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ドイツのおすすめチョコをご紹介!老舗やアイデアチョコも

ケーキ・お菓子事典

週末には家でケーキを焼く習慣が根付いているドイツでは、みんな甘いものが大好き!カフェではコーヒーを片手にケーキを口にほおばりながら談笑している光景を目にすることもしばしば。また、ドイツはシュトレンやバウムクーヘンなど、日本でも馴染み深いお菓子の発祥地でもある。定番から人気のスイーツまで、ドイツだからこそ味わえるケーキ・お菓子の世界をご堪能あれ。(ドイツニュースダイジェスト編集部)

国民的スイーツ
ドイツ、チョコレートの世界

国民一人当たりの消費量(1年間)が平均9kgと、欧州一のチョコレート消費量を誇るドイツ。ドイツのスーパーやデパートのチョコレートコーナーには、国内外のさまざまなメーカーによる商品が揃っている。そんなドイツの国民的お菓子、チョコレートの世界をご紹介。

ドイツで人気の3大チョコレートメーカー

Ritter SPORT リッタースポーツ
ドイツ生まれの正方形チョコレート
www.ritter-sport.de

Ritter SPORT リッタースポーツ

1912年、シュトゥットガルト近郊にて、アルフレッド&クララ・リッター夫妻が設立したアルフレッド・リッター社。「どんなジャケットのポケットにも収まり、割れにくい正方形のチョコレート」を商品コンセプトに掲げ、さまざまなフレーバーのものから、ヴィーガン向けのチョコレートまで、常時20種類以上のラインナップが揃う。季節限定の商品も登場するので、1年を通してその時々の気分に合せて選ぶことができるのが、リッタースポーツの魅力。また、両手でパキッと折るだけで簡単に袋が開けられる「クニックパック」というパッケージが導入されており、味わいだけでなく手軽さや便利さを追求している点も人気の秘密だ。

Lindt リンツ
世界的に有名な高級チョコレートメーカー
www.lindt.de

リンツ

日本でも高級チョコレートとして知られている「リンツ」は、1845年にスイスのチューリッヒで創業された世界的に有名なチョコレートメーカー。口の中でほどけるような滑らかな味わいの秘密は、世界有数のカカオ産地から厳選された上質なカカオ豆を独自の手法で加工・ブレンドしていること。そして温めて液状になったチョコレートを撹拌(かくはん)することがポイ ントとなる。リンツの看板商品、トリュフチョコレート「リンドール」は、舌の上でとろける柔らかさと、20種類以上のフレーバーのバリエーションで人気が高い。ドイツでは専門店のほかにも、スーパーやデパートでも手軽に購入することができるのでお土産としても最適。

milka ミルカ
チョコレートのパイオニアが生み出したメーカー www.milka.de

ミルカ

リッタースポーツと並んで人気が高い「ミルカ」の誕生は、1825年フィリップ・スシャールがスイスのヌーシャテルにてチョコレートづくりをスタートさせたのが始まりだった。1901年に商標登録を行い、同年にスイスの企業として初めてドイツでチョコレート工場を設立した。ミルカの魅力は100%アルペン地方の牛乳を使用することで、より濃厚な味わいと、とろけるような口当たりを実現させている点だ。人気のアルペンミルク味をはじめ、クリスピーやクッキー入りの食べ応えのあるラインナップも揃う。ちなみに、スシャール氏は、砂糖とカカオをなめらかに仕立てるミキサー、メランジュールを開発したことでも有名なチョコレート界のパイオニアでもある。

その他おすすめの
ドイツ生まれのチョコレート

ドイツ生まれのチョコレートスイスやベルギーなどのチョコレート名産地に隣接しているドイツだが、自国が生んだブランドも数多く存在している。価格も1ユーロ前後から高級品まで幅広く、また、スーパーやデパートでは選ぶのに迷うほど、多種多様なメーカーのチョコレートが販売されている。自分用はもちろんお土産にも最適で、幅広いシーンで活躍してくれる。

