精子提供者の匿名は「不可」
人工授精児に知る権利認める判決
匿名の提供者の精子によって人工授精で生まれた経緯を持つ女性が、実の父親を知りたいと精子バンク経営者を訴えていた件で、ノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州のハム上級裁判所は6日、訴えを認める判決を下した。
訴えを起こしていたのは、NRW州プレッテンベルク出身の学生ザラ・Pさん(21)。判決ではフォクト裁判長が、「ザラさんが自分自身の生物学的来歴を知ることは本人の基本的人権と尊厳に関わることであり、アイデンティティーの形成にも結び付くことである」と言明。その上で精子バンク経営者に対し、精子提供者に関する情報をザラさんに明らかにするよう命じた。