のルーマニア人女性(25)が起こした訴えに対して下されたもので、この女性は2010年以降、息子とともに同市内にいる自身の姉妹の元に身を寄せており、これまで一度も就業したことがなく、また職業訓練を受けたこともない状態だったという。この女性が長期失業者向け生活保護ハルツ4の申請を行ったところ、同市の就職斡旋所はこれを却下。同件は社会裁判所から欧州裁判所に回され、判断が仰がれた。

連邦政府は同判決に対し、歓迎の意を表明。政府のエツォグツ移民問題担当官(社会民主党=SPD)は、「この判決により、就職斡旋所が明確な論拠を得られたことは良かった」と言明した上で、「個々の事例に対する細心の配慮が必要で、厳しい審査を設けることで誰かが損害を被ることがあってはならない」とも述べた。

 

ケルンで大規模な反イスラム・デモ
警察官49人が負傷、参加者17人逮捕

10月26日、ケルンでフーリガンやネオナチによる大規模な「イスラム過激派サラフィスト排斥」を掲げるデモが行われ、警察が放水や催涙ガスで応戦するほどの騒乱に発展した。ヴェルト紙が伝えた。

このデモは、イスラム過激派サラフィストに対する「反サラフィスト・フーリガン同盟」によって行われ、ネオナチ・グループや極右政党Pro NRWの支持者らも合わせて計4800人が参加した。彼らはケルン中央駅北側に集結。ヒトラー式の敬礼が見られたり、爆音花火が飛び交うなど、デモ開始当初から現場は暴力的な雰囲気に包まれた。彼らは「外国人は出て行け」などと叫びながらケルン市内を行進。この事態を受け、地元警察は1000人の警官を導入。デモ隊の投石や爆音花火などの攻撃に対して放水や催涙ガスで応戦した。この日、49人の警察官が負傷し、デモ参加者のうち17人が逮捕された。

今回の大規模デモを受け、ノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州のイェーガー内相(社会民主党=SPD)は「ケルンはドイツで初めてフーリガンによる暴力集会を許してしまった。これは、集会の自由を悪用した暴力行為にほかならない」とコメント。NRW州では将来的に、こういったフーリガンのデモを禁止する方向で、捜査を行っていくとしている。マース連邦法相(同)は、「このような暴力行為をドイツの都市で行う者には、あらゆる法的手段を用いて罰則を与えるべきだ」と述べ、このような事態を受けてイスラム過激派サラフィストと極右勢力の暴力性が激化することへの懸念を表明した。

一方、デメジエール連邦内相(キリスト教民主同盟=CDU)は、公共放送ARDのニュース番組「ターゲステーメン」で、「司法の明確なあり方」の重要性を強調。フーリガンのデモを取り締まる上で新たな法律は必要ないとして、「暴力行為に対して明確な態度を取ることで、このようなデモを禁止することができる」と述べた。

「フーリガン」とは、暴力的なサッカーファンのことを意味するが、今回のデモはサッカーとは関係がなく、ドイツには1980年代からフーリガンと極右思想を結び付けたネオナチ・グループが存在している。

 

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