【ブリュッセル 7月10日 時事】欧州連合(EU)欧州議会(定数720)は10日、フランス・ストラスブールでの本会議で、フォンデアライエン委員長率いる欧州委員会に対する不信任決議案を反対多数で否決した。現執行部が引き続き支持を得た格好だが、EU内の政治的分断やフォンデアライエン氏の求心力低下が浮き彫りとなった。
投票は記名式で行われ、結果は賛成175、反対360、棄権18。可決には、全議員の過半数が投票に参加した上で、投票総数の3分の2以上の賛成が必要だった。
不信任案はルーマニアの右派EU議員が主導し、提出条件である定数の10分の1を超える77人の署名が集まっていた。同議員らは欧州委の新型コロナワクチンの契約に関する情報開示が不十分だと批判。EUの「再軍備計画」に関連する融資を議会審議を経ずに決めた点も「議会軽視」に当たるなどと訴えていた。
欧州委に対する不信任案の提出は2014年以来。フォンデアライエン氏の政策運営を巡っては、右派・極右勢力からだけでなく、左派からも環境規制緩和などに不満の声が出ており、今後も難しいかじ取りを迫られそうだ。
4 Juli 2025 1245号
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