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【保存版】じゃがいも事典 - じゃがいもの品種・調理法

保存版!ドイツの乳製品事典

ドイツといえば、ビールにソーセージ、そしてじゃがいも!
たかが「いも」と侮ることなかれ。その多様性、歴史、
そしてドイツの食文化に深く根ざす底力!!
ドイツのじゃがいもをさまざまな角度から存分に味わいましょう。
(ドイツニュースダイジェスト編集部)

じゃがいも図鑑

現在、ドイツには70以上もの国産のじゃがいも品種があり、これらは調理法によって主に3タイプに分けられている。ここでは調理法ごとにおすすめの品種をご紹介しよう。

じゃがいもの収穫時期

  • 早生種
    Frühe Sorten
    日本の「新じゃが」にあたる。5月中旬頃から収穫がスタート。鮮度が重要なので5月下旬~6月頃にかけて出回り、8月中旬頃まで店頭に並ぶのが一般的。
  • 中早生種
    Mittel frühe Sorten
    8月中旬~10月初旬頃に収穫されるタイプ。ドイツでは最も多くの品種がこのタイプに分類されている。4~8週間程度の保存が可能。
  • 晩生種
    Späte Sorten
    9月下旬~10月頃にかけて収穫されるタイプ。品種の数や収穫量は少ないが、長期保存が可能かつ、貯蔵期間中に味わいがさらに深まるのが特徴。

煮崩れしないタイプ
Festkochend

「フェストコッヘンデ・カルトッフェルン」は、茹でたり、炒めたり、あるいはオーブンで焼くなど、どんな調理方法でも形が崩れにくい。皮付きのまま調理した際、調理中に皮が開かないのも特徴。じゃがいもに含まれるデンプン量は平均14%と少なく、収穫時期が早い早生種に多いタイプ。ドイツではサラダに利用されることが多いため「ザラート・カルトッフェルン(サラダ用じゃがいも)」と呼ばれることも。ブラートカルトッフェルン(ジャーマン・ポテト)や、グラタン、ザルツカルトッフェルン(塩茹でじゃがいも)などの料理に使われることが多い。

じゃがいも料理

Annabelle アナベル
Annabelle

早生種。どんな環境や土壌でも栽培できる、万能な品種。8月上旬頃から成熟し、その後約3週間が食べ頃となる。ブラートカルトッフェルンのように炒めたり、オーブンで焼く料理に合う。

Bamberger Knolle バンベルガー・クノーレ
Bamberger Knolle

ドイツ南部のバンベルクが発祥。クロワッサンのような長細い形の実が特徴的で、収穫量が多い。特にブラートカルトッフェルンに利用するのに向いている。

Belana ベラーナ
Belana

早生種。貯蔵性に優れているため、翌年の春先までその味わいを楽しむことができる。しっかりとした味があり、カルトッフェルザラートに適している。

Cilena シレーナ
Cilena

ドイツ国内のじゃがいも収穫総量のうちの約1割を占める人気の高い品種。しっかりとした肉質、なめらかな粘りがあり、特にカルトッフェルザラートに最適。

Eichenhofer Gelbe アイヒェンホーファー・ゲルベ
Eichenhofer Gelbe

中早生種。紫色の木目模様が入った実で、ナッツのような香りとしっかりとした味わいが特徴。ヴィルデカルトッフェルン(肉厚なタイプのポメス)やブラートカルトッフェルンに合う。

Hansa ハンザ
Hansa

中早生種。非常に繊細な風味をもっている。食べた時に少しオイリーなテクスチャを感じられるのが特徴。ブラートカルトッフェルンやポメスなどに適している。

Nicola Norddeutschland ニコラ・ノルトドイチュラント
Nicola Norddeutschland

中早生種。マイルドな味わいで、調理後しばらく時間が経ってからも風味が落ちないのが特徴。まろやかな粘りがあり、ザルツカルトッフェルンなど、シンプルな料理に合う。

Secura セキュラ
Secura

中早生種。貯蔵性に優れている。素朴ながらもしっかりとした味わいがあり、オーブンで焼いたり、塩茹でするなどのシンプルな調理法でも美味しくいただける。

Sissi シシー
Sissi

2007年に認可された比較的新しい品種。早生種で香りが良くマイルドな味わいがある。カルトッフェルザラートやブラートカルトッフェルンに適している。

煮崩れしにくいタイプ
Vorwiegend festkochende

「フォーアヴィーゲント・フェストコッヘンデ・カルトッフェルン」は、約15%のデンプンを含み、品種によって硬めから少々柔らかくなるものまでバラエティ豊か。ポメス(フライドポテト)やマッシュポテトなどの付け合せから、シチューやキャセロールなどのメイン料理、カルトッフェルズッペ(じゃがいものスープ)などのサイドメニューまで、幅広い調理法の料理に利用することができる。そのため、ドイツで人気が高いのがこのタイプ。皮付きのまま調理した場合、調理中に皮が簡単に開くため、下準備に手間がかからないのもポイント。

