特集


見本市の国ドイツで世界を知る! 世界に挑戦!! ドイツの見本市活用法

見本市の国ドイツで世界を知る!世界に挑戦!!

年間150以上の国際見本市が開催されている
ドイツには、各業界で世界をリードする技術、
情報、人が次々に集まってくる!
欧州、そして世界の市場へと繋がる
商業の十字路となっているドイツの見本市は、
海外進出を目指す日本の挑戦者たちにとっても
魅力的なステージ。
まさに、ドイツの見本市から世界が見えてくる!!
(編集部:高橋 萌)

見本市の国ドイツで世界を知る! 世界に挑戦!! 2014年注目の見本市

ドイツの見本市活用法 インタビュー

日本貿易振興機構(ジェトロ)デュッセルドルフ事務所
木川美樹子さん

日本企業の見本市出展を支援する立場で、数多くのドイツの見本市に参加してきた木川さんに、現場から見えてきた見本市の魅力、活用法についてお話をうかがいました。

Profile

Mikiko Kigawa

2002年日本貿易振興機構(ジェトロ)入構。2012年からデュッセルドルフ事務所。ドイツ企業の対日投資誘致、機械関連分野の日本企業のドイツ市場への輸出促進を担当。日本では、日本企業のドイツの見本市への出展支援も行っていた。

*「展示会・商談会への出展支援」「海外ミニ調査サービス」「ビジネスアポイントメント取得サービス」など、ジェトロが提供しているサービスの詳細は下記ウェブサイトをご参照ください。

www.jetro.go.jp/services

見本市編集部・高橋(以下 高):海外進出へのファーストステップとして考えた場合、ドイツの見本市の魅力とは何でしょう?

ジェトロ・木川さん(以下 木):私たちは中小企業を支援し ているので、中小企業向けの話になりますが、規模の大きなドイツの見本市では、世界中の企業とコンタクトを取ることができます。それこそ、普段は会えないような大企業 のトップと会うチャンスも十分にあります。そういった、ドイツなど他国の企業と交流、商談のチャンスを得られる一方で、実は、日本の大手企業との交流の機会としても見本市は有効です。日本ではアポイントが取れないような大企業のトップとも、海外の見本市では、少しリラックスした 雰囲気の中でコミュニケーションを取れることがあります。海外進出を目指す日本の出展者同士の交流、これがもう1つの魅力です。

高:IT化やグローバル化が進んでも、やはり人と人とが直接顔を合わせ、モノを確認して、話をするという古典的とも言える手法が、ビジネスの前提としては欠かせないのでしょうか?

木:ドイツ企業も、顔を知らない人とビジネスはできないと思います。単価の安い消費者向け製品なら別ですが、機械だとか、多額の投資が必要になる製品については、相手がちゃんと支払いをしてくれるかなど、信用問題も発生します。やはり、インターネットだけではだめなんですよね。

インターネットを利用して、ある程度まで話を進められる分野もあると思いますが、最終的なビジネス関係を結ぶには、やはり顔が見えないと……。日本とドイツの間には距離もあるし、文化も違うので余計に難しいですね。そういう意味でも、何回も見本市に出て、自分たちの企業の存在を覚えてもらう必要があります。だから、同じ見本市に少なくとも3回は続けて出ましょうと企業にアドバイスしています。回数を重ねると、最初は無名の企業でも覚えてもらえるんですよね。それと同時に、企業の体力も推し量っていただける。ちゃんとお金を出して、自分をPRするということに対して予算を掛けているということや、本気度も。

高:続けて出展することで、会社としての信用を得られるんですね。見本市を「自社紹介」「市場調査」だけでなく、「ビジネス」の場とするために必要なことはありますか?

木:日本の見本市とドイツの見本市で決定的に違うところが1つあります。日本の見本市は、よりたくさんの人に名刺を配り、名刺をたくさんもらって、情報収集をする場所。 だから、商談というよりは、とにかく多くのブースを飛び込みで回って、来場者を集めてPRします。

一方、ドイツの見本市は、商談し、契約をする場所。日本と比較するとブース内にあまり人が入ってきません。というのも、来場者は事前にアポイントメントを取り、商談したい企業のブースを効率的に回るからです。もちろん、情報収集の場という性格もあるのですが、基本的には、事前に情報交換などやり取りをしておいて、実際に見本市の場でモノを確認し、人を見て、契約をするのが見本市という場です。だから、飛び込みで訪問しても取り合ってくれなかったり、担当者不在で話にならないということも。

だから、必ず事前に出展企業を確認してアポイントメントを取るなど、興味のあるところにはメールをしてくださいと、出展企業にはアドバイスしています。たとえ返事がなくても、ブースを回ったときに「こういったメールをしたんですけど」ということで、相手と話しやすくなります。

高:ドイツの見本市に出展し、成果を得ようと思うなら、事前の準備が大切ですね。

見本市 木:ドイツ企業のブースを見ると分かるのですが、広報素材やPR グッズにしっかりとお金を掛けています。それは中小企業であってもそうです。誰に向けてアピールしたいのかを明確にし、ドイツ企業とのビジネスを考えるならばドイツ語の資料も準備する必要があります。ドイツの見本市は、とりあえず出展すればなんとかなるという見本市ではないと、そういう印象を持っています。

そして、通訳の手配も大事な準備です。この通訳費を惜しむことはお勧めしません。少し値が張っても、相性の合う通訳を選んだ方が良いです。自分たちの企業や製品を理解してくれて、的確に相手に伝えてくれる人。信頼してビジネス上のコミュニケーションを取れる人を探すことがとても重要です。

高:ジェトロが企画する「ジャパンパビリオン」は、「日本」として海外にアピールする場となると思いますが、日本というブランドが海外に与えるイメージは?

木:「安心」「安全」「技術力が高い」、そして「価格も高い」 が日本のイメージです。「ジャパンパビリオン」については、中小企業が単独で出るよりは、まずは日本というブランドの下で、ジェトロの支援や国の補助金などを利用して出展した方がやりやすいと思います。ジャパンブランドというイメージの中で、評価も得られやすいですしね。

ジャパンパビリオンでは、見本市出展のはじめの一歩をお手伝いできるというところに意義があると思います。その次の段階として、専門のホール内に単独でブースを出すようになって、より専門性の高い、適切な商談相手との出会いの場を設けることになります。

高:ここ数年の傾向として、ドイツの見本市に出展する日本企業は、増えていますか?

