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So. 25. Okt. 2020

アウトバーンで国境越え

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本格的なバケーション・シーズンが始まった。ドイツ人の平均的な夏休み期間は10.7日。時期は学校が夏休みとなる7~8月に集中する。ほかの欧州諸国も同様で、この時期のアウトバーンではあらゆる国のナンバープレートの乗用車やキャンピングカーを見掛ける。陸続きのヨーロッパならではの光景だ。今回は、ドイツのアウトバーンの現状や、スイス国境を超える際の留意点についてみてみよう。

アウトバーンは「全線無料」かつ「速度無制限」?

本誌929号(2012年7月27日発行)の記事でも触れたように、「全線無料」「速度無制限」で世界的に有名なドイツのアウトバーンだが、その実態は少々異なる。12トン以上の大型トラックは有料で、インターチェンジや市街地近郊などでは速度制限が設けられているので、全線の約半分は速度制限区間なのである。

自由民主党(FDP)と連立を組んでいた前政権では、乗用車へのアウトバーン通行料の導入を行わないと明言していたメルケル首相(キリスト教民主同盟=CDU)だが、現政権では連立政権内から様々な有料化案が提案されている。社会民主党(SPD)との連立協定では、2016年までに外国ナンバーの乗用車に対して通行税を導入する案が提出された。また、今年初めにはドブリント交通相から、1週間、1カ月などの短期ヴィニエット(Vignette、通行券)方式でのアウトバーン有料化が提案された。

アウトバーンで隣国スイスへ

この夏休みは、乗用車のドライバーはまだ「全線無料」を享受できそうだ。欧州連合(EU)発足後、ドイツと隣国の国境検問所はほとんどなくなってしまった。南ドイツから陸続きの国境越えを体験するのに、最も身近な国の1つはスイスだろう。

スイス国内の高速道路を通行するには、ヴィニエットと呼ばれる年間通行券が必要となる。ヴィニエットは国境検問所、もしくは国境近くのサービスエリアやガソリンスタンドで購入し、フロントガラス中央付近に貼れば良い。ほぼ正方形のステッカーで、西暦の下2桁が印刷されている。1回購入すれば、1年間に何度でもスイス国内の高速道路を利用できる。

検問所

特に平日には、検問所近くに長蛇の列が連なる。ほとんどは通関待ちのトラックなので、乗用車用レーンを通れば列に並ぶ必要はない。検問所内の道はカーブしていて、速度を落とし、国境警備員の前をゆっくりと通過する。すべての車両が国境警備員に停止を求められるわけではなく、私の経験では、ドイツナンバーの車が止められる確率は20%前後といったところだ。

停止を求められた場合、国境警備員から税関で申告すべき物はないか質問され、荷物の中身を確認される。ワインなどのアルコール類のほか、肉類も念入りにチェックされる。スイスは肉類に高い関税を掛けて、自国の畜産業を保護しているためである。 

そして、パスポートと運転免許証をチェックされることが多い。2011年にスイスはシェンゲン協定に加盟したため、パスポート検査は不要になった。しかし、スイスへ持ち込まれる品物の原産地と最終目的地を調べるために、パスポートをチェックするのだ。また、スイスでは日本の運転免許証で90日間の運転が可能だが、国境警備員が判読できないために国際運転免許証が必要となる。

2012年ADAC会員費の使用内訳
撮影後、車をしっかり止められました。国境警備員はよく見ています。
写真を撮ること自体は止められませんでした。

速度制限

スイスの高速道路には、120km/hの速度制限がある。速度制限の取り締まりは厳しく、時速を3km/h程度オーバーしただけでもオービス(自動速度違反取締装置)が作動する場合がある。スイスは物価が高い国ゆえ罰金もそれなりで、例えば、高速道路での6~10km/hオーバーで60フラン(約50ユーロ)、11~15km/hオーバーで120フラン(約100ユーロ)、16~20km/hで180フラン(約145ユーロ)といった具合である。

反対に安いのはガソリンで、これは税制の違いによるものだ。ドイツに入国する手前のガソリンスタンドは、常に混雑している。

今年の夏休みは、陸続きのヨーロッパで、ぜひ車での国境越えを味わっていただきたい。


人気観光スポット調査

夏の観光シーズンを前に、外国人観光客が選ぶドイツの観光名所トップ10を見てみよう。昨年、外国人1万5000人を対象に行われた調査結果は以下の通りである。

ドイツの観光名所トップ10

皆さんご存じの名所がランクインしている。2位のオイローパ・パーク(Europa Park)はあまり馴染みがないかもしれないが、ホテルも併設された巨大遊園地である。黒い森やボーデン湖は、交通の便を考えると、ぜひ車で行きたい観光スポットだ。

昨年、ドイツ人が好きな旅行先として挙げられたのは、以下の通り。

ドイツ人が好きな旅行先

近年1位を独占してきたマヨルカ島が、このランキングでは2位となった。マヨルカ島は冗談で、“ドイツの新しい州”とも言われる程ドイツ人がよく訪れ、観光エリアではドイツ語も通じる。またランキングには、ドイツ国内の3都市が入っている。

用語解説

交通違反の反則金
Bussgeld

スイスの交通違反の罰金の高さは本文で触れたが、市街地の速度制限地域での罰金は特に厳しい。例えば、時速1~5kmオーバーで40フラン(ドイツは時速30kmゾーンで15ユーロ)、時速6~10kmオーバーで120フラン(同15ユーロ)、時速10~15kmオーバーで250フラン(同25ユーロ)。市街地での運転には、特に気を付けていただきたい。

<参考文献とURL>
www.welt.de "Verkehrsminister Dobrindt will Pkw-Maut staffeln" (05.01.14)
www.bild.de "Die zehn Lieblings-Reiseziele der Deutschen" (07.07.2014)
www.myswiss.jp "車運転のアドバイス"
■ ニュースダイジェスト956号 "ドイツの観光名所トップ10" (21.06.2013)
www.morgenpost.de "Pkw-Maut wird zum Januar 2016 - scharf gestellt" (10.04.2014)
www.bussgeldkatalog.ws, www. bussgeldkataloge.de

藤田さおり(ふじた・さおり) 法政大学経営学部経営学科卒業。スイス、ドイツ在住。日本で独大手自動車メーカーのマーケティング部に従事。その後、スイスにてマーケティングや通訳をベースとしたコンサルティング会社を設立する。ビジネス経験から、日本や海外駐在のビジネスマンにも分かりやすい記事を目指している。Facebook: funi.swiss

 
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