煮崩れしにくいタイプのじゃがいもに適した料理

Ambo アンボ
Ambo

2007年に認可された比較的新しい品種。早生種で香りが良くマイルドな味わいがある。カルトッフェルザラートやブラートカルトッフェルンに適している。

Augsburger Gold アウグスブルガー・ゴールド
Augsburger Gold

中早生~晩生種で、希少性が高い。名前からも分かるように黄金色の皮が特徴的で、味わいはクリーミーかつまろやか。どんな調理法にもマッチする使い勝手の良いじゃがいも。

Bamberger Hörnchen バンベルガー・ヘルンヒェン
Bamberger Hörnchen

中早生~晩生種で、希少性が高い。名前からも分かるように黄金色の皮が特徴的で、味わいはクリーミーかつまろやか。どんな調理法にもマッチする使い勝手の良いじゃがいも。

バンベルガー・ヘルンヒェン・ブラオ
Bamberger Hörnchen blau

Bamberger Hörnchen blau

中早生種。青みがかった実、ナッツのような香りとスパイシーな風味、上品な味わいが特徴。シュパーゲル(白アスパラガス)を使った料理との相性が抜群。

Hermanns blaue ヘルマンス・ブラウエ
Hermanns blaue

実と皮がともに青っぽい色をしているのが特徴的。力強い味わいと香りがある。見た目とは裏腹に、ポメスやグラタンをはじめとしたさまざまなメニューに活用できる。

Jelly ジェリー
Jelly

中早生~晩生種。2002年に認可された比較的新しい品種。実はきめが細かく、保存性に優れており、貯蔵期間中に味わい深くなる。クヌーデルやカルトッフェルズッペにマッチ。

Jelly クヴァルタ
Quarta

中早生種。非常に繊細な味わをもっていて、ほんのりとしたスパイシーさを感じることができる品種。グラタンまたは、茹でて調理するタイプの料理に適している。

Rheinische Rote ライニッシェ・ローテ
Rheinische Rote

赤みのある実が特徴的で、希少な品種。ナッツのような香りとクリーミーな味わいが楽しめる。ヴィルデカルトッフェルンやザルツカルトッフェルンなど塩で調味する料理に合う。

Rote Emmalie ローテ・エマリー
Rote Emmalie

中早生種。赤みのある実が特徴的で、食べるとほんのりとしたスパイシーさが口の中に広がる。カルトッフェルザラートやピューレ、ニョッキなどに適している。

煮崩れしやすいタイプ
Mehlig kochende

「メーリッヒ・コッヘンデ・カルトッフェルン」は、約16.5%のデンプン量が含まれており、水分が少なめ。粉ふきいもになるので、ホクホクとした味わいが楽しめる。とろみのあるカルトッフェルズッペや、具だくさんのポトフのようなスープ系の料理から、ピューレ、クヌーデル(じゃがいも団子)、ニョッキ、マッシュポテトなど、潰してペースト状にして調理するのが一般的。餃子の具材に混ぜたり、コロッケのタネとしても美味しくいただけるので、日本食にもマッチする。

煮崩れしやすいタイプのじゃがいもに適した料理

Ackersegen アッカーゼーゲン
Ackersegen

軽い口当たりと、バターっぽい味わい、スパイシーさが特徴。ピューレや焼きじゃがいも、塩辛い味付けのじゃがいも料理にマッチする。

Adretta アドレッタ
Adretta

中早生種。特にピューレやクヌーデル、餃子のタネに適している。そのほかには、ポメスなどのチップス料理に使用されることも多い。

Afra アフラ
Afra

晩生種。貯蔵性に優れている。しっかりとした味わいの中にまろやかな風味があり、ピューレやクヌーデル、マッシュポテトなどに適している。

Finka フィンカ
Finka

早生種。長期保存には適さないため、購入後は早めに食べるのがおすすめ。じゃがいもの塩茹でやピューレにすると美味しくいただける。

Heide Gala ハイデ・ガラ
Heide Gala

中早生種。香りが良く、焼いて調理する料理からポメス、マッシュポテト、カルトッフェルズッペ、クヌーデルなど幅広いメニューにマッチ。

Laura ラウラ
Laura

中早生~晩生種。粒ぞろいの高品質な品種で、主にポメス用として使われることが多い。クリーミーな味わいが楽しめる。

Marabel マラベル
Marabel

早生種。収量性が大変良く、調理しても煮くずれや変色しにくいのが特徴。使い勝手の良い品種として、あらゆる料理に用いられている。

Odenwälder Blaue オーデンヴェルダー・ブラウエ
Odenwälder Blaue

中早生~晩生種。ブラートカルトッフェルンやグラタン、ザルツカルトッフェルンなど、焼くタイプの調理法に適している。

Reichskanzler ライヒスカンツラー
Reichskanzler

晩生種。1069年に認定されたドイツでは古い品種。スパイシーでしっかりとした風味。クヌーデルやピューレ、カルトッフェルズッペなどに。

Q&A 知って得するじゃがいも豆知識

多くの種類が市場に出回るのはいつ頃?