ルートヴィヒチョコレート
Ludwig Schokolade
www.ludwig-schokolade.de

スタンダードなチョコレートSchogetten、プラリネのTrumpf やMAUXION、リキュール入りの大人な味わいが楽しめるEDLE TROPFENというラインナップが揃う。

ハシェ
Hachez
https://new.hachez.de

ブレーメン生まれの老舗高級メーカー。スタンダード商品以外にも、カカオの名産地の特性を生かしたものなど、チョコレート好きなら一度は試したくなるような品揃え。

フッセル
HUSSEL
https://www.hussel.de

ハーゲン生まれのメーカー。おもちゃや口紅、カメラや携帯電話などさまざまなアイテムを模った、見ているだけで楽しいアイデアチョコレートが豊富。

チョコレートの世界をもっと知る
「チョコレート博物館」

チョコレート博物館 Schokoladenmuseum

食べるだけでは満足できない愛好家におすすめなのが、ケルンのチョコレート博物館。博物館ではチョコレートの歴史や工程について知ることができ、カフェではチョコレートスイーツが楽しめる。また、博物館の最大の魅力は、オリジナルのリンツチョコレートをカスタマイズできるコーナーがあること。大人から子供まで存分にチョコレートの世界を堪能できる。

Schokoladenmuseum
Köln Am Schokoladenmuseum 1a,
50678 Köln
www.schokoladenmuseum.de

最終更新 Montag, 16 November 2020 17:19
 

【保存版】ケーキ・お菓子事典 - ハリボーの魅力に迫る!

ケーキ・お菓子事典

週末には家でケーキを焼く習慣が根付いているドイツでは、みんな甘いものが大好き!カフェではコーヒーを片手にケーキを口にほおばりながら談笑している光景を目にすることもしばしば。また、ドイツはシュトレンやバウムクーヘンなど、日本でも馴染み深いお菓子の発祥地でもある。定番から人気のスイーツまで、ドイツだからこそ味わえるケーキ・お菓子の世界をご堪能あれ。(ドイツニュースダイジェスト編集部)

HARIBO
ドイツ発、世界最大のグミメーカー
「ハリボー」の魅力に迫る!

ハリボーとは?

ハリボーのくま

第一次世界大戦後の1920年、創業者のハンス・リーゲル氏がボンにグミキャンディー会社を設立したのが始まり。「Hans Regel, Bonn」それぞれの頭文字を取って「HARIBO(ハリボー)」と名付けられた。現在ではドイツをはじめ、150カ国以上で愛され続けている、世界最大のグミメーカーとしての地位を築いている。

ハリボーのグミは他社の製品に比べて硬めに作られているという。その理由は、欧州の人々が昔から固いものを食べる習慣がなく、咀嚼力が弱かったため、リーゲル氏が噛む力を補いたいと考えたためだった。あごの強化はもちろんのこと、よく噛むことによって肥満防止に繋がったり、脳に良い刺激を与えるなどの効果が期待できるという

HARIBO Store Bonn

HARIBO Store Bonn

ボンにはハリボーのオリジナルグッズを数多く取り扱うテーマパークのような専門店がある。グミに特化した1階には定番商品から、各国の限定商品がバラエティー豊かに揃えられている。ハリボーベアのグッズを扱う2階では、お土産に最適な、ここでしか手に入らないグッズが取り揃えられている。

Am Neutor 3, 53113 Bonn
www.haribo.com

ハリボー人気ランキング

GOLDBÄREN1位 ゴールドベーレン
GOLDBÄREN

不動の人気ナンバーワンは、創業以来、長年に渡って多くの人々から愛され続けているスタンダード商品。リンゴ、オレンジ、パイナップルなど、フルーツの爽やかな甘さが味わえる。

