大連立交渉の目玉政策に経済界が懸念を表明
最低賃金、DGBは歓迎の意向
キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と社会民主党(SPD)による大連立政権樹立に向けた本格交渉が始まったが、その政策内容について、経済界から懸念の声が高まっている。10月23日付のヴェルト紙が伝えた。
ドイツ雇用者連盟(BDA)のフント会長は、国内全業種一律で時給8.50ユーロの最低賃金を法制化することに反対を表明し、「8.50ユーロの最低賃金の導入は国内の労働市場を破壊することになる」と警告した。8.50ユーロの最低賃金はSPDが選挙公約として掲げ、政権を獲得した際には100日以内に実施するとした「100日プログラム」の中にも盛り込まれており、大連立交渉でも目玉となっている。フント会長はさらに、「特別な理由がない限り、期間限定雇用を禁止する」という同党の提案も「企業の競争力を減速させるもの」「無責任な提案だ」と批判している。
一方で、ドイツ労働組合総同盟(DGB)のハナック議長は「我々は新政権に対し、労働市場における新たな規律を期待している。そのためにも、最低賃金や期間限定雇用の制限は必須だ」と述べている。