主な出荷時期である9月~翌年3月頃にさまざまな品種のじゃがいもが出そろいます。

じゃがいもを選ぶ際の基準は?

高品質なじゃがいもの条件は「表皮に傷がなく、手触りがなめらか、実が硬い」です。

購入後いつ頃までに食べるべき?

品種によっても異なりますが、早生種なら収穫後2週間以内に食べるのがベスト。貯蔵性に優れた品種は、涼しい場所に保管して約4カ月はもちます。

おすすめの食べ方を教えてください。

春ならフレッシュなじゃがいもと白アスパラガスの組み合わせ、夏はAnnabelle(新じゃが)をキャベツや豆類と合わせていただくと美味しいです。秋はMoor-Drillinge(小粒のじゃがいも)とお好みのお肉を組み合わせたり、冬は家禽類と合わせるのがおすすめ

日本食に合うじゃがいもは?

小さいサイズのじゃがいもDrillingeは、しょうゆとの相性がとても良いです。

じゃがいもを食べると太りますか?

じゃがいもについて皆さんが特に勘違いしているのが、脂肪分が多いということ。「じゃがいも=太る」は間違いで、実はさまざまな種類のビタミンが豊富なんです。

お話を聞いた店
DAS Kartoffelhaus

ドイツ国内をはじめとしたさまざまな国の約130種類(※季節によっては種類の増減あり)以上ものじゃがいもを提供しているじゃがいも専門店。今回お話を聞いたオーナーのLeersさんは、「それぞれのじゃがいもによって特徴がありますので、ぜひカルトッフェルハウスに足を運んでください。美味しい食べ方を伝授します」と気さくに話してくれた。

住所:Stand F07, Carlsplatz, 40213 Düsseldorf
営業時間:月~金7:00~18:00、土7:00~16:30(日・祝日は休み)
電話:0152-32029253

最終更新 Dienstag, 11 Januar 2022 15:52
 

【保存版】じゃがいも事典 - ドイツ人の「国民的」食物となるまで

保存版!ドイツの乳製品事典

ドイツといえば、ビールにソーセージ、そしてじゃがいも!
たかが「いも」と侮ることなかれ。その多様性、歴史、
そしてドイツの食文化に深く根ざす底力!!
ドイツのじゃがいもをさまざまな角度から存分に味わいましょう。
(ドイツニュースダイジェスト編集部) 

じゃがいもがドイツ人の
「国民的」食物となるまで

ドイツがじゃがいもの名産地となり、「ドイツ=じゃがいも」というイメージが定着したのは、実はそんなに昔の話ではない。約300年前にドイツに入ってきたじゃがいもが、ドイツの国家的危機を救い、国民的ソウルフードとなるまでの道のりを、西洋史学と食文化を専門としている京都橘大学の南 直人教授と一緒に振り返ってみよう。

南 直人 Naoto Minami南 直人 Naoto Minami 専門は西洋史学、食文化研究。博士(文学)。京都橘大学文学部教授(2005年~現在)。主な業績:『<食>から読み解くドイツ近代史』(ミネルヴァ書房)、『世界の食文化⑱ドイツ』(農山漁村文化協会)、『医療の社会史-生・老・病・死』/「母乳が政治性を帯びるとき-世紀転換期ドイツにおける乳児保護の実態と言説」、ポール・フリードマン編『世界 食事の歴史-先史から現代まで』(東洋書林、監訳)、『ヨーロッパの舌はどう変わったか-十九世紀食卓革命』(講談社)ほか。

じゃがいもがドイツ人の「国民的」食物となるまで illustration by Maki Shimizu

日本を代表する「すし」の源流が東南アジアであるように、ある国を代表する料理が遠く離れた外国にその起源を持つということがしばしばある。ドイツのじゃがいも料理もそれに当てはまるといえる。アンデス山地からはるばる海を越えてヨーロッパにやってきたじゃがいもは、数世紀かけてここドイツの地に定着し、ドイツ人にとってアイデンティティーを感じさせる存在となった。しかしそのプロセスは決して平坦なものとはいえない。