GOLDBÄREN2位カラーラド
COLOR RADO

ゴールドベーレンのフルーツ味、ラズベリーのグミ、日本では「タイヤ味のグミ」として知られているリコリス味のグミなどが楽しめる。

GOLDBÄREN3位ファンタジア
PHANTASIA

魔法使い、恐竜、空飛ぶ子豚、コーラのボトルなどのデザインが楽しめる。グラデーションカラーが見た目にもにぎやか。さまざまな味わいがミックスされているのが人気の秘密。

最終更新 Montag, 21 Dezember 2020 13:51
 

【14種類】ドイツのケーキとお菓子を紹介!【定番&人気】

ケーキ・お菓子事典

週末には家でケーキを焼く習慣が根付いているドイツでは、みんな甘いものが大好き!カフェではコーヒーを片手にケーキを口にほおばりながら談笑している光景を目にすることもしばしば。また、ドイツはシュトレンやバウムクーヘンなど、日本でも馴染み深いお菓子の発祥地でもある。定番から人気のスイーツまで、ドイツだからこそ味わえるケーキ・お菓子の世界をご堪能あれ。(ドイツニュースダイジェスト編集部)

マルチパン

マルチパン
Marzipan

アーモンドの粉と砂糖を混ぜ合わせたマルチパンは、ドイツ北部の都市、リューベックの名物として有名。13世紀にベネチアからやってきたハンザ商人によってドイツにも広まった。アーモンドの含有量の割合が高ければ高いほど高級とされ、リューベックでは、アーモンドを50%以上用いることが定められている。同都市の有名な老舗菓子店「ニーダーエッガー」のマルチパンは、アーモンドを70%も使用している。

シュペクラティウスシュペクラティウス
Spekulatius

ベルギーやオランダ、ドイツのライン川沿いの地方に由来するジンジャービスケットで、カルダモンやシナモンの香りが特徴。1年中楽しむことができるが、ドイツでは特にクリスマスの時期の伝統的なお菓子として愛されている。クッキーの生地を多様な模様がある薄い木型に入れて形を整え、取り出して焼くのが一般的な作り方。

シュトレン
Stollen

シュトレン

冬季のスイーツとして日本でもメジャーなシュトレンは、生地を二つに折りたたんで焼いた形が「坑道」のある山に似ていることからその名が付いた。レーズンやクルミが入った素朴な味わいが魅力だが、最近ではさまざまなドライフルーツを入れたものなど、味わいがバラエティー豊かになってきている。シュトレンの本場とされるドレスデンでは、クリスマスマーケット期間中にシュトレン祭りと題して、巨大なシュトレンがお目見えする。

レープクーヘンレープクーヘン
Lebkuchen

さまざまな香辛料を使った個性的な味わいの、しっとりとしたクッキー。底にオブラートを敷き、それ以外の部分はチョコレートや砂糖でコーティングされていることから日持ちがするお菓子として、ドイツ全土のクリスマスマーケットで定番のお菓子。通常はクリスマス時期しか出回らないが、ニュルンベルクにある老舗の専門店「シュミット」では、1年を通して味わうことができる。

シュネーバルシュネーバル
Schneeball

シュネーバルとは「雪玉」のこと。小麦粉にバターと玉子を加えた生地で小さな球を作りオーブンで焼いて、仕上げに粉砂糖をまぶしたものが、家庭で作られる一般的なシュネーバル。フランケン地方では生地をのばして太い紐状にしたものをカットし、何本かを丸めて油で揚げ、チョコレートなどでコーティングするスタイルが主流。中でもローテンブルクのシュネーバルが有名。

ダンプフヌーデルダンプフヌーデル
Dampfnudel

バイエルン地方やオーストリアの伝統的なデザート。別名「ヘーフェクレーセ(Hefeklöße)」とも呼ばれている。酵母入りの小麦粉生地で団子を作り、中にジャムなどを入れて蒸し、仕上げにバニラソースやケシの実をかけていただく。洋菓子店などで売られていることが少ないため、レストランのデザートとして注文するのが一般的。

