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今こそ読みたい「日本とドイツの震災後文学」

東日本大震災から10年
今こそ読みたい「日本とドイツの震災後文学」

東日本大震災からの10年間、起こってしまった現実を咀嚼するために、日本をはじめ世界中の作家たちが「震災」に焦点を当てた文学作品を生み出してきた。この一連の作品群は「震災後文学」とも呼ばれており、災害当時の記憶を受け継いでいくために重要な役割を担っている。ここでは、日本文学の専門家で震災後文学に詳しいクリスティーナ・岩田=ワイケナントさんにお話を伺うとともに、時間が経った今だからこそ読みたい日独の震災後文学を紹介する。 (Text:編集部)

今こそ読みたい「日本とドイツの震災後文学」

お話を聞いた人

クリスティーナ・岩田=ワイケナントさん
名古屋大学人文学研究科准教授。トリーア大学で2007年に博士号を取得。現代日本文学を専門とし、東日本大震災や原発災害に関わる文学表現の研究なども行っている。

そもそも「震災後文学」とは

まず、「文学」という言葉の定義について考えてみましょう。今日私たちが理解している「文学」という言葉は、明治時代になってできたものであり、当時の欧州における文学概念から大きな影響を受けています。しかし「書かれたもの」に限定せずに考えると、「語る」ことは、全ての時代や人間社会で行われている行為です。「口承文学」がさまざまな土地の文化や伝統を伝えるのに大切な役割を果たしているように、人間ははるか昔から「語る」ことによって世界を説明し、理解してきました。

災害に関する社会学的な研究でも、「語る」ことの機能は重要視されています。いわく、私たちは「ナラティブ(=物語ること)」によって初めて、災害を災害として認識していくというのです。米国の社会学者であるジェフリー・アレクサンダーは、このプロセスにおいて、芸術や文化が中心的な役割を担っていると指摘しています。文学や演劇、映画、スピーチ、儀式など、あらゆる種類の「ストーリーテリング」によって、人は災害を記憶し、受け継いでいくのです。

日本中世文学の代表的な随筆である鴨長明(かものちょうめい)の『方丈記(ほうじょうき)』は、その好例の一つでしょう。同書では、大火災や竜巻、飢饉、さらに大地震など、鴨長明が経験した天変地異が書き連ねられており、日本最古の災害文学として何世紀にも渡って受け継がれるとともに、2011年以降には引用される機会が増えました。

「ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」という一節で有名な、鴨長明の『方丈記』。震災以降に日本最古の災害文学として注目を集めるとともに、ドイツでも2011年に再出版された

『Aufzeichnungen aus meiner Hütte』 / 著者:鴨長明、訳:Nicola Liscutin
Insel Verlag Anton Kippenberg GmbH

「ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」という一節で有名な、鴨長明の『方丈記』。震災以降に日本最古の災害文学として注目を集めるとともに、ドイツでも2011年に再出版された

ドイツ語でも書かれた震災後文学

ドイツをはじめとする欧州でも、災害文学というジャンルは昔から存在しています。欧州でも自然災害はもちろん起こりますし、人的災害もまた、しばしば人々の文学的な反応を呼び起こしてきました(また実際のところ、自然災害と人的災害は必ずしもはっきり区別できるものではありません)。2011年の震災でも、津波への対策不足や、その後の福島原発事故など、多くの人にとって「自然災害」としてだけでなく「人災」としても映ったでしょう。

ドイツの場合は1970年代ごろから、そして1986年のチェルノブイリでの原発事故に衝撃を受けて、原子力発電はすでに重要なテーマとして捉えられてきました。それでも2011年に日本で起きた未曾有の大震災に対して、ドイツ語圏の作家たちも反応しています。

私自身の専門は日本文学ですが、ドイツ語の文学で言えば、例えばオーストリア人のノーベル文学賞作家であるエルフリーデ・イェリネクが、東日本大震災と福島の原発事故に強い衝撃を受けたことから、戯曲『光のない。』(2011年)を執筆しました。また、ニーナ・イェックルは「津波」をテーマに『Der lange Atem(長い息)』(2014年)という小説を書いており、この物語には、津波によって溺死してしまった人々を描く肖像画家が登場します。

さらに、日本人でありドイツ語でも執筆を行っている多和田葉子も、このテーマに精力的に取り組んでいる作家の一人です。彼女は震災当時、ドイツの日刊紙などで原発事故をテーマとしたインタビューにも頻繁に登場し、積極的に発言していました。『献灯使』(2014年)をはじめとする彼女の著作のように、福島の原発事故に関する記述を越えて、資本主義社会や人間の進歩への過信にまで批判的に切り込んでいる文学作品は、実はそう多くはありません。

「震災」を記録する上で、文学や芸術が果たす役割

2011年以降、多くの科学的なデータが、これまでにないくらい収集されました。その目的はまず、ビックデータを分析することでなぜ震災が起こったかを理解することにあり、それによって災害対策を改善することにあります。これは当然と言えば当然ですが、作家の重松清は2013年にとても示唆的な発言をしています。「『ビッグ』とは『無数のスモールの集積』であるということを忘れてしまうと、その途端、解析の網の目から大切なものがこぼれ落ちてしまうだろう。(中略)『震災ビックデータ』では、死者の記憶を追うことはできない。死者の声を記録することもできない。だが、人間はそのために想像力を持ったのではないか。(中略)ここからは文学の出番だよなあ、と痛感する」と。
科学的なデータの解析は「事実を明らかにすること」を目的にしていますし、新聞やテレビなどのメディア報道の目的もまた「事実を伝えること」でしょう。それに対して、文学や芸術、(ドキュメンタリーも含む)映画などの役割は、それだけでは担いきれないような人間の感情や視点、想像力に働きかけることにあるのかもしれません。