じゃがいもがヨーロッパではじめて食用とされたのは、16世紀末のスペインであるとされる。ドイツではというと、食の歴史研究のパイオニアである故トイテベルク教授によれば、じゃがいもが食用として導入されたのは17世紀末から18世紀初頭のことで、場所はプファルツおよびフォークトラント地方に限定されていたらしい。いわば山がちの僻地である。そしてそこからはなかなか広まらなかった。じゃがいもが敬遠された理由はさまざまあげられるが、要するになじみのない奇異な作物だったことが大きい。

しかし18世紀末頃になると、ようやくドイツ各地でじゃがいもが栽培されるようになる。この理由もまたさまざまであり、エピソードめいた話が数多くある。筆者としては、この時期におけるじゃがいもの普及には、直接的物質的要因と間接的精神的要因の二つが特に大きな役割を演じたと考えたい。前者は飢饉と食料不足である。18世紀は人口増や寒冷化を背景に食料供給がひっ迫した時代であり、特に1770年代初めには穀物生産が壊滅的打撃を受け深刻な飢饉が生じた。しかしじゃがいもはそうした悪影響を免れたため、生産が急速に拡大したのである。

後者の要因としてあげられるのが、じゃがいもについての知識の普及であり、そこではとりわけ民衆啓蒙主義者達が重要な役割を演じた。じゃがいもに対する民衆の偏見を彼らが徐々に取り除いていったのである。たとえば、代表的な民衆啓蒙家としてルドルフ・ツァハリアス・ベッカー(1752-1822)という人物がいる。彼が1788年に著した『農民のための生活の手引き』という文献は、生活改善のための実用的知識を農民に広めることを目的として書かれ、当時一大ベストセラーとなったものだが、この中ではじゃがいもも一節を割り当てられ、多収穫であることやさまざまな食べ方があることなどが紹介されている。フリードリヒ大王(在位1740-1786)がじゃがいもを奨励したこと(Kartoffelbefehl=じゃがいも令)がしばしば喧伝されるが、上からの命令で一挙にじゃがいも栽培が広がったとは考えにくい。むしろこうした民衆に近いローカルな知識人達の地道な活動をもっと評価すべきであろう。

じゃがいもがドイツ人の「国民的」食物となるまで illustration by Maki Shimizu

19世紀になるとじゃがいもの栽培は順調に拡大していった。世紀中葉までのドイツでは人口の急増の下で食料不足がいまだに続いていたため、人口扶養力の大きいじゃがいもは食料としての重要性を高めていった。世紀後半になると栽培面積はますます拡大し、収穫量でみれば他の穀物を次第に圧倒するようになる。そして19世紀末頃には、ドイツは世界最大のじゃがいも生産国となったのである。

それに伴い、消費面でもじゃがいもはドイツ人の食生活に定着し、食物としての地位を確立していく。もともと救荒作物として普及したという経緯から、じゃがいもには貧民食というイメージがあったが、19世紀を通じてそれが次第に払拭され、市民層などにも受け入れられていくのである。トイテベルク教授と並んでドイツの食の歴史研究のパイオニアである故ヴィーゲルマン教授が、有名なダヴィディスの料理書などの分析を通じて、そうした様子を具体的な献立のレベルから明らかにしている。紙幅の関係で詳しくは紹介できないが、ブラートカルトッフェルン、ライベクーヘン、ポメスフリットなど、おなじみのじゃがいも料理が必ず料理書に登場するようになり、19世紀末には日常食としてだけでなく、祝祭時の豪華な料理の中にもじゃがいもが堂々と取り入れられるまでになった。じゃがいもは晴れてドイツ人の「国民的」食物として認められたといえよう。

ただし「国民的」とはいっても、じゃがいもの受容については地域差の問題を指摘しておかねばならない。じゃがいもの消費に関して社会層の差は縮まったが、地域間の差はなかなか縮まらなかった。具体的にいえばマイン川の線で大きく南北に分かれ、南側はじゃがいもの消費量は相対的に少なかった。もっとも、ドイツの食文化の南北差はじゃがいもに限ったことではなく、小麦とライ麦の比率やミルクの消費量などいくつもの例が挙げられる。ステレオタイプの「国民」イメージは一皮めくると容易に覆されるのである。

最終更新 Montag, 21 August 2017 10:19
 

【保存版】じゃがいも事典 - じゃがいものアレンジレシピ

保存版!ドイツの乳製品事典

ドイツといえば、ビールにソーセージ、そしてじゃがいも!
たかが「いも」と侮ることなかれ。その多様性、歴史、
そしてドイツの食文化に深く根ざす底力!!
ドイツのじゃがいもをさまざまな角度から存分に味わいましょう。
(ドイツニュースダイジェスト編集部) 

