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ニュースのかお


アンドレアス・ドレーゼン

ゲアンドレアス・ドレーゼン Andreas Dresen
1963年8月16日東ドイツ・ゲーラ県生まれ。ポツダム在住。映画監督。舞台監督。
Foto: ©Britta Pedersen/DPA/Press Association Images

昨年のカンヌ映画祭で、ある視点部作品賞に選ばれた『どうする、人生真っただ中』(Halt auf freier Strecke)が先頃、国内の最優秀作品を決めるドイツ映画賞でも作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞の4部門を制し、俳優、スタッフたちと喜びを分かち合った。

コミカルな味わいの写実的作風で知られ、ドイツ映画の物語作家と呼ばれる。夫婦の断ち切れない情を描いた『階段の踊り場』(Halbe Treppe, 2002年)はベルリン映画祭・銀熊賞(審査員グランプリ)とドイツ映画賞・銀賞に、女友達2人が辛い日常を笑い飛ばす『サマー・イン・ベルリン』(Sommer vorm Balkon, 05年)はサン・セバスティアン映画祭の脚本賞に、老人が予期せず恋に落ちる『クラウド9』(Wolke Neun, 08年)はカンヌ映画祭のある視点部門賞とドイツ映画賞・監督賞に輝いた。

常連の俳優とスタッフによる家庭的な仕事環境を好み、役者には即興の演技を求める。『どうする、人生真っただ中』では撮影前に取材した医者から、「告知で涙が流れることは稀です」「どうして病気になるのか分かりません。ある人は心臓病になり、ある人は癌になる。運命です」と説明され、感銘を受けて本職での出演を依頼した。

脳腫瘍に冒された主人公は死と向き合い、妻、子ども、自分自身に最後の別れを告げなければならない。「この映画は僕のようにシングルかつ子どもがいない人間にはひどく堪える」とぽつり。編集しながら涙が出てくることが、たびたびあったそうだ。

最終更新 Mittwoch, 15 August 2012 21:20
 

ゲルノート・ハスクネヒト こと ハンス=ヨアヒム・ハイスト

ゲルノート・ハスクネヒト, ハンス=ヨアヒム・ハイスト Hans-Joachim Heist, alias Gernot Hassknecht
1949年ヘッセン州生まれ。同州プフングシュタット在住。俳優、舞台監督、コメディアン。SPD党員。
Foto: © www.hansjoheist.de

公共放送ZDF で金曜夜に放映されている「heute-show」は、同局の総合ニュースheute-journal をもじった強烈な政治パロディー番組。その中で時事問題を解説するコメンテーターの役を演じ、番組の密かなスターになっている。

演じる「XX局のゲルノート・ハスクネヒト解説員」は作り笑いを浮かべて解説を始めるが、やがて怒りを爆発させ、放送禁止コードに触れる単語を連発して放送を中断させてしまう役どころ。左派党のマニフェストを読んで「国営にするだと? 狂った糞尿め!」、突然辞任したケーラー大統領に「しょんべん垂れ!」、論文盗用発覚で辞任したグッテンベルク前国防相の新書には「ひとまず敗北しただと? 引っ込んでろ!」と絶叫。使い勝手の悪いタッチスクリーンを野球のバットでぶっ壊し、ユーロ危機問題では格付け会社を名指しで罵倒した。

舞台演劇でコメディーの才能を発揮し、70本以上のテレビドラマと映画に出演しているベテラン俳優だが、heute-show のハスクネヒト役は「全力で絶叫しないと嘘っぽくなるから、フィジカル面できつい。血圧が上がるね」。しかし人気はうなぎ上り。役柄のプロフィールも作られた。それによると彼は最近、結婚暦30年の妻レナートに出て行かれて多少めげている。

本人の方はいたって家庭円満、温和な夫であり父だ。SPD党員として地元政治にも参加しているが、「討論でハスクネヒトをやったことはないですよ」とのこと。

最終更新 Mittwoch, 15 August 2012 21:20
 

ダニエラ・シャット

ダニエラ・シャット Daniela Schadt
1960年1月3日ハーナウ生まれ。ジャーナリスト。ガウク大統領のパートナー。
Foto: ©Michael Sohn/AP/Press Association Images

パートナーであるヨアヒム・ガウク氏がドイツの新大統領に選ばれたとき、「20年以上も記事を書いてきてこうなるとは……」とつぶやいたそうだ。「今後は言うこと成すことすべてに象徴的な意味が発生してしまう」ので、影響力のあるメディアの仕事から身を引かざるをえなくなったことに対する無念が、そう言わせたのだろう。

ガウク氏との出会いは2000年。同氏は当時、旧東ドイツ国家公安局シュタージ(いわゆる秘密警察)が集めた情報を調査公開する政府受託機関の代表だった。彼女はニュルンベルク新聞の内政部チーフである。2人は住まいを別にする熟年カップルになったわけだ。

