【イスタンブール 7月25日 時事】イランと英仏独は25日、核問題を巡る外務次官級協議をトルコのイスタンブールで開いた。英仏独は8月中に核開発制限に向けた進展がなければ、2015年の核合意で解除されたイランへの国連制裁の再発動を警告。イランのガリババディ外務次官は協議後、X(旧ツイッター)で、今後も協議継続で一致したと明らかにした。
核合意では、イランが違反すれば制裁を復活できる「スナップバック」と呼ばれる規定が設けられた。当事国が合意不履行を国連安保理に通告し、「制裁解除の継続」を認める決議が採択されなければ制裁が再び発動される。規定は10月中旬に期限が切れる。
ロイター通信などは、イランが国際原子力機関(IAEA)との協力や対米交渉を確約することを条件に、英仏独がスナップバックを発動できる期限の6カ月延長を提示する可能性があると報じた。
ガリババディ氏は「スナップバックを含めてわれわれの原則的立場を説明した」と指摘。協議では双方が出し合った具体案を検証したという。「真剣で率直に話し合った」と述べたが、進展があったかは言及しなかった。
イランは米国が18年に核合意から離脱後にウラン濃縮活動を加速し、合意逸脱を進めた。今月にはIAEAとの協力を停止する法律施行も発表した。米国と連携して圧力を強める英仏独に対し、「制裁復活は正当化できない」と主張。再発動されれば核拡散防止条約(NPT)からの脱退を示唆している。
イランは2~3週間以内にIAEAの代表団を受け入れ、今後の協力枠組みを議論すると表明した。ただ、英仏独はIAEAによる核施設査察の再開も迫ったとみられる。
1 Aug. 2025 1247号
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