食卓を華やかに
じゃがいものアレンジレシピ

じゃがいも料理はアイデア次第でそのバリエーションは無限大。素朴な味わいだからこそシンプルになりがちなメニューも、 ちょっとしたアレンジで一工夫を加えれば、食卓が華やかに!
(レシピ:坪井由美子) 

じゃがいもの具だくさんスープ

じゃがいもの具だくさんスープ

じゃがいもの具だくさんスープの材料(4人分)

  • じゃがいも ... 中5個
  • にんじん ... 1本
  • セロリ ... 1本
  • 玉ねぎ ... 1個
  • ベーコン ... 100g
  • ソーセージ ... 100g
  • 顆粒ブイヨン ... 小さじ1
  • バター ... 大さじ2
  • 水 ... 1ℓ
  • クローブ ... 2個
  • ナツメグ ... 少々
  • パセリ ... 少々
  • 塩・胡椒 ... 適宜
  • 野菜とベーコンはすべてさいの目切り、ソーセージは輪切りにする。
  • 鍋にバターを入れて熱し、ベーコンと玉ねぎを炒める。しんなりしたら残りの野菜を入れて全体にバターがまわるように炒める。
  • 水と顆粒ブイヨン、クローブを入れて中火でことこと約30分煮る。
  • じゃがいもが煮崩れてスープにとろみがついたらソーセージを加えてひと煮立ちする。
  • 塩、胡椒、ナツメグで味をととのえる。器に盛りみじん切りにしたパセリをちらす。

じゃがいもの丸ごと焼き

じゃがいもの具だくさんスープ

じゃがいもの丸ごと焼きの材料(4人分)

  • じゃがいも ... 大4個
  • クワルク ... 200g
  • パセリ ... 5本
  • スモークサーモン ... 200g
  • 塩・胡椒 ... 適宜
  • じゃがいもはよく洗って一つずつラップで包み、電子レンジで5分加熱し、向きを変えてさらに5分加熱する。
  • オーブンを250度に予熱する。パセリをみじん切りにし、クワルクと混ぜて塩・胡椒で調味する。
  • ❶のじゃがいものラップを外し、アルミホイルで包んでオーブンで10分ほど焼く。
  • じゃがいもが煮崩れてスープにとろみがついたらソーセージを加えてひと煮立ちする。
  • じゃがいもの上部に切り込みを入れ、クワルクをのせる。スモークサーモンを添えてどうぞ。
最終更新 Montag, 21 August 2017 10:19
 

現代芸術芸術祭へ行こう!5年に一度の現代アート展「ドクメンタ14」カッセルで開催

現代芸術祭へ行こう!

2017年はカッセルで5年毎に開催される「ドクメンタ」と、ミュンスターで10年毎に開催される「ミュンスター彫刻プロジェクト」の2大芸術祭が同じ時期に重なるスペシャルイヤー。美術館だけでなく、公共空間を含む街全体を舞台に長期間にわたって開催されるこれらのイベントは、美術ファンだけでなく誰もが気軽に自由にアートを楽しむことができる。この夏のドイツならではのチャンスをどうぞお見逃しなく!(取材・執筆:坪井由美子)

documenta 14
ドクメンタ 14

ドイツ中部の都市カッセルの街全体を展示会場として、5年に一度100日間にわたって開催される世界最大規模の現代アート展。最新の現代美術の動向を知る上で「ヴェネツィア・ビエンナーレ」と並び、重要とされる。14回目となる今回は、ドクメンタの歴史上初の試みとなる海外(ギリシャ・アテネ)での2都市開催が話題となっている。

カッセル

ドクメンタについて知ろう!

ドクメンタとは?

第1回目はカッセルの芸術家で教育者でもあったアーノルド・ボーデの主導で1955年に連邦園芸博覧会の一環として開催。戦争被害が大きかったカッセルの復興という意味合いも強く、ナチスドイツにより虐げられた20世紀前衛美術の回顧展としてNYの美術館から借りた作品が展示された。ドイツからアートが消えてしまった長いナチス時代を経験した人々にとって、戦後初めて現代美術と出会った場がこのドクメンタだったのだ。

ドクメンタが「特別」な理由

はじめは4年毎に開催され、ボーデがディレクターを務めていたが、5回目からはその都度異なる芸術監督が就任し、テーマを強く打ち出した「毎回新しく始まる」現代美術展へと変化していった。これまでの参加者にはピカソやヨーゼフ・ボイス、アイ・ウェイウェイといった著名芸術家が多数。商業主義なイベントとは一線を画し、常に鋭いテーマを掲げて挑戦し続ける姿勢が高く評価されている。衝撃作品も多く賛否両論を巻き起こすこともしばしば。

