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ジャパンダイジェスト
Sa. 06. Jun. 2020

自然の偉大さを目の当たりに! バルト海のダース半島

3月13日、ロストックにある学校の生徒と大学病院の医師に新型コロナウイルスの感染が認められ、あれよあれよという間にロストック市内全ての学校と保育園が閉鎖になりました。そしてほかの州と同様、美術館、動物園などの施設も閉まり、例外なく「買いだめハムスター(Hamsterkäufer)」も出現。一体これからどうなるのか、不安になってしまいますね。

「ドイツの国境封鎖」の一報を聞いたとき、ダース半島で家族と営んでいるゲストハウスの庭仕事をしており、ふと空を仰ぐとツルの群れが北へ渡っていくのが見えました。大自然は人間のパニックなんて物ともせず、いたって平穏。そういうわけで今回は、メクレンブルク=フォアポンメルン州のバルト海の「ダース半島」についてお話しようと思います。

崖の上からの眺め崖の上からの眺め

ダース半島の正式名称は、Halbinsel FischlandDarß Zingst。ロストックから40キロほど北東に位置し、多くの国立公園を有する自然に溢れた場所です。旧東ドイツの時代からとても有名な保養地で、現在では夏になると、ドイツ全国から浜辺と森を求めてリゾート客が集まります。

バルト海に沈むコンクリートは異様な雰囲気バルト海に沈むコンクリートは異様な雰囲気

まるで西風に吹かれてはためく三角形の旗のような形のこの半島。実はまさに今でも半島の西側は風による浸食が進んでいて、この1世紀の間になんと70メートルも削られています。その様子は、ヴストロウ(Wustrow)とアーレンスホープ(Ahrenshoop)の間にある浜辺に沈む、謎のコンクリートの塊(!)からうかがい知ることができます。実はこれ、バルト海を臨む断崖絶壁に建てられていた、旧東ドイツ時代の「監視所」なのです。海と浜と崖しかないはずの場所にゴロゴロと数メートル四方の旧建築物が転がっているのは、この上なく異様な光景でしょう。まだ崖の上には少し建物が残っているのですが、地盤工事の際に埋められた鉄筋などがすでにむき出しの状態。あと30年もすれば、それも自然にのみ込まれてしまうとのことです。大自然の偉大さと人間のちっぽけさを目の当たりにすることができる、珍しい場所ではないでしょうか。

30年後には崩落するといわれている、崖の上の最後の塊30年後には崩落するといわれている、崖の上の最後の塊

さて、この記事を書いている間に、北海、バルト海に浮かぶ島々の封鎖に続き、ダース半島も見事に封鎖されてしまいました。皆さんがこのレポートを読まれているころには、ある程度収束の目途が立っているといいのですが……。バルト海の大空を舞うオジロワシやツルのように、一日でも早く再び人々が自由に行き来できる日が来るよう祈っています。

ハス エリコ
ロストック在住。ドイツ北東地方の案内人、そしてシュヴェリーン城公認ガイド。ツイッターで観光、街、大好きなビールについて、ほぼ毎日つぶやいています。
Twitter: @rostock_jp
griffin-guides.com
 
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