コロナ禍で迎える「東日本大震災から10年」

個人的には、震災から10年が経ったという事実そのものは、「震災後文学」に新たな意味を与えるということはないと思います。しかし、新型コロナウイルスによってパンデミックが起こったことは、震災後文学を今後読んでいく際に、私たちの解釈や受け取り方に変化をもたらすかもしれません。

というのも私は2020年の春と秋に、留学生を対象とした「震災後文学」に関する二つのセミナーを開講していました。一つ目の短期留学生たち向けの授業では、生徒たちはコロナ禍によって3月初旬に突然帰国を余儀なくされ、その後の数週間、彼らの国では厳しいロックダウンが行われました。もう一つの長期留学生を対象とした授業でも、彼らが休暇で一時帰国している間に、日本では全ての外国人の入国が禁止に。留学生も例外ではなく、日本に再入国できませんでした。

川上弘美や多和田葉子の短編小説などでは、ある日突然、前日までと全く変わってしまった世界を描いていますが、学生たちはまさにそれを経験したのです。彼らは、「コロナ禍がもしなければ、私たちは震災後文学をもっと別の視点から読んでいて、今ほど理解できなかったかもしれない」と語ってくれました。その意味で、コロナ禍は3.11の強い記憶を呼び起こす契機になっており、震災後文学はコロナ禍によって全く新しいリアリティーを帯び始めているようです。

日本とドイツで紡がれた震災を考える7冊

震災から10年、その記憶は私たちの日常から次第に遠ざかっているかもしれない。日本とドイツ、それぞれの言語で書かれた文学作品は、時間や場所を超えて私たちに「震災とは何か」を問い続ける。

チリの地震

西洋思想にも衝撃を与えた地震とその後の社会の姿

チリの地震 / 著者:ハインリヒ・フォン・クライスト、訳:種村季弘
発行元:河出書房 / 2011年8月刊行

ドイツを代表する18世紀の劇作家クライストが1807年に発表した短編小説。主人公の青年は裕福な貴族の娘と身分違いの恋に落ちるがその仲は引き裂かれ、修道院での密会がばれた二人は神を冒涜したとして投獄される。娘は裁判で死刑が決まり、その知らせを受けた青年は絶望して自殺しようとするが、まさに首を吊ろうとしていた瞬間に大地震が起きるのだった。地震によって僧院や牢獄などの公権力が倒壊し、生き延びた人々は身分を越えて助け合うが、やがて地震以前の権力や秩序の回復が試みられていく。

みえない雲

ドイツの教科書にも載った未来に伝える原発の恐ろしさ

みえない雲 / 著者:グードルン・パウゼヴァング、訳:高田ゆみ子
発行元:小学館 / 2006年11月刊行

チェルノブイリでの事故をきっかけに、ドイツで原発事故が起きたらどうなるかをテーマに1987年に書かれたヤングアダルト向け小説。舞台は西ドイツ。主人公であるギムナジウムに通う14歳の少女ヤンナ・ベルタが午前中の授業を受けている最中に、近郊の原子力発電所で事故が起きる。街はパニック見舞われ、ヤンナも避難する途中で吐き気に襲われて気を失う。同書はドイツ国内だけでも150万部販売される大ベストセラーになるとともに、ドイツやベルギーなどでは学校教材としても用いられた。

光のない。

ノーベル文学賞作家が震災に捧げるレクイエム

光のない。 / 著者:エルフリーデ・イェリネク、訳:林立騎
発行元:白水社 / 2021年3月刊行

震災後に急遽書き下ろされた戯曲で、2011年9月には早くもケルンで上演された。暗く不穏な気配に満ちた空間で、対話とも呼べない対話をする「第一バイオリン(A)」と「第二バイオリン(B)」。彼らが生きているか死んでいるか、津波に飲み込まれたのか、原子力発電所に取り残されたのか、はっきりとしたことは分からない。しかし放射線、半減期、設備の停止……などの言葉が、震災当時の切実な不安と混乱を思い起こさせる。今年3月11日には、表題作とその続編を収録した待望の新書版が発売される。

詩の礫

福島で生きる詩人の圧倒的な言葉の力

詩の礫(つぶて) / 著者:和合亮一
発行元:徳間書店 / 2011年6月刊行

福島在住の詩人である和合亮一は、震災後6日目からツイッターで詩を発表し始める。140文字という限られた字数の中で、福島への思いや震災への行き場のない怒り、生と死の不条理さ、悲しみや戸惑いなどの感情が表現され、国内外で大きな反響を呼んだ。リアルタイムで紡がれた心の叫びがページをめくるごとに迫ってくる。和合の詩は2016年にドイツ語にも翻訳されており、それらは『Worte ohne Schutzanzug(防護服のない言葉)』(原書は『ふたたびの春に / 震災ノート 20110311-20120311』)で読める。

神様2011

温かな日常をむしばむ「あのこと」の後で

神様2011 / 著者:川上弘美
発行元:講談社 / 2011年9月刊行

1993年の川上のデビュー作『神様』では、主人公は同じアパートに引っ越してきた「くま」とピクニックに出かける。紳士的で優しい「くま」との交流が美しい、不思議な吸引力を持つ作品だ。川上は震災にすぐに反応し、この作品を2011年3月に『神様 2011』というタイトルで書き直す。ストーリーの流れは基本的に『神様』と同じだが、『神様 2011』は「あのこと」が起きた後という設定に変更。例えば冒頭、二人はピクニックの際に「防護服」を着て出かけるなど、平和だったはずの日常は「あのこと」に侵食されている。

献灯使(けんとうし)

