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Do. 29. Okt. 2020

ビール小話
歴史の裏にビールあり!文化の影にビールあり!人類の歴史を語るのにビールは欠かせません。
知れば知るほどに、楽しく美味しくビールを飲めるはず。
毎月ちょっと面白い、そしていつかは役に立つ(?)小話をご紹介します。


ビールの原料 ー 水の話

麦芽130g、ホップ2g、水8ℓ。これって何だと思いますか? 実は、1ℓのビー ルを造るのに必要な 原料の平均的な量です。ビール1ℓに対して水8ℓは多いように感じますよね。水は大麦を浸して麦芽を造るための浸 麦用水として、また麦汁を造る仕込み水として使われますが、その多くは煮沸の行程で水蒸気になって消えてしまいます。その他、設備や容器類の洗浄、ボイラー、冷却用にも多量の水が必要になります。

ともあれ、一般的なビールの90%以上は水分。水はビー ルの品質に直接影響します。古くから ビール造りが盛んな地域は、必然的に 良質な水が豊富に得られる土地柄でした。衛生的で飲料水としても美味しく飲めることはもちろん、原料の美味しさを十分に引き出せる水であることが大切です。

ビールに影響を与える要素として、「水の硬度」があります。硬度は水に含 まれるカルシウムとマグネシウムの合計含有量の指標です。これが多いものを硬水、少ないものを軟水と呼びます。水の硬度はそのまま「硬い味」「なめらかな口当たり」など、ビールの飲み口に関わってくるほか、醸造の過程で酵素や酵母の活性に影響を及ぼします。一般的に、硬水はダークラガーやペール エールなどの色が濃くまったりとしたビール、軟水はピルスナーやライトラガーなどの色が薄くすっきりとしたビールに適しています。

水から各地のビールを見てみましょ う。ピルスナーの発祥地、チェコのプルゼニの水は軟水です。ピルスナーは明るい色合いと爽やかで軽い喉越しが 特徴ですから、軟水が適しています。実はピルスナーのレシピが開発されたのはミュンヘンでしたが、ミュンヘンの 水は硬水であるため、ピルスナーの軽さが出せず、ピルゼンに発祥地の名を持って行かれてしまったという歴史があります。ミュンヘンの水は、麦芽の風味が効いたダークラガーに適しています。

美味しい水は、きれいな環境から
美味しい水は、きれいな環境から

英国の水は硫酸塩が多く含まれる硬水で、ホップの豊かな香りを引き出す性質を持っています。したがって英国のビールは色が濃く、ホップの香りが 生きたエールビールが主流です。一方、日本の水は軟水で、ピルスナー造りに適しています。実際に多く飲まれている のもピルスナーです(日本でこのビールが好まれたのは、高温多湿な気候ゆえに、すっきりとした飲み心地が追求されたためだけでなく、生まれた時から慣れ親しんでいる軟水が原料になっているからではないかと私は考えています)。

現在では、水の特性は煮沸や石灰水添加、活性炭処理、イオン交換などの水処理技術によって自由に調節できるようになり、世界中どこでも造りたいビールが造れます。しかし、昔は水こそがその土地のビールの味を決めていました。各地で飲まれているビールを、水から考えてみるのもまた面白いですよね。

 
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コウゴ アヤコ: ビアジャーナリスト協会会員。ビール好きが高じて2008年から1年半、ミュンヘンで暮らし、暇を見付けては欧州各地の醸造所やビアハウスを旅して回る。2010年からは拠点を日本に移し、ライフワークである旅とビールをミックスした「旅ビール」を楽しんでいる。ブログ「ビアテイスターの世界ぐるっとビール旅」http://gogorinreise.blog34.fc2.com
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