【ブリュッセル 5月19日 時事】ドイツのメルケル首相とフランスのマクロン大統領は18日、テレビ首脳会談を開き、新型コロナウイルス危機収束後の欧州再建に向けた共同提案に合意した。イタリアやスペインなど経済的打撃の大きい加盟国を救済するために新設するEUの再建基金については、5000億ユーロ(約58兆円)規模とすることを提案した。
基金はEUの次期中期予算(2021~27年)の枠組みの中で設置。財源は、欧州委員会が市場から調達し、「最も影響を受けた分野や地域のためのEU予算歳出」に充てるとしている。
AFP通信によると、マクロン氏は記者会見で、基金から加盟国への資金支援は「(返済義務のある)融資ではない」と説明した。
EUは4月23日の首脳会議で、経済再建のための基金を新設し、次期中期予算と組み合わせて対応することで一致済み。欧州委に具体案の取りまとめを指示していた。
欧州委は来週27日に具体案を採択し公表する予定。フォンデアライエン委員長は18日、声明を出し「独仏の建設的な提案を歓迎する」と表明した。その上で「欧州委が検討している提案の方向性に沿うものだ」とも強調。欧州委案は独仏案がベースとなると見られる。
独仏提案では、新基金は「欧州経済の強靱(きょうじん)性と収れん、競争力を高め、デジタルやグリーン化、研究開発強化への投資を拡大させる」とも指摘した。
欧州経済再建の財源をめぐっては、イタリアなどが「コロナ債」とも呼ばれる欧州の共通債を発行し債務負担を共有する構想を訴えてたが、ドイツやオランダの反対で実現困難となっていた。
15 Mär 2024 1214号
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