知って安心、もっと快適に
ドイツで新生活スタート!
留学や海外赴任、国際結婚など、様々な思いと挑戦を胸に、ドイツでの新生活を始める日本人が多く渡独する春。最初は誰もが、日本との違いに戸惑いや不安を持って異国での生活をスタートさせます。当地での生活を安全に、快適に送るために必要なことは、その土地の文化や最低限のルールを知り、尊重すること。皆様のドイツでの生活が、もっと楽しく、充実したものとなりますように!(編集部:高橋 萌)
ドイツってどんな国?
基本情報
ここは、16の州からなるドイツ連邦共和国(Bundesrepublik Deutschland)、首都はベルリンです。連邦制度を取っており、各州が祝日や教育制度などを取り決めるため、州ごとに様々な違いがあります。国土の面積は35万7000㎡で、日本(37万8000㎡)より少しだけ小さく、人口は8200万人と日本より約4000万人も少ない国ですが、約670万人という、日本の3倍以上の数の外国人が暮らし、全人口の8.2%を占めています。公用語のドイツ語は、世界で約1億人が母語としていると言われています。日本との時差は、夏時間(2016年3月27日~10月30日)がマイナス7時間、冬になるとマイナス8時間です。
ドイツの社会
ドイツでは、18歳で成人と認められ、飲酒や喫煙、車の免許、選挙権と被選挙権などが認められます。16歳も、大人の仲間入りをする年齢で、地方選挙の投票権やビールの飲酒ができます。通貨は「€(Euro)」。ドイツ語では「オイロ」と発音します。消費税は19%。軽減税率が採用されていて、食料品や書籍など日用品は7%です。道路は右側通行。アウトバーン(高速道路)は、一部の制限区間を除き、速度無制限、一般車両の通行は無料という自動車天国です。教育機関などの新学期は秋からで、ほとんどの学校で制服は指定されていません。
ドイツ生活はじめの手続き
1) 住民登録
日本のパスポートを持っている人は、入国後90日間は短期滞在を認められています。長期滞在する場合は、速やかに滞在地の住民登録局(Einwohnermeldeamt)で住民登録の届出(Anmeldung)を行いましょう。届出の期限は、14日以内とされています。パスポートや家主による入居証明など、必要書類は地域によって異なります。オンラインで届出の予約が必要な都市もあります。
問い合わせ先:滞在地の住民登録局
2) ビザの申請
住民登録が完了したら、短期滞在期間の90日以内に外国人局(Ausländerbehörde)で、長期滞在許可(Aufenthaltserlaubnis)を申請します。労働許可が必要な場合も、外国人局の窓口を通して申請します。ワーキングホリデービザの場合は、基本的には日本で申請手続きを済ませている必要があります。
問い合わせ先:滞在地を管轄する外国人局
3) 免許証
有効な日本の運転免許証と「運転免許証抜粋証明書」(在独日本国大使館・総領事館やADAC/ ドイツ自動車連盟で作成可能)を一緒に携帯することで、入国から6カ月以内はドイツで運転することができます。滞在期間が6カ月以上になる予定の方は、滞在地域の交通局(Straßenverkehrsamt)でドイツの運転免許証に切り替える手続きを行いましょう。
問い合わせ先:滞在地の交通局や車両登録認可所(Kfz-Zulassungsstelle)
4) 在留届と在外選挙登録
3カ月以上海外に滞在する日本人は、居住地を管轄する在外公館に「在留届」を提出することが義務付けられています。オンラインで在留届の申請や変更が可能なサービス「ORRネット」(www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/)もあります。治安情報など、いざという時に備えるためにも、提出しておきましょう。海外から日本の選挙に投票できる在外選挙登録も、行いましょう。
問い合わせ先:滞在地を管轄する在外公館
ドイツでの新居の探し方
賃貸住宅の選び方
住宅の種類
Wohnung:住まいのこと。賃貸住宅(Mietwohnung)は、集合住宅(Mehrfamilienhaus)、アパートメント(Apartment)と記されることも。ドイツでアパートメントと言うときは、キッチンを含めたワンルームの部屋を指します。
WG(Wohngemeinschaft):複数人で1つの住居を共有するルームシェア。学生や若い年齢層でルームシェアをする人は多い。信頼できる同居人かどうかの見極めが成功の秘訣。学生寮(Studentenwohnheim)も格安。