バウムクーヘン

バウムクーヘン
Baumkuchen

ドイツのスイーツの代名詞とも呼べるバウムクーヘンは、小麦粉にバター、玉子、バニラエッセンスなどを加えて練った生地を芯に薄く巻き付けて焼き、何度も同じ工程を繰り返して焼いたお菓子。芯を抜いて輪切りにすると、樹木の年輪のような模様ができることから「バウム(木)クーヘン(菓子)」の名が付いた。発祥地には諸説あるが、北部ザクセン=アンハルト州の町、ザルツヴェーデルで初めて作られたという記録が残っている。

シュヴァルツヴェルダーキルシュトルテ
Schwarzwälder Kirschtorte

シュヴァルツヴェルダーキルシュトルテ

「黒い森のさくらんぼ酒ケーキ」という意味を持つ、シュヴァルツヴァルト地方の特産品であるさくらんぼ酒を使って作られたケーキ。1930年代ころからドイツ全土に広がるようになる。ココアのスポンジにさくらんぼ酒キルシュヴァッサーをふりかけ、間にホイップクリームとさくらんぼを挟む。最後に表面を削ったチョコレートで飾る。

モーンクーヘン
Mohnkuchen

モーンクーヘン

ケシの実(モーン)を粉にして、砂糖やバター、ミルクなどで練ったフィリングをぎっしり詰めて焼いたケーキ。ケシの実のプチプチとした食感が楽しめる。ドイツ以外にもポーランドやチェコ、ハンガリーなどの家庭で昔からよく作られてきた伝統的なお菓子として有名。ドイツでは、生地にケシの実のフィリングを渦巻状に練りこんでオーブンで焼く「モーンシュトリーツェル(Mohnstriezel)」もポピュラー。

シュトロイゼルクーヘン
シュトロイゼルクーヘン Streuselkuchen

バター、砂糖、小麦粉を混ぜて粒状にしたケーキ用トッピング、シュトロイゼルをケーキの上にまぶして焼き上げたもの。仕上がりは、上面がクリスピーになっているので、サクサクとした食感が楽しめる。ケーキの中身の素材は、チーズやカスタードクリーム、アップルピュレなどを使用することが多い。

アプフェルシュトゥルーデル
アプフェルシュトゥルーデル Apfelstrudel

リンゴを薄い生地に包んで焼いた、ドイツ語圏で最もポピュラーなケーキ。ほんのりとしたシナモンの香りが食欲をそそる。外側がしっとりとした食感に仕上がっているのが特徴。カフェでは粉砂糖をまぶしたり、バニラソースやバニラアイスクリームなどが添えられていることが多い。

ケーゼトルテ
Käsetorte

ケーゼトルテ

ケーゼトルテまたはケーゼクーヘン(Käsekuchen)は、いずれもチーズケーキのこと。ドイツでは主にヨーグルトのような味わいのフレッシュチーズ、クワルクが使われているため、クワルクトルテ(Quarktorte)とも呼ばれる。日本の濃厚なチーズケーキに比べ、さっぱりとした味わいが特徴的。アプフェルシュトゥルーデルと並んで、ドイツではポピュラーなケーキの一つ。

ビーネンシュティッヒビーネンシュティッヒ
Bienenstich

「ハチの一刺し」という意味を持つビーネンシュティッヒは、上面にぎっしりとコーティングされたアーモンドの香ばしさと、中にたっぷり詰まったバタークリームの濃厚な味わいが人気のケーキ。上部のサクサクとした食感とクリームのしっとりとした口当たりのバランスが、コーヒーや紅茶によくマッチする。

