Hanacell

おすすめの本&音楽

この記事にはアフィリエイトリンクが含まれている場合があります。
雑誌『Pen』2011年 1/15号 キリスト教とは何か。II雑誌『Pen』2011年 1/15号
キリスト教とは何か。II
Pen編集部 (著)

出版社: 阪急コミュニケーションズ; 月2回刊版
発売日:2010/12/15

「聖☆おにいさん」というマンガを知っていますか? ここ数年、めきめきと頭角を現している女性マンガ家・中村光が、ブッダとイエスという2人の青年を主人公に描いた作品だが、この2人、もちろんただの「お兄さん」ではない。ご存知のように、世界三大宗教に数えられる仏教とキリスト教の教祖だ。いつもは天界でそれぞれの聖務に勤しんでいる2人が、下界でバカンスを満喫しようと、日本の東京都立川の安アパートに滞在。下界での生活や人々との交流、天界からやってくる弟子たちとの掛け合いの端々に、仏教やキリスト教の教えになぞらえたギャグやジョークが満載されているという内容だが、これがなかなかツボにはまる。

前置きが長くなったが、このマンガを読み、何気ない日常生活の中に、驚くほど自然に宗教的なものが混在していることに改めて気付かされた。ドイツで暮らす今、祝日もお祭りも、キリスト教と関連のないものの方がめずらしい。でも、実はいまいちキリスト教とは何たるかが分かっていない。そこで、手に取ったのが今回ご紹介する雑誌『Pen』の特集「キリスト教とは何か。Ⅱ」。

発行されたのは昨年の冬だが、これは永久保存版に認定したい。これに先立って刊行された、雑誌『Pen』2010年5/15号 別冊「キリスト教とは何か」は、キリスト教とユダヤ教の関係性など、宗教の概略をやさしく解説したもので、こちらも併せて一読の価値あり。本書は続編とあって、少し踏み込んだ内容が並ぶ。イエスがどのようにして布教活動を行っていったのか、その栄光と苦難の道のりから、異端やグノーシス主義、十字軍、聖地といったトピックスまで、傑作と言われる名画とともに、フルカラーの美しい紙面で紹介している。

キリスト教が、今や世界情勢に影響を与えるほどの宗教に拡大した所以と、そこで起きたドラマを知れば、「宗教画」を観る目も変わるはず。そう、本書は優れた西洋美術ガイドという一面も持ち合わせているのだ。そしてもちろん、本書を読破後、前述の「聖☆おにいさん」が数倍面白くなったことは、間違いない。(高)



過去のおすすめリスト

 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加


Nippon Express ドイツ・デュッセルドルフのオートジャパン 車のことなら任せて安心 習い事&スクールガイド バナー

デザイン制作
ウェブ制作