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意識改革から始める資産運用

ドイツでお金と上手に付き合う方法

山片 重嘉山片 重嘉 (やまかたしげよし)
ファイナンシャルアドバイザー

1970年生まれ。98年に渡独、文化交流や持続可能農業のプロジェクトに携わる。また、食と健康のアドバイザーとして講演活動などに勤しむ。その後、ファイナンシャルアドバイザーとして独立。個人・法人へのアドバイスを行っている。人生のテーマは、健康とお金を切り口に、豊かな生き方について考えること。

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企業年金保険(betriebliche Altersvorsorge)

33 企業年金保険(betriebliche Altersvorsorge)

ドイツでも少子高齢化などにより、将来的には法定年金だけでは充分に生活を支えられないと考えられており、リースター補助金や税金控除対象になるリュールップ年金(Basisrente)などの制度が設けられました。その中でも従業員にとって一番メリットが大きいのは企業年金(betriebliche Altersvorsorge)です。

企業年金には5つの種類がありますが、通常従業員が加入するものは、給与からの天引きで直接(Direkt)積立てるDirektversicherungというものです。給与からの天引のため、所得税のみならず社会保障費も控除されます。またそのために雇用主を通して加入しますので、保険名義人(Versicherungsnehmer)は雇用主で、従業員が被保険人(Versicherte Person)となります。

企業年金という名称ですが、企業の負担は任意であって、従業員の希望により企業年金への加入が可能です。また雇用主側も社会保障費控除というメリットがあります。

例えば毎月100€を自己負担した場合に、控除額を合わせておよそ以下の表のような金額を積み立てることができます。月収2300€の既婚者で税金クラス3の場合の控除額は自己負担額の約60%、100€の自己負担額と合わせて約160€を積み立てることができます。 税金クラス5の場合は積立額は実に自己負担額の倍以上にも成り得ます。

事故保険料例
※税金クラスの条件など詳細は、弊社ウェブサイト内、
過去の特集 「知ってトクする!ドイツの所得確定申告」参照。

銀行の貯蓄口座(Tagesgeldkonto)の利率は現在0.1%前後ですから、そのメリットは比べ物になりません。年金に関してはまずこのような国の制度を利用するべきでしょう。会社が任意負担をしてくれる場合には、さらにメリットは大きくなります。

そして財形貯蓄VWL(Vermögenswirksameleistung)を会社が負担してくれる場合には、やはり企業年金に入れることによって最大限のメリットを享受できます。VWLはBausparや投資信託などに貯蓄した場合には、税金控除がされませんが、企業年金の場合はその分の所得税が控除されるからです。

既婚者の場合、税金クラスは3よりも4の方が税率が高いためその分控除額も大きく、企業年金をするのであれば税金クラスを4にしたほうが有利なことも多々あります。

企業年金による控除は国の制度ですが、運用は民間保険会社によります。受給は63歳以降、終生年金か一括受給、またはその組み合わせを選択できます。解約はできませんが、職場が変われば次の職場に持っていくことができ、積立額は変更することも、休止して受給年齢まで置いておくこともできます。国の年金と違い個人資産ですので、遺族補償もあり積立金額は遺族などに還元されます。

老後は日本に帰国したとしても受給可能です。口座維持手数料無料のネットバンク口座をドイツに残しておくと良いでしょう。

 
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