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CDU経済協議会から年金改革への批判が噴出
4000億ユーロの負担を指摘

与党キリスト教民主同盟(CDU)の経済協議会から、連立政権が導入を決定した年金改革の撤回を求める声が上がっている。4月23日付のヴェルト紙が伝えた。

CDU経済協議会のシュタイガー事務局長はSPD主導の年金改革について、長期的に見ると4430億ユーロの負担増になり、「新生児が1人当たり5000ユーロの借金を背負う計算になる」と批判。「将来の世代に大きな負担を与える」として、大連立政権による63歳からの早期年金制度と母親年金の導入を撤回すべきであると主張している。

一方で連邦財務省は、今年3月の税収が連邦、州、市町村と合わせて昨年同期比7.2%上昇していることなどに触れ、ドイツの財政状態が盤石であることを強調しているが、2015年以降は社会保障財政が赤字に転じることが予想されており、CDU経済協議会からは「借金財政」を責める声が上がっている。

また、CDUの若手議員らもSPD主導による63歳からの早期年金制度への批判を展開しており、今後の国内経済の指針としての「アジェンダ2020」の作成を求めている。

 

ラインラント=プファルツ州元財相に有罪判決
ニュルブルクリンク開発めぐる背任行為で

コブレンツ地方裁判所は4月16日、2012年に倒産したオートレースのサーキット、ニュルブルクリンクの開発をめぐって背任罪に問われていたラインラント=プファルツ州元財相のインゴルフ・ドイベル被告(社会民主党=SPD)に、懲役3年半の有罪判決を下した。

ニュルブルクリンクの開発をめぐっては、09年に民間からの出資がとん挫したことを受け、3億3000万ユーロの費用をラインラント=プファルツ州が肩代わりし、これによってドイベル氏は州財務相を辞任していた。裁判所はドイベル元財務相に、背任および調査委員会での偽証など14件の罪状を理由に執行猶予なしの有罪を言い渡した。

 

連邦政府、最低賃金法案を閣議決定
施行は15年から

連邦政府は2日、国内すべての業種において最低賃金を時給8.50ユーロと規定した最低賃金法を閣議決定した。同法は2015年1月1日から施行される。

最低賃金の導入は、社会民主党(SPD)が大連立政権を組む主要条件として推進してきたもの。閣議決定に当たってナーレス労相(SPD)は、「これにより、400万人の人々が正当な労働に見合った対価を得られるようになる」と意義を強調。一方、労相が「例外規定は設けない」としていた当初の発言に反し、職業訓練修了資格を持たない18歳以下の若者や長期失業者に対する例外規定を設けたことについて、労働組合および手工業連盟から批判の声が上がっている。労組側はこれを「不当な差別だ」としており、手工業連盟は「修了資格がない場合、例外規定を18歳以下と限定するのは不適切」との見解を表明している。

また、国内の主要経済研究所各所からは、最低賃金の導入は2018年までに35万人分の雇用機会を喪失する元凶となるとの指摘が上がっており、同法の抜本的な見直しを求める意見が出ている。

 

再生可能エネルギー改正法案を閣議決定
製造業への賦課金減免措置を継続へ

連邦政府は8日、再生可能エネルギー法(EEG)の改正案を閣議決定し、数億ユーロに上る製造業への賦課金減免措置の継続を決めた。ヴェルト紙が伝えた。

大量の電力消費を必要とするメーカーに対しては、エネルギー転換に伴う再生可能エネルギー促進のための賦課金の負担を減らすことで国際競争力を保ち、企業のリストラなどを回避することが必須とみられていた。このため、連邦政府は数カ月にわたって協議を重ねたほか、ガブリエル経済相(社会民主党=SPD)は産業界への減免措置に反対していた欧州委員会と交渉を続け、最終的に合意を取り付けた。今回の決定に対して同相は、「連邦政府はエネルギー転換のための新たなスタートを切った。法案改正は急務だった」と述べた。改正法案が施行されれば、電力料金の値上がりに歯止めが掛かる一方で、再生可能エネルギー促進のスピードが抑制されるとみられている。

今回の法案改正に対し、消費者保護機関や野党からは激しい批判の声が上がっている。連邦消費者センター連盟のクラヴィンケル氏は「消費者への裏切りだ」と言明。「連邦政府は消費者より産業界を優先した。産業界が減免措置を受ける分、市民の負担が増す構図になる」と述べた。また、緑の党も「再生可能エネルギー施設の増設における大連立政府の政策は、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と自由民主党(FDP)による前政権の政策を下回るレベルだ」と酷評した。このほかにも、改正法案反対派からは「製造業が減免措置を受けることによって生じる51億ユーロがあれば、3人家族が年間180ユーロの電力料金を節約できる」との指摘も上がっている。

ガブリエル経済相は、「産業界がEEGの賦課金を年間74億ユーロ支払うとすれば、これはほかの工業国と比べて負担額が2倍になることを意味する。そうすれば、国際競争力が激しく損なわれる」と述べ、法改正の目的は企業を保護することではなく、雇用の確保であると強調した。閣議決定を受けて鉄鋼業界の代表を務めるケルクホフ氏は、「鉄鋼業が引き続き競争力を保ち、ドイツで製造することができる」とコメント。ドイツ商工会議所(DIHK)およびドイツ産業連盟(BDI)も歓迎の意向を示している。

 

欧州裁、個人情報の保存に制限
連立与党内から抗議も

欧州裁判所は8日、電話やインターネットにおける通話記録の保存について、問題行動が認められない一般市民に関しては厳しく制約を設ける決定を下した。

現行の欧州連合(EU)規定では、テロや犯罪対策を理由に6~24カ月間の電話およびインターネット上での通話記録の保存を義務付けている。今回の判決では、この規定が基本的人権の侵害に当たり、犯罪性が認められない一般市民の情報収集には「絶対的な必要性が認められない」とされている。判決を受けて連立政権内からは、「専門家と協力した上での最低限のデータ保存は、犯罪対策として必要である」との声が上がっている。

 

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