木:はい。30~50人規模の中小企業も増えています。結局、自分たちの技術をより適性な価格で評価してくれるのは、ドイツの市場だという側面があります。技術の高さを理解し、その価値を認めてくれるのは、アジアの市場ではなくドイツの市場。マスでなく、ニッチで自分たちの技術 を評価してもらいたいと願う企業にとって、ドイツの市場は魅力だと思いますし、ドイツの見本市に出展することで得られるものも大きいと思います!

POINT
  • 世界中の企業とコンタクトを取るチャンスがある
  • 海外進出を目指す日本の出展者同士の交流にもなる
  • 同じ見本市に少なくとも続けて3回は出展しよう
  • 事前に出展企業を確認してアポイントメントを取る
  • 通訳の手配は慎重に
  • 技術をより適性な価格で評価してくれるのは、ドイツの市場

見本市マーケティング 専門家の視点

見本市でのコミュニケーション
成功の法則

ドイツの見本市で商談を上手く進めるためのポイントは?ドイツの見本市での出展企業サポートで約10年の実績を誇るアンサンブラウ イベント+マーケティング社が挙げる「見本市 成功の法則」を紹介します。

工業部品、医療機器、自動車、消費財……と、様々な分野 の見本市でのサポートを通して、見本市出展の際に大きな商談をまとめるきっかけを作り、念願のターゲット顧客からオーダーを得たという出展企業様の成功例を度々拝見する中、製品分野にかかわらず、そうした成功する出展企業の共通点が見えてきました。ここで、そのうちの2つをご紹介します。

1. セールストークの設計

同じ製品でも、出展する見本市の特性や来場者の傾向によって売り込みの切り口は変わってきます。また、見本市での新規商談は立ち話から始まるケースがほとんどで、いかに短い言葉で的確に自社製品の魅力を伝えられるかが鍵となります。  

出展する見本市の特性に沿って、来場者の心を掴むセールストークを事前に組み立てている出展企業様は、見本市での商談を思い通りに進められていますね。自社製品の紹介では製造者側、供給者側の視点に偏りがちですが、ドイツ市場を理解する第三者、すなわちエンドユーザーの視点も参考にしながら、想定Q&Aを用意しておくこともお忘れなく。  

見本市分析や業界分析レポート、グループインタビュー、ドイツ語・英語での商品説明やセールストークの設計、商品カタログ企画制作などに、アンサンブラウのサービスが役立ちます。

2. ブーススタッフの好感度

製品は素晴らしいのに、対応スタッフがそのイメージを壊してしまっているな、と他社のブースを見て感じたことはありませんか?見本市ブースに足を向ける来場者の心を開く一番の要因は、ブーススタッフの好感度です。製品がどんなに素晴らしくても、見本市では第一印象が成果を左右することが多いのです。特にドイツ人は、初対面では慎重な姿勢を見せることが多いですが、だからと言って見本市は日本人的遠慮が求められる場ではないため、第一関門突破がなかなか難しいタイプ。 ボディランゲージも含め、日本とのビジネス習慣の違いを把握し、ドイツ人来場者との距離を「あうんの呼吸」で近付けたいものです。  

また、見本市での商談は、通常の営業での商談とは進め方が異なります。そこで、見本市でのプロモーションを専門とする人材を活用すると効果的です。社内の営業担当者とアンサンブラウのプロモーションスタッフがチームを組んで、これまでよりずっと多くの新規コンタクト先を獲得された出展企業様も多数いらっしゃいます。  

アンサンブラウでは、見本市ブースでのサポートスタッフを、言葉の意味を伝えるだけの通訳とは捉えません。担当する見本市、業界動向を事前に把握し、出展企業チームの一員となって新規顧客開拓・成約を目指す「見本市プロモーター」として、社内勉強会等を通じて常に努力するスタッフが揃っています。次回の見本市ではぜひ、アンサンブラウをご活用いただき、これまで以上の成果を獲得してください!

「見本市 成功の法則」上記以外のポイントについては、アンサンブラウ社のウェブサイト www.ensemblau.com をご参照ください。見本市ご出展にのご依頼、ご相談はお気軽にどうぞ。 E-mail: このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください   TEL: 069-7079-8946

アンサンブラウ

多忙なビジネスパーソンに最高の安らぎを
~ Selected Hotel ~

ミュンヘン

文化財指定の建物が優雅さを醸し出す
日本人経営のホテル

Hotel Gautinger Hof

Hotel Gautinger Hof

ミュンヘン中央駅からSバーンで約25分、ガウティング駅下車、徒歩2分という交通至便な高級住宅街の一角に佇む。大自然を満喫できるロケーションが魅力で、欧州在住者だけでなく、世界各地から多くのリピーターを集めている。週末には、ミュンヘンの大自然を満喫できるアルプスのハイキングツアーも実施(※開催は不定期)。

シングル 78ユーロ~
ダブル 99ユーロ~
(いずれも朝食付き)

Hotel Gautinger Hof
Pippinstraße 1, 82131 Gauting
TEL: 089-8932580
www.gautingerhof.de

デュッセルドルフ

日本人スタッフが常駐する
お得なビジネスホテル

Hotel Moon

Hotel Moon

デュッセルドルフ空港からSバーンで1本、トラム停留所や電車の駅も近く、各要所へスムーズに 行けるアクセス至便なホテル。日本人スタッフが常勤し、清潔なお部屋をリーズナブルな価格にてご用意しております。すべてのお部屋が中庭に面しているため、静かな環境での快適なステイをお約束。さらに、中庭のホテル専用駐車場と、全館 で有効な無線LANを無料でご利用いただけます。 長期及び定期的なご滞在には、特別割引もご提供。ご予約・お問い合わせは、お気軽にメールにて日本語でどうぞ。

Hotel Moon
Friedrichstr.93, 40217 Düsseldorf
TEL: 0211-315011(ドイツ語の場合もございます)
このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください (日本語でどうぞ)
www.hotel-moon.com/japanisch/home


最終更新 Freitag, 12 Juli 2019 10:40
 

Perfume インタビュー

Perfume インタビュー

7月3日、ケルンでの公演を皮切りに、3カ国で「Perfume WORLD TOUR 2nd」を実現し、欧州を熱狂させたPerfume。およそ2年ぶりとなるニューアルバム『LEVEL3』は、その勢いのままに世界各地でリリースされる。今回のアルバムにはどのような思いが込められているのか。ドイツ公演を振り返りながら、Perfumeの3人に聞いてみました!