ドナウヴェレドナウヴェレ
Donauwelle

カットしたケーキの側面が波のように揺れて見えることから名付けられたドナウヴェレ。プレーン生地とココア生地、あるいはベリー系の赤みのある生地など、色味の異なる生地を重ねて作り焼き上げる。また、バタークリームとチョコレートでコーティングした上部に、フォークを使って波を描くのが一般的なスタイル。

最終更新 Dienstag, 11 Januar 2022 15:56
 

柳田選手を応援しよう!バレーボール・ドイツカップ決勝戦 fBフリードリヒスハーフェン vs ビソンズ・ビュール

バレーボール・ドイツカップ決勝戦vfBフリードリヒスハーフェン vs ビソンズ・ビュール

昨年12月13日に行なわれたバレーボール・ドイツカップ(ポカール)の試合でTSVヘルシングを3対1で下し、2度目となる決勝戦への切符を手に入れたビソンズ・ビュール。そんなビソンズ・ビュールには、現在、全日本メンバーの柳田将洋選手が所属している。

2016年のベルリン・リサイクリング・バレーズとの決勝戦に続き、2018年3月4日(日)にビソンズ・ビュールは、マンハイムのSAPアリーナで1万2000人の観客を前に再び決勝戦を迎える。今回対戦するVfBフリードリヒスハーフェンは、リーグ戦やドイツカップで何度も優勝経験があるチームだ。手強い相手ではあるものの、ビソンズ・ビュールにも十分チャンスはある。

在任8年のRuben Wolochin監督は「長期的なビジョンを持ってこの新しいチームを築いてきました」と、決勝進出への喜びを表現した。また、「私たちにとって重要なのは、実力のある若い選手たちがブンデスリーガでアピールするチャンスを得ること。今シーズン、まずはチームの形を作り、組み立てることを目指しました。その結果、次に向けて集中することができました」と話す。

マンハイムのSAP アリーナ
3月4日、ドイツカップ決勝戦の舞台となる、マンハイムのSAPアリーナ
マンハイムのSAP アリーナ
3月4日、ドイツカップ決勝戦の舞台となる、マンハイムのSAPアリーナ
チームメンバーや監督らと共に作戦を練る柳田選手
チームメンバーや監督らと共に作戦を練る柳田選手
相手チームのブロックをもかわす強力なアタックを繰り広げる
相手チームのブロックをもかわす強力なアタックを繰り広げる
ビソンズ・ビュールの選手たち
決勝戦への切符を手に入れた、ビソンズ・ビュールの選手たち

マネージングディレクターのManohar Faupel氏は、「リーグの中でも若いチームで結成されているビソンズが決勝進出を果たしました。セッターのMario Schmidgall選手(19歳)、オポジットのAnton Qafarena選手(20歳)、ウイングスパイカーのCorbin Balster選手(20歳)といった若手が、彼らにとってプロ入り初となる今シーズン、中心となって戦ってくれました」と、新チームの仕事ぶりに胸を張る。そして「柳田将洋選手にも期待をしている」と続けた。

そんなチームからの期待を背負う柳田選手は、「マンハイムの大舞台に立つことができるのは、自分のバレーボール生活の中で大きなモチベーションとなっています。ベストを尽くし、良い結果を生み出したいです」と語ってくれた。

バレーボール・ドイツカップまで残り1カ月。パワフルなアタックやサーブを繰り広げる柳田選手とビソンズ・ビュールを応援しに行こう!(取材協力:鈴木ゼーバッハ由美)

最終更新 Montag, 24 Juni 2019 14:33
 

記念年を迎えるドイツの偉人たち

記念年を迎える偉人たち
2018年から過去を振り返る

過去を振り返る時、今がどのような歴史の流れの中にいるのかを確認することができる。
今年、記念年を迎える、ドイツが生んだ偉大な人物に焦点を当ててみよう。
(執筆:見市 知)

