Hanacell

ドイツ国内で反ユダヤ主義拡大の懸念
パレスチナ情勢への抗議デモ受け

イスラエルのパレスチナ自治区ガザでイスラエルとの戦闘が続いている事態を受け、ドイツ国内各地でこれに抗議する反対デモが繰り広げられ、その際に反イスラエル的なスローガンが多く掲げられていることを問題視する声が強まっている。7月22日付のヴェルト紙などが伝えた。

ベルリン中心部のフンボルト大学付近で行われたデモ「フリー・パレスチナ」では、テロ組織として禁止されている「ヒズブット・タフリル」の旗が翻り、「イスラエルは子どもたちを殺害している」などの過激なスローガンを掲げる人の姿が目立った。ドイツ・ユダヤ中央評議会はこのような事態を重く見ており、ディーター・グラウマン議長は「この国で反ユダヤ主義のスローガンが叫ばれ、ユダヤ人に対する暴力的な憎しみが爆発するのを目の当たりにしてショックを受けている」とコメント。ハダス=ハンデルスマン在独イスラエル大使はベルリナー・ツァイトゥング紙に寄稿し、「ベルリンの路上では、かつてユダヤ人の迫害が行われた。今の事態が進めば、いつか罪なき人の血が流されることになる」と警告した。

ベルリン自由大学教授で言語学者のアナトール・シュテファノヴィッチ氏は、最近6日間の国内の新聞など170の見出しを分析。「ドイツのメディアは現在の紛争の背景に、パレスチナ側が長年イスラエルの民間人に対して攻撃を行っていた事実があることなどをほとんど報じておらず、大半がイスラエルに対して否定的なトーンで報道している」と述べている。また、同様の報道傾向はドイツ以外のベルギーやルクセンブルクにもあると在ベルギー・イスラエル大使は指摘しており、「偏向報道が政治に与える影響は大きい」と批判している。

メルケル首相(キリスト教民主同盟=CDU)は一連の事態に対して厳しい態度を表明。「反ユダヤ主義的なスローガンの掲示は自由と寛容への攻撃であり、我々の自由と民主主義の基本秩序を脅かすもの」とした上で、「今後もユダヤ系市民の安全を守ることに尽力する」と述べた。警察は今後、そのような誹謗中傷行為を厳しく取り締まるとしている。また、ガウク大統領もユダヤ評議会に対し、ドイツに住むユダヤ人との結束を保証すると言明した。

 
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