今回のテーマは「アテネから学ぶ」

芸術総監督に選ばれたクンストハレ・バーゼルのディレクター兼チーフキュレーターのアダム・シムジックが挑むテーマはずばり「アテネから学ぶ」。財政危機、難民問題など欧州が直面している問題の中心地的な役割を担うアテネで「ドクメンタが、アートが、今まさに生きていることを世界中に見せたい。壊れている場所で新しく再生するものを見せたい」と語るシムジック氏。私達はアテネから何を学べるのか……? その答えをカッセルで探そう。

アテネとカッセルを結ぶアートの架け橋

アテネではカッセルより一足早い4月8日~7月16日にかけて47カ所を会場として開催された。カッセルではテーマである「アテネに学ぶ」を反映した作品が多く見られる。メイン会場のフリデリチアヌム美術館ではアテネ国立現代美術館の作品が展示され、その目の前の広場には禁書で築かれたパルテノン神殿が登場。そのほかにもカッセルの木の枝を切ってアテネの木に接ぎ木して育てるというパフォーマンスが行われるなど、2都市間はアートの架け橋で結ばれている。「政治や経済にできないことをアートが成し遂げられるかもしれない」という主催者の言葉は、ドクメンタの意図そのものだろう。

開催期間:2017年6月10日~9月17日
開催時間:10:00~20:00

入場料:1日券22ユーロ、2日券38ユーロ、夜間入場券10ユーロ(17:00以降)
ファミリー入場券 50ユーロ、全期間入場券 100ユーロ(※10歳以下は入場無料)
アクセス:フランクフルト中央駅からカッセルのヴィルヘルムスヘーエ駅までICEで約1時間半
www.documenta14.de

ドクメンタ 14  必見エリア6選

1

フリードリヒス広場
Friedrichsplatz

展示会場や大型の野外作品が多く集まり、案内所やショップも設置されているフリードリヒス広場はドクメンタの中心地。ナチス時代に焚書が行われた負の歴史がある広場に堂々とそびえる「The Parthenon of Books」は今回のドクメンタの象徴的な作品。世界中から集められた禁書で築かれた実物大のパルテノン神殿には、会期中も寄付された本が随時追加されていく(書籍リストはHPから閲覧可能)。メイン会場のフリデリチアヌム美術館には、アテネの国立現代美術館のコレクションを展示。紛争や民主主義を問う作品が多く、これまで以上に政治的・社会的メッセージが強く感じられる。一見目立たないが、建物正面に刻まれた名称がフリデリチアヌムから「BEING SAFE IS SCARY」に変えられている点もお見逃しなく。

The Parthenon of Books
「The Parthenon of Books」

2

ドクメンタハレ
documentaHalle

広場の南に位置するドクメンタハレは、一階大ホールの展示が圧巻。大型作品が並ぶ中で注目してほしいのがラップランドの先住民サーミ人、Britta Marakatt-Labbaによる「Histolia」。サーミの暮らしを繊細な刺繍で綴った一見可愛らしい作品だが、20m超もの大作を端からじっくり見ていくと、サーミの過酷な歴史が浮かび上がってくる。ホール前の広場で異彩を放つ積み上げられた下水管は、イラク出身Hi wa Kの作品「When We Were Exhaling Image」。生活感たっぷりのこの空間をのぞいた誰もが、難民キャンプの生活を想像することになるだろう。

Britta Marakatt-Labbaによる「Histolia」
Britta Marakatt-Labbaによる「Histolia」
「When
We Were Exhaling Image
「When We Were Exhaling Image
 
 
 
3

カールスアウエ公園
Staatspark Karlsaue

フルダ川のほとりにあるカールスアウエ公園の美しいオランジェリー宮殿前に設置された作品は、スペイン植民地時代の南米で奴隷が働かされていた造幣機を再現した「Mill of Blood」。ヨーロッパ啓蒙主義の象徴ともいえる宮殿との対比が興味深い。宮殿から伸びる広大なカールスアウエ公園内にも新旧の野外作品が点在しているのでお見逃しなく。水と緑のマイナスイオンをたっぷり浴びながら、宝探し気分でアートとの出会いを楽しもう。

Antonio Vega Macotela 「Mill of Blood」
Antonio Vega Macotela 「Mill of Blood」

4

カッセル中央駅
Kassel Hauptbahnhof

ドクメンタの旧作品にして今やカッセルのシンボルとなった「Man walking to the sky」がそびえるのは、カッセル文化駅(Kulturbahnhof)の別名を持つカッセル中央駅。駅前に置かれたコンテナに次々と吸い込まれていく人々……その先のトンネルを抜けた先に現れるのは、なんと地下鉄駅の跡地。線路やホームがそのまま残された特異な場所で、軍事侵略など世界のさまざまなシーンを14のチャンネルでコラージュしたMichel Auderの作品「The Course of Empire」ほか、映像インスタレーションが見られる。