生誕200年

「資本論」を著した天才思想家
カール・マルクス
Karl Heinrich Marx 1818年〜1883年

カール・マルクスフリードリヒ・エンゲルスとの共著「資本論」によって、19世紀末以降の国際政治に多大な影響を与えた思想家のカール・マルクスは、生前の知名度は決して高くなく、多くの時間を亡命者として経済的困窮の中で過ごしたと言われている。

マルクスは1818年、プロイセン王国領だったライン地方のトリアー(現ラインラント=プファルツ州の都市)で、代々ユダヤ教のラビを務めたユダヤ人家庭に出生する。当時の時代背景は、絶対的勢力を誇ったナポレオンがロシア遠征で敗れ、フランス支配下にあったライン地方が1814年のウィーン会議でプロイセン領となった頃だった。産業革命による経済構造の劇的な変化、労働者階級の出現と、思想的には自由主義が活性化した時代にマルクスは生きた。

「宗教はアヘンだ」、「すべての財産は盗品である」といった有名な言葉を残したマルクスの思想はその後ロシア革命の基盤となり、ソ連をはじめとする旧共産圏を誕生させた。その共産主義体制の国々のほとんどが崩壊した今、マルクスの思想はすでに時代遅れなのだろうか?「 はじめてのマルクス」を著した作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏はマルクスの偉業を「資本主義の根本的な矛盾が、労働力の商品化にあることを解明したこと」と述べている。

今、私たちはかつてマルクスも想像し得なかった、グローバル資本主義の世界で生きている。マルクスが説いた「資本主義の矛盾」を今も抱えながら生きるこの社会は、200年前よりも豊かな社会になったのだろうか。

生誕150年

「性のアインシュタイン」と呼ばれた医学者
マグヌス・ヒルシュフェルト
Magnus Hirschfeld 1868年〜1935年

マグヌス・ヒルシュフェルト昨年、ドイツでは同性間における婚姻が完全合法化され、またパスポートなどの公式書類に男性でも女性でもない「第三の性」を表記する権利が連邦憲法裁判所で認められた。そんな現在のドイツにおける「性」の捉え方からすると想像しがたいが、男性同性愛を禁止する刑法175条は、実は1994年までドイツで効力を持っていた。刑法175条の歴史は1817年、ドイツ帝国時代に遡る。これに対し、廃止を唱えた著名な医学者がマグヌス・ヒルシュフェルトだった。

ヒルシュフェルトは同性愛に対する科学的理解を訴え、同性愛者の権利擁護を目指して「科学人道委員会」を創設、帝国議会にも働きかけた。しかしナチスの台頭と共に改革はとん挫し、ヒルシュフェルトは1935年、亡命先のフランスで死去した。

生誕100年

独仏関係を大きく変化させた信念と決断の人
ヘルムート・シュミット
Helmut Schmidt 1918年~2015年

ヘルムート・シュミット1918年、第一次世界大戦が終結し、これによりドイツは敗戦国の汚名と多額の負債を負った。のちに西ドイツ首相として、戦後ドイツの国際政治における地位を大きく飛躍させたヘルムート・シュミットは、ドイツが失意と混とんの中にあったこの年、ハンブルクで誕生した。

シュミットに関する逸話として広く記憶されているものの一つが、ハンブルク市内相時代に同市を洪水が襲った際、憲法違反を恐れず連邦軍の出動を要請して市民を救った功績だ。一方、赤軍派テロリストによる要人誘拐やハイジャック事件などに対して、「テロリストとは取り引きしない」という信条を貫き、妥協を許さない姿勢でも知られた。また、フランスと協力して欧州理事会の設立などにも尽力。長い間敵対関係にあったフランスとドイツとの関係を大きく変えた影の功労者でもあった。

没後550年

活版印刷技術の発明家
ヨハネス・グーテンベルク
Johannes Gutenberg 1400年頃~1468年

ヨハネス・グーテンベルク2017年、ドイツでは宗教改革500周年が盛大に祝われた。これは1517年10月31日、マルティン・ルターがヴィッテンベルク城教会の扉に、「95か条の論題」を貼り付けた日から500年を記念するものだが、今年はこれに先駆けて世紀の大発明をし、「95か条の論題」やルターの訳したドイツ語聖書の普及を可能にして、宗教改革を大きく後押しすることにもなったグーテンベルクの没後550周年に当たる。