「 Perfume WORLD TOUR 2nd」のスタート地点となったケルン公演はいかがでしたか?

ドイツの方はおとなしいと聞いていたのですが、とても盛り上がってくださって驚きました!

ドイツでの思い出は?

ケルン大聖堂の前で皆でポーズして写真を撮りました!周りの方にクスクス笑われてしまいました。

アジア各国を経て、欧州でのツアーを実現されましたが、日本、アジア、欧州とで、観客の反応に違いは感じられましたか?

欧州の皆さんは自由に楽しんでいる感じがしました。日本のオーディエンスは気を遣う人が多いので、私たちに「楽しんでるよ!」と伝えようと、一生懸命に表現する人が多いんです。 欧州では、皆さんそれぞれの方法でライブの時間を過ごされていたように感じました。アンコールは、「ねぇ」と「love the world」と「GLITTER」から、お客さんの反応を見て決めたんです。ドイツ公演では、「love the world」になったんですが、そしたら「ねぇ」が大好きらしい、リアクションの大きいスペインの方たちが、「ありえない。サイテー!」みたいな、すごいブー イングをしてきてビックリしました。そんなにも「ねぇ」を好きでいてくれるのはうれしかったんですけど(笑)。

デビューされてから、ものすごい勢いで日本を席巻し、世界デビューを果たされました。Perfumeの躍進について、メンバーの皆さんはどのような思いを抱かれているのでしょうか?

私たちにはストリート・ライブをしたり、お客さんが全然いないところでライブをやっていたりした時代があります。だから、こうやって世界デビューを果たす日が来るなんて、今でも信じられない気持ちです。

今回リリースされる『LEVEL3』は、どんなアルバムに仕上がっているのでしょうか?

無条件に踊れるカッコいいダンス・アルバムが出来上がりました。難しいことは何も考えずに身を委ねてみてください。ぜひ聴いてほしいです。

『LEVEL3』というタイトルの意味は?

レコーディングの時に中田さん(サウンドプロデューサー)から「『LEVEL3』は?」と出てきて、3人とも「いいね」ってなって決まりました。自分たちに階段があるとすれば、『LEVEL3』 くらいには、立っていたいと思うんです。固定のイメージはなく「トライアングル(直角二等辺三角形)」の時と同じで、3という数字もしっくりきました。なんなら、タイトルは『オリジナル・アルバム』でもいいくらいなんですよ。

『LEVEL3』の収録曲でメンバーの皆さんそれぞれにとって思い入れのある曲、印象に残っているレコーディング曲があれば、教えてください。

個人的なオススメ曲:あ〜ちゃん「ふりかえるといるよ」、かしゆか「clockwork」、のっち「Dream Land」。

Perfumeの夢、そして今後の目標は?

欧州での夢は、私たちを通じて日本にはこんなにカッコいい音楽があるんだ、日本語ってこんなに良い言葉なんだということを1人でも多くの方に伝えること。Perfumeを聴いて、日本をもっと好きになってもらえたらうれしいです。

Perfume (パフューム)
あ~ちゃん(西脇綾香)、かしゆか(樫野有香)、のっち(大本彩乃)からなる3人組テクノポップユニット。 2000年に広島で結成。2003年から活動の場を東京へと移し、サウンドプロデュースにcapsuleの中田ヤスタカを迎える。2007年にシングル「ポリリズム」がブレイク。ドイツでは10月18日に発売が開始される今作『LEVEL3』には、「Spring of Life」「Spending all my time」「Magic of Love」などが 収録されている。

最終更新 Freitag, 18 Oktober 2013 09:39
 

フォトコンテスト2013 受賞者発表!

英・独・仏ニュースダイジェスト主催 フォトコンテンスト2013 受賞者発表!

独・英・仏、3国のニュースダイジェスト主催によるフォトコンテストも、お陰様で今年で3回目を迎えることができました。過去最多となる335点もの応募作品は、どれも力作ぞろい。旅先で出会った人やモノ、日常生活でふと感じた、いとおしい瞬間。それぞれ異なる300以上ものひと夏の思い出の中から、ほんのいくつかを皆さんと共有できればと思います。

*写真をクリックすると拡大します

マチュア部門大賞

フランス 「夕方の花」
受賞者:ビエモン・スィルヴァンさん

「夕方の花」8月初め、ミュスカデという白ワインで有名なナントにある友人の別荘を訪れました。夕方、カメラを持ち散歩に出掛けると、すぐそばにもう使われていないぶどう畑があり、野性味溢れる草木が茂り、色とりどりの花々が咲き乱れていました。なかなか撮影したい花が見つからなかったのですが、15分程経ったとき、目の前に夕方の太陽を浴びている一輪のピンクの花を見つけました。ひざまずいてみると、その花の真後ろにぴったり太陽が重なり、とてもキレイだったので撮影しました。

審査員のコメント
色や構図が非常に強いインパクトを持った写真だと思います。今回はほかにも多くの方々が花々の写真を撮っていますが、この作品は構図とライティングの良さが群を抜いていました。逆光になっているので、光に透けた花弁の1枚1枚までがくっきりと際立つ様が素晴らしい。自然光で植物の写真を撮影するのならば、朝早く、または午後遅くがベスト。また、被写体に合わせてできるだけ視点を低くすることも大切です。花に焦点を当てることはもちろん重要ですが、花のどの部分にポイントを置くかも考えてみましょう
by Canon Europe


キッズ部門大賞

英国 「ひまわり」
受賞者:デービス 保奈美さん(6歳)