カッセル中央駅 Jonathan Borofsky「Man walking to the sky」
カッセル中央駅 Jonathan Borofsky「Man walking to the sky」
カッセル中央駅
カッセル中央駅
 
 
 
5

ノイエ・ガレリー
Neue Galerie

作品数が膨大なノイエ・ガレリー周辺は時間をかけてじっくり鑑賞したい。ナチスがユダヤ人から奪った知的財産の持ち主をリサーチしたプロジェクトを作品として発表した「Rose Valland Institute」、政治家ほか実在の人物をキャスティングした「A War Machine」や「Real Nazis」など、政治を痛烈に批判する作品が多く集められ見応えたっぷり。北へ進むと、麻袋ですっぽりと覆われた建物が現れる。これは食料貿易のグローバル化を問うガーナ出身Ibrahim Mahamaの作品「Check Point Sekondi Loco」で、グリム兄弟広場のすぐそばで異彩と異臭を放っている。

Ibrahim Mahamaの作品「Check Point Sekondi Loco」
Ibrahim Mahamaの作品「Check Point Sekondi Loco」
「A War Machine」
「A War Machine」
 
 
 
6

ノイエ・ノイエ・ガレリー
Neue Neue Galerie

ドクメンタによって命名された会場名が示すように、今回最も多くの新作が集まるのが、移民街ノルトシュタットにあるノイエ・ノイエ・ガレリー。旧郵便局を改装したコンクリートの無機質な空間に置かれた作品群が、切実なエネルギーを放ちながら鑑賞者に迫りくる。個人の記憶を追うことで歴史や国家を浮かび上がらせる作品を多く発表しているタイのアーティストArin Rungjangの映像インスタレーションもぜひ見てほしい。ノルトシュタット地区には他にも強烈な作品を有する会場が点在しており今回の見どころの一つとなっている。

Arin Rungjang「And then there were none」
Arin Rungjang「And then there were none」

最終更新 Dienstag, 08 August 2017 15:00
 

現代芸術芸術祭へ行こう!10年毎に開催されるミュンスター彫刻プロジェクト2017

現代芸術祭へ行こう!

2017年はカッセルで5年毎に開催される「ドクメンタ」と、ミュンスターで10年毎に開催される「ミュンスター彫刻プロジェクト」の2大芸術祭が同じ時期に重なるスペシャルイヤー。美術館だけでなく、公共空間を含む街全体を舞台に長期間にわたって開催されるこれらのイベントは、美術ファンだけでなく誰もが気軽に自由にアートを楽しむことができる。この夏のドイツならではのチャンスをどうぞお見逃しなく!(取材・執筆:坪井由美子)

Skulptur Projekte Münster 2017
ミュンスター彫刻プロジェクト2017

ドイツ西部にある大学都市ミュンスターで10年毎に開催される彫刻プロジェクトは、その成り立ちと質の高さから世界的に有名なパブリックアート展。近年日本や世界各地で急増している地域の芸術祭のモデルともいえる存在だ。第5回目となる今回は、第1回目から運営に関わるカスパー・ケーニヒを芸術監督に迎え、変化し続ける社会とアートの関係性を問う。

ミュンスター

ミュンスター彫刻プロジェクトについて知ろう!

ミュンスター彫刻プロジェクトとは?

ことの発端は約40年前、市が買い上げ設置しようとした有名アート作品に対する住民の反対の声からはじまる。その後さまざまな議論を経て1977年に「市民と公共空間、現代アートの関係性」を考える第1回ミュンスター彫刻プロジェクトが開催された。こうした背景から、同プロジェクトでは参加アーティストがミュンスターに長期滞在し、街の歴史や文化を十分知った上で市民と対話しながら作品をつくり上げるのが特徴。美術館の中だけでなく公園や庭、歩道、商店など街のいたるところに作品が展示されるため、市民は普通に歩いているだけでも意図せずしてアートに出会うことができる。しかも展示会場の入場はすべて無料。

自転車でアートめぐり!?

ドイツ歴史古都連盟の一つであるハンザ都市ミュンスターは、世界で一番住みやすい街に選ばれたこともある環境にやさしい街。学生街ならではのオープンで活気ある雰囲気が魅力だ。自転車の街としても有名で自転車の数はなんと人口の2倍もあるのだとか。広範囲にアート作品が点在している本イベントの開催期間中は、専用のレンタサイクルショップも設置される。事前に気になるアーティストの作品がある場所をチェックしておくと効率的にまわれるはず。切妻屋根の建物が並ぶ旧市街や世界最大のピカソのグラフィック作品コレクションを所蔵する美術館、広大な湖や公園を自転車でめぐりながら思う存分アートを楽しもう!