活版印刷技術の発明は、羅針盤、火薬と並んでルネサンスの三大発明の一つに数えられており、今でいうならばインターネットの発明に匹敵するほどの画期的な出来事だった。彼は職人であり発明家である一方、チャレンジ精神に富んだ実業家だったともいれている。

生誕100年

反ナチス運動の悲劇の戦士
ハンス・ショル
Hans Scholl 1918年~1943年

ハンス・ショルナチスに対する学生抵抗運動組織「白ばら」のリーダーとして活動し、わずか24歳の若さで国家反逆罪で処刑されたハンス・ショルは、1918年にシュトゥットガルト北部のインガースハイムで生まれた。

父親はリベラル派の市長で、ナチスに対して否定的な見解を持っていたが、少年時代は父親の考えに反してナチスに心酔し、ヒトラーユーゲントに加入していたという。しかし、やがてナチスのさまざまな政策に疑念を抱くようになり、ヒトラーユーゲントを離脱。

ミュンヘン大学医学部に入学したのち、「白ばら」運動を組織した。「白ばら」運動は、学生たちの純粋さと若くして亡くなった彼らの悲劇から伝説化し、語り継がれている。
関連記事:ミュンヘンに散った正義の「白バラ」

没後100年

ベーキングパウダーの発明者
アウグスト・エトカー
August Oetker 1862年~1918年

アウグスト・エトカーアウグスト・エトカーは1862年、ニーダーザクセン州のオーバーキルヒェンにパン職人の息子として生まれた。

その後、薬剤師となったエトカーは、ベーキングパウダーの開発を皮切りに「ドクター・エトカー」社を創業。同社は今では、菓子の材料をはじめとした多様な食品を扱う大手食品メーカーに成長している。

ドイツの伝統的な日曜日の午後の過ごし方は、自宅で焼いたケーキを囲んでコーヒーの時間を楽しむこと。この国でベーキングパウダーが発明されたというのも偶然ではないのかもしれない。

ノーベル物理学賞受賞から100周年

「量子論の父」と呼ばれた不屈の物理学者
マックス・プランク
Max Planck 1858年~1947年

マックス・プランク「量子論の父」と呼ばれ、ドイツを代表する物理学者、マックス・プランク。物理の授業を選択した人ならば、「プランク定数」に触れたことがあるはず。

キールに生まれたプランクはミュンヘン大学に進学、その後ベルリン大学に転学して1879年に熱力学の研究で博士号を取得。1918年にエネルギー量子の発見に対してノーベル物理学賞を受賞した。

ナチス時代はユダヤ系研究者の迫害に対して直接抗議を行ない、さらに次男がヒトラー暗殺計画に加担した罪状で処刑される悲劇を経験したが、生涯ドイツを離れなかった。

「ヘンゼルとグレーテル」初演から125周年

大衆に愛されるオペラを残した作曲家
エンゲルベルト・フンパーディンク
Engelbert Humperdinck 1854年~1921年

フンパーディンクドイツでクリスマスシーズンの定番といえるオペラ「ヘンゼルとグレーテル」。今年はこの名作がワイマールで初演されてから125周年目に当たる。同作を作曲したのがエンゲルベルト・フンパーディンク。

生涯で6つのオペラ作品を作曲したフンパーディンクは、大衆的な作曲家として位置付けられている。

彼の代表作「ヘンゼルとグレーテル」でも、民謡を取り入れて子供にも親しみやすい作品に昇華させており、現在も多くの人々から愛され続ける作品として、受け継がれている。

最終更新 Dienstag, 23 Januar 2018 15:26
 

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