「ひまわり」いつもマミーのカメラを使って、好きなものの写真を撮っています。おもちゃとか、自分で描いて気に入った絵とか、ダディーとかマミーとか。お家から見える景色も。写真撮影は大好き! だから今回、大賞を取ったと聞いてとても嬉しいです。学校で植えたひまわりが家のベランダできれいに咲いたので撮りました。よく見ると、中心にある小さな豆の集まりが、私のクラスの皆が集まったときみたいで面白いな、と思ってそこを中心にしました。今度はピカチュウを撮りたいな。

審査員のコメント
今回はキッズ部門でもクオリティーの高い作品が数多くみられましたが、この作品は色鮮やかで力強く、何枚もある写真の中からすっと目に飛び込んできました。被写体に思い切り寄って撮影しているため、写真いっぱいに一輪の花が広がっていますが、焦点はピッタリ合っている。写真の大部分を埋め尽くす黄色に、ほんのわずか空の青色がのぞいている色のバランスも素敵ですね。撮影者が6歳というのが信じられない、レベルの高い1枚です。
by Canon Europe


マチュア部門特別賞

英国 「ジャンプ!!」
受賞者:ブレンディス 彩緒子さん

「ジャンプ!!」夏休みにフランスの海でボディボードを楽しむ息子と甥っ子たちを撮影していたときの1枚です。私自身も海に足を浸し、カメラが濡れないように注意しながらの撮影でしたが、子どもたちの特別な一瞬を撮ろうと夢中になってしまい、気が付くと波しぶきがかかっている、というような状況でした。この写真は甥っ子がジャンプした瞬間を撮影したもので、生き生きとした表情、躍動感のあるポーズ、そして波しぶきをはっきりと捉えることのできた大好きな1枚です。


審査員のコメント
休暇の最中に子どもが思い切り楽しんでいる、まさにその喜びの瞬間を切り取った作品。人物写真の撮影では、被写体に焦点が合っていない場合がありますが、絶妙なタイミングで撮影されています。これよりほんの少し前でも、ほんの少し後でも、この1枚は生まれなかったでしょう。そしてもう1点、突出していたのが色調。被写体の表情がとても良く捉えられている一方で、紺碧の空と海の中、ウェットスーツの鮮やかな緑色がくっきりと浮かび上がってきます。 by Canon Europe


マチュア部門入賞

ドイツ「Sie beide(2匹で一緒に)」
受賞者:高野 太輔さん

「Sie beide(2匹で一緒に)」 久々の休みにローテンブルクの城壁を散歩した際、何気なく撮った1枚です。猫の石像の隣で、本物の猫が気持ち良さそうにお昼寝をしている姿に癒され、仕事の疲れが吹き飛びました。普段から外出時にはカメラを携帯し、日常的に見慣れたモノや風景を客観的に捉え、より印象深い形で残せるよう心掛けています。モノの見方(向きや角度、時間)を変えることで、被写体の新鮮さや印象深さはいくらでも増すと思います。これからも日々の生活の中でより良い写真、思い出を残していきたいです。

審査員のコメント
猫好きの人にはたまらなく素敵な1枚ですが、苦手な人でも見ているだけで幸せな気持ちになれるのではないでしょうか。自分が陽だまりの中で気持ち良くお昼寝をする猫になったような気分になります。猫、草花という自然に、猫の石像、植木鉢や庭石という人の手が加わったものが調和していて、角度や構図、色合いが絶妙です。動物の写真を撮ることは、簡単そうで意外に難しいですよね。撮影した方は、生き物の一瞬の表情を捉えることができる、素晴らしいセンスの持ち主だと思います。
by Steigenberger Frankfurter Hof THE SPA


マチュア部門入賞

英国 「Santa Monica Pier」
受賞者:バトラー 絹子 フィオナさん

「Santa Monica Pier」米カリフォルニアのベニス・ビーチからサンタモニカへ帰る途中、曇っていた空が突然割れ、サンタモニカ・ピアの昔ながらの遊園地のシルエットが現れたときに眩しさに目を細めながら撮った1枚です。光が差し込んでいる空が印象的だったので、そこに焦点を当てました。遊園地のシルエット、桟橋の下にチラッと光る海と暗い雲のコントラストが気に入っています。これからは旅行先で見る空だけではなく、天気がすぐに変わり、色々な顔を見せてくれる英国の空も撮りたいですね。

審査員のコメント
楽しかった1日が、あるいはひと夏が終わり、皆が家路に着いた後に、物思いにふける遊園地。また来るからね、と思わず声を掛けたくなるような切なさと、この美しい情景を見つけ出した撮影者の方の優しさが感じられる逸品です。海辺にある遊園地と、雲が大きく広がる空が、湿り気のある、しっとりとした情感を醸し出しています。空と遊園地の構成比率が絶妙であるとともに、写真中央下部の、日光で輝く雲と水面の光が良いアクセントとなっていて、何度も見入ってしまいます。 by 宝酒造株式会社


マチュア部門入賞

フランス 「行き交う人々」
受賞者:長澤 綾乃さん

「行き交う人々」 地面に張った水面が美しい「水の鏡」で有名なボルドーのブルス広場で撮りました。この日は残念ながら曇っていたので水の鏡を見ることはできなかったのですが、下から出てくるミストがなんとも幻想的でした。そこで遊ぶ子どもたちや世間話をするご老人方、そしてただ通り過ぎるだけの人々――それぞれが自分の時間を思い思いに過ごしているのがとても印象的で、思わずシャッターを切ってしまいました。フランスならではの自由な生活感が漂ってくるようで、とても素敵な空間でした。

審査員のコメント
まるで計算された静止画のような写真の中で、息をしている赤い色の登場人物たち。眺めている自分が「不思議の国のアリス」などのおとぎ話の中に誘われているような感覚にとらわれます。多数の優秀な応募作品の中からこの作品を選んだ理由は、「この写真の中に入りたい」と思わせる魅力があったからです。この写真を見ていて、自分も赤いシャツを買いたくなりました。撮影された長澤さんのほかの写真も見てみたいですね。今回は仏マチュア部門の入賞、おめでとうございます。 by GUILOGUILO