日独を繋ぐ作家が描く恐ろしい未来の日本

献灯使(けんとうし) / 著者:多和田葉子
発行元:講談社 / 2014年10月刊行

30年以上ドイツに暮らし、日本語とドイツ語で作品を発表している多和田葉子。彼女が2014年に発表した本作は、震災後のいつかの日本を舞台にしたディストピア小説だ。大厄災に見舞われた日本は鎖国政策を行い、外来語を禁止し、インターネットや車も無い。老人は100歳を過ぎても元気なのに、子どもたちは病弱で長く歩くこともできない。老人の義郎は、「無名(むめい)」という名のひ孫と東京郊外の仮設住宅で暮らしているが、やがて少年となった無名は「献灯使」として海外へ旅立つ運命にあった……。

現在地

芸術の力とは? 劇作家が挑む「ポスト3.11」

現在地 / 著者:岡田利規
発行元:河出書房 / 2014年11月刊行

劇作家であり、劇団チェルフィッチュの主宰である岡田利規の作品集。岡田は震災を通して、演劇や芸術などの「フィクション」が現実社会を励ますだけでなく、同時に「おびやかす力」を持つものであるとより強く認識するようになったと語る。本書収録の『地面と床』では、「そう遠くない未来の日本」を舞台に、地面の下で安らかに眠ることを望む死者と、これから生まれてくる命を守ろうとする生者との対立が描かれる。岡田の作品はドイツの公立劇場などでもたびたび上演され、その作品や演劇手法が高く評価されている。

最終更新 Freitag, 12 März 2021 12:15
 

クラインガルテンとは?その歴史と借り方を紹介

ドイツ人が庭仕事を愛する理由クラインガルテンとは?

ガーデニングといえば真っ先に英国を思い浮かべるが、実はドイツは「クラインガルテン」と呼ばれる集合型市民農園の発祥の地であり、れっきとしたガーデニング大国だ。そんなドイツで本格的に庭仕事を始めたい人のために、クラインガルテンの成り立ちとその利用方法についてご紹介しよう。 (Text:編集部)

クラインガルデン

始まりは子どものための「小さな庭」
クラインガルテンの歴史

「庭仕事」はドイツ人の趣味として、長年「ショッピング」と1位の座を競うほどの人気を誇る。さらにコロナ禍においては、トイレットペーパーの次に園芸用品の売れ行きが最も伸びたといわれる。そんなドイツ人の「庭仕事好き」の始まりとも言えるのが、「クラインガルテン」(小さな庭の意)と呼ばれる市民のための集合型貸し農園だ。

クラインガルテンは、シュレーバー博士(写真左)にちなんで
            「シュレーバーガルテン」とも呼ばれる クラインガルテンは、シュレーバー博士(写真左)にちなんで「シュレーバーガルテン」とも呼ばれる

クラインガルテンの歴史は、1814年にシュレスヴィヒ=ホルシュタイン州のカッペルンにある教会が、庭を持ちたい人を募って教会の土地を貸し出したことに始まる。そして1864年には、ライプツィヒの医師で教育改革者のモーリッツ・シュレーバー博士が、貧しい家庭の子どもたちが健康で安全に遊べる「小さな庭」を造った。当時、産業革命の過程で都市が急速に発展する一方、工場労働者たちは小さなアパートで貧しい暮らしを強いられ、生活環境の悪化が社会問題となっていたのだ。この子どもたちの遊び場はやがて、自然との触れ合いのなかで家族が絆を深める場所となり、人々はそこで育った野菜や果物で栄養を補った。さらに第二次世界大戦後には、食糧難を解消するためにクラインガルテンが全国に普及していったという。

今日、ドイツ全国各地には約1万4000のクラインガルテン協会があり、およそ500万人が生垣や柵などで区切られた小さな庭を借りて、余暇に庭仕事を楽しんでいるという。その利用に当たっては多くの規則が存在するため、しばしば「保守的」と揶揄(やゆ)されることもあるが、最近ではコロナ禍の影響もあって園芸人気が高まり、多くのクラインガルテンでは順番待ちリストが希望者で埋まっている。またここ5年間の新しい借主は、12%が移民を背景に持つ人であるとともに、45%が若者や家族連れ世帯。世代や文化的背景を越えて、ドイツにおけるガーデニング人気はまだまだ続きそうだ。

借主をはじめ、近隣住民にとっても憩いの場であるクラインガルテン。 借主をはじめ、近隣住民にとっても憩いの場であるクラインガルテン。今日では、使用できる農薬や化学肥料の種類を制限するなど、環境に配慮した取り組みを行っている協会も少なくない

クラインガルテンを借りるには?

借りる方法と費用

クラインガルテンの貸与期間はおよそ30年間。借りる方法としては、新聞やインターネットの掲示板や、友人・家族からの口コミ、最寄りのクラインガルテン協会に直接問い合わせるのが一般的だ。土地利用代は協会の規定や面積にもよるが、1平方メートル当たり月額平均17セントといわれ、多くの人は年間350ユーロ程度を支払っている。それに加えて協会費が年間約30ユーロ。また新しく庭を借りる場合は、以前の借主から庭に植えてある植物や小屋(Gartenlaube)などを買い取ることになるが、これには平均1900ユーロを支払うという。

ちょっぴり厳しいルール

1983年に制定されたクラインガルテン法をはじめ、協会ごとにさまざまなルールが設けられている。例えば、貸与面積の30%は野菜や果実を育てること、年間8時間以上コミュニティーへの奉仕活動を行うことなど。また、小屋での1~2日程度の宿泊は可能だが、住むことは禁止されている。さらに、クラインガルテンは「公共空間」であり、借主以外の市民のための散歩道としても重要な役割を果たす。そのため多くの協会では、クラインガルテンを囲む塀の高さを1.2~1.5メートル以下に指定し、それぞれが庭を美しく管理して景観を守ることが求められている。

参考:Deutschland Verstehen「Ein eigener Garten für einen Euro pro Tag」、Gartenhaus Magazine「Schrebergarten: Die wichtigsten Zahlen und Fakten」、本誌664号特集「ドイツでガーデニングライフを楽しむ」

最終更新 Dienstag, 23 Februar 2021 09:45
 

簡単で手軽に育つ!観葉植物&ハーブ8選

ドイツで手軽に始める「おうち緑化計画」初心者でも育てられる観葉植物&ハーブ8選

緑のある暮らしに憧れるけれど、忙しくて時間がないという人や、うまく育てる自信がないという方も多いかもしれない。ここではそんな方にぴったりな、育てやすい観葉植物&ハーブをご紹介。小さな緑があるだけで、おうちで過ごす時間もぐっと充実するはず!