開催期間:2017年6月10日~10月1日
開催時間:月~日曜 10:00~20:00 金曜10:00~22:00

入場料:無料
アクセス:デュッセルドルフ中央駅からミュンスター中央駅までICで約1時間半
www.skulptur-projekte.de

ミュンスター彫刻プロジェクト2017必見アート7選

1

自然の中にそびえる「映像+音楽」の融合作
Harsh Citation, Harsh Pastoral,
Harsh Münster 荒川 医

芝生の中に置かれた数枚のLED スクリーン。映像が音楽を奏でるミュージカル形式のインスタレーションからは、芸術的な美しさとともに作家の批判精神が感じられる。アー湖の西端というアクセスしにくい場所にもかかわらず、はるばるやってくるアートファンが多数。
Handwerkskammer Bildungszentr.駅 Mecklenbecker通り近く

Britta Marakatt-Labbaによる「Histolia」
Britta Marakatt-Labbaによる「Histolia」
Britta Marakatt-Labbaによる「Histolia」
2

そこに暮らす人々の本音から考えるアート
How to Live Together 田中 功起

8名の参加者とともに共同生活を送りながら難民問題について話し合う様子を映し出した作品。私達はそのリアルな記録を追うことで、彼らとともに共生の可能性を考え、コミュニケーションと対話の大切さを痛感することになるだろう。
Aegidiimarkt A / LWL-Museum駅 Johannis通り近く

How to Live Together
How to Live Together
3

こことは違う異空間への入り口
N. Schmidt Pferdegasse 19 48143 Münster Deutschland Gregor Schneider

2001年の「ヴェネチア・ビエンナーレ」で金獅子賞を受賞したグレゴール・シュナイダーは、代表作「Haus u r」をはじめ「部屋」をつくることで知られる作家。ミュンスターの美術館につくられたもう一つの世界へ足を踏み入れ異空間を彷徨い、その不思議な感覚を体験してみてほしい。
Aegidiimarkt A / LWL-Museum駅 Pferde通り近く

N. Schmidt Pferdegasse 19 48143
Münster Deutschland
N. Schmidt Pferdegasse 19 48143
Münster Deutschland
4

先の読めない仕掛けにわくわくする実験作
Matrix CAMP

北海道生まれのインド人アーティスト、アショク・スクラマンがシャイナ・アナンドと結成したCAMPは、昔の劇場の壊れた壁が残る新劇場のバルコニーを舞台に、新旧を結ぶ実験的な作品を発表。黒いケーブルの先に何が現れるか……ボタンを押して試してみよう。
THEATER Münster駅 Neubrücken通り近く

Matrix / CAMP
Matrix / CAMP
5

リアルとファンタジーが交差する世界へ
Cosmic Generator Mika Rottenberg

肉体、労働、生産などの関係性を提言し「価値」についての追及を続けるミカ・ロッテンバーグは、アジアショップの一室で映像インスタレーションを上映。現実とファンタジー、不条理が交差する鮮烈な世界観は、一度体験したらクセになること間違いなし。
Kolpingstr.駅 Garten通り近く

Cosmic Generator / Mika Rottenberg
Cosmic Generator / Mika Rottenberg
Cosmic Generator / Mika Rottenberg
6

アーティストと市民の合作!?
Speak to the Earth and it Will Tell You (2007-2017) Jeremy Deller

人類学の研究をテーマに掲げるジェレミー・デラーは、クラインガルテン(市民庭園)の利用者に2007年〜2017年の日記をつけてもらうというプロジェクトを実行。10年をかけてアーティストと市民でつくり上げた、まさにこの芸術祭ならではのアートだ。
Pumpenhaus / Lublinring駅 Lublinring近く

Speak to the Earth and it Will Tell You
Speak to the Earth and it Will Tell You
Speak to the Earth and it Will Tell You
7

IT を駆使した最先端アートを体感
After Alive Ahead Pierre Huyghe

今や現代アートの巨匠の一人に数えられるピエール・ユイグの会場には、今回一番長い行列ができている。元スケート場の巨大な空間に出現したのは、SF映画のセットのような壮大なインスタレーション。謎の生物が飛び交う専用アプリを使って宇宙旅行を楽しもう。
Technologiepark駅 Steinfuter通り近く

After Alive Ahead
After Alive Ahead
最終更新 Dienstag, 08 August 2017 14:59
 

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