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連邦政府、最低賃金法案を閣議決定
施行は15年から

連邦政府は2日、国内すべての業種において最低賃金を時給8.50ユーロと規定した最低賃金法を閣議決定した。同法は2015年1月1日から施行される。

最低賃金の導入は、社会民主党(SPD)が大連立政権を組む主要条件として推進してきたもの。閣議決定に当たってナーレス労相(SPD)は、「これにより、400万人の人々が正当な労働に見合った対価を得られるようになる」と意義を強調。一方、労相が「例外規定は設けない」としていた当初の発言に反し、職業訓練修了資格を持たない18歳以下の若者や長期失業者に対する例外規定を設けたことについて、労働組合および手工業連盟から批判の声が上がっている。労組側はこれを「不当な差別だ」としており、手工業連盟は「修了資格がない場合、例外規定を18歳以下と限定するのは不適切」との見解を表明している。

また、国内の主要経済研究所各所からは、最低賃金の導入は2018年までに35万人分の雇用機会を喪失する元凶となるとの指摘が上がっており、同法の抜本的な見直しを求める意見が出ている。

 

再生可能エネルギー改正法案を閣議決定
製造業への賦課金減免措置を継続へ

連邦政府は8日、再生可能エネルギー法(EEG)の改正案を閣議決定し、数億ユーロに上る製造業への賦課金減免措置の継続を決めた。ヴェルト紙が伝えた。

大量の電力消費を必要とするメーカーに対しては、エネルギー転換に伴う再生可能エネルギー促進のための賦課金の負担を減らすことで国際競争力を保ち、企業のリストラなどを回避することが必須とみられていた。このため、連邦政府は数カ月にわたって協議を重ねたほか、ガブリエル経済相(社会民主党=SPD)は産業界への減免措置に反対していた欧州委員会と交渉を続け、最終的に合意を取り付けた。今回の決定に対して同相は、「連邦政府はエネルギー転換のための新たなスタートを切った。法案改正は急務だった」と述べた。改正法案が施行されれば、電力料金の値上がりに歯止めが掛かる一方で、再生可能エネルギー促進のスピードが抑制されるとみられている。

今回の法案改正に対し、消費者保護機関や野党からは激しい批判の声が上がっている。連邦消費者センター連盟のクラヴィンケル氏は「消費者への裏切りだ」と言明。「連邦政府は消費者より産業界を優先した。産業界が減免措置を受ける分、市民の負担が増す構図になる」と述べた。また、緑の党も「再生可能エネルギー施設の増設における大連立政府の政策は、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と自由民主党(FDP)による前政権の政策を下回るレベルだ」と酷評した。このほかにも、改正法案反対派からは「製造業が減免措置を受けることによって生じる51億ユーロがあれば、3人家族が年間180ユーロの電力料金を節約できる」との指摘も上がっている。

ガブリエル経済相は、「産業界がEEGの賦課金を年間74億ユーロ支払うとすれば、これはほかの工業国と比べて負担額が2倍になることを意味する。そうすれば、国際競争力が激しく損なわれる」と述べ、法改正の目的は企業を保護することではなく、雇用の確保であると強調した。閣議決定を受けて鉄鋼業界の代表を務めるケルクホフ氏は、「鉄鋼業が引き続き競争力を保ち、ドイツで製造することができる」とコメント。ドイツ商工会議所(DIHK)およびドイツ産業連盟(BDI)も歓迎の意向を示している。

 

欧州裁、個人情報の保存に制限
連立与党内から抗議も

欧州裁判所は8日、電話やインターネットにおける通話記録の保存について、問題行動が認められない一般市民に関しては厳しく制約を設ける決定を下した。

現行の欧州連合(EU)規定では、テロや犯罪対策を理由に6~24カ月間の電話およびインターネット上での通話記録の保存を義務付けている。今回の判決では、この規定が基本的人権の侵害に当たり、犯罪性が認められない一般市民の情報収集には「絶対的な必要性が認められない」とされている。判決を受けて連立政権内からは、「専門家と協力した上での最低限のデータ保存は、犯罪対策として必要である」との声が上がっている。

 

児童ポルノの取り締まりを強化へ
「子どもの裸の画像」を禁止

児童ポルノの取り締まりを強化する新たな法案が10日完成し、今後「子どもの裸の画像」の取り引き全般が違法となる見込みとなった。ヴェルト紙が伝えた。

現行法では、局部が強調されているなどのあからさまなポルノ画像のみが懲罰対象とされているが、エダティー元連邦議会議員(社会民主党=SPD)の児童ポルノ画像購入疑惑を受け、連邦政府は対策強化を決定。マース法相(同)は今後、子どもの裸が写っている画像の売買だけでなく、譲渡にも罰則を科す方針を発表した。一方、キリスト教民主同盟(CDU)の一部は、児童ポルノの被写体となっている子どもの保護を含めた包括策を求めている。

 

政府の二重国籍法案にSPD政権州から異論
イスラム協会、労組も反発

連立政府の新たな二重国籍法案に対し、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州の社会民主党(SPD)などから異論を唱える声が上がっている。6日付のヴェルト紙が伝えた。

政府案は、ドイツで生まれ育った子どもたちに二重国籍を認可し、23歳までにどちらか1つの国籍の選択を義務付ける制限を撤廃するというもの。しかし、これに該当するためにはドイツでの出生証明書に加えてドイツで育ったことを証明する住民登録証明、またはドイツの学校の卒業証明書の提出が義務付けられる。

これに対し、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州政権を担う同州SPDが、ドイツで育ったことを条件に入れず、ドイツ生まれの子どもたちに一律に二重国籍を与えるべきと主張。SPDと緑の党が連立政権を担うラインラント=プファルツ州、バーデン=ヴュルテンベルク州なども同意見で、二重国籍法案に関する論議を連邦参議院に持ち込む見通しだ。さらに国内の15のトルコ人団体、イスラム団体、ドイツ労働総同盟(DGB)などが合同で、同様の理由で同案に反対する手紙をメルケル首相に提出している。

 

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