ハノーファー検察がヴルフ前大統領を在宅起訴
罰金刑を受け入れず、法廷へ
ハノーファー検察は12日、汚職疑惑で昨年辞任したクリスティアン・ヴルフ前大統領を在宅起訴した。検察はヴルフ氏に対し、2万ユーロの罰金支払いと引き換えに不起訴とする条件を提示していたが、前大統領がこれを拒絶。無罪を主張し、法廷で闘う構えを見せた。
ヴルフ前大統領はニーダーザクセン州首相だった2008年9月に映画製作者のダヴィット・グレーネヴォルト氏から休暇旅行費用やホテル代などの利益供与を受け、その見返りとして映画の配給を支援するなど便宜を図ったとして、汚職行為を指摘されている。グレーネヴォルト氏も贈賄罪で起訴されている。ヴルフ氏は弁護士を通じて、検察側の訴えは事実無根であると主張、「大統領の威信にかけて戦う」との見解を述べた。
ヴルフ前大統領をめぐる一連の金銭スキャンダルは、2011年末に発覚。自宅購入の際に、知人から個人的な金銭借入を行っていた件に始まり、知人への利益・便宜供与問題などが指摘され、昨年2月に辞職に追い込まれた。今年3月には、長年の側近であった元広報官が起訴された。