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Di. 11. Aug. 2020

ビール小話
歴史の裏にビールあり!文化の影にビールあり!人類の歴史を語るのにビールは欠かせません。
知れば知るほどに、楽しく美味しくビールを飲めるはず。
毎月ちょっと面白い、そしていつかは役に立つ(?)小話をご紹介します。


ピルスナーの聖地を旅する

10月5日はピルスナービールの誕生日。ピルスナーは、今や世界中で飲まれている黄金色のビールで、1842年にチェコのピルゼン(Pilsen)で生まれました。ピルスナーとは、そのものずばり“ピルゼンのビール”という意味。その元祖ピルスナーを造っているのが、チェコのピルゼンにあるピルスナーウルケル醸造所(Pilsner Urquell)で、ビールファンにとっては聖地の1つです。この誕生日に向けて、ピルゼンを旅してきました。

ピルゼンは、チェコの首都プラハから電車で1時間40分。ミュンヘンからは直通電車があり、約4時間で行くことができます。ピルゼン中央駅から醸造所までは徒歩で10分ほど。歩き始めると、すぐに長い煙突が見えてきます。醸造所の入り口を飾る重厚な石門は、創業50周年を記念して建てられたもので、醸造所のシンボルとしてロゴマークにも使われています。

醸造所は見学ができ、予約は不要で、開始時間前に直接ビジターセンターへ行きます。90分ほどの見学コースでは、ピルスナーの歴史やビールの製造方法を見ることができます。世界中のビールファンが集まって来るとあって、言葉が分からなくても五感で楽しめるよう展示が工夫されています。展示室では、手に取って麦芽とホップの香りをかいだり、顕微鏡の模型をのぞいてうごめく酵母を見たり、清流の音に耳を傾けたり。

実際にビールの貯蔵庫として使われていた地下室にも案内してもらえます。巨大な木樽がいくつも置かれ、夏でもひんやりとしています。冷蔵技術が発達した現在は、コンピューターで管理されたステンレスタンクで熟成していますが、かつては地下に、冬の間に川から切り出した氷を詰めてビールを貯蔵していました。見学者は、これらの木樽で熟成させた元祖ピルスナーを味見することができます。濾過していないので、酵母や沈殿物が混じり、少し白濁しています。口に含むと、甘味が優しく舌に広がります。無濾過のウルケルは、ほかではなかなか味わうことができません。

地下貯蔵庫
巨大な木樽が並ぶ地下貯蔵庫

見学後は、旧発酵倉庫を改装したピルスナーの聖地を旅するビアレストラン「ナ・スピルツェ」で、出来立てのビールを伝統的なチェコ料理とともに味わいましょう。上品なホップの苦味と爽やかなのど越しで、何杯でも飲めてしまいます。

この軽やかさこそが、ピルスナーの特長です。この地ならではの軟水と淡い色の麦芽が、ピルスナービールの誕生には不可欠でした。バイエルンの醸造家ヨーゼフ・グロルが、ピルゼンの原材料を用いて、バイエルンの伝統的手法であったラガービールの低温長期熟成技術で造ったところ、思いもよらない淡い色の、口当たりの良いビールが生まれたのです。それが1842年10月5日のこと。当時のビールは濃色が主流でしたから、見た目にも美しいこの黄金色のビールは、ピルスナーの名で世界中に広まり、各国の醸造所で造られるようになりました。チェコ生まれ、世界育ちのピルスナー。10月5日の一杯は、ピルスナーで決まりですね!

 
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コウゴ アヤコ: ビアジャーナリスト協会会員。ビール好きが高じて2008年から1年半、ミュンヘンで暮らし、暇を見付けては欧州各地の醸造所やビアハウスを旅して回る。2010年からは拠点を日本に移し、ライフワークである旅とビールをミックスした「旅ビール」を楽しんでいる。ブログ「ビアテイスターの世界ぐるっとビール旅」http://gogorinreise.blog34.fc2.com
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