キッズ部門入賞

ドイツ 「野花」
受賞者:パウル・ベルケマーくん(10歳)

「野花」この写真は、今年の夏休みにチロル地方を旅行したときに写したものです。ハイキング中に、景色や植物、動物、乗り物、家族など、いいなと思ったものの写真をたくさん撮りました。夢中になり過ぎて、両親が100メートルも先から僕を呼んだこともありました。この写真を撮ったときも、ピントが合わなかったり、ハチが上手く写らなかったりして、何度も試しました。道端に咲いている野花にミツバチが止まり、頑張って蜜を集めている様子を撮ることができて良かったです。

審査員のコメント
思わず目を留めてしまうほど、繊細かつ躍動感溢れる作品ですね。ミツバチが、風に揺れる花の上で懸命に蜜をすすっている様子が収められた見事なワンショット。じっと写真を見続けていると、穏やかな風が吹いているのを肌で感じられるようです。ミツバチの毛の1本1本、羽の模様にまでぴったり焦点が合っていて、ミツバチの存在感を十二分に引き出しています。また、奥行きのある写真なので、ほかの花へ飛び移るミツバチの次の行動をも想像せずにはいられません。 by Purzel-Baum


キッズ部門入賞

英国 「パンを大事に抱えているねこ」
受賞者:山根 萌々子さん(11歳) 

「パンを大事に抱えているねこ」この写真はトルコのエフェソス遺跡で写しました。その日はとても暑く、数匹いた猫たちは遺跡の影に隠れて眠っていました。どの猫も可愛かったのですが、私が一番写真を撮りたいと思ったのがこの「パンを大事に抱えているねこ」でした。この写真で気に入っているところは、観光客にもらったであろうパンを大事そうに抱えながら、「取られることはないから大丈夫」という風に安心して眠っている姿です。風景の写真を撮ることが多いのですが、これからは動物も撮影していきたいです。

審査員のコメント
応募作品の中に動物の写真は多く、ほかにも可愛らしいものはあったのですが、この作品は猫とパンとお昼寝という組み合わせがユニークですね。しっぽの近くには食べ散らかした跡もあるので、きっとまずは食べられるだけ食べてお腹いっぱいになり、でもほかの猫には取られるかとばかりに残りのパンもしっかりと抱え込んで眠りこけてしまったのでしょう。そんな猫の気ままでマイペースな日常の1コマが頭の中で再現できてしまうような、実にチャーミングな1枚だと思います。 by History Studiosr


キッズ部門入賞

フランス 「おさないで。おちないで。」
受賞者:山岡 葵竜(きりゅう)くん(10歳)

「おさないで。おちないで。」影僕は夏休みに船の旅に出るために、大好きなボレロという犬を友達の家に預けた。でも旅行中はいつもボレロのことばかり考えていた。ある日、サントリーニという島に行って、パパたちは景色を見ていたけれど、僕は全然楽しくなかった。「ワンワン!」という犬の声が聞こえて見てみると、2匹の犬が崖っぷちに立っている。僕はカメラを出し、10枚ぐらい写真を撮った。そして船に戻り、その写真ばかり見ていた。「ボレロも来たら良かったのに」。この写真が入賞して「やったー!!」と思った。

審査員のコメント
犬のほのぼのした様子と、後ろの広大な風景とのコントラストが良い雰囲気を醸し出している1枚だと思います。2匹の躍動感が写真から伝わり、私も日本の実家にいる愛犬に会いたくなりました。葵竜さんも実は、ご自身の愛犬に会いたいと思って撮られたのですね。そんな気持ちが、見ている側にも伝わってくる作品に仕上がっていると思います。わずか10歳でこれだけの作品を生み出せるのですから、今後が楽しみです。これからもぜひ、写真を撮り続けてください。 by BOOK OFF


[審査員総評]

例年にも増して非常にレベルの高い作品が集まりましたね。今回は特に風景写真に目を見張るものが多かったという印象を抱きました。人物写真は家族や知人にとってかけがえのない瞬間を捉えた作品もありましたが、被写体に焦点が合っていないケースが多かったのが残念。

また、動物の写真も多かったのですが、実は動物の写真を撮るのは非常に難しい。動物写真イコール忍耐と言っても良いほどなのです。動物は人間の言うことを聞いてくれませんから、とにかく時間をかけてその動きを観察して次の動作を予測し、シャッター・チャンスを逃さないようにすることが必須となります。

風景写真を撮る際のコツは、構図をよく考えること。画面を縦と横それぞれ3分割する線を設定し、その線が交わる点上に被写体を置くという「3分割法」に則って、どこに地平線を持ってくるかを考えてみてください。蛇行する川や曲がりくねった道など、見る人の視線を導く要素を考えることも、美しい風景写真を撮るポイントとなるでしょう。
by Canon Europe

[From Digest]

英・独・仏ニュースダイジェスト主催フォトコンテスト 2013に数多くのご応募をいただきまして、誠にありがとうございました。今回で3回を数える本コンテスト、今年は過去最高となる計335点のご応募をいただき、社員一同、心より感謝申し上げます。

当選までの流れとしましては、これまで同様、まずはニュースダイジェスト社内で一次審査を実施。その後、各国審査員による最終選考が行われ、各国入賞作品、及び大賞作品・審査員特別賞作品が決定しました。

今回は撮影期間が夏ということで、明るい日差しの下、旅行先で撮影された写真など、見ているだけで心弾む作品が多かった印象を受けました。特に風景写真は意外性を突くものよりも、丁寧に時間をかけ、構図を練ったと思われる作品がいくつもみられたように思います。

例年になく多くの作品が集まったキッズ部門では、大人顔負けの構図の写真にうならされたり、日常のささやかな一場面をユニークにかつ愛らしく切り取った写真にほほ笑まずにはいられなかったりと、どの作品を選ぶべきか、うれしい悲鳴を上げながらの審査となりました。

今回はまた、弊社フェイスブック上に第一次審査通過作品をアップし、読者の皆様のお気に入り作品を教えていただくという初の試みを行いました。皆様からのご支持が高かった作品を、本ページ最後に掲載しておりますので、ぜひご覧ください。 

