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保育園増設で3万人分の受け入れが可能に
効果について与野党間で見解の相違

シュレーダー家庭相(キリスト教民主同盟=CDU)は11日、保育園の増設により、新年度が始まる8月以降、これまでより3万人多い81万3100人分の受け入れが可能になったと発表した。ヴェルト紙が報じた。

8月以降、満1歳以上の子どもには保育園または託児施設に入る法的権利があるとされており、3歳以下の子どもを対象にした保育園が増設された。ただ、すべての需要に応えるためには受け入れ人数にして16万人分の保育園が不足しているという。また、社会民主党(SPD)のナーレス幹事長は、半数以上の保育園が午後4時半前に閉園することや圧倒的な保育士不足などの問題を指摘している。

 

ホームセンター大手プラクティカーが倒産
従業員1万2000人が失業の恐れ

国内ホームセンター大手プラクティカーが支払い不能に陥り、11日にハンブルクの区裁判所に子会社8社の破産申請を行った。昨年のドラッグストアチェーン大手シュレッカーに次ぐ大規模な破たんで、従業員1万2000人の失業が懸念されている。ヴェルト紙が伝えた。

今回、破産申請手続きが行われたのは、ホームセンターのプラクティカーとエクストラ・バウ+ホビーの経営を担うプラクティカーの子会社8社で、同社傘下にあるマックス・バールと外国の支店は対象外となる。

プラクティカーは9カ国で合計430店舗のホームセンターを展開しており、そのうち300店舗はドイツ国内にある。プラクティカーは「全商品20%引き」などの大胆な値引き商法をすることで知られていたが、これが災いして数年前から赤字が続いていた。統一サービス産業労組Ver.diによると、3年前の時点で従業員が5%の給与削減に同意していたが、実際にこの給与削減が実施されたのは昨年10月だったという。現時点で同社が即時の支払いを必要とされている債務合計額は、3000万~3500万ユーロと見積もられている。

プラクティカーは、オビ、バウハウスに次ぐホームセンターの国内最大手の1つだった。今回の同社の破産申請に対し、オビの親会社に当たる食料品小売大手テンゲルマンのハウプ社長は、倒産対象となる店舗救済の可能性を否定。プラクティカー買収に関する打診はこれまですでに何度も行なわれてきたが、「価格はどんどん安くなっていったものの、買収に必要な条件は揃わなかった」と述べている。9月の連邦議会選挙を控えたタイミングでの大規模倒産に政治家も敏感に反応しており、1万2000人の従業員が失業した場合の救済措置などが問われている。

ドイツ国内には現在、2400軒のホームセンターがあり、昨年の年間売上は計190億ユーロと、欧州内でも類を見ない大規模市場となっている。そのため、価格競争や広告合戦などが激化しており、近年、老舗店舗や小規模店舗の存続が難しくなっている。また、ホームセンターについては店舗スペースの25%が無駄に使われていることや、4軒に1軒の店舗が供給過剰であることが指摘されている。

 

テロ計画容疑でイスラム過激派への家宅捜索相次ぐ
国内3地域とベルギーで90人の警察官投入

カールスルーエ検察局は6月25日、イスラム過激派によるテロが計画されていたとして、国内3地域とベルギーでの家宅捜索を行った。ヴェルト紙が伝えた。

同件の首謀者とみられているのはチュニジア出身のイスラム教徒2人で、遠隔操作可能な模型飛行機を用いたテロが計画されていたという。当局は少なくとも昨年末から、当時はシュトゥットガルト大学に在籍していたこの2人を監視。今回、シュトゥットガルトとミュンヘン、ザクセン州、ベルギーの関連施設で90人の警察官による家宅捜索が行われた。連邦議会内務委員会のボスバッハ委員長(キリスト教民主同盟=CDU)は同件を受け、「テロリストに対して油断してはならない」とコメント。今回の措置は必要に迫られた対応だったことを説明した。

また、これに先立つ6月20日には北部のハンブルク、ピンネベルク、リューベックなどで15カ所の住居とモスクに対して警察80人による家宅捜索が行われた。昨年、活動を禁止されたミラトゥ・イブラヒム率いるサラフィスト集団の後継組織設立の動きがあったとみられている。

 

オバマ米大統領が、ベルリン訪問
ブランデンブルク門前で演説

オバマ米大統領が6月19日、ドイツの首都ベルリンを訪問し、ブランデンブルク門前で「核なき世界」の実現に向けた「核兵器削減案」を表明する演説を行った。また、オバマ氏はメルケル首相と会談を行い、アフガニスタン、シリア問題および先頃発覚した米国家安全保障局(NSA)による諜報活動「プリズム」計画などについて話し合った。ヴェルト紙が伝えた。

今回、オバマ氏は6月18日に北アイルランドで開催された主要国首脳会議(G8)会合の帰途でベルリンに立ち寄り、米大統領専用機エアフォース・ワンでミシェル夫人、長女のマリアさん、次女のサーシャさんを伴ってベルリン・テーゲル空港に降り立った。オバマ氏がベルリンを訪れたのは、大統領選挙キャンペーンの真っ最中だった2008年以来、5年ぶり。また、今年6月26日は折りしもジョン・F・ケネディ元米大統領が「ベルリンの壁」を前に、「私は1人のベルリン市民だ」のフレーズで知られる名演説を行ってから50年目という時期に当たっていた。

オバマ氏は、ブランデンブルク門前の旧東ベルリン側に当たるパリ広場で演説を行い、その中で核なき世界の実現に向けた具体的な「核兵器削減案」を表明。米国の戦略核弾頭の配備数を従来の合意からさらに3分の1減らすことなどについて触れ、同様の措置をロシア側にも呼び掛けた。また、ベルリンの壁とドイツ統一の歴史を振り返り、「人権に対する闘いは続く」として「ドイツに神のご加護があるように」と述べた。オバマ氏は、大統領就任から間もない2009年に「核なき世界」をビジョンに掲げる演説を行い、これによって同年のノーベル平和賞を受賞している。

この日のベルリンは気温30度を超える夏日で、同氏は演説の際に上着を脱いでワイシャツ姿となり、「友人同士の間で堅苦しくする必要はない。どうか皆さんもそうしてください」と語った。

一方で、オバマ米大統領の今回の訪問に際し、NSAの「プリズム」計画についての解明を求める声や、アフガニスタンやイラクで拘束したテロ容疑者を収容するグアンタナモ米軍基地の収容所の存在を批判する人々が、ブランデンブルク門周辺でデモを行う光景も見られた。

 

介護保険改革に20億ユーロが必要
認知症患者の介護を視野に

介護保険改革審議会が6月27日発表した報告書「具体的な要介護者の把握と対応」で、最低20億ユーロの追加財源が必要であることが明らかになった。

同審議委員会はバール保健相(自由民主党=FDP)によって設置されたもので、特に認知症患者の介護を視野に入れ、専門家らが15カ月を掛けて報告書を作成した。現在、介護保険による支援が適用されている対象者は国内で250万人。認知症患者の数は150万人と報告されており、2050年までに倍増すると見られている。 

今年初め、軽度の介護認定を受けている認知症患者50万人に対して補助金が増額されている。

 

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