そのため今回ガウク氏がほぼ当確の大統領候補になると、「正式に結婚すべきだ」との声がカトリック系議員たちから飛び出したが、同氏には1991年から別居する妻がいて、そちらを先に解決しなければ再婚もない。しかし2人は動かなかった。

「儀礼のために離婚や結婚はしません」とガウク氏。彼女の方は「結婚というものに価値がないと考えるからではなく、長い間連れ添って4人の子どもをもうけた女性への敬意があるからです」と説明し、世論を納得させたようである。

ただし、ファーストレディーと呼ばれることにはかなりのためらいがあるらしく、自分からその表現を使うことはない。それでも先日、ベルリンの大統領公館に引っ越した。これから大統領の伴侶として、忙しい公務の日々が始まる。(Y.T.)

最終更新 Mittwoch, 25 April 2012 14:30
 

マルクス・ランツ

マルクス・ランツ Markus Lanz
1969年3月16日生まれ。イタリア側チロル地方(=南チロル)ボルツァーノ自治県のドイツ系住民。ZDF 局司会者。紀行作家。
Foto: ©WDR/Herby Sachs

公共放送ZDF の長寿番組「Wetten, dass..?」は、一般視聴者が珍妙かつ困難な課題に挑戦し、有名ゲストがその成否に賭けて外れたら面白いアクションで返すエンターテイメントショー。1981年のスタートから現在までの放送回数は192回、司会は3人交代した。このほどその3人目で、94年から番組の顔になっていた司会者トーマス・ゴットシャルクが引退。後任へと抜擢された。

イタリア語とドイツ語が話されるイタリア北部ボルツァーノ自治県(=南チロル)のドイツ系住民である。同地で高校を卒業し、兵役を済ませて91年にミュンヘンへ移ってきた。広告マーケティングを学び、ラジオ・ハンブルクで実習した、RTL に入局して娯楽系ニュースの司会を担当。2008年にZDF からトークショーの代用司会へと引き抜かれ、以後は同局で自身のトーク番組と料理番組を受け持つようになった。

極地を旅する紀行作家でもある。極寒のグリーンランドで先住民たちと猟に出掛け、南極点到達100周年を記念する昨年12月の国際イベントでは、ドイツ・チームを率いてアムンゼン(ノルウェー)とスコット(英国)の到達競争の軌跡を追った。

「Wetten, dass..?」への初登板は今年10月。1年半前にスタントへの挑戦者のアクションが失敗し、ZDF の事故責任が問われただけに、司会者のリフレッシュは同局にとって番組継続への賭け。その賭けに乗ることに決めたのは、独日ハーフの妻の後押しがあったからだとか。

最終更新 Mittwoch, 15 August 2012 21:20
 

ヴィプケ・ブルーンス

ゲッツ・アルスマン Wibke Bruhns
1938年9月8日プロイセン州ハルバーシュタット(現ザクセン=アンハルト州)生まれ。ジャーナリスト。ベルリン在住。
Foto: ©Amos Schliack

公共放送ZDFのニュース番組heuteに起用されたのは1971年。黒縁メガネにぼさぼさ髪という野暮ったいスタイルだったが、西ドイツで初めて女性が政治ニュースを読むとあって騒がれ、ヴィリー・ブラント首相(SPD)との仲まで取りざたされた。先頃、回顧録『Nachrichtenzeit(ニュースの時間)』で当時を振り返り、噂の真相を語った。

ヒトラー暗殺未遂事件に連座して父親を失った遺児の1人である。計画を知りながら通報しなかった父ハンス=ゲオルク・クラムロートは逮捕され、反逆罪で処刑された。戦後、西ドイツ外務省で職を得た母エルザに伴ってストックホルム、西ベルリン、ロンドンを転々とする。母と子ども5人の生活は苦しく、長女の胸には戦後も安泰なナチス裁判官らへの怒りが募っていたと言う。

何か言ってやりたい。ビルト紙で研修し、62年にZDFに入局。俳優ヴェルナー・ブルーンスと結婚して2人の娘に恵まれ、仕事と家庭を両立する女性の先駆者になる。

そしてブラント首相のイスラエル訪問に同行取材した73年7月。ホテルのスイートルームに一緒に入ったのは「独占取材を期待していたからだが、聞き手がほしかっただけのブラントは1時間半しゃべりっぱなし。そもそも2人きりではなかった」。だが、「親密な関係」との噂は瞬く間に広まった。

当時の政界は女性ジャーナリストへの差別と嫌がらせが常態だったからと言う。しかし、40年後の現在は「老いるほどに書くことが楽しい」と喜色満面だ。

最終更新 Mittwoch, 15 August 2012 21:20
 

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