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ロンドンのゲストハウス
Fr. 22. Nov. 2019

喜怒疲楽のカヌー旅日記 父なるライン川を漕ぐ 吉岡 嶺二カヌー旅マップ

Bad Wimpfen – Neckargerach
1日目 - 心地良い追い風が吹くネッカー川

閑散とした駅舎の裏で出発準備

2012年6月27日、ハイデルベルク7時31分発の列車でバート・ヴィンプフェンに向かった。すぐにネッカー川が見えてくると思いきや、広大な麦畑や牧草地が続くばかりでどうも様子が違う。乗り間違えたかなと不安がよぎったが、8時36分、定刻通りに到着した。  

全く人影がない駅舎の裏手にボート小屋と浮き桟橋があった。早速、デッキ一杯に荷物を広げて出発の準備を開始。艇の 組み立てと積み荷のパッキングだ。今回は欧州初見参の長さ3.1mのチビ舟を持ってきている。スピードは期待できないが、中は十分広いので安定性は問題ない。積み荷は6本の防水袋に詰め込んだ。失礼な言い方だが、こんな僻地へ来て手際良く旅支度ができたのは、カヌー仲間である千葉ファルトボートクラブの岩瀬和博さんのお陰である。今は亡き岩瀬さんは生前の1997年、ここからハイデルベルクまでカヌーの旅をされた。

古城を眺めながら、漕ぎ始める

出発間際、老人夫妻がやって来た。交替でボートを漕ぐのだと言う。先にご夫人が出ると、ご主人が話し掛けてきた。東京へ行ったことがあるそうだ。そして、鎌倉は知らないけれど、なんと福島は知っているという。話はそれで終わった。11時、重い思い出を積み込んでのスタートとなった。ご主人に、古城を背に記念写真を撮ってもらった。一期一会、今回の旅でも大勢の人と交わることになるのだろう。  

古城街道に沿って進むコース。左舷のすぐ先に「100」のプレートが見える。河口からの距離が100kmであることを示す航路標識だ。この先100m毎にこの標識を追っていくことになる。欧州の河川は重要な交通路。こうした設備はカヌーの旅人にとってもありがたい。決して清流とは言えないが、プラスチック類のゴミも流れていない、きれいな水だ。ロック(閘門)で水位が調節されているので、流れは穏やか。心地良い追い風が味方し、ゆっくりと流されていく。両岸の頂上まで続くぶどう畑と、点在する古城を眺めながら漕ぐ旅が始まった。

バート・ヴィンプフェンは南ドイツのウォーター・スポーツの拠点
丘上に12世紀のお城が見える。
バート・ヴィンプフェンは南ドイツのウォーター・スポーツの拠点でもある

電子辞書を片手にドイツ語と格闘

最初のロックに差し掛かった。ロックの岸側にレールを敷いたスロープがあり、小型船運搬用の台車が用意されていることを事前に確認していた。私の場合はカヌーカートを自作して持ってきているから必要ないのだが、いかにも行き届いた配慮である。積み荷を降ろしてカヌーを引き揚げ、200mほど引いて歩いた下流側で再び浮かべる。この先、同じ作業を何度も繰り返すのだろう。前方を進んでいた老人たちのカヌー船団に追い付いた。その先ではカヌースクールの若者たちが漕いでいる。2番目のロックには彼らより先に着き、スロープで休憩。後続の カヌー船団は全艇待機し、水門の扉が開くと同時に歓声を上げて通過していった。その手もあるか。臨機応変に対応しているようだ。「欧州ではローボートの方が盛んなようだが、カヌーもいいぞ。前方を見て進むから、眺めも良いし安全だ」。聞こえないだろうが、そう語り掛け、後を追った。  

16時40分、ネッカーゲラッハ到着。キャンプ場の旗が立っているから今日はここまで。それにしても不思議な町だ。店は結構たくさんあるが、どこもクローズ。人の姿は皆無である。探し歩いた果てに、かろうじて1軒、開いているレストランを見付けた。とりあえず「ビア・ビッテ(Bier, bitte!)」。時間を稼ぎ、電子辞書を片手にメニューを解読する。だが、ドイツ語は横並びの積み木のようで、辞書も引けない。仕方なく英独で逆引きし、PorkでSchwein。先が思いやられる。  

 

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吉岡 嶺二吉岡 嶺二(よしおか・れいじ)
1938年に旧満州ハルビンに生まれる。早稲田大学卒業後、大日本印刷入社。会社員時代に、週末や夏休みを利用して、カヌーでの日本一周を始める。定年後はカナダ、フランスやイギリスといった欧州でのカヌー旅行を行っている。神奈川県在住。74歳。
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