[受賞者と賞品]

マチュア部門
大賞 ビエモン・スィルヴァンさん Canon Europe より
Canon EOS 100D Digital SLR Camera
マチュア部門特別賞 ブレンディス 彩緒子さん Canon Europe より
Canon PIXMA MG6350
ドイツ入賞 高野 太輔さん Steigenberger Frankfurter Hof THE SPA より THE SPA のご利用券
(300ユーロ分)
英国入賞 バトラー 絹子 フィオナさん 宝酒造株式会社より
清酒と焼酎のセット(200ポンド相当)
フランス入賞 長澤 綾乃さん 新割烹のレストラン GUILOGUILO より
お食事券(200ユーロ相当)
キッズ部門
大賞 デービス 保奈美さん Canon Europeより
Canon IXUS 255 HS Digital Camera
ドイツ入賞 パウル・ベルケマーくん Purzel-Baum より
子供服とおもちゃ(各1点)
英国入賞 山根 萌々子さん History Studios より
古の時代へタイムスリップ、コスチュームを着て写真撮影体験
フランス入賞 山岡 葵竜くん BOOK OFF より
バウチャー(60ユーロ相当)

[スポンサー]

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下記では、第一次審査通過作品のうち、弊社フェイス
ブック上で多くの支持を集めた作品をご紹介します。

最終更新 Freitag, 12 Juli 2019 11:19
 

ドイツ街めぐり10 エコ&社会派をキーワードにめぐるハンブルク

ドイツの街めぐり エコ&社会はをキーワードにめぐるハンブルク

自然や環境、健康、持続可能性に対する意識が高いと言われるドイツで、
「エコ」や「社会性」といった概念が、
どのような形で生活に取り入れられているのかを、
主要都市を巡りながら探る都市特集の第5回。
最後となる今回は、ハンブルクを取り上げよう。
ここは世界有数の湾岸都市であるというだけでなく、
国内都市別幸福度指数ランキングで第1位を獲得するほど、
”幸せな”街でもある(ドイチェ・ポスト 2012年調べ)。
日 常に根付くエコや社会性も、
きっとハンブルクの人々の幸せを支えているはず。
(編集部:林 康子)

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食品 Lebensmittel

1.  フェアトレードのアップル&マンゴー・ジュース
Süd-Nord Kontor

Süd-Nord Kontorフェアトレードを広く社会にPRし、教育分野にも取り入 れようと活動するハンブルクの公益団体「hamburg mal fair」。これまでにサッカーボールやコーヒー、チョコレートなど、独自のフェアトレード商品を開発してきた同団体 が、2009年に発売を開始したのが、こちらのアップル &マンゴー・ジュースだ。伝統農法に基づき栽培された フィリピン産の上質なマンゴーとハンブルク近郊ニーンヴォールトのシュミット果樹園(Süßmost Schmidt)で 採れたビオのリンゴを組み合わせた、環境にやさしい“社会派”のジュースは、フェアトレードの卸・小売業を営む 「Süd-Nord Kontor」のほか、ハンブルク市内13カ所のフェアトレード・ショップ(Weltladen)で購入可能。

10:00-19:00  土10:00-14:00 ※日月祝休み Stresemannstr. 374, 22761 Hamburg
最寄駅:S Bahrenfeld
Tel: 040-8906133
www.sued-nord-kontor.de
www.hamburgmalfair.de

Bierland2.  国内外の希少なビールがずらり
Bierland

ビール王国ドイツで飲めるビールの種類は数あれど、このお店ほどイン ターナショナルな品揃えを誇るビール販売店は、ほかに見当たらないだ ろう。ドイツ国内、欧米、アジアなど、世界各地から取り寄せているビー ルは約360種。1日1種類試すとして、ほぼ1年間、毎日異なる味を楽しめる計算だ。南米生まれのオーナー、シュミット=ボーレンダーさんは、通訳業務を経て学生時代にアルバイトをしていた飲料品店を継ぎ、その店を2005年にビール専門店へと改装した。特に小規模醸造所のビールの販売に力を入れているのは、「大手メーカーにはない個性豊かな味を支援したい」から。同店では不定期で、ビールに合う料理、ビールを使った料理の講習会も開いている。

10:00-20:00 土10:00-18:00 ※日月祝休み Seumestr. 10, 22089 Hamburg
最寄駅:S / U1 Wandsbeker Chaussee
Tel: 040-208971
www.bierland-hamburg.de


Waldstück3. ドイツの森からの贈り物
  Waldstück

自然豊かなドイツでは、人々は古くから森と共存してきた。生活の糧を 森からいただく── 林業を営む父親の下、幼い頃から森に親しんできた というビンロートさんは、その原点に立ち返り、現代人のライフスタイルに合った持続可能性を探りたいと考え、森で作られたものを販売するお店を始めたそう。木の香りが安らぎを感じさせる店内には、シュヴァルツヴァルトのほか、欧州各地の森から集められた食品や木製のおもちゃ、インテリア雑貨など、生活に彩りを添えるアイテムがセンス良く置かれている。中でも食品は、北ドイツ産のベリージャムやアカシアの 実のケーパー、セイヨウカリン入りのケチャップなど、珍しいものばかり。同店の商品は、オンラインショップでも手に入る。

10:00-14:00 / 15:00-19:00 / 土10:00-16:00
※日月祝休み
Osterstr. 18, 20259 Hamburg
最寄駅:U2 Osterstraße
Tel: 040-43280140
www.waldstueck.com

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カフェ&レストラン Cafés & Restaurants

WakuWaku4. ビオのファストフード
 WakuWaku

若年層を中心に食に対する意識が高まっている一方で、「ビオはやや高級」という印象が根強いのも確か。同店は、そんなイメージを払拭し、誰もが気軽にビオ食品に親しめる環境を作るべく、今年4月にオープンしたビオ・ファストフード店。カジュアルモダンな内装が、店名の通りワクワクと心弾ませるデリカフェには、インドカレーからサンドイッチ、スナック、サラダまで、その時々の気分や予算に応じて選べる食べ物がいっぱい!持続可能なファストフード店を目指しているというだけあって、テイクアウト用の器やテーブルナプキンまでリサイクル品を使用する徹底ぶりだ。