室内で楽しむ観葉植物4選

お部屋にちょっとアクセントを加えたいなら、緑を添えてみてはいかがだろうか。観葉植物は育てるのが簡単で、リラックス効果や空気清浄効果があるものも。ドイツでも特に人気の高い4つの観葉植物を、その愛される理由とともに紹介する。
参考:fresh Ideen「Die beliebtesten Zimmerpflanzen Deutschlands」、mein-schöner-garten.de、Süddeutsche Zeitung「Schönes Grün, hässliche Geschichte」、kakteen-haage.de

Fensterblatt
モンステラ

Fensterblatt
日光 Fensterblatt-sun 水分 Fensterblatt-water

ドイツ語名が「窓の葉」という意味の通り、切れ込みが入った独特の葉が特徴。もとは中南米の植物だが、1832年にミュンヘンの植物学者が州立植物コレクションのためにメキシコを旅行した際、初めてドイツに持ち帰ったといわれる。第二次世界大戦後、奇跡的な経済復興を遂げたドイツでは、ブルジョワ家庭の豊かさの象徴としてモンステラがブームに。耐寒性・耐陰性が高いので室内の置き場所は基本的にはどこでもOKだが、たまに日光に当てると元気に育つ。大きいものでは2~3メートルの高さになる。

Glücksfeder
ザミオクルカス

Glücksfeder
日光 Glücksfeder-sun 水分 Glücksfeder-water

肉厚でつややかな葉が魅力的なザミオクルカスは、水や日光をそれほど必要としないため大変育てやすい。ドイツ語名は「幸福の羽」という意味で、8~12枚くらいの葉が閉じたままニョキニョキと茎が伸びていき、まるで花が咲くように一気に葉が開く。原産地は東アフリカやタンザニアのザンジバル諸島で、旺盛な生命力を感じさせるたたずまいから「ザンジバルの宝石」や「不滅の植物」といった名で愛されている。現地では痛み止めの湿布や、さまざまな病気の治療薬としても使用されたとか。

Chinesischer Geldbaum
ピレア・ペペロミオイデス

Chinesischer Geldbaum
日光 Chinesischer Geldbaum-sun 水分 Chinesischer Geldbaum-water

中国の雲南省西部が原産地で、標高1500~3000メートルの森林の日陰の岩で成長していたというピレア・ペペロミオイデス。初めて欧州に持ち込んだのは、1946年に中国からノルウェーに帰国した宣教師だといわれる。原産地が中国であることと、丸くてかわいらしい葉の形が硬貨を連想させることから、ドイツでは「中国のお金のなる木」という意味の名前で親しまれている。繁栄と幸福の象徴とされており、植木鉢にコインを入れておくとお金が増えるという噂もある、なんとも縁起の良い植物だ。

Kakteen
サボテン

Kakteen
日光 Kakteen-sun 水分 Kakteen-water

現存する世界最古のサボテン農園は、実はドイツ中部の都市エアフルトにある。サボテンは16世紀にスペインの航海者によってアメリカ大陸からドイツにも入ってきたといわれるが、このサボテン農園「KakteenHaage」が創業されたのは1685年。現在でも3500種類以上のサボテンを栽培しており、世界各地からもサボテンファンやバイヤーが買い付けに訪れる。サボテンは寒さと暑さに強く、水やりの頻度もそれほど多くない。種類も豊富なので、お気に入りのサボテンを寄せ植えするのも◎。

初心者のためのハーブ4選

ドイツの食卓に欠かせないハーブ。料理のアクセントになったり彩りを添えたり、時には身体の調子を整えるためにも活躍してくれる。そんなドイツ人にとって身近なハーブは、実は菜園初心者にぴったりな植物だ。特によく使われる四つのハーブの効用と共に、窓辺やバルコニーでの育て方をご紹介しよう。
※妊娠中の方や疾患のある方は使用できないハーブがありますのでご注意ください。
参考:Mein EigenHeim「Urban Gardening: Große Ernte auf kleinem Balkon」、Das Online Kräuterbuch、 SparBlog「Küchenkräuter für Menschen ohne grünen Daumen – So bleiben Basilikum & Co. frisch」、本誌1050号特集「摘みたてハーブのある暮らし」

Basilikum
バジル(シソ科メボウキ属 / 一年草)

Basilikum

イタリアンをはじめとするさまざまな料理に活用されるため、ぜひ常備しておきたいハーブの一つ。メディカルハーブとしても知られ、胃腸の働きを整えたり、風邪の症状を緩和させたりといった効果が期待できる。加熱すると香りが飛びやすくなるため、生に近いものを使おう。

育て方のコツ

温暖な地域から来たバジルは、暖かくて日当たりの良い場所が大好き。土が湿っている程度の量の水やりを1〜2日ごとに行おう。収穫はハサミを使って2〜4枚をカットする。プランターの場合は、バジルの成長を促進させてくれるローズマリーと一緒に育てると良い。

Schnittlauch
チャイブ(ヒガンバナ科ネギ属 / 多年草)

Schnittlauch

ネギを少しマイルドにしたような味のチャイブは、和洋中どの料理にも使えるハーブ。ドイツではサラダやスープ、ハーブバターに使われるほか、卵料理やジャガイモ料理にも合う万能選手。ビタミンCや鉄分が豊富で、食欲を増進させる効果が期待できる。高熱に弱いため、最後に添えるのがベスト。

