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Mi. 23. Sep. 2020

約550年前から今も現役聖マリエン教会の天文時計

「この時計はコロンブスがアメリカ大陸を発見した20年前、1472年に作られたものです!」

ここはロストック、聖マリエン教会内の天文時計の前。ガイドたちはこの決まり文句で、目の前にそびえ立つ高さ11メートルの古時計の歴史を語り始めます。

中世ハンザ同盟が栄えたころ、リューベックをはじめとする同盟都市では教会などに天文時計が置かれました。人々が集まる場所に時計を設置して街のなかで「時間」を統一することで、円滑な商売をするためだったとか。天文時計というと、プラハやストラスブール大聖堂のものがとても有名ですが、ロストックの時計は15世紀に製造されてから、第二次世界大戦の戦火を逃れ、現在でも当時の状態を保っています。さらに、製造された当時からのすべての機能が稼働し続けているということでは、世界に類を見ない非常に貴重なものなのです。

ロストックの時計は上から、からくり時計、天文時計、カレンダーの3つで構成されています。時計から少し離れて見上げてみると、色彩豊かな木彫刻のモチーフが整然と並ぶ天文時計の盤面からは、大まかに何時か、何月か、太陽と月はどの位置にあるのかが分かります。そしてロマンチックなのが、月の形が分かる円窓。この窓に見える月の形を覚えておいて、夜空を眺めてみてください。同じ形の月が浮かんでいるはずです。

記念パレードの始まりを大学本校舎で待つ人々写真左:教会内にある天 文時計の全体像
写真右上:満月の時は、黄色いお顔がのぞきます
写真右下:整然と並ぶ文字と数字が美しいカレンダーディスク

現代に生きる私たちは、説明無しではこの時計を読み取りきれません。リューベックで出会ったガイドさんが「昔の人々は文字は読めなかったけれど、絵などからさまざまな情報を得ることができました。私たちは文字を読むことはできますが、その能力は失われてしまいましたね」と仰っていたのを、この時計を見るたびに思い出します。

次に時計にぐっと近づいて、文字と数字がびっしり並んだカレンダーのディスクを見てみましょう。このディスクでは2018年から2150年までのカレンダーが表示されていて、日付はもちろんのことロストックの日の出時間、イースターの日曜日、昼と夜の時間の長さなどが分かります。1番驚くのは、過去・現在・未来、いつであろうと曜日が分かるようになっていること。これは本当に、目からうろこです。

ここまででほんの一部の機能を説明しましたが、この時計は、自動で計算してくれるコンピューターなんて無い時代に、人間の頭脳と職人の技術だけで作り上げられたものだということを、どうぞお忘れなく。天文時計をぜひこの目で見てみたいという方、今年の旅行先の1つにロストックはいかがでしょうか。

ハス エリコ
ロストック在住。ドイツ北東地方の案内人、そしてシュヴェリーン城公認ガイド。ツイッターで観光、街、大好きなビールについて、ほぼ毎日つぶやいています。
Twitter: @rostock_jp
griffin-guides.com
 
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