8:30-22:00 土10:00-21:00 日11:00-19:00
Dammtorstr. 29-33, 20354 Hamburg
最寄駅:U2 Gänsemarkt
Tel: 040-30997499
www.facebook.com/WakuWakuHamburg


FuH – Ein Raum zum Speisen5. 地元の食材を使った創作フレンチ
 FuH – Ein Raum zum Speisen

「ビオ」や「地元産」のものがブームになる前から、それらを積極的に取り入れてきた創作フレンチ・レストラン。星付きレストランでコック の修行を重ねてきたエーリッヒさんが、味は星付きのレベルを保ちながら、リーズナブルな料理を届けたいとの念願叶って8年前に開いたお店だ。地元の農家を支援するシュレスヴィヒ=ホルシュタイン州の食糧プロジェクトに参加し、気の知れた生産者から食材を仕入れることを心掛けているエーリッヒさんは、ここで日々、旬の厳選食材を使った3つのメニューを提供している。どこか農村の食堂を思い起こさせる、温かみ溢れる雰囲気の中、繊細ながらも素材の旨みが活かされた素朴な料理を楽しめるレストランは、まさに都会のオアシス。

17:30-23:00 日17:00-22:00 ※月火休み
Fischers Allee 42, 22763 Hamburg
最寄駅:S Altona
Tel: 040-3900566
www.restaurant-fuh.de

BioKonditorei Eichel6. 昔ながらのシンプルな焼き菓子
 BioKonditorei Eichel

焼き菓子が大きな発展を遂げた中世には、菓子職人が時間を掛け、経験を重ねてレシピを改良していったもの。しかし今や、製造工程の効率化を図り、よりクリアな風味を出すため、食品添加物や香料、既成のケーキのもとを使うことが通例となっている。そこであえて伝統を見つめ直し、ビオの材料のみで昔ながらの焼き菓子を提供しようと思い立ったのが、5つ星ホテルでパティシエ長を経験した 菓子職人アイヒェルさん。2005年に誕生した北ドイツ初のビオの菓子屋でこれまでに生 み出されたケーキの数は、季節の素材を使った定番の味からヴィーガン用、グルテンフリーのものまで、なんと150種類以上。クッキーやチョコレートなども、原料の甘みが凝縮された「元祖スイーツ」と言える味わいだ。

10:00-19:00  ※月曜休み
Osterstr. 15, 20259 Hamburg
最寄駅:U2 Osterstraße
Tel: 040-43193151
www.biokonditorei-eichel.de

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ショップ Shops

7. アーティストたちの交流の場
 kunst kiosk

kunst kiosk

新聞や雑誌、お菓子、飲み物など、日常のちょっとした買い物をしたり、そこで出会った近所の人と立ち話をしたりするキオスク。それをアートの分野に応用させたのが、ここ「kunst kiosk」だ。同店は、ハンブルクとその周辺地域の若きデザイナーにとって、コストが掛かるギャラリーを使わずとも、自分たちの作品を披露し、デザイナー同士が情報交換できる場となっている。壁の棚の1スペースを借り、そこに自分の作品を置いて販売できるという仕組み。さらに、注目のデザイナーの作品展示スペースも設けられている。商品はアクセサリーから文具、衣服まで様々。ザンクト・パウリという、アーティストが多く、若者に人気のエリアという土地柄、小さな流行発信地となっているよう。

11:00-20:00 ※日曜休み
Paul-Roosen-Str. 5, 22767 Hamburg
最寄駅:U3 St. Pauli
Tel: 040-37429522
www.kunstkiosk-hamburg.de

Thomas Becker –Atelier für Schmuck8. 人と地球に優しいジュエリー
Thomas Becker –Atelier für Schmuck

人は、宝石に究極の美を感じる。しかし、その美が環境破壊や労働者搾取の上に成り 立っているとしたら……。金細工師トーマス・ベッカーさんが大切にしているのは、「緑の金」「フェアな金」を使用すること。つまり、デザイン性や品質に加え、宝石が採掘 過程で環境への負荷を最小限に抑えるよう考慮されたものであるか、その労働環境が 公正と認められたものであるかを重視して いるのだ。工房では、古くなったジュエリーや金歯を使ったリサイクルジュエリーも作られている。特に人気が高いのは、鮮やかな色合いのストーンネックレスや、正確さが要求される精細なデザインのリング。ベッカーさんの確かな技術と独創性は、多くの日本人顧客をも惹き付けている。

10:00-19:00 土10:00-16:00
Grindelhof 45, 20146 Hamburg
最寄駅:U1 Hallerstraße
Tel: 040-44809292
www.tbschmuck.de


Life Thek9. 生活用品のレンタルショップ
Life Thek

所有よりも共有、すなわち「協力的消費(Collaborated Consumption)」という米国発の概念は、モノを大切にする国ドイツで今、急速に浸透している。ハンブルク初のレンタル用品店「LifeThek」では、自転車からチャイルドシート、おもちゃ、アウトドア用品、ガーデニング工具まで、オーナーのフェルトマンさん自身が生活の中で「一定期間は必要だけれど、買うと高いし、保管場所も取られるな」と感じたものを中心に、主に若い世代のニーズに応えるアイテムを取り揃えている。レンタル期間は最長で約3カ月。フェルトマンさんいわく、それ以上使う場合は買う価値があるのだそう。

10:00-18:00 土10:00-14:00 ※日曜は返却のみ可
Daimlerstr. 71c, 22761 Hamburg
最寄駅:S Bahrenfeld
Tel: 040-31992209
http://lifethek.de
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最終更新 Freitag, 04 Oktober 2013 12:25
 

リヒャルト・ワーグナー 生誕200周年

19世紀オペラ界の巨匠リヒャルト・ワーグナー生誕200周年

今年、オペラをはじめ数々の名曲を生み出した、
19世紀を代表する音楽家リヒャルト・ワーグナー
(1813年5月22日-1883年2月13日)の
生誕200周年を祝って、故郷ライプツィヒと
彼自身のための祝祭場がある
バイロイトを中心に各地でイベントが行われている。
バイエルン国王ルートヴィヒ2世や
アドルフ・ヒトラーを心酔させた彼の作品は、音楽を超えた思想。
今なお色あせることなく議論の的になるワーグナーの魅力に、
この機会に触れてみよう。