育て方のコツ

部分的に日陰になり、風通しの良い場所を選ぼう。水やりは2〜3日ごと で、土の表面から2〜3センチ部分が乾燥している場合は水分が必要な目安。土から2センチほど残してハサミでカットして収穫する。プランターの場合は、害虫から守ってくれるディルとの相性が◎。

Minze
ミント(シソ科ハッカ属 / 多年草)

Minze

清涼感のある香りでお馴染みのミント。お茶やカクテルに入れるほか、デザートやフルーツサラダ、また中東料理にもよく登場する。家庭菜園向きのペパーミントはメディカルハーブとしても知られ、お茶などで飲用すると消化不良や緊張性頭痛を和らげる効果が期待できる。

育て方のコツ

完全に日が当たる場所ではなく、やや日陰がベスト。また、成長が早く1メートル近く伸びることもあるので、スペースに余裕を持たせてあげて。水やりは2〜3日ごとで、土の表面から2〜3センチ部分が湿っている状態にすること。収穫は上部から10〜20センチをハサミでカットする。

Rosmarin
ローズマリー(シソ科マンネンロウ属 / 多年草)

Rosmarin

抗菌作用があり食材の持ちを良くするため、肉や魚の香草焼きなどによく用いられる。葉の浸出液が強壮剤として処方されたり、外傷にも効果的として重宝されてきた。また、抗酸化作用が認められ「若返りのハーブ」との異名も。3月中旬〜5月は紫色の花が咲き、観賞用としてもおすすめ。

育て方のコツ

暖かく日当たりのいい場所を用意しよう。イベリア半島の乾燥した地帯の出身のため、水やりは3〜4日に1度が目安。葉っぱが乾燥していても、また水をやることで復活する。収穫は、太い茎を残して若い葉をハサミでカットする。

意外と奥深い!? 観葉植物のドイツ文化史!

観葉植物

古代エジプト人はプランターで植物を育て、古代ギリシャやローマ人は土の器で月桂樹を栽培するなど、観葉植物は数千年以上も昔から存在する。しかし一般市民レベルでは、欧州では17世紀ごろまで室内に植物を置く習慣はほぼなかったという。当時の庶民の生活環境は豊かでなく、植物を室内に置くと窓からの日差しが少なくなり、居住空間も狭くなるため、わざわざ飾ろうとは思わなかったのだ。

一方、17世紀後半~18世紀にかけて、植民地支配の過程で研究者や植物学者が南米やアフリカ、アジアなどに渡り、現地の植物を欧州に持ち帰って博物館などでコレクションするように。また産業革命による建築技法の発達で、個人宅にもより大きな窓を取り付けることが可能になったことと、工業化によって環境が悪化したことが相まって、次第に室内に観葉植物を置くようになった。さらに19世紀前半ごろのドイツは戦争によって疲弊し、市民は理想よりも日常的で簡素なものに目を向けるように。この時代の文学や家具、服装などはビーダーマイヤー様式と呼ばれ、この頃からサロンのテーブルに花や植物を飾る文化ができた。そして第二次世界大戦後、バウハウスから影響を受けたモダニズム建築や家具が一世を風ふうび靡。天井が高く大きな窓の付いたリビングや、鉄やアルミ、プラスチックなどを使ったモダン家具の人気とともに、その空間を彩るために観葉植物が一気に普及していった。

参考:Süddeutsche Zeitung「Das Comeback der Zimmerpflanze」、Gartentechnik.de「Geschichte der Zimmerpflanzen」、 Main Post「Gummibaum, Bogenhanf, Yuccapalme: Die Moden der Zimmerpflanzen」

おうち緑化でミツバチをレスキュー!

近年、ミツバチの数が減少していることが問題視されている。普段私たちが口にする野菜や果物などの3分の1は、ミツバチが活動することによって実を結んでおり、欧州では4000種類の野菜がそれに該当する。もしミツバチがいなくなれば、食糧生産量が大幅に減少。特にリンゴやトマトなどのビタミン豊富な食材の希少価値が上がり、価格も高騰するといわれている。

国連食糧農業機関(FAO)の統計によると、世界全体の商業的なミツバチの巣の数は1961年から2014年にかけて45%増加したが、欧州では26.5%減少した。2002年と2003年の冬にはドイツで平均30%のミツバチが死滅し、最大80%に達したという。「ミツバチの大量死」がメディアでも取り上げられるようになったのは、この頃からだ。

ドイツでは、2010年から連邦政府の支援を受けて、専門家と養蜂家が協力して「ミツバチ観測プロジェクト」(DeBiMo)をスタート。その結果、いくつかの死因が特定された。その一つに、農薬や除草剤による影響が挙げられる。とりわけネオニコチノイド系農薬は毒性が強く、欧州連合(EU)では2018年にその使用が禁止されることが決まった。

国際環境NGO グリーンピースによれば、ミツバチを救うために必要なことは、持続可能な農業を促すことだという。それを実現するために一人ひとりができることとして、同団体は有機栽培を推奨する。もちろん、買い物をするときにビオの商品を選ぶだけでなく、化学肥料を使用せずに自分の庭やバルコニーで植物を育てることも選択肢の一つだ。ミツバチに優しい植物でおうちを緑化しながら、小さな働き者たちにぜひ思いを巡らせてみて。

参考:beegut「Faktencheck: Bienensterben wie schlimm steht es wirklich um die Honigbiene?」、www.greenpeace.de「BIENENSTERBEN: BYE BYE, BIENE?」

最終更新 Montag, 22 Februar 2021 18:00
 

チョコレート大国ドイツの愛とおいしさの秘密

ドイツ人は年間11キロのチョコを食べる!?チョコレート大国ドイツの愛とおいしさの秘密

季節ごとにさまざまなフレーバーが楽しめ、疲れた時の甘〜い一口がたまらないチョコレート。そんなチョコ好きにとってうれしいことに、ここドイツはチョコレート大国だ。年間1人当たり約11キロのチョコを消費するというドイツ人の「チョコ愛」を探るとともに、編集部スタッフがドイツチョコの食べ比べ調査を、別ページにて実施!大切な誰かやいつも頑張っている自分に贈りたい、絶品チョコが見つかるかも? (Text:編集部)