Haus:一戸建ての家。郊外の物件が多く、決して安くはないが、予算に余裕があり、騒音や振動などで隣人とのトラブルを避けたい方にお勧め。隣家と共用の壁で連続している二戸建て住宅(Doppelhaus)、連続建て住宅(Reihenhaus)もある。
部屋の中
Zimmer:住宅の中の部屋のこと。部屋数にキッチンは含まれない。部屋の中にキッチンを置く場所がある場合は、「Kochnische」と記される。面積の単位は「㎡」という意味のドイツ語「qm」が用いられることも。
KM / WM:家賃の表記。Kaltmiete(KM)は、諸経費(Nebenkosten=NK)を含まない家賃。Warmmiete(WM)は、共益費などの諸経費を含む家賃の総額(電気代や暖房費等を含まない場合もある)。
Möbliert:家具付きの住宅のこと。滞在期間が限られている中期滞在者にお勧め。ドイツの賃貸住宅は、基本的にキッチン設備が付いていない。システムキッチン付きを希望する際は、「Einbauküche」がキーワード。
Altbau / Neubau:Altbau(旧築)は第二次大戦前に建てられた建物。Neubau(新築)はその後に建てられたものなので、新築といっても築数十年ということも。旧築の建物をリフォームした物件はドイツでは特に人気で家賃も高め。
Heizung:ドイツの暖房設備のこと。セントラル・ヒーティング(Zentralheizung)、ガスヒーティング(Gasetagenheizung)のガス代、深夜電力を利用したachtstromheizungの電気代はWMに含まれない場合も。契約する際に要確認!
Etage:日本とは階の数え方が違う。1階は、Erdgeschoss(地上階)、2階が1.Obergeschoss/OGと一つずつずれる。屋根裏(Dachgeschoss)や地階、半地下階(Souterrain)は家賃が安め。地上階はParterreと表記されることも。
賃貸住宅の探し方
新聞やインターネット
ドイツ人にとって身近な家探しは、週に一度掲載される新聞の住宅欄(Immobilien)をチェックする方法。独特な単語の略称が頻出し、ドイツ初心者には難易度が高い。最近では、やはり住宅情報のポータルサイトを利用する人が増えている。地域や家賃など詳細な条件を設定して検索でき、写真付きの情報が多いのも利点。デメリットは、都市によっては競争率がとても高いこと。
www.immobilienscout24.de
www.immowelt.de
不動産会社
短・中期の滞在を予定している人で、家具付きの住宅をご希望の場合や、ドイツ語や英語に自信がない場合は、日本人が経営する不動産会社に依頼するのが安心。ドイツでは、不動産会社の仲介人(Makler)に住宅を斡旋してもらった場合は、斡旋料(Provision)が発生しますが、2015年の法改正により厳格化し、不動産業者が出しているウェブ広告物件などに個別に問い合わせた場合、仲介料が発生するケースが激減した。
掲示板や知人の紹介
インターネットに掲載されている住宅は、好条件であるほど、たくさんの入居希望者が殺到する。希望者が複数の場合、職業や月収などを自己申告し、審査されるが、ドイツに来たばかりの外国人は有利とは言えない。次の入居者(Nachmieter)を探している知人に、入居者として推薦してもらう方がスムーズに話が進むことも。スーパーマーケットなどにある市民の掲示板でも、次の入居者を急募している告知がある。
住居探しの注意点
インターネットに掲載されている物件絡みの詐欺にご注意。好条件で、信じられないくらい格安の物件。すぐにでも見学したいが、家主が国外在住であるため、鍵の受け渡しに業者を使うと言う。そのための保証金として数百ユーロを振り込んで欲しいとの指示……。賃貸契約を交わす前に金銭の授受を求められるなど、ちょっとでもおかしいなと思ったら、詐欺の手口を疑おう。
ドイツ生活の常識
お買い物
ドイツで生活を始めて、すぐにカルチャーショックを受けることの一つが、お店の開店時間。24時間営業のコンビニはなく、スーパーマーケットは20時前後には閉店。日曜日は終日閉店! ビニール袋は有料なので、お買い物にエコバッグは必須です。
外食
レストランやカフェでの食事の際、日本との違いはチップの存在。目安は、総額の10%と言われているが、そんなに厳密なものではなく、端数を切り上げる気持ちで支払うことが多い。水やお茶が無料で出てくることはありません。
