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春のフレッヒェン陶器市で 一期一会の出会い

陽気ただよう5月の週末、フレッヒェン市で開催された第51回フレッヒェン陶器市に行きました。この陶器市は、フレッヒェンにある陶磁器博物館ケラミオンを運営するケラミオン財団とフレッヒェン市の協力で行われる毎年春の恒例行事。晴れやかな青空の下、欧州各地から約90名の出展者が集い、旧市役所周りにブースを連ねていました。

多くの人でにぎわうフレッヒェン陶器市多くの人でにぎわうフレッヒェン陶器市

フレッヒェンは、ケルンの西隣に位置する人口5万人ほどの小さな街。13世紀以降、良質な粘土発掘を背景にライン地方を代表する陶器の産地として知られるようになり、今では市の紋章にも「バルトマンクルーク」(日本語で「ひげ徳利」)と呼ばれるフレッヒェンの名産陶器がデザインされています。また、市を代表するケラミオン博物館は、ろくろの形をしたユニークな建築と、欧州最大級の個人所蔵の陶磁器コレクションでも有名です。

ayakaさん(Instagram:@ayaka_ceramics)のブースに並ぶマグカップや花器たちayakaさん(Instagram:@ayaka_ceramics)のブースに並ぶマグカップや花器たち

屋外で開催される陶芸市では、食器から大型の花瓶や置物まで、各陶芸家たちの個性豊かな作品が並びます。出展者の一人、陶芸家のayakaさんの作品は、1200度以上の窯の中に塩を投げ入れて焼き上げる塩釉と呼ばれる技法で作られたもの。陶器表面の梨の皮のようなざらざらとした質感が特徴で、ライン地方発祥の技法です。ケルンやデュッセルドルフの酒場でよく目にするマスタード入れの陶器や、フレッヒェンのバルトマンクルークも、実はこの技法で焼かれているのだそうです。

塩釉独特の光沢ある陶器に独自の繊細なデザインを施した彼女の作品は、土地に根付く伝統と作家自身の技巧、そしてその根底に流れる時間とが重なり合い、私にはひときわ輝いて見えました。こうした一期一会の出会いも陶器市の醍醐味。フレッヒェンはケルン中心地からもほど近く、トラム7番線で30分ほどで到着します。ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょう。

陶器を選ぶ目はみんな真剣!陶器を選ぶ目はみんな真剣!

さて、5月末の本帰国に伴い、私が執筆させていただくレポートは今回が最後となります。ケルンで過ごした約4年間、公私を通じてアーティスト、文化人、当地在住日本人の方々などと、かけがえのないご縁を多くいただきました。ケルンの人はオープンで親しみやすいとよく言われますが、まさにその通り。日常の中で、人々の懐の深さや心の温かさに触れ(時にケルシュ片手に!)、心が動かされた日々を忘れません。お一人お一人との出会いが私の宝物です。この場をお借りして、お礼を申し上げます。本当にありがとうございました!

M.K.
1991年生まれ、ケルン在住3年目。映画とビールと音楽が大好き。最近はケルンの地ビールであるケルシュに合う和食レシピを研究中。
 
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