チョコレート

ドイツ人とチョコの愛の物語

中南米からドイツへの長い旅路

チョコレートの歴史の始まりは中南米。紀元前に繁栄したオルメカ文明にはチョコレートの原料である「カカオ」に似た言葉があり、最初にカカオを利用したといわれている。その後、マヤ文明(4~9世紀)ではカカオの栽培を開始し、上流階級の間で飲料として重宝された。またカカオは貨幣や神への捧げものとしても役割を果たしていたという。

16世紀初頭、アステカ王国(14~16世紀)はスペイン軍の征服によって植民地となった。それを機にスペイン人たちがカカオ飲料(チョコレート)に砂糖を入れて飲むようになり、欧州にチョコレートが到来。16世紀末には薬用効果もある高級品として、欧州各地の特権階級や聖職者の間で広まり、需要が高まったことで植民地でのカカオ生産が始まった。

産業革命によって大量生産が可能になると、安価なチョコレートが出回るようになり、1847年には英国で初めて固形チョコレートが生産された。その後、1875年にスイスでミルクチョコレートが誕生すると、ドイツでもミルクチョコレートの生産が盛んに。今日にも残るチョコレートメーカーが誕生したのもちょうどこの頃からで、ドイツの一般市民たちもチョコレートを楽しめるようになった。

戦争を経てチョコレート輸出大国に成長

第二次世界大戦中、ドイツではチョコレートのほとんどは軍向けに生産されていた。そのため、終戦後に米国の慈善団体から寄付されたチョコレートが、初めてのチョコレートだったという子どもも少なくなかったという。そして、戦後復興のなかでドイツのチョコレート生産は再び息を吹き返す。

現在ドイツは、チョコレートの輸出量で世界一を誇り、全体の16.9%を占めている。こうした背景には、戦後にチョコレートを生産し続けてきたドイツの中小企業による地道な努力があるという。人はチョコレートを食べると幸せな気持ちになるとしばしばいわれるが、チョコレート生産大国の国民がチョコ好きというのは、当たり前のことなのかもしれない。

フェアトレードでカカオ農家に愛を

チョコレート生産でたびたび話題に上がるのが、児童労働問題や森林破壊などの環境問題。ドイツでは、農家と公正な取引を行うフェアトレードや環境にも人にも優しい有機栽培に取り組む企業が存在する一方、大手メーカーも近年そういった問題に積極的な姿勢を見せている。

実際に、持続可能な方法で栽培されたカカオを含む菓子製品の割合は、2011年の3%から2019年には72%となり、ここ10年で大きく伸びている。しかし、フェアトレード協会によれば、公正に取引きされるカカオの市場全体のシェアは8%とまだ小さい。また、フェアトレード認証といっても、一部の製品に条件を満たした原料を使用しているだけなのか、児童労働を禁ずるような100% フェアな製品なのかなど、マークの種類によって幅があることも問題になっている。

とはいえ、ドイツのように大手メーカーもフェアトレードについて積極的という国は、そう多くはないのが現状だ。世界のカカオ生産量の10%以上をドイツが輸入しているため、チョコレートを愛する国としてこのような公正な取引きを行うことはある意味で「使命」。誰もが笑顔でチョコレートを食べられるように、ドイツは世界をリードしていくべきだろう。

参考:日本チョコレート・ココア協会ホームページ、CHOCION ホームページ、OroVerde – Die Tropenwaldstiftung ホームページ、WELTEXPORTE「Die international größten Exportländer von Schokolade」

ドイツでもバレンタインデーにチョコを贈る!?

日本では、バレンタインデーに女性が思いを寄せる男性にチョコレートを贈る……という伝統(?)があるが、職場の男性などに贈る「義理チョコ」をはじめ、友人同士で贈り合う「友チョコ」、自分へのご褒美として「マイチョコ」、男性が女性に贈る「逆チョコ」など、そのバリエーションは時代と共に増え続けている 。

ここドイツでは、男女関係なくパートナーにプレゼントを贈り合う。ソーシャルショッピングサイトmydealzが2020年2月に発表した調査報告によると、女性の44.4%、男性の45.1%がバレンタインデーにパートナーに何かを贈りたいと回答した。人気の贈り物は、男性は花(32.9%)が1位だったのに対し、女性はレストランでごちそう(19.2%)すること。ちなみに、女性から2番目に人気の贈り物として、チョコレートとプラリネ(16.7%)がランクイン(男性は4位で6.1%)。ドイツでも、チョコレートが特別なプレゼントとして認識されているようだ 。

一方で、愛が強すぎて(?)パートナーを困らせてしまう贈り物の例も。2020年2月のYouGovとStatistaが「バレンタインデーの最悪な贈り物」を調査したところ、1位は家具、2位は家電、3位は電子機器、4位はお金という結果となった。もし今年のパートナーへの贈り物に迷っていたら、やはりチョコレートを贈るのが間違いないのかもしれない 。

参考:Pepper「Umfrage zum Valentinstag: 15 Fragen, 15 Antworten」、Statista「VALENTINSTAG Die schlimmsten Geschenke zum Valentinstag」

数字で見るドイツ人のチョコ好き度

ドイツ人は一体どれほどチョコレートが好きなだろうか。さまざまな統計やアンケート調査からも、ドイツでチョコレートが愛されていることが裏付けられている。

チョコレート製品の消費量は堂々の1位!

欧州における年間1人当たりのチョコレート製品消費量(2017年)

チョコレート製品の消費量は堂々の1位! 参考:CAOBISCO

ドイツ人の好きなお菓子はやはりチョコレート!