水
水道水は日本よりも硬度が高く、飲料用にはミネラル・ウォーターを購入するか、浄水器でろ過した水を使用するのが一般的。また、蛇口などの水回りはすぐ白くなるので、こまめなカルキ除去が必須。お酢や洗剤(Entkalker)で溶かします。
お風呂、トイレ
アパートに住んでいる場合、トイレやバスルームを使用する際は、居住規約(Hausordnung)に記載されている騒音規定の時間帯(例えば22:00~8:00)を極力避けるようにします。入浴後の肌の乾燥が気になる肌質の人は、保湿をお忘れなく。
掃除
住宅事情が違えば掃除の仕方も変わり、水回りはピカピカに保つのがドイツ流です。日本よりも機密性が高いドイツの住居では、換気を怠るとカビが発生。黒カビは不健康の元と、嫌われるので要注意です。洗濯物を外から見える場所に干すのも厳禁。
電気
日本の電圧は100V、対するドイツの電圧は220V。日本の家電製品は、定格電圧が「100V-240V」など220Vにも対応できるものは使用できますが、それ以外は変圧器が必須。使用済みの電池は、スーパーマーケットの回収ボックスへ。
ゴミ
ゴミの捨て方は、日本より簡単。良いところは、いつでも捨てにいけること! 古紙や瓶、不要な衣類は、リサイクル用のコンテナがお住まいの地域にあるはず。アパートなら地下などにゴミ捨て場があり、黄色いゴミ箱にはプラスチック容器や包装材、黒いゴミ箱にはその他のゴミを捨てます。
※ゴミ箱の色は、地域によってルールに違いがあります。
治安
日本は、世界でもまれに見る治安の良い国です。ドイツの犯罪発生数は日本の約5倍! スリや置き引き、車上荒らし、空き巣などの窃盗は、正しいレベルの警戒心を持つことで防げます。お住まいの地域の情報収集も大切な対策です。
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帰国後のマイホームづくり
日本に帰国せずとも安心して任せられる
海外滞在中に日本で家づくりをする方法とは?
日本人駐在員にとって、海外暮らしに順応するのと同じくらい骨が折れるのが本帰国の準備だ。
中でも重要度が高いのは日本に戻ってからの家探し。
海外で暮らしながら日本での家づくりを進めるためには何をすべきなのか。
海外在住者向けに帰国後のマイホームづくりを支援している積水ハウスの渡邊氏に話を聞いた。
海外で暮らしながら、どのようにして日本のマイホームづくりを進めるのでしょうか。
まずはお客様のご要望をお伺いした上で、積水ハウスより設計提案をEメールなどでお送りすることになります。その際に平面図だけでなく、「イメージパース」と呼ばれる立体図も共有。工事の進行状況もEメールにて写真と共にその都度ご報告いたします。またお仕事などで一時帰国される際にまとめて諸々の手続きを済まされることや、親類の方にできるだけ手続きを代行していただくことをお勧めしています。
「家づくり」には土地探し、資金の工面、相続税や贈与税の処理などほかにも様々な作業が含まれるのではないでしょうか。
積水ハウスは、グループの総合力を生かし、土地探しから家づくりまでをトータルにサポートしています。海外在住者のための「オーバーシーズ友の会」にご入会いただいた方には、専任の担当がアドバイスを提供。提携している金融機関の融資をご利用いただくこともできます。融資手続きについても、印鑑証明や住民票などを用意することが難しい海外ならではの事情を熟知した経験豊富なスタッフが対応。相続税や贈与税を含む法的規制についても責任を持ってサポートします。また賃貸住宅経営の相談にも応じており、グループ会社である積和不動産による安心の家賃保証システムを用意しています。
日本では現在どのような新築住宅がお勧めなのでしょうか。
自然を取り込み、季節を感じる家づくりが主流となりつつあります。言い換えれば、省エネや節電のために我慢をすることがなく、光熱費も抑えられることで家計に優しく、停電などの非常時にも安全な暮らしができる家づくり。積水ハウスではこうした暮らし方を「グリーン・ファースト」と呼んでいます。
海外から日本の家づくりを進めるに当たって、積水ハウスが提供するサービスの最大の強みを教えていただけますでしょうか。
