駅から西へ延びる通りに沿って歩くと、ヴェルター・トーア（Werther Tor）という門が見え、そこをくぐると、まるで絵から飛び出したような木組みの建物が出迎えてくれます。町の中心部は車道から離れた静かな環境にあり、メーン通りに沿って澄んだ川が流れています。こじんまりとしたお店が軒を連ねるこの通りで、まず目にとまったのが手作りタイルのお店。店内を埋め尽くす無数のタイルはすべて、近郊の町オイスキルヒェンの工場で焼かれたもので、1つひとつに手描きの絵が施されています。かわいらしい卵の絵が描かれたタイル（3ユーロ）を、おみやげに1つ買ってみました。

ほかにも覗いてみたいお店がたくさんあって目移りしてしまいましたが、本来の目的はツーリスト・インフォメーションがある「Apotheken-Museum（薬局博物館）」。町の見所を尋ねにやって来たのですが、せっかくなので館内も見学してきました。ここは、ドイツでは名の知れた薬草酒「シュテフィンスキー（Stephinsky）」が生み出された場所。1806年の開業当時のままの状態で保存されているカウンターや隣接の調剤室からは、ほんのり苦い薬の香りが漂い、当時の様子が偲ばれました。

ここで市内を高見から一望できる場所があるという情報を入手し、先を急ぐことに。メーン通りを先まで行った辺りで右に曲がると、城壁に沿った階段が見えてきます。息を切らしながらも何とか１番上まで辿り着くと……そこからの眺めは、まさに絶景！30分で歩いて回れてしまうほどの小さな町の中に、ひしめき合うようにして並ぶ家々。ちょうど雲の隙間から差し込んできた日の光が屋根の上の雨水に反射して、きらきらと幻想的な光景を作り出していました。そして、町を取り囲む小高い山並み。初々しい山の緑に、春の訪れを感じたひと時でした。

城壁沿いの狭い通路を下って町中に戻ると、そろそろランチタイム。着いてすぐに目星をつけていた、山の上のドイツ料理レストランに向かう途中で「Münstereifeler Brauhaus（ミュンスターアイフェル・ビール醸造所）」を発見しました。「ここの地ビールが飲めるってこと？」と一目散に中へ入り、ビールを１杯注文。醸造機を目の前にして飲むビールは新鮮な感じがして、「あ～美味い！」と一気に飲み干してしまいました。ここでは、ニンニク、木の実、ハチミツなど様々な食材で味付けされた当地名産のマスタードも試食、購入できます。

その後、ほろ酔い加減で行ったお目当てのレストランでは、キノコソースがかかったボリューム満点のシュニッツェルを食べて大満足。食後は、こじゃれたカフェで美味しい紅茶とケーキに舌鼓を打ちながら、ゆっくりと静かに流れる時を心行くまで堪能しました。(編集部 Y)

Düsseldorf Hbf 8:40発 RE→Köln Hbf 9:11着
Köln Hbf 9:21発 RE→Euskirchen 9:56着
Euskirchen 10:03発→Bad Münstereifel10:24着
1人片道17.80ユーロ
グループで行くなら「週末チケット」（1日37ユーロ、5人まで）がおトク！