少なくとも週に1度は食べるお菓子の種類(2019年10月~2020年3月)

ドイツ人の好きなお菓子はやはりチョコレート! 参考:VuMA

ドイツで人気フレーバーは王道の「ミルクチョコ」!

ドイツ人が1番好きなチョコレートの種類(2018年)

ドイツで人気フレーバーは王道の「ミルクチョコ」! 参考:BDSI

ドイツのチョコレート&プラリネ
食べ比べ調査報告書
最終更新 Dienstag, 02 März 2021 18:08
 

【全9種】ドイツで人気のチョコレート&プラリネを食べ比べ!

人気メーカーから高級老舗までドイツのチョコレート&プラリネ食べ比べ調査報告書

1月某日、本誌と姉妹誌JAPANDIGESTの編集部スタッフ4名が、オンライン会議にてドイツ各地の9社のメーカーから取り寄せたチョコレート&プラリネ(一口サイズのチョコ)の食べ比べ調査を実施した。今回は、1 売上トップ3の定番&新作チョコ、2 フェアトレード&ビオチョコレート、3 老舗チョコレート店のプラリネの三つのカテゴリに分けて試食。それぞれのブランドヒストリーとともに、各調査員のコメントもご参考にそれぞれの味を想像してみて! (Text:編集部)

調査員

編集部D:板チョコが朝ごはん代わりのチョコマニア 編集部O:チョコは全部同じだと思っているチョコビギナー 編集部C:とにかくナッツ入りチョコに目がない 編集部T:1番好きなチョコはリッターのアルペンミルク

ドイツで絶大な人気を誇るチョコレートブランド TOP3

1位Milka ミルカ

milka バレンタイン向けパッケージのハート型チョコ「I love Milka Haselnusscrème」

ウシのイラストと紫色の包み紙に入ったミルカは、ドイツで人気ナンバーワンの座を誇るチョコレート。1826年にスイスでフィリップ・スシャールがココアの生産を始めたのがその起源で、1901年にミルクチョコレートが「ミルカ」として商品登録された。発売当初から、お馴染みの紫色の包み紙が使われていたそう。100% アルペンミルクを使用し、代々受け継がれるオリジナルレシピで作られたチョコレートは、舌触りの良い繊細な味わいが特徴だ。

I love Milka Haselnusscrème
2.69€ / 110g
www.milka.de

コメント

  • リッタースポーツやキンダーと比べて、甘みがまろやかで食べる手が止まらない(D)
  • ミルカのミルクチョコは食べたら絶対にミルカだとわかる味!(C)
  • 「板チョコ以上高級プラリネ未満」な感じで、気軽に人にプレゼントできそう(O)

2位Ritter Sport リッタースポーツ

milka 直近の新フレーバーから「Cranberry Nuss」と「Die Starke 81%」

正方形のフォーマットがトレードマークのリッタースポーツ。1912年にシュトゥットガルトでリッター夫妻がチョコレートの生産を始め、戦前の1932年にこの珍しいフォーマットの板チョコが誕生した。常時20種類以上の味が販売されているが、消費者のアイデアも取り入れながら毎年新しいフレーバーが開発され、世に送り出される。また2018年以降は、100%持続可能な方法で生産されたカカオを使用していることを公表している。

Cranberry Nuss 100g
Die Starke 81% 100g
www.ritter-sport.de

コメント

  • クランベリーやナッツよりもチョコレートが強いけど、食べる場所によって印象が違いそう(C)
  • クランベリーがジューシーでアクセントになっておいしい。ヘーゼルナッツの歯ごたえも良し◎(D)
  • 81%のビターチョコはハードでドライ。これまでのビターチョコとそこまで変わらないかも?(T)

3位Kinder キンダー

milka キンダーの人気チョコを詰め合わせた「Kinder Happy Moments」

キンダーの故郷はなんとイタリア。数々のヒット商品を生み出してきたフェレロ社のブランドとして1968年に誕生し、初の海外進出先としてドイツで成功を収めた。日本では、卵型のチョコレートの中からおもちゃが出てくる「キンダーサプライズ」(KinderÜberraschung)が知られているが、イースターの卵から着想を得たのだとか。チョコレートからアイスクリームまで、さまざまな商品ですっかりドイツの味として親しまれている。

Kinder Happy Moments
162g
www.kinder.com

コメント

  • 子どもが大好きな典型的なチョコバー! 全体的に甘めだが、ミルクチョコは特においしい(T)
  • ポン菓子入りのキンダーカントリーは初めて食べたけど、病みつきになりそう(D)
  • ずっと同じ味なので、子どもの頃に見ていたCMを思い出してすごく懐かしくなる!(C)

人にも環境にも優しいドイツ発のビオチョコレート

GEPA ゲパ

GEPA ゲパ ビオのアールグレイと抹茶が香る「Earl Grey Blanc」と「Matcha Blanc」

1975年に設立されたゲパは、フェアトレードのパイオニアとして発展途上国の食品や工芸品などを扱ってきた。南米と西アフリカの小規模農家組合から直接カカオ豆とカカオバターを購入しており、2000年にビオチョコレートの生産へ移行。独自認証の「GEPA fair+(フェアプラス)」は取得条件が厳しく、より公正な取引きをしていることを示す。100%ビオとは思えないさまざまフレーバーのほか、乳製品を使わないヴィーガンチョコも展開する。

Bio Schokolade Earl Grey Blanc 2.49€ / 80g
Bio Schokolade Matcha Blanc 2.49€ / 80g
www.gepa.de

コメント

  • 袋を開けた時に強いアールグレイの香りが! 味は濃いめで茶葉のカリカリ感がある(O)
  • 日本の抹茶チョコレートよりも少し薄めの味だけど、抹茶ファンにはぜひおすすめしたい!(C)
  • 抹茶よりもホワイトチョコの味がメインという印象だけど、雑味がなく上品な味わい(D)

