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Oliver Was­ser­mann
Mi. 26. Sep. 2018

50. バーデン・バーデン、クララの家

クララの家(バーデン・バーデン)
クララの家(バーデン・バーデン)

ブラームス・ハウスに貼ってあった手描きで大雑把な地図の記憶を頼りに、クララの家へ向かいました。趣きのある立派な修道院を過ぎると、小川を挟んで道が分かれています。地図だと確か大通りに面していたのでしばらく探しましたが、なかなか見つかりません。

景色に誘われ今度は橋を渡り川に沿って歩き出しました。この川沿いには色とりどりの瀟洒(しょうしゃ)な家が立ち並び、なかなか素敵な雰囲気です。並木道も広々としていて、その先は広大な森へと連なっています。ちょうど前の方から地元の人らしきおじいさんが歩いてきたので、場所を尋ねてみました。「エ~ッと……確か表通りだったような?」と、彼もちょっと不確かな感じです。そこへ彼の知り合いらしきご婦人が歩いて来られました。「アア~、この人なら知っているよ。クララの家……云々……。知ってる、知ってる。一緒について来なさい」と、心強い返事が返ってきました。彼女は歩いてきた道を150メートルほど逆戻りして、「ホラ、あそこの白い家。あれがクララが住んでいた家よ。ただ、彼女が住んでいた頃は1階建てだったの。今の大家さんが改築をして3階建てにしたのだけれど、彼女も音楽好きで、2階部分はホールになっていて、時々演奏会をやっているのよ」と、にこやかに話してくれました。「では、良い一日を!」と挨拶を交わし、彼女はまた逆方向へ歩いて行かれました(因みにこの家の正面は大通りHauptstraßeにも面していて、そちら側には1863から1873年の間、作曲家シューマンの妻で天才ピアニスト、クララ・シューマンが住んでいたとのプレートが付いていました)。

しばらく感慨深く眺めた後、川に沿って歩いてみました。すぐ左手にはブルー系の花々で爽やかに植え込まれた素敵な公園が現れました。木組みで味わいのある東屋が建っていたので歩を
進めると、直ぐ前の木陰にブラームスのブロンズ像が立っていました。遠く向こうの方には、クララらしき像も立っているようです。

あっちへ行ったり来たりして眺めていましたが、この30メートルほどの距離をおいて立っている二人の像は、お互いの微妙な関係を実に上手く表した間隔だなぁと、感心をしていました。何だか切なくも微笑ましい気持ちになりながら、ボチボチと帰路に付きました。

 
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小貫 恒夫

小貫 恒夫 Tsuneo Onuki

1950年大阪生まれ、武蔵野美術大学舞台美術専攻。在学中より舞台美術および舞台監督としてオペラやバレエの公演に多数参加。85年より博報堂ドイツにクリエイティブ・ディレクターとして勤務。各種大規模イベント、展示会のデザインおよび総合プロデュースを手掛ける傍ら、欧州各地で風景画を制作。その他、講演、執筆などの活動も行っている。
www.atelier-onuki.com
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