(ベルリン 6月24日 時事)ドイツ政府は24日、防衛費を国内総生産(GDP)比で、今年の2.4%から2029年までに3.5%へ引き上げる財政計画を閣議決定した。長年頼りとしてきた米国が欧州の安全保障への関与に消極姿勢を示す中、軍備増強を急ぐ。
独メディアによると、25年度予算案では、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの軍事支援を含む防衛関連費に750億ユーロ(約12兆6400億円)を計上。その後、徐々に増やし、29年には1678億ユーロ(28兆2900億円)に達すると想定している。
24日からの北大西洋条約機構(NATO)首脳会議では、加盟国の防衛関連支出について、GDP比3.5%の防衛費と同1.5%の関連インフラ整備費を合わせた「5%目標」で合意する方向。達成のめどは35年と設定される見込みで、独政府の計画はこれを6年前倒しする異例のペースとなる。
クリングバイル財務相は同日、ロシアの脅威に触れた上で、「安全に暮らし続けるためには、(防衛に関する)過去の対応不足を早急に挽回しなければならない」と強調した。
ドイツは3月に基本法(憲法に相当)を改正し、防衛費を厳格な債務抑制ルールの例外として扱うことを決定。軍縮路線からの歴史的転換を図り、メルツ政権はNATO内で「同盟国の模範」になると表明している。
4 Juli 2025 1245号
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