Hanacell

ヴィプケ・ブルーンス

ゲッツ・アルスマン Wibke Bruhns
1938年9月8日プロイセン州ハルバーシュタット(現ザクセン=アンハルト州)生まれ。ジャーナリスト。ベルリン在住。
Foto: ©Amos Schliack

公共放送ZDFのニュース番組heuteに起用されたのは1971年。黒縁メガネにぼさぼさ髪という野暮ったいスタイルだったが、西ドイツで初めて女性が政治ニュースを読むとあって騒がれ、ヴィリー・ブラント首相(SPD)との仲まで取りざたされた。先頃、回顧録『Nachrichtenzeit(ニュースの時間)』で当時を振り返り、噂の真相を語った。

ヒトラー暗殺未遂事件に連座して父親を失った遺児の1人である。計画を知りながら通報しなかった父ハンス=ゲオルク・クラムロートは逮捕され、反逆罪で処刑された。戦後、西ドイツ外務省で職を得た母エルザに伴ってストックホルム、西ベルリン、ロンドンを転々とする。母と子ども5人の生活は苦しく、長女の胸には戦後も安泰なナチス裁判官らへの怒りが募っていたと言う。

何か言ってやりたい。ビルト紙で研修し、62年にZDFに入局。俳優ヴェルナー・ブルーンスと結婚して2人の娘に恵まれ、仕事と家庭を両立する女性の先駆者になる。

そしてブラント首相のイスラエル訪問に同行取材した73年7月。ホテルのスイートルームに一緒に入ったのは「独占取材を期待していたからだが、聞き手がほしかっただけのブラントは1時間半しゃべりっぱなし。そもそも2人きりではなかった」。だが、「親密な関係」との噂は瞬く間に広まった。

当時の政界は女性ジャーナリストへの差別と嫌がらせが常態だったからと言う。しかし、40年後の現在は「老いるほどに書くことが楽しい」と喜色満面だ。

最終更新 Mittwoch, 15 August 2012 21:20  
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