Vivani ヴィヴァーニ

Vivani ヴィヴァーニ チョコファンもきっと未体験の味「Weiße Hanf Caramel」と「Bitter 100+Cacao Nibs」

2000年に小さなビオチョコレートブランドとしてスタートしたヴィヴァーニ。設立者はもともとビオおよびフェアトレードの企業に勤務していた経験を生かし、サステナブルなチョコ作りを追及してきた。今では世界50カ国以上に最高品質のチョコレートを届けている。チョコレートを単なるお菓子ではなく芸術作品として捉え、パッケージにはドイツ在住アーティストによる絵画を採用。その美しい見た目も人気の理由の一つになっている。

Weiße Hanf Caramel 2.45€ / 80g
Bitter 100+Cacao Nibs 2.45€ / 80g
https://vivani.de

コメント

  • 一口目は馴染みのない味だけど、ヘンプとキャラメルは甘くておいしい組み合わせ◎(T)
  • 初のカカオ100%……苦いを通り越して酸味が感じられる。チョコマニアの人はぜひ試してほしい(D)
  • 当たり前だけど100%だから甘くない……(笑)。ミルクに溶かしてココアとして飲むとおいしいかも!(C)

the nu company ヌ・カンパニー

the nu company ヌ・カンパニー 雑穀やナッツが入ったさまざまな種類が楽しめる「nucao」

健康的な食事とサステナブルなライフスタイルを理想に掲げ、さまざまな食品を開発するヌ・カンパニー。その始まりは2016年にシェアメイトだった創立者の3人がキッチンでDIYチョコに挑戦したことだったという。試行錯誤の上、一般的なチョコよりも65%少ない砂糖で、100%ビオ&ヴィーガンの「ヌカオ」を開発した。土に返る包装を採用するほか、1商品売れるごとに木を1本植えるプロジェクトなどの環境保護活動にも積極的だ。

nucao
2.29€ / 100g
www.the-nu-company.com

コメント

  • ごはん1膳分の栄養が補給できそう。甘さはそれほど感じられず健康的な味(O)
  • チョコバーというよりもミューズリーバーに近い。珍しい味わい……個人的にはもう少し甘くても良さそう(T)
  • 企業理念に共感! 糖分を控えていたり、ダイエット中の人におすすめ(D)

特別な味をお取り寄せ! 老舗チョコレート店のプラリネ


Rausch ラウシュ

Rausch ラウシュ いろいろなスピリッツがそのまま入った「Selection feine Brände」

家族経営のパティスリーとして1890年に始まり、1918年にベルリンの高級菓子店として設立された。1920年代に開発されたクラシックなプラリネのレシピはラウシュ家によって大切に保管され、今日に至るまでショコラティエたちが愛情を込めて作っている。ベルリンのミッテ地区にあるチョコレートハウスでは、カフェやデリでケーキやアイスクリームなども楽しめる。店内を飾る「チョコレートアート」は圧巻で、一見の価値あり!

Selection feine Brände
12.50€ / 130g
www.rausch.de

コメント

  • かじってびっくり! お酒が溢れ出してくる。チーズとかしょっぱいものと一緒に食べてもいいかも(O)
  • サクランボ酒やウォッカなど6種類のお酒が入っているので、お酒好きな人にとても喜ばれそう(D)
  • 一口で食べないと大変なことになるので、みなさん気をつけて!(笑)(C)

Heinemann ハイネマン

Heinemann ハイネマン お酒入りの定番プラリネが詰まった「Pralinen gemischt mit Alkohol」

鮮やかな緑色のパッケージでお馴染みのデュッセルドルフのコンディトライ。1932年の創業以来、「最高品質と鮮度」を理念に掲げてお菓子作りを続けている。名物のシャンパントリュフをはじめとするプラリネやケーキは地元の人に愛されるのみならず、欧州で高い評価を得ている。チョコレートがけのバウムクーヘンも人気が高く、デュッセルドルフ在住の日本人の間では定番の帰省土産にもなっている。カフェ併設の店舗では、朝食メニューなどの食事も提供する。

Pralinen gemischt mit Alkohol
16.95€ / 240g
www.konditorei-heinemann.de

コメント

  • ハイネマンといえば、クラシックな味と季節ごとに違うすてきなパッケージが特徴(C)
  • 紅茶風味のプラリネがお茶もお酒も香ってなかなかイケる。デュッセルドルフ馴染みの味(D)
  • 名物シャンパントリュフを初めて食べたが、お、おいしい! お酒とチョコがいい感じに口の中で混ざり合う(O)

Elly Seidl エリー・ザイドル

Elly Seidl エリー・ザイドル お好みの種類を選んで詰め合わせられる「Pralinenboxkonfigurator」

エリー・ザイドルは1918年にミュンヘンにオープンしたチョコレート工房。当時ビジネスは男性中心だったことから、創立者のバーバラ・グラートヴォールは女性経営者としてセンセーショナルを巻き起こしたそう。店名は娘のエリーにちなんで付けられ、その後エリーが事業を引き継いだ。120種類以上のプラリネを販売しており、季節限定プラリネや新製品の開発に暇がない。毎年約500万個が世界中のチョコレートファンに届けられている。

Pralinenboxkonfigurator 16 Pralinen
15.60€ / 200g〜
www.ellyseidl.com

コメント

  • 好きなプラリネを選べるのはすてきなアイデア! クマさん型のNougatbärchenはとってもクリーミー(T)
  • 一つひとつ丁寧に作られている感じがして、当たり外れがなさそう。見た目も楽しい◎(O)
  • Aprikosengeistはブランデーでマリネされたアンズが宝石型のようなチョコに入っていて、絶妙なバランス!(D)
チョコレート大国ドイツの
愛とおいしさの秘密
最終更新 Dienstag, 09 Februar 2021 10:10
 

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