積水ハウスは全国で事業を展開しているので、海外在住お客様担当と各地域エリアの担当者との連携によって安心して家づくりを進めることができます。また積水ハウスの住まいは、品確法の住宅性能表示制度に対応し、構造の安定、劣化の軽減、空気環境の3つの項目では標準仕様で最高等級を実現。この住宅性能表示制度は、第三者機関が住宅の性能を客観的に評価してくれるものなので、安心の確保という観点から海外在住の方には特に参照することをお勧めしています。
海外滞在中に日本で家づくり
積水ハウスオーバーシーズ友の会
左)太陽光発電システムを搭載したスマートな瓦型のデザイン
右)鉄骨戸建商品「イズ・ステージ」
積水ハウス
オーバーシーズ友の会
Tel: 0081 (0) 5352 3235
Fax: 0081 (0)3 5352 3229
E-mail:
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ドイツの公的疾病保険
世界でもトップクラスのセーフティーネット
就労や留学などで海外に出るには、積極的な姿勢や熱意、それに勇気が必要です。どんなに熱意や勇気があっても、ドイツへ渡航するとなれば、とまどうこともたくさん……。でも、滞在中は、ドイツの公的疾病保険(Gesetzliche Krankenversicherung)があなたの生活の根底を守っているので、ご安心ください。ドイツの公的疾病保険によるセーフティーネットワークは、世界の中でもトップクラスのものといって良いでしょう。TK(ドイツ技術者保険)も、この公的保険の一つです。
何が起こるか分からない人生、ドイツの社会保障システムは様々なリスクをカバーしており、そのベースとなっているのが、連帯と呼ばれる原則です。つまり、被保険者それぞれが、個々の財政的能力に応じて、社会保障に寄与することを意味します。その結果、被保険者は等しくその恩恵を受けられるということになります。
社会保障には、次の5つの柱があります。
• 健康保険
• 長期介護保険
• 年金保険
• 失業保険
• 事故保険
被雇用者のための保険
ドイツの法律ではほぼ例外なく、労働者は自らの労働能力によって生計を立てているため、一定の保護を必要とする存在と見なされています。そのため、労働者はいわば自動的に上記5つの公的保障分野で保護されています。
これは、「強制保険」と呼ばれるもので、就労と同時に効力を発します。雇用者と被雇用者間での取り決めや契約によって、これを回避することはできません。しかし、パートタイムや期間雇用、試用期間中などいくつかの例外はあります。
被雇用者は、原則として保険の加入手続きを行う必要はありませんが、加入する保険会社の選択は自らが行います。雇用者は、保険料の負担額を算出し、被雇用者側の負担分を給与から差し引いた上で、全体の保険料を支払います。
社会保障に関するあらゆる疑問については、TKは最初の窓口となります。長期介護や年金保険についてのご相談も承ります。場合によっては、皆さまを直接サポートできないケースもございますが、いずれにしても、特定の担当者をご紹介いたします。
チームワークで
新たな同僚をチームに迎えるには、コンピューターをインストールするITのスペシャリスト、契約書と証明書を準備する人事担当者、疑問に対して懇切丁寧に答えてくれる同僚など、職場のチームワークが必要です。海外から着任するとなれば、必要となる事柄はさらに複雑になります。TKでは、英語を話せる担当者が、「公的疾病保険」に関して、海外から赴任される方々のサポートを行います。
諸手続きをサポート
TKの公的疾病保険の専門家チームが、必要な諸手続きをサポートいたします。いつ、どこで、どのような書類が必要なのかを把握し、人事部門を適切にサポートいたします。
個別対応でサポート
英語を話せる担当者が、新たに着任される方がドイツに到着する前から対応いたしますので、諸手続きの準備がスムーズに進みます。
その他のメリットとしては、担当者が新たに着任される方へガイダンスを行い、1年にわたって健康保険や長期介護保険に関するあらゆるご質問に対応いたします。例えば、ご自宅の近くで英語を話せる、症状に見合った医師をご紹介するなどのほか、ご要望に応じて、診療時間の予約も行います。国外から赴任される方も含め、皆さまのお役に立てれば幸いです。
ドイツの公的保険に関するご質問は、
下記にお寄せください。
Fritz-Vomfelde-Str. 18, 40547 Düsseldorf
電話 : 0211-6709 622
携帯 : 0151-6563 7864
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