リヒャルト・ワーグナー 生誕200周年

イベント情報

オペラ恋愛禁制、またはパレルモの修道女
Das Liebesverbot oder Die Novize von Palermo

ワーグナーがまだ指揮者としての修業に身を置いていた21歳のときに作曲したオペラは、シェークスピアの戯曲『尺には尺を』を基にした喜劇。演奏は、ゲヴァントハウス。

2013年9月29日(日)~2014年5月28日(水)
Oper Leipzig
Augustusplatz 12, 04109 Leipzig
www.oper-leipzig.de

オペララインの黄金
Das Rheingold

ワーグナーの代表作は舞台祝祭劇『ニー ベルングの指環』。音楽史上最大規模といわれる4部作のうち、初日に公演される「序夜」に当たるのが、この『ラインの黄金』。

2013年11月30日(土)19:30~
Staatstheater Nürnberg - Opernhaus
Richard-Wagner-Platz 2-10, 90443 Nürnberg
www.staatstheater-nuernberg.de

映画+コンサートワーグナーのサイレント映画を生演奏で楽しむ
Live-Musik zu dem Stummfilm Richard Wagner

1913年に、ワーグナーの生誕100周年を記念して作られたワーグナーの作曲家人生を描いたサイレント映画。今年、100年前の記憶を再びよみがえらせる。

2013年10月6日(日)19:30~
Stadthalle Bayreuth, Großes Haus
Ludwigstraße 31, 95444 Bayreuth
www.wagnerstadt.de

展覧会ターンホイザーの歌合戦の由来
Wie der Tannhäuser zum Sängerkrieg kam

オペラ『タンホイザーとヴァルトブルク の歌合戦』の舞台となった、アイゼナハ郊外にあるヴァルトブルク城(世界遺産) で、このオペラ誕生にまつわる特別展を開催中。

2014年3月31日(月)まで
Wartburg-Stiftung Eisenach
Auf der Wartburg 1, 99817 Eisenach
www.wartburg.de

2013年バイロイト音楽祭レポート 中村真人

筆者は2003年からバイロイト音楽祭のチケットを毎年申し込み続けてきた。「外れても、とにかく送り続けることよ。それが大事」と知人のワグネリアンの方に諭され続けて早10年、今年ついに「当選」の通知が届いた。奇しくもワーグナーの生誕200周年というメモリアルイヤー。その中で一番の注目を集めた「ニーベルングの指環」新演出を体験することができた。

Bayreuth
生誕200年で沸いたバイロイト祝祭劇場

「ニーベルングの指環」は4夜に分けて上演される、音楽史上稀に見る大作だ。記念すべき年の新演出を任されたのは、ベルリンのフォルクスビューネで長年芸術監督を務めるフランク・カストルフ。旧東独出身のカストルフは、指環をめぐる物語を米国やロシアといった超大国による「石油」をめぐる争いに置き換えた。「ラインの黄金」は米国の「ルート66」のガソリンスタンドとモーテル、「ワルキューレ」ではアゼルバイジャンの油田が舞台という具合に。「ジークフリート」の後半では、ベルリンのアレクサンダー広場が登場する。殺伐とした情景の中で、ジークフリートがカーニバルのパレードから飛び出したかのような派手な衣装をまとった森の小鳥と出会うシーンは、とても印象的だった。

ところがその後、「事件」が起こる。ようやく出会ったジークフリートとヒロインのブリュンヒルデが愛の歓喜を歌い上げるのだが、どうもお互いにあまり関心を持っていない様子。しかも、そこになぜか2 匹のワニが現れて、森の小鳥を食べてしまう。何時間も堅い椅子に座って聴き続けてきたワグネリアンにとって、普通ならば一番のカタルシスを味わうシーンだけに、最後の音が鳴り止むと、かつて体験したことのないほどのブーイングが劇場内に飛び交った。

オペラの休憩中、ワーグナー研究家の北川千香子さんにお会いした。北川さんは、2005 年から会場係の仕事をしながらこの音楽祭と関わり続けている。お話 の中で印象に残ったのは、バイロイトに来てすぐの頃に出会ったというクリストフ・シュリンゲンジーフ演出の「パルジファル」のこと。「とても『変な』演出の舞台で、評判も悪かったんです。でも、即興性が豊かで、観る度に違うことが起こる。一体、演出家は何を意図して、あの舞台を作ろうとしたのか考えていったんです」。

北川さんはそれを機に「パルジファル」をテーマとする博士論文を書き上げた。「実験工房」の色が濃いバイロイトにおいて、ブーイングが起こるのはさほど珍しいことではないが、彼女の場合、その強烈な印象が立ち止まって考えるきっかけになったのだ。

最終日「神々の黄昏」の最後では、ニューヨークの証券取引所が目の前に現れた。結局、石油との関連性は不明確なままだったが、カストルフが込めようとしたであろう社会主義国家の理想と挫折、忘却。そして大国間の利権争い。それは、冷戦後の今も根本においてそう変わっていないのではないかと思わせる妙 なリアリティーを残し、幕は閉じられた。

ところで今回、知人のワグネリアンのお孫さん、アダム君がバイロイト音楽祭に「デビュー」を果たした。5歳のアダム君は幕間に、好奇心たっぷりに周囲に 質問を投げ掛け、約6時間の「ジークフリート」を最後まで見通した。舞台だけでなく、聴衆側にも新しい風あり。ワグネリアンはこうして次の世代へと受け継がれてゆく。

ワーグナーの生誕250年の頃には、アダム君は55歳。私は果たして生きているのか微妙な年代だ。その頃、世界はどうなっていて、指環は何に置き換えられているだろう。緑豊かなこぢんまりとしたバイロイトの町で、世の行く末に思いを馳せる。世界の生成と崩壊を描いたワーグナーの芸術には、そんな壮大な思いに至らせる何かがある。

最終更新 Freitag, 12 Juli 2019 13:04
 

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